時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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July 6, 2007
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 このホームズシリーズの熱狂的な愛好者は世界中に散らばっており、シャーロキアンと呼ばれている。彼らは、あたかもホームズを実在の人物のように看做し、上記の60作を正典と読んで、色々な研究をしている。ホームズはもちろんドイルの創作によるものであり、その作品には、数々の疑問や矛盾が含まれているが、それをあたかも実際の出来事のように考えて、その謎を解き明かそうという、非常に知的な趣味である。

 ところで、ホームズの宿敵はモリアーティ教授である。ホームズは、「最後の事件」でそのモリアーティとライヘンバッハの滝に落ちて、一旦は死亡したことにされるが、実は落ちたのはモリアーティ教授だけであり、しばらく身を隠した後「空き家の冒険」で復活している。このライヘンバッハの事件の前後で、ホームズが全く別人のようになってしまったというのが、ホームズにまつわる大きな謎の一つらしい。例えば、得意だったバイオリンを弾けなくなったり、中毒になっていたコカインをきっぱりやめたりしている。

 この謎を見事解き明かしたのが 「QEDベイカー街の問題」 (高田崇史:講談社)である。一応ミステリー仕立てになっている。主人公の桑原崇と棚旗奈々が、シャーロキアンのクラブである「ベイカー・ストリート・スモーカーズ」のパーティで殺人事件に遭遇する。自身がシャーロキアンであった崇は、見事ホームズの謎を解き、ついでに殺人事件も見事解決する。

 ホームズは、架空の人物と分かっていても、この作品で展開される見事な推理には、本当に真実はそうだったのかという錯覚に陥らせてくれる。でも、ホームズがコカイン中毒だったとは知らなかった。子供の頃読んだ本には、さすがにそんなことは書いてなかっただろうな。



「QEDベイカー街の問題」(高田崇史:講談社)



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Last updated  October 1, 2009 06:37:31 PM コメント(4) | コメントを書く
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