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2023.03.17
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カテゴリ: 恩納村



沖縄本島北部の「恩納村/おんなそん」に「前兼久/まえがねく」という西海岸沿いの集落があります。沖縄の言葉で「メーガニク」と呼ばれるこの集落は「恩納村」の中で最も漁業が栄えており「前兼久漁港」を中心として多くの海産加工工芸品店が存在しています。この漁港と「前兼久公民館」に隣接する沿岸崖沿いには「イチグスク」の丘陵があり、グスクの北側には沖縄初の本格的なリゾートホテルである「ホテルムーンビーチ」があります。「イチグスク」は琉球石灰岩が隆起した岩塊で形成されており、崖下には現在も古墓が多数残されています。明治時代の後期に「前兼久集落」で「サッパイ」と呼ばれる「神ダーリ/神がかり」が発生し、集落の男女約10名が次々と何かに取り憑かれた様に突然に豹変してしまいました。


(イチグスクの古墓/岩陰墓)

(古墓のウコール)

(イチグスクの風葬墓/岩陰墓)

沖縄の組踊り(能や歌舞伎に近い琉球宮廷芸能)に登場する按司が語る「御殿言葉」を大声で叫び、集落を彷徨い歩いたため集落は大騒ぎになったと伝わっています。この不可解な出来事が起きて以来「前兼久」ではそれまで集落として拝していなかった「イチグスク」を拝む様になったと言われています。「前兼久」は元々「冨着村」に属しており、この村は現うるま市の「石川村」から移り住んだ「冨着親雲上/ペークミー」が脇地頭として村を治めていました。この「冨着親雲上」の長男が「冨着村」から独立した「前兼久」の草分けとして集落を開いたと言われています。そのため「イチグスク」の古墓に葬られている人々のルーツは「石川村」にあり、このグスクは「前兼久」の住民のみならず「石川」の人々からも大切に拝されました。


(崖下の古墓)

(崖下の古墓/岩陰墓)

(仮墓とウコール)



「前兼久」を開拓した先人が葬られた「イチグスク」を村として拝して来なかった事による祟りが「サッパイ」と呼ばれる「巫病/ふびゅう」を引き起こしたと集落の住民は考えたと推測されます。この「巫病」は沖縄におけるユタ、呪術者、巫がシャーマン(宗教的職能者)になる過程において罹患する心身の異常状態を意味し、沖縄では「神ダーリ」という言葉で広く認識されています。またシャーマニズムにおいて「巫病」は成巫過程の重要な試練とされ、一般的に思春期に発症する事が多いと言われています。症状は発熱、幻聴、神様が出てくる夢、重度になると昏睡、失踪、精神異常、異常行動などが現れます。シャーマニズムの信仰では「巫病」は神がシャーマンになる事を要請していると捉えられています。


(イチグスクの岩崖)

(鍾乳洞の風葬墓/岩陰墓)

(イチグスクの古墓/岩陰墓)

(崖下の石厨子)

「巫病」を克服しシャーマンとなった者は神を自分の身に憑依させる事が出来て、神の代弁者になると信じられています。神によりシャーマンになる事を要請されると本人の意思で拒絶する事が困難であり、それを拒むと異常行動を引き起こして死亡する前例も見られます。「巫病」になった者は多くの場合、先達のシャーマンから神の要請に素直に従うよう勧められシャーマンの道へと導かれます。「巫病」は夢で与えられる神からの指示に従う事や、参拝や社会奉仕などを行って行くうちに解消されシャーマンとして完成すると言われています。沖縄の民間社会において「ユタ」と呼ばれるシャーマンは広く知られており、集落の個々の家や家族に関する運勢(ウンチ)、吉凶の判断(ハンジ)、禍厄の除災(ハレー)、の病気の平癒祈願(ウグヮン)など人々の私的な呪術信仰的な領域に関与しています。


(イチグスクの岩崖)

(イチグスクの古墓/岩陰墓)

(イチグスクの古墓/岩陰墓)

(イチグスクの浜)

沖縄には昔から『医者半分、ユタ半分』という言葉があります。病気にかかると医者に診てもらう人と、ユタに相談する人が半々いるという意味します。ユタの能力は超自然的かつ神秘的で、その実体を裏付ける科学的根拠が無いためユタを装って金儲けをする人が現在も多数存在します。また、時の中央集権や近代化を進める権力層から幾度も弾圧や摘発を受けてきた歴史があります。「琉球王国行政官の蔡温によるユタ禁止令」「明治時代の自治体によるユタ禁止令」「大正時代のユタ征伐運動」「第二次世界大戦体制下でのユタ弾圧」など時代を経て、現在も沖縄にはシャーマンであるユタが存在し続けています。それと同時に沖縄には『ユタコーヤーヤ、チュオーラセー (ユタを買う人は、人々を争わせる人)』という言葉もあり、ユタにお金を払う事自体が問題の原因になると言われているのです。






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最終更新日  2023.03.17 16:57:07
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