悪魔に最も近いものは人間である 怖い話

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2023.07.20
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ごきげんよう。※初見でも今回は楽しめるよ
今回で13話目でございます。

ではヒント12「間近で死人を何人も見てきた」

初見の方の為に説明すると、物語は単発方式なのでここからでもギリギリ楽しめますが、最初から読んでいただければわたくしの持ってるものをなんでも一つ受け取れるギャンブルに参加できます。
話も繋がり出してきてしまったので、1話から見るのをオススメいたします。


第十二話横浜の占い師と愉快な死神達
第十一話金魚の奴隷
第十話知らない人について行ってはいけない理由
第九話怖いシミがあるアパート

第七話ラブホで幽霊と対決したレア話
第六話忘れられない煙
第五話闇世界の悪魔ハンター
第四話あなたの指は本当に正常ですか?
第三話悪魔に最も近い人間との思い出
第二話誰の手?
第一話違和感の正体

それではいってら

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2023年1月1日


元同僚に呼び出されて、1月1日に北海道で会うことになった。
相手は珍しく可憐な美少女でね。
女と相性悪いわたくしにしては本当に珍しい友人さ。



友人の名前はモミジと言ってね。
昔はよく……仕事でタッグを組んでたかな。

空港で会った時なんて、バカみたいにはしゃいでてね。
わたくしも人のこと言えないけど、黙ればすっごい美人だなぁって思う。

彼女↑と2人飲み会だが、飲み会は案外盛り上がった。
途中で飲み過ぎて泣き酒しちゃったけどねw


モミジ「な、泣かんといて?」


わたくし「だって……大好きな学校辞めて…辛くて……どうすれば良いかわからないよぉ…モミジ助けて……」



かなり惨めだったと思う。



モミジ「うちにはどうにもならへんけど、そのうち絶対どうにかなる!おきばりやす!」


まぁ、こんなやつなのよ。
励ましてくれて、ありがとうって言えてないけどさ、ありがとう。


わたくし「んわ…んわ…んわ……怖い話して」


モミジ「なんでやねん!!」


それはもう盛大に店に響き渡ってね。
8人くらい飲んでたタコ飲み席って感じなんだけど、漏れなく全員ビクッとなってたよ。
池に石投げられた小魚みたいに。

わたくしは実はもう割と心的には大丈夫だったけど、少し派手に泣いて見せた。
じゃないと、怖い話を引き出せないじゃないかw


モミジ「わ…わかったわ。そうやね、何かあったやろか…そや!」



いつものように聞いた話をできるだけわかりやすく話をまとめるね。









モミジの話。

モミジ曰く、モミジの知人のそのまた知人の…って感じで色々な人を経由した上で伝わってきた話らしい。
モミジの住んでる場所ではもうすでに都市伝説級に有名で、細かく内容を入れて正しい検索方法を使えばすでに微弱だけどネットにも出回っている話らしい。

1人かくれんぼや合わせ鏡のように、細かい手順がある都市伝説で、おそらくモミジの読みでは呪法だって言ってた。

1人かくれんぼも思いっきりあれは呪法だし、有り得なくはないのかなって思ったよ。
モミジの家は表舞台ではそんなに有名ではないけど、かなり強い陰陽道の家だしきっと本当に呪法なんだと思う。

