パワースポット@神の島「Okinawa」

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2023.06.24
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カテゴリ: 本部町



沖縄本島の北部の「本部町/もとぶちょう」に「瀬底島/せそこじま」があります。橋長762メートルの「瀬底大橋」を渡り車や徒歩で行ける「瀬底島」は観光客に人気の美しい離島として知られています。島の中央部に「瀬底集落」があり「瀬底公民館/瀬底区事務所」の東側に「瀬底土帝君」という農神が祀られる祠が残されています。「ティーティンク」や「とていくん」と称される「瀬底土帝君」は1997年(平成9)12月3日に国指定重要文化財に登録され「本殿・拝殿・庭・石段・炉・周辺の石垣」で構成されています。「土帝君」は中国古来の土地関係の神の一種で、一般的に「土地神」と呼ばれています。「瀬底島」における「土帝君」信仰は島の旧家の1つである「上間家」の二世「健堅親雲上/きんきんペーちん(1705〜1779年)」が「尚敬王」の時代に「山内親方/やまうちうぇーかた」に随行して清国に渡った際に農神「土帝君」の木造を請じて祀ったのが始まりであると伝わっています。


(瀬底土帝君の拝殿/アサギ)

(拝殿のウジャイガミ)

(瀬底土帝君の本殿/イビ)

(本殿のウコール)

「瀬底土帝君」は沖縄各地に祀られる「土帝君」のうち最大の規模を保つ礼拝施設で、建築年代は不明ですが本殿及び拝殿の軸部や石組み等の状態から18世紀中頃の造営であると考えられています。この「土帝君」は「本部間切」の「地頭代/ぢとぅでー」を勤めた「シークエーキ」と呼ばれる旧家「上間家」の所有で、毎年旧暦2月2日の「土帝君正月/てぃてぃんくそうぐゎち」の祭礼が行われます。「瀬底土帝君」の祠は集落東側の北西方向に面する傾斜地に位置し、自然林が構成する歴史的風致の中にあります。石垣で整然と区画された一画に珊瑚石の巨石を用いて建設された本殿(イビ)拝殿(アサギ)庭(ミャー)が直線上に並んでおり「土帝君」信仰に関する建造物の形態を良く保つ代表的な遺構として高い文化的価値があります。さらに旧暦5月ち9月の「大御願/ウフウガン」の行事にも拝され「瀬底集落」に於いて「瀬底の七嶽」と呼ばれる拝所の1つに含まれるようになりました。


(ケーガーの拝所)

(拝所の祠)



(南洋サイパン/ロタ同志會の石碑)

「瀬底土帝君」の東側で「瀬底島」で最も標高が高い「ウンバーリ」と呼ばれる丘陵西側の低地に「ケーガー」と称する拝井戸があります。「ケーガー」とは飲料水を貯める池の事で「ウンバーリ」の山に降った雨水を貯めた溜池が4つあります。以前は飲料用水として重宝されていましたが、現在は農業用水として利用されています。「ケーガー」の拝所は1番東側の溜池の脇にあり、祠と破損した鳥居が建立されています。祠の屋根の眉には左右に天皇家の家紋である「菊の御紋/菊花紋章」が刻まれており、中央に造形された5枚の花びらは桜を模ったと考えられます。また、この祠に向かって左側に「月」正面に「星」右側に「太陽」の模様が彫られています。祠内部には3基の石造りウコール(香炉)が祀られており、さらに祠に向かって左側には「奉納 南洋サイパン ロタ 同志會」と刻まれた石碑が建立されています。この石碑は昭和4年に南洋出稼ぎ移民としてサイパン島とロタ島に渡った「瀬底島」出身の移民者により造られたと言われています。


(ケーガーの溜池)

(ケーガーの溜池)

(チンガー)

(チンガーの石柱)

旧暦9月9日の「ハーウグヮン」では「ケーガー」の溜池を拝み水の恩恵に感謝します。午後4時過ぎ頃から門中の神人等が「ケーガー」に集まり「ハーウグヮン」が始まります。まず初めに「瀬底ヌル」をはじめとする村の神人が祠の前に座り酒3合、米9合、ヒジュルウコー(火をつけない線香)を供えて村の祈願を行います。その後、門中ごとに供え物を捧げて各門中の神人達で祈願します。祈願が終わると「ケーガー」の敷地内にある広場に車座になり、夕刻まで供え物の酒と持参した弁当を飲食して楽しみます。「瀬底島」の外に在住する神人も必ず「ハーウグヮン」に参加する決まりとなっており「ケーガー」に集合する前に各自の門中井戸や池を拝む事となっています。「ケーガー」に隣接した場所に「チンガー」と呼ばれる井戸があり、石積みで囲まれ整備された「チンガー」には石造りのウコール(香炉)が設置されています。なお「チンガー」に向かう道には「チンガー 田園空間整備事業」と記された石柱が立っています。


(ウフニヤ)

(ウフニヤの祠)

(ウフニヤの祠内部)

「ケーガー」の東側に「ウフニヤ」と呼ばれる拝所があります。「ウフニヤ」は「ウンバーリ」の山中にあり浄水場の近くにコンクリート製の祠が建立されており、祠内部には三基のウコール(香炉)が祀られています。旧正月の「ウフニヤウグヮン」では旧正月の朝「大底門中」の男神役である「ウフシヌヘー」と区長が「瀬底島」一番の高所である「ウフニヤ」に行き、酒とお供物を捧げて村人の健康と村の繁栄を祈願します。かつて「ウフニヤ」には船の出入りを見張る「トゥーミー/遠見番」と呼ばれる職が置かれており「伊江島」から入船の合図の狼煙が上がると「ウフニヤ」の「トゥーミー」で狼煙を上げて「読谷村」の「座喜味」に伝えたと言われています。これに因んで「瀬底島」では現在も「遠見屋/トゥーミーヤー」の屋号が残っています。さらに「ウフニヤウグヮン」の日には、同時に「ヌルルンチ/ノロ殿内」で神女を中心とした祈願が執り行われます。




(ティランニーの祠)

(ティランニーの祠内部)

(ティランニーの洞穴入り口)

「ウフニヤ」北側に「ティランニー」と呼ばれる拝所があり、この森の中に深さ5〜6メートル程の洞穴があります。以前はこの洞穴の中で儀式が執り行われていましたが、現在は洞穴の前に小さな祠が建立され「お通し」の儀式が行われています。旧暦5月・9月・11月の穀物の豊作祈願である「ティラムヌメー」の行事の際に「ティランニー」が拝されています。伝承によると「ウフシヌヘー」と「瀬底ヌル」は行事の2日前から塩・味噌・油を使った食事を摂らず、当日の朝は「トールマイ」の浜に下りて海水で身体を清めます。その後「ウフシヌヘー」と「瀬底ヌル」は梯子で洞穴に降り下着を脱いでハヤーを43本束ねたサン(魔除け)を供えて祈願しました。「ティラムヌメー」の行事が穀物の豊作祈願である事から、男神役の「ウフシヌヘー」と神女の「瀬底ヌル」による一種の性交模倣儀礼であったと考えられています。







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最終更新日  2023.06.30 16:57:02
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