時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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February 10, 2009
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「棄霊島」 (内田康夫:祥伝社)である。先般紹介した、上巻に続き、今日は下巻のレビューとなる。

○「棄霊島(下)」(内田康夫:祥伝社 )


 軍艦島では、30年前の端島神社の遷座式の際に、神主が転落死していた。この事件の裏に隠れた、今回の事件につながる手がかりを求めて、光彦は長崎に飛んだり、教育界のボス的存在で、当時軍艦島を訪れていた桧山泰造の事務所に乗り込んだりする。

 今回は、「長崎殺人事件」で父親の無実を晴らしてやったことで、光彦にあこがれている長崎の老舗のカステラ屋の娘・松浪春香と女子高の先生の篠原雅子の二人のヒロインから思いを寄せられているが、相変わらず奥手の光彦は、またまた縁を逃したようである。

 事件の方であるが、最初は戦後の混乱期に起こった労働争議か政治的な利権に絡んだものかと思っていたが、だんだん日朝関係などがからんで、スケールが大きくなってくる。ところで、最初はかなりの悪人かと思わされた桧山泰造は、光彦のことを「武士の情けを知る男」と見抜いたあたり、ひとかどの人物だったようだ。肝心の犯人については、犯行動機は、あまりにも短絡的で、竜頭蛇尾の感がぬぐえない。今回光彦も、胸中にやりきれなさを抱いていたようだが、本来は死ななくても良い人物が、その責任を代わりに背負って死ぬという終わり方は、いかにも後味が悪い。

○「棄霊島(上)」の記事は こちら

○「長崎殺人事件」の記事は こちら

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Last updated  February 18, 2010 11:31:06 PM コメント(8) | コメントを書く
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