一応手順を全然違う形で伝えてしまうのもダメらしいから正確に書くよ。
そもそも多分ネットに上げてはいけなそうだけど


①ペットボトルを用意します。
できるだけ透明部分がクリアなモデルがいいでしょう。
サイズは280ml入りの草原美茶のペットボトルボトルくらいが理想。

②まち針と清酒と割り箸も用意します
上のサイズのペットボトルの中で収まるくらいのまち針です。

③ペットボトルのキャップを取り外します。捨てて良いです

④まち針を自分の体に死なない程度に深く刺しましょう

⑤自分の血がついたまち針を5本手に入れたら、ペットボトルの中に清酒を入れます。

⑥割り箸を使ってまち針をペットボトルの中に入れます。

⑦超重要 中の形をできるだけ早く変えてください。
一本ずつまち針を時計回りに螺旋状にします。

⑧それを自分の寝室のクローゼットに入れます。
クローゼットが無ければ針を取り除いてから捨てれば問題ありません。

⑨そのままできるだけ早く寝ます。

⑩おそらく刺した部分がかなりひどく痛んできてると思います。
その感覚を楽しみましょう。
そこに意識を落として終わりです。



って感じ。
その儀式を終えると翌朝には何故だか血だらけで目覚めるんだそう。
そして、とてつもなく長い夢を見ていたと思うけど、全員覚えてないんだって。

でもそれは生きている人の話で……ね

多くの人は死体から血がなくなって干物よりもさらに干物の状態で潰されて発見されるらしい。












モミジはひれ酒ガプガプと飲みながら、話してくれた。
化粧のせいで顔の色の変化はわからなかったけど、中々に酔いが回ってたと思うよ


わたくしの感想的にはやっぱ、天性のホラー好きなんでね。
絶対試したいし、その人達が「なんで死んで」「なんで帰ってこれた」のか…実体験したくなったね。


わたくし「面白かった!!」

モミジ「そうやん!そうやん!」*そうでしょ


わたくしはやたらと元気になって、しばらく遊んだ後に東京へ帰った







早速教えてもらった通りに道具を全て用意したよ。

わたくし「よし!道具は揃えた。あとは色々やって寝るだけ!」

実際に使ったのは三ツ矢サイダーの小さいボトルと、裁縫用の針、かなり高い清酒(ミニボトルで4万円くらいの)、普通の割箸。

どれも簡単に手に入るもので、1番難易度が高いのが清酒だけど、わたくしは安いと効力が落ちるかなーって高いの選んで使ったけど、おそらく安いのでも大丈夫。
未成年なら、親の酒パクろう。


わたくしはまち針を太ももの内側から刺した。
ズキリと痛みが走る。
一本、二本、三本、四本、五本、同じ場所から突き刺す。
深く深く、突き刺す何度も血がつくように。



知ってる?あ、女の子はわかるかな。
意外に血の色って綺麗なんだよね。
時間が経つと固まって茶色いと言うか黒く汚くなるけど

火を通したガーネットみたいに新鮮でおどろおどろしい色をしていて、綺麗なの。



少量だと匂いはほとんどないのよ。
時間が経つと少し臭くなる。


わたくし「イタタ……」

血がべっとりとこびりついたまち針を螺旋状に中で整える。
酒が入ってるせいで整えにくいけど、菜箸があるから、難しいけど集中すれば重みもあるしなんとか形を作れた。

あとはそれをクローゼットに置いて寝るだけってところまで来て、一応今いきなり死んだら少しまずいんで、遺書も書き残したよ。
母親へ
虐待は罪だよ。だけど、産んでくれてありがとう。
父親へ
尊敬してた。生まれ変わったら今度は友人になりたいよ。ダメかなw
親友へ
良い彼女作りなよ。結婚式には行けたら行くわ。
友達へ
いっぱい遊んでくれてありがとう。ゲームのカセット全部あげるしSwitchもあげるわ。
ポケモンのデータだけは本当に大切にしてくれる人に渡してほしい。
好きな人へ(この頃はまだ付き合ってない)
告白するつもりでした。デートってか顔合わせだけど、人生の中でもすげー楽しかった。
献血への興味も湧いたし、君って言う人間に見た目も含めて初めて惚れて……きっと付き合えたら、真剣に人生を賭けて愛し抜いてた気がするよ。本気で好きだった

