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2020.12.22
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カテゴリ: うるま市



「伊波集落」の中心部にそびえる「伊波城跡」は標高87mの丘陵に位置する山城で、沖縄本島うるま市石川の市街を北東に見渡しています。琉球石灰岩の上に築かれ、城壁は自然の地形を巧妙に利用しながら自然石を殆ど加工せずに積上げていく野面積み技法で作られており、城の北側には石灰岩の断崖を備えています。


(鳥居前の石柱)

1989年の発掘調査では城内の地表下50cmから無数の柱穴跡が発見され、掘立柱建物の存在が確認されています。文化的価値が非常に高い琉球産や外国産の土器、中国産の青磁や白磁、三彩陶器、褐釉陶器、染付、南島産の須恵器なども出土しており、当時の伊波按司の勢力が大きなものであったことを示しているのです。


(中森城之嶽)

鳥居を潜り階段を上がると予想以上に広い空間に足を踏み入れます。ちょうど正面のひときわ目立つガジュマルの木の下に「中森城之嶽」(ナカムイグスクのタキ)があります。「中森城之嶽」は伊波城の神様である火の神(ヒヌカン)の役割があり、ビジュル石とウコール(香炉)が祀られています。城を災難から守り城主と家族の健康を守る非常に重要な御嶽です。


(森城之嶺)

「中森城之嶽」から少し離れた場所には「森城之嶽」(ムイグスクのタキ)があり、この先にはもう一つの伊波城跡入り口があります。「中森城之嶽」が城のお通しの御嶽であるヒヌカン(火の神)の役割を果たしている為、この「森城之嶽」に近い入り口は伊波グスクの裏門に当たると考えられます。こちらの御嶽にもビジュル石とウコールが設置され集落の住民に拝まれています。


(城跡頂上へ向かう道)




(三ツ森城之嶽)

伊波城跡の頂上に辿り着くと「三ツ森城之嶽」(ミーチムイグスクのタキ)が姿を見せました。この御嶽は「ウフアガリヘの遙拝所」と呼ばれており、天地海を祀るビジュルの霊石が設置されています。ウフアガリ(大東)は琉球語で「遥か東」を意味します。つまり、太陽が上がる東の海に理想郷であるニライカナイの神様を崇めて祈りを捧げていたのです。


(城跡頂上からの景色)

伊波城跡の調査では13世紀後半から15世紀に当時の人々が食べ残した貝殻、魚、猪の骨なども出土しています。また、貝塚時代の土器も多数出土しており約2800年前の貝塚が伊波城を含めた丘陵全体にあったことがうかがわれます。そのため、伊波城周辺の地域が伊波按司による築城よりも遥か前の古代から人々の重要な居住地であった歴史とロマンを示しています。


(伊波ヌンドゥンチ/ノロ殿内)

(神アシャギ/神アサギ)

伊波城跡入り口の手前に琉球赤瓦屋根のノロ殿内があり「ヌール屋」と「神アシャギ」が並んで建てられています。「ヌール屋」と呼ばれるヌンドゥンチはヒヌカン(火の神)が祀られており、かつてこの場所でノロ達がノログムイ(共同生活)をしていたと伝わります。向かって左側に隣接する「神アシャギ」では、集落においてノロが神を招き入れて祭祀を行なっていました。


(伊波火ヌ神の敷地)

(伊波火ヌ神)

伊波城跡から南東側に「伊波火ヌ神」があります。伊波の守護神として崇められており「ジーチ火ヌ神」とも呼ばれています。この火ヌ神と伊波メンサー織作業所がある場所との間が伊波集落の入り口と言われていて、旧暦4月15日に火ヌ神と入り口はアブシバレー(農作物の害虫駆除儀式)で拝まれています。また、旧暦7月16日には祭祀行事として旗頭と獅子舞の演舞が奉納されます。


(ビンジリの拝所)



「ビンジリ」は伊波按司の子孫と伝えられる仲門(なかじょう)家の屋敷から東北側に位置する拝所です。石積み造りの祠の中に高さ30センチほどの丸い霊石が祀られています。この祠の前には「山城仁屋から道光23年(1843年)に供えられた」と記されています。伊波集落の旧暦4月15日のアブシバレー、旧暦10月20日の苗種御願(メダニウガン)、旧暦12月24日の解き御願(フトゥチウガン)などの行事で参拝されています。


(伊波仲門)

「伊波仲門」は伊波按司の子孫とされる門中(ムンチュー)です。「南島風土記」には伊波按司が首里に引き上げた後も、この門中が伊波親雲上仲賢の名で伊波集落の地頭職を勤めたとされています。仲門の始祖は伊波城内から居住を城の外に移した5代目伊波按司の子孫であると考えられています。屋敷の仏壇には按司神とウミナイビ(王女)神のウコール(香炉)の他にも、按司時代に稲の穂を運んだという伝説が残る鶴の香炉も祀られています。


(門口ガー)

「伊波門中」の屋敷の東門に井泉が湧いており「門口ガー」と呼ばれています。代々の伊波門中が利用してきた井戸で神水として崇められています。井泉からは樹齢の長い立派なガジュマルが育っており、集落の住民から神が宿る聖地として拝まれています。伊波集落の北部には伊波貝塚があり集落の歴史の長さが伺え、伊波集落発祥を知る手掛かりに繋がります。伊波城にある御嶽に祈りを捧げる信仰心の強い住民により、古の集落文化が現在に大切に継承され続けているのです。






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最終更新日  2023.10.28 12:40:32
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