2022.02.11
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カテゴリ: DIY
螺鈿細工っていいですよね。
 漆を自己流で使い始めて、螺鈿に挑戦しようと考えたことがあります。
 工程としては、ザックリ以下のようになります。

■ 漆での螺鈿の工程
 (1)最初に薄貝を切り出して、張り付ける部品を準備する
 (2)呂瀬漆(黒呂色漆と生漆を混ぜたもの)を塗る
 (3)少し時間をおいて、薄貝を載せる
 (4)呂瀬漆を薄貝の周辺と上に塗る 2日高温多湿に置く
 (5)研ぎだしを行う
    薄貝の上に塗った漆をヤスリではがして、研磨する

 最後の塗りこみと研磨を繰り返し、ピカピカにするという工程です。

 素人の私がやると、薄貝を覆い隠すくらい厚く漆を塗ることになるので、うまく乾かず、漆がしわしわになって諦めるというパターンです。

 そこで、なんちゃって螺鈿をやっていました。



 0.1mmの蝶貝を針で、削りながら図形を作ります。
 針で抜くイメージは、むかし夜店でやった「型抜き菓子」です。蝶貝を針でなぞって、図案の図形を切り出していくのです。それを水性ウレタンニスで塗りこみました。

 工程は次のようになます。

■ なんちゃって螺鈿の工程
 (1)最初に薄貝を切り出して、張り付ける部品を準備する
 (2)水性ウレタンニスを塗る
 (3)薄貝を載せる
 (4)水性ウレタンニスを薄貝の周辺と上に塗る
 (5)乾いたら水性ウレタンニスを薄貝と周辺の段差がなくなるまで根気強く行う

 (7)コンパウンドでバフを掛けて光らす
 これも落とし穴があって、きれいにできたと思っても数日後見たら、ひびのようなしわが走っていたということもあります。
 これは、塗り重ね時の乾燥が十分ではなく、出来上がった後で、徐々に水分が抜けることで起きたものです。何事も急いてはいけませんね。でもこんな時は、ひびの段差がなくなるようまた塗って、削れば修正することができます。

■ 今回紹介する螺鈿風のポイント
 今回紹介する螺鈿風のポイントは2点になります。
 ①針に代わる薄貝の切断




 0.1mmの蝶貝は、インターネットで買えますが結構高価です。なので、イオンのパンドラハウスで貝の破片を買ってきました。見切り品で300円くらいだったと思います。
 貝の厚さは、0.2~0.3mmくらいあるので、針での切り抜きは非常に困難です。

■ 薄貝をカットする方法
 なので、何で切れるかいろいろ試してみました。




 爪切り、エンドニッパー、ニッパーそして、はなげ切りです。
 エンドニッパー、ニッパーは直線切りにてきしています。また円を少しずつ切り出していくのにも使えます。



 はなげ切りは、図形の内側に凹みを付けるのに適しています。他にこういう形状を出せる刃物はあまり見ないので貴重だと思います。




 爪切りでは、刃が鋭いので、きれいなRの形状で切り取れます。円を少しずつ切り出していくのは、ニッパーよりいいと思います。

■ UV樹脂の硬化
 UV樹脂による埋め込みに関しては、セリアのUV樹脂を用いました。
 UVライトもセリアで買ってきました。



 UVランプにUSB延長コードをつなげて、スマートホン・フレキシブル・クリップの棒に取り付けました。電源のところにスマートソケットを取り付けて、照射時間の設定ができるようにしました。


■ 今回紹介する螺鈿風の実践
 ということで、
ピアノの活用
 で紹介したものに装飾してみることにしました。



最初に黒く塗ります。薄貝の色を出すためには下地が黒っぽい必要があります。明るい色では、貝の干渉色が出せません。



 最初に、薄貝をレイアウトして、下にUV樹脂を塗っていきます。薄貝の上にもUV樹脂を塗っていきます。ちょっとわかりにくいと思いますが、テープを樹脂の流れ止めに周りに張り付けています。この状態で薄貝は動かせるので、レイアウト位置は調整可能です。



 気泡が残っている場合は、針でつついて消していきます。
 UVライト10分で固めます。十分固まっていたのですが、ちょうど太陽が出ていたので、昼ご飯の間は、日光に当てておきました。



 硬化後の樹脂は、#120、#320の紙やすりで研磨しました。




 研磨後、ヤスリで剥げて白くなった部分は、マジックで塗りました。その後で、水性ウレタンニスの塗装を行いました。

 急いで作ったので、図案があまりよろしくありませんでした。次は、本気でやろうと思います。
 ちなみに、テーマは、クラゲの宇宙旅行です。



 出来栄えはともかく、工程は以下のようになります。

■ 今回紹介した螺鈿風の工程
 (1)最初に薄貝を切り出して、張り付ける部品を準備する
 (2)薄貝を載せる
 (3)UV樹脂を塗って、薄貝を沈めてレイアウトする
 (4)UV照射 10分程度
 (5)UV樹脂研磨
 (6)ウレタンニス塗布
 (7)必要に応じウレタンニス研磨とバフ掛け

 この方法であれば、一日で完成させることが可能です。私を含め、せっかちな方にはぴったりの方法です。

■ おまけの話
 ちなみに、セリアのUV樹脂は、漆との相性は悪くありません。
 例えば、木で漆塗りの作品を作るとき、一部彫り込んで今回の螺鈿風を埋め込むことも可能と思います。最後に拭き漆(擦り漆)の要領で、全体的に漆を塗れば、それっぽく仕上がると思います。





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最終更新日  2022.02.12 11:03:33
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