こうやってみると、案外色々な人に愛されてて、良い人生だと思うw

とにかく、死んでしまった時のことまでも考えて、わたくしはクローゼットに例のビンを入れてベッドに入る。
ヤケに天井が白くて、シャンデリアがキラキラしていて……意識が普段の何倍も早く落ちていって…………暗闇が反転していく独特の感覚の中…眠ってしまった。
















〈夢の中〉

わたくしは明晰夢って言ってね、夢をある程度操作できるんだけど、これは真実。
でも、あの時夢に落ちた感覚はあったんだけど……夢じゃなかったんだと思う。
なんか、明らかに制御できないし…


非常に完璧に現実っぽかったってか、多分現実。



気がついたら、赤と白の壁が妙に目立つ薄暗い部屋に居た。

明らかに一つの部屋なんだけど、完全密室ではなく、正面のドアだけが空いていた。
部屋は6畳一間。

正面のドアをじっとみると服や靴が並んでいる。
ギシギシに男女の服がよくわからない不思議な並びで入れられていた。
多分力を込めないと、あんなにギシギシに入ることはないし、そもそもクローゼットに服を入れるって作業自体人為的。

だが、それよりも気にするべきことがあった。
そのクローゼット側に出るためには当然一歩踏み出さなくてはならないのだが……


そのクローゼットの手前の道は全て匂いで分かるほどの夥しい量の血だった




最初は赤いカーペットだとも思ったの。
でも、香りや目で見た明らかな液体的な質感…完全に血だった。
そして、前職で何度も血を嗅いだからわかる。

これは絶対全部人の血だ。

獣の血とかも嗅いだには嗅いだんだけど、全然違うのね。
人独特の血の匂いってのがあるのよ…

近くによくわからん絵が入った額縁があったから、額縁を使ってわたくしは水位をまず確かめた。
額縁を手で少し沈めると。額縁の10分の9くらい沈んだところで〔コツンッ…〕硬い床にぶち当たった。


わたくし「割と浅いみたい…??」


夢の中のわたくしは裸足で、ミニスカート、トップス、持ち物はない。
寝る前の服とは違うし、やっぱり夢なんだなって思えた。
でも、それだけで…感覚はまったく持って現実そのものだったがね。




それからは血の海を裸足で歩いた。
確か、道を左側に進んだと思う。
どちらも一方通行みたいで、クラピカ理論を知っていたから右には行かなかったな…


血の海はヌルヌルするような、意外にサラサラするような…とても不快な感覚を背負って、歩き続ける…


ある部屋は血が少なくて、赤い濡れてない新品のバスタオルみたいなのが左右にある細長い部屋。

そこから少し歩くとドロドロな血の塊が血の海に浮かんでる部屋

ある部屋は腰のあたりにまで血の海でね。

歩くのがとても大変だった。

血はほとんどないけど、明らかにそこで誰かが潰されたような……そんな部屋もあった。



↑↑↑↑とにかく覚えてる限りの部屋達の写真(他もいっぱいあるけど…)
でも、その時までに通った全ての部屋に共通する点を見つけたのよ。


どことなくクローゼットっぽくて、必ず血があり、中に靴だの服だのが入っている。


服も取れそうなのをいくつか取ってみたんだけど、全部新品なの。
着古した服の感じがしない。

そして、一向に出口が見えない

しばらく歩き続けると……一度通った部屋に出た。

感覚的には何故か無限ループとはなんか少し違う気がしていた。
でも、頭はこれは無限ループではないかと告げている

わたくしは走った〔ジャプッジャプッ!!〕これはまたうるさい音立てて走った。
心臓が早く血を生成しようと、脈打つ。
口が自然と派手に空気を吸う。
蒸気機関車よりも熱を持った体がぬるい血を熱くしていく。



怖かったの
どうしようもなくね


そして、いっぱい走って色々な部屋を抜けてわかったことがある。

わたくし「……!?部屋がランダムで選ばれてる…」

そう、例えばAという部屋がある。
頭の中では最初
A、B、C、D、E……って感じで、一方通行で地続きで部屋に行けてるんだって思ってた。
でも、ここの理屈は違うらしい。

