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2009年09月04日
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カテゴリ:
本日はF1レースに関する話題。しかも、かなり濃い味でいきたい
と思います。

先週末に開催されたベルギー・グランプリで、スクデリーア・フェラー
リのキミ・ライコネン選手が優勝。2位は毎年最下位が定位置フォー
ス・インディアのイタリア人、ジャンカルロ・フィジケラ選手が獲
得して、いよいよ次戦はイタリア・ミラノで開かれるイタリアGP。

ここはイタリア人でなくても、F1ファンの方ならば大いに盛り上が
るシーズン後半最初の天王山というわけです。

今年のスクデリーアの成績は、クルマが大外れしてしまったため、

選手権は3位ですが、すぐ足元に宿敵マクラーレン・チームが虎視
眈々と速さを増してきている、レーシング・カーだけでなく、チー
ムも薄氷のなかでスロットルを床まで踏まなくてはならない状況で
す。

ジャンカルロ・フィジケラ選手は、かれこれ10年以上も参戦して
いるベテランドライバーで、実力はトップクラスなのにも拘らず、
これまでのキャリアでは、より良いクルマを求めて移籍すると移籍
先のチームのクルマが”外して”しまう、といった不運な人でした。

こういうときに、エンタテイメントを求めるファン(とメディア)は、
ミラノのグランプリの伝統とイタリア人が駆るスクデリーアの情熱を
テーマに、埃を払ったようなコンテンツで盛り上がるのが相場になっ

断で運営されていますので、今日はその辺りを覗いてみれば秋の夜
長もより一層楽しめる。そういう趣向です。

「スタートしてゴールする。これはスポーツだ。これ以外のことは
とにかくビジネスということになる。」と言ったのは、宿敵ロン・
デニスでしたが、21世紀のF1チーム運営というのは、宿敵のこ

踏み方もファイナンス理論とゲーム理論を基準に決められるものと
思います。

スクデリーアの現マネジメント・ディレクターである、ステファノ・
ドメニカッリ氏に求められる判断とは、以下のとおりです。

1.残り5戦で1ポイントでも多く獲得し、チーム成績であるコン
ストラクターズ選手権で3位を死守すること。

2.前2戦で最下位だったバドエル選手を交代させ、1の目的に叶
う即戦力となるドライバーを乗せること。

3.ジャンカルロ・フィジケラ選手は、上記1&2をクリアする筆
頭最右翼であり、在籍するフォース・インディアには昨年までのエ
ンジン使用料が未収金になっていること。

もし、イタリア人であり、実力がトップクラスで、前戦で表彰台に
上ったフィジケラ選手がもう一台のマシンを駆ったら、1の目標を
クリアする可能性は、現状を維持して何もしないことに比べてどの
くらい可能性が高まるか。これですね。判断の基準は。


さて、3のエンジン使用料未払いの件というのは、マスコミ報道に
よりますと、400万ユーロ(約5億3,000万円)なのだそうです。

この数字を押えておいて、1の目標をひっくり返すと、どの程度可
能性が高まれば何ポイント獲得できるのか、という話を検討するこ
とになりますね。


さて、現時点でのチーム戦力は以下のとおり。

1位.ブラウンGP 128.0ポイント
2位.レッド・ブル 104.5ポイント
3位.フェラーリ  56.0ポイント
4位.マクラーレン 44.0ポイント

もし、このまま今後の5戦が、上記のチーム戦力のまま推移したと
仮定したら、ブラウンGPが加算するのは90ポイントで218ポ
イント。レッド・ブルは55ポイント加算で159.5ポイント。
フェラーリは35ポイント加算で91ポイント。マクラーレンは1
5ポイント加算で49ポイントになります。

もし、ここでフェラーリの1台が最下位を続けてポイントを獲得で
きなかったとしたら、フェラーリは20ポイントしか加算できず7
6ポイント。一方マクラーレンは25ポイント獲得して69ポイン
トです。

