曹操注解 孫子の兵法

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Oct 22, 2010
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ある地方自治体の首長が言っていたが。

「うちの市議会議員の大半は何も仕事らしい仕事をしていない。」
「条例案を提案する能力もない。勉強もしない」
「市役所の業務内容も不案内なのに、いろいろ横やりを入れる。」
「迷惑なので議会からの陳情窓口を各会派に一本化したら、議員たちはみんな自分の仕事がなくなったと不満を漏らしながら、公費を使って遊びまわっている。」
「この状態なら議員定数を削減するしかない。」

山田宏さんの盟友・河村たかし名古屋市長が市議会議員定数の削減を打ち出したのは、議会政治の原理が変化していることを積極的に先取りしたものだ。

多くの住民は「市議会議員は何も仕事らしい仕事をせず、ただ自己宣伝と余興視察で毎日を暮らしている」と厳しく見方を変えている。



いわゆるマグナ・カルタだ。
古代ローマ共和制も、王権を打倒した大貴族の首長会議がそのまま元老院になった。
イギリスのピューリタン革命はそれに習った。
つまり議会政治は行政権の監視役、権力濫用の制御、放漫財政の監査という役割から出発した。

発足当初の議会政治は、
ローマ共和制がジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)の独裁制に、
ピューリタン議会がオリバー・クロムウェルの独裁制に、
フランス革命がロベスピエールの独裁制に、
ロシア革命がレーニン・スターリンの独裁制に移行したように、
常に多数派(ボリシェビキ)から新たな専制君主を生んできた。
極端な実例がムッソリーニとヒトラー、二人とも政党の党首であり、議会が生み出した独裁者である。


それは議会政治家が職責を放棄したからである。

私の知る限りでは、東条内閣の末期、東京がアメリカ空軍機の空襲圏となるサイパン島の攻防戦が一つの山場となっていた。
東条総理はサイパン決戦の直前、参謀総長の杉山元帥に迫り、総理・陸相・参謀総長の兼任をするために辞職を勧告した。勧告というより、強要である。

それを聞いた衆議院議員の中野正剛は激怒し、公然と東条内閣打倒を画策した。
中野は「日本のヒトラーたらん」と自分にヒゲもチョビ髭に変えたユニークな雄弁政治家だったが、戦時下で唯々諾々と虚偽の戦局報告と軍事予算を承認していた議会の隷属に憤懣を爆発させたのである。


これに対して、検事総長が法務大臣と東条総理に直言した。
「予備拘束は24時間以内。しかし、議員の検束は数日にわたっている。これは憲法違反とならずや。総理は憲法をご存知か」

総理の意向で、特高は中野を釈放し、自宅に移送した。
しかし、その晩、中野は自殺した。

東条内閣が戦時内閣ではなく、テロリズムも使う独裁政権であることに驚愕した議会政治家たちはようやく重い腰を上げ、
皇室筋に周旋し、岸伸介商工大臣に内閣不一致を演出させる一方、
満州事変を仕かけた石原莞爾大将を首謀とし、東条暗殺計画までエスカレートした。

しかし、暗殺実行寸前に東条は予想以上に早かったサイパン玉砕陥落を理由に辞職してしまった。
東条はサイパン陥落後も内閣改造・政権継続に意欲満々だったが、
岸大臣が反発し、辞職に署名を拒んだ。

戦後に満州帝国官僚だった岸伸介、満州事変の石原莞爾がアメリカ軍から戦争犯罪指定されなかったのは、この東条内閣打倒に関わったという一点につきるのだが。
石原はアメリカ軍の将校に「オレが最大の戦争犯罪人だぞ。知らないのか」と言っても、笑って相手にされなかったという。


さて、議会が仕事をやめてしまったら、このように独裁政治の補完機関に隷属してしまうのだが。

市議会にもそれは当てはまることだ。

地方議会はつねに政権交代の可能性がある。
したがって、もっと議会政治が盛んになると、地方自治体が「議会対策」に労力と時間を空費するという馬鹿馬鹿しい光景は断絶しなければならない。

それはこれまでの地方議会政治が、行政機関への不文干渉、
あの新人議員が行使したような「アドバイス」という名目の越権行為が多いからである。

私は聞いてみたい。どこの法律に地方議員の特権として、行政機関に「アドバイス」をする明文が存在するのか?
新人議員がやったことは明らかに越権行為、不法行為に間違いないのである。

それなのに、どうして地方自治体の現場はコストや労力、その効果もはなはだ疑われるような郵送通知をしなければならなかったのか。
それは新人議員が「このトラブルを議員質問にとりあげる」と強迫したからである。

一人の職員のミス、一人の市民、つまり1対1の窓口トラブルを市議会議員が市議会でとりあげるなどという行為はまさしく恐喝行為に等しい。







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Last updated  Oct 22, 2010 06:55:03 AM


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