Aに行ったら、Dに行くこともあるし、Cに行くこともある。

A〜Zまで絶対それ以上だが、部屋があると勝手に仮定すると、知らない部屋が突如出る可能性もあるんだ。
同じ部屋に行ったけど、ループしてるんじゃなくて、ランダムで部屋が選ばれてる。




わたくし「なんてこった…あれ?でも、多分だけど、脱出できないと死ぬんだよね…
どうやって死ぬんだろう?タイムリミットでも…あ、起きたらタイムリミットか…」

色々考えて独り言を何時間も血飛沫が酷い部屋で話してたと思う。
そして、その間にも気づきがあった。

血飛沫の部屋にずっと居るのに、何故か血が変色してないんだ。

わたくし「わたくし以外の時間が止まってる…?」

全然生物の気配もしないし、青鬼って有名ゲームみたいに追いかけてくるキャラクターもいない。
他の人も居ないんだけど、なんとなく自分以外の時間が止まっている気がした。
血の水を歩くと、水飛沫は立つし、もちろん動くんだけど、ずっと全部の血がなんだか新鮮なんだよね。死ぬほどに綺麗


わたくしがぶつぶつと考え事をしているとその今居る部屋のドアの奥から今までよりも酷い血の匂いがしてきた。
ついに怪物でも来るんじゃないかと思ったけど、なんとなくそのドアを開けたくなったから開けてみた。

〔ガチャリッ…!〕

少し重い感じで、なんだか開けにくかったけど、開いた。

その部屋の血の海は他の部屋とは絶対的に違っていたよ。

わたくし「…ひ、人…」

今まで人が潰れたような気しかしない跡はあったものの死体が明確にあったわけではない
だからこそ、安心しきっていたんだけど、人の残骸らしきものが落ちていた。

白いTシャツが血の海に浮いていて、その横には少し水を吸って膨らんでいる肌色の塊。

間違いなく人だった。

……何を考えたのか、わたくしの直感が体を動かした…以上の表現は思い浮かばないけど、ホラーゲームみたいに死体を漁ってみた。

わたくし「ごめんなさい」

シャツの中には「細川雅彦」って書いてある免許証と何故かこんぺいとう。
何故か日付が数カ月未来の新聞紙も近くに浮いていた。
見た目からして50代男性…結構白髪混じりだが、まだ黒髪で多分若い頃はモテてそう。

わたくし「あれ?」

これが特に大事なんだが……内ポケットの中に白い紙が入ってあった。
少し血で汚れてるけど、全然中身は読める
内容はこうだ

『何故、家族は俺に冷たいんだろう
辛い。
自由な俺がいけなかったのか??
ただ誰にも縛られたくなかっただけなのに……
そんなことよりも俺はここで死ぬ。
あんな儀式しなければ良かった…本当に後悔している。
部屋は無数にあり、1年も出口を引けていない。
ここに来てから、人と30人近く会ってきた。
あいつらは全員元の世界に帰れたのか??
血の量が一年でとても多くなっている気がする。
案外あいつらの血だったりしてな……だったら良いのにな。
みんな俺と同じ目に遭って…


なんだあれ』





ここで手記は完全に終わっていた。
どうやら、他の人間もここには来れるらしい……


わたくし「わたくしも血になるのかな……」


でも、この人ほど不幸じゃないし、少しだけいつもよりも生きたいって思えた。
好きな人に告白しないと!って気持ちも大きかったしさ。


わたくしはそれからもひたすらに歩いて休みもした。
全然お腹は減らない、喉も渇かない、排泄もしたくない

まだまだ未知の部屋がどんどん出てくるし、一度通った部屋も出てくる。




よくよく置いてあるものや壁をみると…傷つけたような跡がある。

おそらく、人為的だし、同じ境遇の人がここを通ったかどうかを判別するための目印として使ったんだろうね。

わたくしも真似してみた。
部屋にばつ印をつけて歩くことにしたんだ。

その時点で数えれただけでも70個部屋はあった。
全部どこか似ていて……潰されたような跡は8ヶ所。
激レアだけどタンスっぽいものが無い部屋もあったし、血まみれなだけの部屋もあった。