・・・しかし、2位レッド・ブルの1台は使えるエンジンがもうな
い状況のため、最後の4戦は実質1台限りとなって、話が変わりま
す。

すると、

2位レッド・ブルは、次戦のみ11ポイント加算、最終4戦は24
ポイント加算の合計35ポイント加算で139.5ポイント。

3位以降は繰り上がって、フェラーリは次戦で7ポイント、最終4
戦は36ポイント加算の合計43ポイント加算で99ポイント。

マクラーレンは次戦で3ポイント、最終4戦は20ポイント加算の
合計67ポイント。

・・・と仮定できそうなところ、ここでフェラーリの1台が最下位を
続けてポイントを獲得できなかったとしたら、フェラーリは24ポ
イントしか加算できず80ポイント。一方マクラーレンは33ポイ
ント獲得して77ポイント。なんとその差わずか3ポイントとなっ
てしまう。

ステファノには、死守がミッションなのに薄氷がさらに薄くなるよ
うな背筋が凍る時間が流れている訳です。

もっとも、今後のポイントランキングの予想は、実際にはシミュレー
タを使って各サーキット毎に”コンピュータ上で”グランプリを開
催し、上記のファクターを前提にして計算された上での判断になる
のでしょう。

今年のサーカスをご覧になっている方でしたらご承知の通り、今年
の後半戦の情勢は、コンストラクターズ3位のチームより4位のチー
ムの方が有利なことは、容易に察しがつきます。

マラネッロのシミュレータの性能が高ければ高いほど、スクデリー
アの情勢不利の可能性が高まります。これが現段階の状況だったと
いう訳ですね。

さて、ここに立って何を選択するか。

一番良いのは、レギュラードライバーのフェリペ・マッサ選手が復
帰すること。しかし怪我とリハビリの治療中であり可能性は0に等
しい。

次は、一旦は発表された皇帝が復帰すること。ただし怪我が完治し
ていない(らしい)ことに加え、即戦力でないことがデメリット。

その次は、一流のスピードと腕を持つ現役選手をリクルートしてく
ること、ですね。

3番めが一番現実的ですが、はてさて誰にするか。

現役選手のうち、ジャンカルロ・フィジケラ選手以外のドライバーを
起用したいと希望する場合、サッカー選手にみられるように契約を
買うとか、レンタル契約を結ぶなどで、対価が発生します。

また、ジャンカルロ・フィジケラ選手を起用したいと希望する場合、
先のポイント獲得シミュレーションで、仮に43ポイントが加算で
できたとしたら、今後獲得したい43ポイントの価値と、フォース・
インディアの未収金約5億3,000万円を天秤に掛ければ、おの
ずと答えは出そうです。

私は、F1レースの1ポイントがどのくらいの価値があるのか知り
ませんが、仮に先の数字を使って1位の218ポイントに対しチー
ムが500億円の活動資金を使っているのであれば、1ポイントは
約1億3000万円の価値があることになりますから、フィジケラ
選手を起用して43ポイント獲得することができるとすると、98
億6000万円獲得し、先の未収金を差引いても92億9000万
円プラスになる、という皮算用が成立することになります。

同じことは、ゲーム理論を使って他の選手でもシミュレーションを
しているはずで、シミュレーション結果に基づいて該当する選手と
そのチームにオファーをするのがセオリーということになりますね。

こうした考え方に従って、個別の選手の契約の法的な部分に問題が
なくなりさえすれば、フィジケラ選手を起用するのがリーズナブル
な結論だったということになるでしょう。

こんなことが、スタートとゴールの外で行われているのを知ること
も、秋の夜長を味わい深いものにしてくれるのではないかと思いま
す。

21世紀の伝統と情熱に敬意を表して。

tifosi-della-scuderia.jpg

感謝!







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Last updated  2009年09月04日 19時04分25秒
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