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2012年08月28日
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カテゴリ: きりぎりす
「ほくろ? どんなほくろだ?」

 正盛が勢い込んで訊ねる。堀河は自分の左のこめかみに指を触れて言った。

「ここに、はっきりと目立つほくろが三つございました。三日月のような形に並んだ……」

 そう言い終わらないうちに、正盛はぐえっと蛙を踏み潰したような声をあげて、床に突っ伏してしまった。驚いて見つめる堀河と実能にも構わず、正盛は急にがたがた震えだし、やがて小さな声でうめくように呟いた。

「そんな馬鹿な。あの男が生きているはずはない。わしが自ら毒を盛った酒を飲ませ、血反吐(ちへど)を吐きながら死んでいくのを、この目で見たのだから。その上、確かに目の前で郎党に首を切り落とさせた」

「なるほど、そういう訳だったのか」

 実能はあきれたように正盛を見下ろして言った。

「騙されて毒を飲まされたのなら、いくらあの勇将義親でもやすやすと殺すことが出来よう。激戦の末討ち果たしたなど、よくも言ったものだ」

 そして、冷たい目で正盛を見つめながら実能は聞いた。



 正盛はなおも震えながら言った。

「はい、確かに。あの男の顔は、今でもよく覚えておりまする。口から血を滴らせながらわしの胸元に掴みかかってきたあの男の顔が、今でもこの目に焼きついて……」

 正盛は両手に顔を伏せて震えていたが、急にがばっと身を起こして叫んだ。

「いや、そんなはずはない。あの男が生きているなんてあり得ぬ。絶対に偽者だ。今度こそ探し出して、討ち果たしてくれる!」

 正盛はそう言うと足を踏み鳴らし、実能が止めるのも聞かずに局を飛び出して行った。


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最終更新日  2012年08月28日 17時05分03秒
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