血の匂いも感じないくらい慣れてきて、わたくしは71個目の部屋を開ける。

〔ガチャ……〕


???「うわあ!」

わたくし「え…」


わたくしは驚いた普通の人間が居たんだよ。そこには。
確かにあの手記でも人に遭遇した話は書いてあったけど…にわかには信じられなかった。



???「あの!ここどこなんですか?」

それはわたくしが知りたいくらいだけど………

わたくし「多分夢の中、敵味方?」

???「あ、いや、その…」

みたところ武器は所持してなさそうだった。
男か女かわからん見た目と声で、性別は聞かなかった
明らかに10歳くらいで、可愛い感じの子だったよ。

わたくし「ごめん、わたくしまみんっていうの。
あなたお名前は?」

???「ことです」

わたくし「どうやってここに?」

こと「儀式しちゃって…まさか、それじゃないですよね…!?」

わたくし「それしかないよ…」


しばらく重い沈黙が流れて、わたくしは今知ってる限りの情報を出し惜しみせずに全部伝えて、推測も話した。


こと「えええ……」


わたくし「だから、多分抜ける方法や抜ける部屋があるにしてもランダムなんだよね。
これからことさんはどうしたいの?」

こと「不安なので貴女について行きます。ダメですか?」

わたくし「いいよ」

それからは2人旅だった。
他にも人とすれ違ったけど、何故か凄い勢いで逃げられたw
パニックだったんだと思う。


ウィッグがある部屋もあれば、服しかない部屋、靴も置いてある部屋、バスタオルしか置いてない部屋、何故か赤いスカートだけの部屋





色々な部屋を回ったし、ことさんの話も面白かった。
打ち解けてくると、わたくしが悪いやつじゃないって気がついたのかタメ口になってきた

こと「それで、その運動会で!パン食い競争のパンだけが打ち上げ花火になったの!
パパったら全力で危険だ!!って吠えてたなぁ。嬉しかった!」

わたくし「あははパンティだね」

とりあえずとても楽しく会話していたよ。

その時にはすでに100以上の新しい部屋を見つけていた

変わり映えのしない赤と白の部屋
当然2人とも何時間も経って暇になる

クローゼットの服を一つもらって、中に入っていたベルトで括り付けて2人で遊ぶ事にした




こと「えい!」

わたくし「えい!」


ビーチボールみたいに?落としたら負けってルールで。
わたくし球技だけは苦手でね……頑張って食らいついてたと思うw

こと「私どっちに見える?えい!」

わたくし「え?えい!」

こと「私男の子なんだよ。えい!」

わたくし「そうなんだ。えい!」


少し謎に思っていたことが解決した。


こと「え!?ビックリしないの?」

ことは嬉しそうでね。
確かにあの見た目と声なら、誰だって勘違いすると思うw

わたくし「あ!」

ビーチボールをしていたのが、部屋の中なんだけど、ことが飛ばした服ボールは見事に血の海に落下した

わたくし「とってきてあげr……」

〔パンッ…!!!!!〕

わたくし「え…………」

ことが居なくなっていた。
いや、違う。
地面にはあの跡が……潰されたような跡がある…………




それに、見たんだ。

一瞬天井が開いて、暗い闇から大きな人間の手が出てきて、ことを壁についた虫を殺すようにして潰したのを。

人が死ぬ瞬間を見たのはこれで何回目だろう??

