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2012年04月28日
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カテゴリ: きりぎりす
 堀河は獅子王の唇に指先を押しあてて言った。

「それから先は言わなくてもよい。そなたがわたくしとずっと一緒にいたいと言ってくれただけで。わたくしは、その言葉が聞きたかっただけ」

「良いのか? ここにいても」

「わたくしがそなたを守ってやる。ここは待賢門院様の御所だから、みだりに人は近づけぬ。それに、周りは女ばかりだから、武者に襲われることもない。もちろん、ほとぼりが冷めたら、どこかへ移らねばなるまいが、それも伝手(つて)はある。それくらいの力は、わたくしにもあるから」

 堀河は獅子王の側へにじり寄り、その胸に自分の頬を押し当てた。そして、獅子王の顔を見上げ、その目を見つめながら言った。

「ただ、一つだけ、約束しておくれ。決して、わたくしの側から離れないと。ずっと一緒にいると。何も言わず一人で去って行ったりしないと、わたくしに誓っておくれ」

 獅子王はいつもの穏やかな笑顔で、堀河に微笑みかけると言った。

「誓おう。わしはそなたの前から姿を消したりしない。そなたがわしに側にいてもよいと言ってくれる限り、わしはそなたと共にいる。決して、そなたを一人になどしない。そなたもわしを一人にはしないでくれ」


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最終更新日  2012年04月28日 14時03分14秒
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