ふつうの生活 ふつうのパラダイス

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2008年01月15日
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カテゴリ: 社会系エッセイ


「いいのかこんなことで」、と、思っていたけれど、昨日の読売新聞(1/14)の『反抗にあこがれぬ若者』という記事を読んでいて、ちっょと納得した。いまどきの若者はほとんどみんなこんなタイプらしい。別にうちの子だけじゃなかったのだ。「若者は大人世代に反抗するもの」と思い込んでいたけれど、実は昭和の一時期の『流行』にしか過ぎなかったのかもしれない。

尾崎豊や、学生運動、不良、そんなものは実はあの当時のマスメディアに洗脳されて、自分たちは若者なんだから、大人に反抗しなくちゃいけないと思い込まされていた故の行動だっただけなんじゃないか。私自身もよく母親と衝突したけれど、それは、母親が昔の価値観をやたら私に押し付けてきたこととともに、心のどこかで、親には反抗しなくちゃいけないと思い込んでいたせいだったよう気もしないではない。親の言うこと大人の言うことにあんまり素直に従っちゃいけないんじゃないかと、思い込まされていたからかもしれない。それはまた、よく見るテレビや本や雑誌から、知らないうちに刷り込まされたものだ。

一方、父親は当時の大人の男性としては、めずらしく、話のわかる、そして、自分の価値観を強引に子供に押し付けないような人だった。父にも父なりの価値観はあって、いつもゆっくりとそれを語ってはくれたけれど、それがまさに、軍隊に入っても上官の言うことをきかなかったとか、大人の頭ごなしの物言いに素直に従わないというような、当時のまさに最先端の考え方であり、それは、その少し後に流行した価値観、考え方といえる。

だから、当時の兄は青春期にあっても、父親と対立することも反抗することもなかった。家庭の中で、親子の対立はなく、荒れることなく、静かで楽しく、まさに家族と楽しくすごす父親だったわけで、それはまさに今の世の中の父親とおんなじだ。

今の大人は「若者に自分の価値観をおしつけない」という「いまどきの流行の価値観」にすっかり洗脳されているので、若者に優しい。おかげで今の若者も、大人に反抗することもなく、やんわりとやさしいのだそうだ。

まさに今の時代の価値観であり、それはやっぱり、毎日のテレビや本や雑誌やコマーシャルやインターネットという情報によって無意識に洗脳された考え方そのものだ。なにしろ、男の象徴の「車」のコマーシャルでは、家族で乗る車、家族で楽しく遊ぶための車のコマーシャルがやたらと多い。「家族と遊ぶことが自分の行き方を貫くよりも大事だという考え方」をすっかりすりこまれているのだから、無理もない。

かって、パックツアーがブームになった時には、パックツアーではなく、自分で旅程をくみ、自分で交通機関を手配し、自分で地図をみて、宿を予約するオリジナルな旅行のしかたが、マスメディアによって報道されて、そんな自分の力でいく旅が、自身のオリジナリティを表現し、行動する、オリジナルな旅をすることが流行った。『地球の歩き方』という有名な本によって多くの若者が世界をバックパッカーとなって旅行することが流行した。そう、流行したのだ。「パックツアーではないオリジナルな旅行をするという流行」にみんながはまった。こうなればもう既にそれは、オリジナルでもなんでもない。みんなと同じことをしているに過ぎない。パックツアーとなんらかわらない。

一時期流行った、ど素人までが参入した株もまた、情報産業によってうごかされた流行に過ぎない。

オリジナルな生き方をしているつもりがいつの間にか情報産業からの刷り込みだとしたら。

自分の頭で考え、決定し、行動している。と思い込んでいるいろんな生き方や考え方が、実は情報産業によって、無意識にすりこまれた、考え方や生き方に過ぎないとしたら、わたしたちはいったい、どうやって、それらの情報産業から影響を受けない、真にオリジナリティのある生き方をすることが出来るのだろう。

たとえ、テレビや、本や、ネットをすべて隔絶して、情報産業に触れることをやめたとしても、毎日接触する友人や同僚や家族との接触でも、間接的に情報産業からの影響を受けてしまう。人間が社会的生物であるかぎり、人間と接触することまでは、やめることはできない。

いっそ仙人のように、人間との接触まで断ち切って、山篭りしたとしても、みんなが仙人を目指して山篭りをはじめたら、それもまた、時代の流行であって、オリジナルではなくなってしまうだろう。

親や大人や管理社会に反抗する生き方も、大人に逆らわず仲良く楽しく生きる生き方もどちらも、情報産業により作り出された生き方の流行に過ぎないとしたら、実際のところ、オリジナルな生き方なんて出来ないのかもしれない。



けれど、やさしくて逆らわないうちの息子もその内側には心の強さを持って生きている。やさしいからやわだとは限らない。流行だろうと、オリジナルだろうと、その内側に芯の通った強さがあれば、どんな生き方であろうと、かまわないのかもしれない。











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最終更新日  2008年01月15日 10時23分46秒
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