でも、こんな殺され方…知らない。
凄い怖い……


わたくし「あ……あ……あ」

しばらくその場で泣いていたと思う。

でも、血の匂いがショックで、嫌で、できるだけ血の匂いがしない部屋に行った。

そこで数日過ごして、精神が落ち着いた頃にようやく出た。


わたくし「……わたくしだけでも助かろう。んで持って、ことの両親にわたくしがこのことを伝えないと」

運動会の話を語ることが忘れられなかった。
早くパパとママのところに返してあげたいなってあの時実は思ってたの。


何故ことが死んだのかも考えた。
やっぱ、服を血の海に落としたのが原因だと思ったよ。
粗末に扱ったのが原因ならわたくしも死ぬしさ

血でクローゼットの服を汚したら死ぬ

何故か絶対的な確信を感じながらそう思った。
そこで、わたくしは至る部屋の服の糸を解いて、全て長い紐になるように結んだ。

わたくし「………これで脱出できるはず。それに他の人の役に立つかも…!」

まず、絶対解けないように糸を硬いものに高いところで結ぶ。
何故高いところかっていうと、水位が高い場所もあったからだ。

それで腕を上げながら引っ張りながら部屋を進む。
それだけ。

糸が足りなくなったら、また繋げれば良いだけ。
無限に服はあるし、血に触らせなければ良いだけだしね。

だって、すでに解いていて何にも起きてないから











時間にして、20日くらい。
5800部屋進んだ。全部頭の中で数えていたから、正確かは微妙wでも誤差は10とかだと思う。


たまに糸が人為的に揺れたから、誰かが触ったんだと思う。
でも、万が一誰かが解く可能性があったから、クローゼットに入っていたノリで糸を完全固定して進んでいた。

何人か人にも出会えた。
来たばかりの人が10人くらい。
全員糸を辿って来たらしい。

他には何年も出れなくて泣いている人。
自殺寸前の人
イカれてる人

……13人わたくしはドラクエのパーティみたいにして連れ歩いた。

わたくしは知っている限りのここのルール、推理、知ってること…全部一人一人に説明したよ。
また多くの部屋を歩き回った




23日後6665部屋目

書き漏れていたんだが、部屋は基本何故か閉まっている。
だけど、あの部屋だけは部屋が空いていたし、なんだか他の部屋とまるで雰囲気が違っていた

一方通行の先に光の部屋。
眩しい。

なんとなくあそこがゴールだってわかったから、慎重に歩いて目指した

部屋の中に入る……




ああ、確かに、今までのどこよりも「外」だった。
日差しの光が懐かしい
でも、そこは窓がある室内

そして、そこでわたくしは吐いた
他の人達も吐いた


そこは死体袋が山積みになっていたのだ

赤くて、包帯に巻かれていて…今までのどの部屋よりも臭い


一応その奥に出口らしきものがあるが、誰も進まなかった
だって、この死体の一部になる気がしたから。
このルートで抜けるしかもう道はおそらくない。

だけど、あの出口に行く勇気が誰もない

若い男「お、俺が行くよ」

1時間くらい経って、1人の男の人が行くと言い出した
わたくしの代わりにヒモを持って前へ進む。

若い男「どうしても帰りたいんだ!」



どんなバックストーリーがあったかは知らない。
全然話さなかったし…でも、彼は進んだ



彼は光の中へ消えた



とりあえず死体袋は増えていない。
もしかしたら本当に脱出できたのかもしれない。
彼が持っていたひもにとりあえず感触はない。

異空間に飛ばされたのだけは確定した。

泣き喚く人も居たし、平気そうな顔の人…とりあえず全員が見ていた。


わたくし「んじゃ、次はわたくしが行くよ」


悩んだよ?
かなり。
でもね、わたくし好奇心には勝てないの…

わたくしは光の中へ飛び込んだ。











光の中で声がする

『ココデノォキオクゥノコスゥノコサナイィィィ?
ノコスナラァササヤカナダイショウモラウネェェェェ
ノコサナイナラァァァァナニモナィィィィ』

わたくしはこう答えた。

わたくし「残すよ、でもダイショウを知りたい」

