GOAL通信

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2006.12.05
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カテゴリ: 生徒たち




 高校入試まであと57日。

 いよいよ志望校の話も、現実味を帯びてくる頃。

 苦しみ抜いた3年間の成績もほぼ出揃った。

 Kさんとは秋口に一度話をしており、今日は併願と第一志望校の確認が中心だった。



 手元のデータを分析し、色々とアドバイスを行う。

 正直、内申がやや不安だ。

 今回の期末はやや伸びたが、評定のアップまでは届きそうにない。



 合否の判定に使われるものは、内申の評定と、特別活動の記録と、人物だけ。


 さあ、どうしたものか。

 本人の意志に変化はないが、お母さんも不安なようだ。

 残りの期間で得点力を上げても、直接入試には反映されない。

 いわゆる内申待ちの状態。

 塾としても対応に悩むケースである。


 こういう状況の生徒は、仮に前期がダメだった時は、後期はランクを落として受験する場合が多い。

 Kさんもそう考えているようだが、意識は完全に第一志望に向いたままだ。

 他の公立や私立は視野にない。




 およそ2年になるだろうか。

 学習姿勢や成績のことを幾度となく語り、叱咤と激励を繰り返してきた。



 授業でふざけては、よく私に叱られた。


 何度も面談したよな。

 でもおまえは素直で純真で、憎めない温かいものを持っている。

 教室に笑顔の花が咲く時、いつもその中心におまえがいた。

 他校の生徒ともすぐ友達になり、人一倍元気に、生き生きと語り合っていた。




 味気ない勉強にも真剣に向き合うべき時期があるのだ。

 いつも一歩のところで結果が出ず、何度も同じことを繰り返す。

 甘さがあることが分かっていても、そこを必死に埋めようとしない。

 そしてまた平気で失敗を繰り返す。


 でもとうとうその経緯が問われる時が来てしまったな。

 過去の記録は替えられない。

 ならば自分を律し、出来ることから実行しよう。



 夜、授業があった。

 私が見ているKさんの授業だが、どうも様子がおかしい。

 表情が硬く、いつものように語ろうとしない。

 「どうした、元気ないな。何かあったか?」

 私が訊くと、夕方の面談時の姿勢を小声で謝ってきた。


 私と向き合いながら、常にそわそわし、落ち着きなく、話を聞く態度も上の空だったという。

 恐らく家に帰って、叱られたのだろう。

 塾長に謝ってきなさいと言われたのだろう。

 成績、進路、今までの姿勢の甘さ、自分のことに対する真剣さなどについて、いつになく指摘されたのだろう。

 志望校も厳しいと言われたのかも知れない。



 Kさんは泣いていた。



 自分に対する悔しさか、うまくいかないもどかしさか。

 それとも、普通にしてるのに言われてしまう辛さだろうか。

 勉強は自分なりに頑張っているのに、形を得られない歯がゆさだろうか。

 何かこみ上げるものがあったのだろう。

 私の前で見せる初めての姿だった。


 相変わらず素直なんだな。

 でもな、泣くのはまだ早いぞ。

 今できることをここで一緒にやっていこう。

 元気を出して、笑顔で。

 その涙は合格の時の感動に取っておこう。

 これからが、おまえの本当の力を見せる時。

 ゴールはすぐそこにある。





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最終更新日  2006.12.06 03:30:16
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