GOAL通信

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2007.01.06
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カテゴリ: 学習方法




 テキストはまず通読し、全体の流れをつかむことから入る。

 そして徐々に細部を掴んでいくという、学びの一方法を紹介したものだった。

 他の先生方に共鳴していただいたこともあり、私なりにもう少し煮詰めたいと思う。



 学びというものは、模倣から入る。


 知らないことを知恵として蓄えるには、まず対象をよく観察しなければならない。

 観察し、分析し、そしてどうすればいいか考える。

 言い換えれば、学びとは技術を得ることであり、そのための模倣から始まる。





 例えばデッサンを学ぶとき、秀逸な作品をよく眺め、構図やら、筆の運び、濃淡、陰影といったものを自分なりによく観察していく。

 そして基礎画法をもとに一から描き始めるとき、まず骨格となる部分を描き、次に周辺や細部を描いていく。


 木を描くときに「枝葉」ではなく「太い幹」から描くように、誰でもまず全体の「かたち」を捉えようとする。

 この「かたち」を捉えるときに、人は完成後の自作品を無意識にイメージしているものだ。

 イメージの元になるものは、手本になる作品の映像であり、自身との比較である。

 そして、より良い「かたち」の模写を取り入れながら、技術を模索していく。



 将棋を学ぶときは、棋譜というものを研究する。

 対局全体の流れを捉え、イメージしていく。

 棋士にとって棋譜はストーリーであり、一手一手には意味がある。

 その一手ごとの積み重ねが対局の展開を決め、全体を作っていく。


 棋譜の研究は、細かい一手にこだわっていては出来ない。



 全体が繋がりながら派生していく、ひとつの作品なのである。



 小説も詩文も、我々は全体をひとつの「まとまり」として頭にイメージしていく。

 学校の校歌も、賢治の詩も、諳んずることが出来るのは、言語としてのそのイメージが定着したからだ。


 全30巻のコミックで、主人公が怪我をしたのは何巻か。

 詳しい者は、それも一発で引き当てる。




 何故そんな芸当が出来るのか。


 理由は明白、何度も繰り返し読んだからだ。

 読みながら流れを捉え、作品全体を詳細にイメージしたのである。




 教科を学ぶとき、これらの概念を意識してみる。


 教科書をひとつの作品として捉えてみよう。


 作品ならば、全体を探り、まず何が述べられているかを知る必要がある。


 絵画の例であげたように、骨格となる部分を描いていく。

 目次から入り、大きな「章」を捉え、少しずつ細部を紐解いていくのだ。

 そして作品としての内容を意識しながら、通読を繰り返していく。

 何度も、何度も。


 しばらくして、頭で描く練習も取り入れる。

 眼を閉じ、頭の中で教科書のページをめくっていくのである。

 コミックのように、次に何が書かれているか、流れを予測するのだ。


 やがて、章の組み立てはもとより、互いの内容の繋がりや、細部の表現までイメージ出来るようになる時が来る。

 同時に、表・図版・コラム・欄外なども、ページとともに頭に映像として残っていくだろう。



 顕微鏡で観察するとき、いきなり400倍を覗き込んでも何だか分からない。

 まず観察するもが何なのかを把握し、全体を捉えなくてはならない。

 そしてターゲットを探りながら、徐々に低倍率から高倍率に変えていくものだ。

 カメラのズームを前後するのも、同じである。

 これが鳥瞰図を描くということだ。



 学びも同じである。


 大から小へ、あるいは小から大へ、視点を縦横に操っていく。

 先取り学習を含め、どんどん流れを探っていくことは、私はとても大切なことだと思っている。


 教科書の学年に、本来区切りなどない。

 学年が終了すると処分してしまう人がいるが、絶対に保存しておくべきだ。

 私なら現学年の2学年前まで、目の前の書棚に並べておくだろう。

 科目単位で、すぐ手に取れるように。


 そして不明な点があるのなら、機を見て、前の学年の教科書を通読してみる。

 索引を使い、細部を探っていく。


 これも立派な「鳥瞰図」であろう。


 模倣し、技術を盗む。

 教科書はある意味、実用書なのである。






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最終更新日  2007.01.07 12:07:13
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