『………』

答えられないみたいだった

わたくし「わかったよw答えらんないのねw」



そしてそのまま目を覚ました。

クローゼットの水が真っ赤で、キモいんでそのまま捨てた。
デジタル時計の日数は経ってなかった…寝てから3時間くらいの出来事らしい












それから数日後
ことちゃんの両親は今も探してるが見つからない。



〔プルプルプルプル!〕
電話をカエデにかけてみた


わたくし「儀式やってみたよ」

カエデ「なんでやねん…!?」

わたくし「生きてるから良いじゃん」

カエデ「ど…どうなったんやろか…??」

わたくしは全てを話した

わたくし「ってわけで、どう思う?
わたくし的にはさ、変な光の中の声の正体気になるんだけど
カエデなら分かる気がして」

カエデ「……当人の記憶による術式によって生み出された空間に置いてきた式神やろね」



予想の斜め上すぎる回答。
式神※
式神 / 識神(しきがみ、しきじん)は、陰陽師が使役する鬼神のことで、人心から起こる悪行や善行を見定める役を務めるもののこと。wikiさんより。

実際はどっかの呪術漫画とは違って、あんまり式神同士を戦わせるってことはしない。
見定めたり、戦うとしても家に仕えている式神だね。
命をかけて別の式神や呪いや厄災から守ってくれたりはする。
使役して人に対して呪いをかけることもできる。

例えば藁人形ってのは式神の術とほぼ変わらない。(元々紙人形から派生してるし)
対象者を選んで破壊したい部分に五寸釘をぶっさす。
神社で神っぽいのががそれを見てるんで、願いが届く。
代償を大抵は求めるんで、例えば足を刺せば自分も足を骨折したりもする。



わたくし「その式神がなんであんなことを?」

カエデ「あの呪法の前に…そもそも術式を作った誰かさんがおる
その誰かさんがあの呪法を使うたら力があらへんものでも術中に入れるようにした
式神はその誰かさんが使役していて、呪術を破壊しようとするものに呪いをかけれるやら、そうでなかったら、術中から人を救い出すためだけにおるのかもしれへんね」

わたくし「そっか……なんかそんなに嫌な感じがしなかったのは神様だからなんだね」

あの声の主が質問に答えてくれなかったのも、多分言葉がわからないからで悪意はなかったんだなってその時思った。

カエデ「まさかやるなんて思わへんかったで」

わたくし「えー」

カエデ「次からはやるんやったら混ぜてなーほなまたね。」


わたくし「あ!待って!最後に!!……あの最後の死体袋なんだったんだろう?
それに、服を血で汚したら人が殺されるのってなんで?」


カエデ「あ、それいらえちゃう?(触れちゃう?)
ま、ええけど
あれね、あの術式作るのに使うた人間やで
10部屋につき1人くらいや思う
術師本人の力だけで作れるような規模の術式空間とちがうさかいね。
そらわからへんけど、潰したのは式神やな
記憶式術式内では術師の思いや記憶で中の構造作られるさかい、それに関係がありそう……」

わたくし「え……」

カエデ「ほな、時間あらへんのさいなら」


〔ツー…ツー…〕



…………あぁ、わたくしも術式使ってみたいな…そうしたら、永遠に死なずに済むのかな
わたくしね、夢があるの。
笑わないでね。
どっか生きてる間に機会があれば不老不死になるんだ


そしたらこの世の全てを理解して……本物の廃人になれるかもしれない






記憶の赤い部屋 END 13


嘘と誠の配合率………今回は内緒




その後他の人達がどうなったかは知らない。
この都市伝説を知っている人は知り合いにはカエデしか居なかった。
今呪術がどうなってるかは知らないけど、やるなら服の紐を辿ってくれれば、多分帰れる。




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最終更新日  2023.07.20 12:52:03
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