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後日談です。
獣たちとの戦い
に疲れ果てた僕たちは、お弁当を持って入ることを断念しました。
現場監督に怪我をさせるわけにはいきませんから。
涙をのんで、往復40分のランチロードを選びました。
そしてあの日、ついに事件が起きました。
現場は、新神戸駅の裏手にある布引の滝に向かう遊歩道を進み、途中で山の中へ分け入った所にあります。
現場といってもまだ調査段階ですので、原生林のままで草木が生い茂っています。
また、急傾斜の斜面を登ったり降りたりするので、装備もそれなりの格好にならざる得ません。
まず頭ですが、そこら中に蜘蛛の巣があるのと、夏場ですので汗をかくためにタオルを巻きます。
顔は、少し遠い現場でしたので、朝が早く夜も遅い。特に人目に付く現場ではない。
んなもんで、無精髭が伸び放題。しかも日焼けで真っ黒。
服装は、まぁ普通に作業服。
腰には、枝を払いながら分け入るために、鉈と折りたたみ式の鋸をぶら下げています。
足下は、斜面を登り下りするために地下足袋。しかもスパイク付き。
余談ですが、長野オリンピックの時に外国選手たちが地下足袋を大量に買って帰りました。
その機能性に惚れ込んだそうです。
世界が認めた地下足袋を僕たちも装着しました。地下足袋の機動性の良さは秀逸なんです。
原生林の中で一日仕事をすると、結構、汗と埃まみれになります。
当然、昼食時でもそれなりに汚れています。
その日も、いつものように半日仕事を終え、昼食を摂るために山を下りていました。
そして、山の中から遊歩道へと出た時、数mの距離で外国人のハイカーと鉢合。
異人さんは、お一人で自然を堪能してらっしゃるご様子です。
遊歩道から山の中へ入る場所は、僕たちには道があるように見えますが、一般の方からは分かりづらいです。
普通に木が並んでいるようにしか見えません。
また、遊歩道からは急斜面になっていて、山の中から下りる時は飛び降りるような格好になります。
異人さんから見れば、物騒な風体をした二人組が、いきなり山の中から躍り出たように写ったのでしょう。
しばし僕たちは見つめ合いました。
どれぐらい時間がたったでしょう。数秒か数十秒か。いや、それは一瞬の出来事かもしれません。
異人さんは無言で反転すると、猛ダッシュで駆け去っていきました。
その時の彼なら、オリンピックでも良い成績を残せたでしょう。
異人さんが去ってから、岩崎と二人でお互いを見ました。
そして、同時に言った言葉が
「だろうね」。
そりゃ、誰でも山賊だと思うわな。
山の中に少し分け入ったところに、ホームレスの方のビニールハウスがあります。
そこに住まれている方は、毎朝スーツを着て何処かへ出掛け、夕方僕たちが通る頃には夕餉の支度をされています。
どういう生活をされていらっしゃるのかは分かりませんが、その方から一つ学びました。
オフィシャルな場では、キチンとしなアカン!
因みに、このホームレスの方は現場が本格的に動き出すと、普通にこの現場で仕事をしておりました。
この異人さんが、母国で日本の悪口を吹聴しないことを祈ると共に、この事件で、日本のイメージを著しく損なわせた事を、この場を借りましてお詫び申し上げます。