時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

PR

×

Profile

風竜胆

風竜胆

Favorite Blog

オーダーイラスト着… New! ブラジョンさん

映画 夜勤事件 /ホ… New! じらーるぺるごーさん

気まぐれんな旅行屋… 富士家のぱこさん
マークス・ストーリー マークス5406さん
パパだって見たいん… 大希・大我のパパさん

Archives

August , 2026
July , 2026
June , 2026
May , 2026

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

December 10, 2009
XML

「花の山 二町のぼれば 大悲閣」 と芭蕉に読まれた、京都嵐山にある名刹大悲閣千光寺。江戸時代初期に、角倉了以が開いた禅宗の寺で、京都市内や東山三十六峰を見渡せ、景色がすばらしいと聞くが、 「二町のぼれば」 というのがネックになり、ひっそりとした佇まいだそうだ。この実在の寺を舞台にした、北森鴻による「裏京都ミステリー」シリーズの第二弾が、 「ぶぶ漬け伝説の謎 ―裏京都ミステリー -」 である。

○「ぶぶ漬け伝説の謎 ―裏京都ミステリー -」(北森鴻:光文社)


 主人公は、千光寺の寺男の有馬次郎。元怪盗だが、千光寺に忍び込んで逃げる際に骨折し、住職に開放してもらったことから、心を入れ替えて、寺男として働いている。この有馬次郎と、彼につがいのおじゃま虫と呼ばれる、バカミス作家で千光寺の居候のムンちゃんこと水森堅、地方新聞の記者で次郎の天敵である折原けいの二人が、裏京都で起こる珍妙な事件に関わっていくというお話である。元怪盗の腕やつてを利用して事件を解決するのはもっぱら次郎で、後の二人は、本当におじゃま虫なのだが。なお、千光寺の住職は、それほど表立っての動きはないのだが、時々次郎に、良い智恵を授けてくれるという役柄だ。

 収録されているのは以下の6編。

・狐狸夢
・ぶぶ漬け伝説の謎(表題作)

・冬の刺客
・興ざめた馬を見よ
・白味噌伝説の謎

 表題となっている「ぶぶ漬け伝説」とは、京都に伝わる余りにも有名な都市伝説だ。京都人の家におじゃました際に、「ぶぶ漬けでもどうどうすか?」なんて聞かれたら、これは「もう帰れ」という合図なので、そそくさと帰らなければいけないというもの。うっかり、ぶぶ漬けを食べた日には、後でどんな悪口を言われるか分からないと言われている。京都人は、この「ぶぶ漬け伝説」を否定するが、それではなぜ、こんな都市伝説が発生したのか。この「ぶぶ漬け伝説」の起源について、表題作では、作中で起こる殺人事件の謎解きに絡めて、一つの解釈を与えている。

 その他の話も、どれも裏京都を舞台にした珍妙な事件についての話だ。お話は、次郎とつがいのおじゃま虫たちとの掛け合い漫才のような感じでユーモラスに進んでいくのだが、殺人事件が発生したりして内容はお笑い一辺倒というわけでもない。

 ところで、作者の北森鴻は山口県出身ということで、作品の中に微妙に山口県のテイストを加えていることが多い。今回は、「ぶぶ漬け伝説」の中で謎折原けいの出身が山口県であることを明らかにしているし、「興ざめた馬を見よ」では雪舟の書いた馬の絵が夜な夜な抜け出しと言う伝説がるいう龍蔵寺のことが紹介されている。こんなところを探すのも北森作品を読む楽しみの一つだろう。

○面白かったらポチっと1票! 人気ブログランキング にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

○関連過去記事
支那そば館の謎 - 裏京都ミステリー -

風と雲の郷 別館「文理両道」は こちら

風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」は こちら
(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 22, 2010 08:15:09 AM コメント(4) | コメントを書く
[日々の読書(ミステリー)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: