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2012年12月07日
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カテゴリ: きりぎりす
「わしは、名を藤原資通と申しまする。元々は、若殿の父上である源義家様に仕える郎党でした。わしが大殿の館へ上がったのは、若殿が九州へ去られた後だったので、若殿のお若い頃のことは存じませぬ。確かに、乱暴者の噂があったのは本当です。たいそう武勇に優れ、暴れ馬でも自在に乗りこなし、気性も荒々しいとは聞いておりました。ところが、実際にお会いした若殿は、皆が言うようなお方ではなかったのでございます」

「そなたは九州へ行ったのか」

「はい。わしは大殿に命じられて、若殿を捕縛するために九州へ下ったのでございます。わしはこれでも少しは腕に覚えがあり、東国の所領で起こったいざこざを何度か解決したことがございました。大殿はわしの手腕を見込んで、すみやかに若殿を説得して都へ連れ帰るよう、お命じになったのでございます」

 堀河は正盛の話していた追討使殺害の一件を思い出した。

「もしや、そなたが追討使を……」

 資通は重々しく頷いた。

「そう、若殿へ差し向けられた追討使を討ち取ったのは、このわしでございます。わしは九州へつく前に追討使一行を離れ、一人で若殿の元へ参りました。事前に若殿にお会いし、大人しく京へ戻るよう説得するためでございました。ところが、九州へついてみると、京で言われていたことが、まるで違っていたことがわかったのでございます」

「それはどういうことじゃ?」

「京では、若殿が乱行の限りを尽くしたせいで、田畑は荒れ果て、民人は恐れて逃散し、若殿が通った後には草木一本生えぬと言われておりました。しかし、わしが目にしたのは、豊かに耕された広い大地と陽気に働く人々の群れでございました。そして、それらの全ては、若殿とそれを慕って集まった九州の豪族たちが、共に汗を流して築き上げたものだったのです」



「はい。わしはすぐに若殿のおられる館を訪ねました。若殿はわしを温かく迎え、長旅の労をねぎらってくださいました。そして、わしがこの度の大殿よりのご命令を伝えると、こうおっしゃいました。わしは京へは戻らぬ。わしは父上とは違う道を行くつもりだ。都で貴顕(きけん)に擦り寄って権力を得るのではなく、都を遠く離れた地でささやかでも良いから、武士が武士らしく生きていける国を造りたい、と」



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最終更新日  2012年12月07日 15時17分33秒
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