まもるのフリーエッセイ

まもるのフリーエッセイ

2006.08.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類

まだ寒い初春のいつもの散歩道、梅園に咲く綺麗な梅の花、

僕の頭の中は白い花で一杯になり、梅の香りが鼻から体を包み込む。

いつもの僕は、梅園に張り巡らされた2メートルもの有刺鉄線を飛び越える

勇気を仕舞い込む冷静さを持ち合わせていた。

今朝は、鉄線を飛び越える勇気を持っていた。

厚いトレーナーに隠れた体がズタズタに傷つきひりひりするような痛みも感じず、

無意識に忍者のように!

桃源郷の家にどうして帰ったのか、

オンナが血だらけのトレーナーを脱がし、傷だらけの僕の体を一生懸命拭いている、

大きなクリスタルガラスの花瓶に一輪の白い梅の花、蜃気楼のような薄れた意識の中に!

それっきり、僕の意識は無くなった。

どれぐらいの時間が足っただろうか、

意識が戻ると同時にひりひりする痛みが体全体を襲う、

洗濯したての青いコーデュロイのポロのパジャマを脱いだ裸には、

イソジンで消毒した無数の引っ掻き傷があった。

窓の外は、日もすっかり暮れ夕闇が迫っている、

蛍光灯の明かりをつけ少し

寒いので電気ストーブのスイッチを入れる。

空腹を感じるのと同時にいつものカン高い声 

「おなかすいたね! 今晩の夕食は、もんじゃ焼,

玄関の梅の花綺麗よ!、よく、梅園の有刺鉄線乗り越えたわね!

管理人さんと一緒に見に行ったけれど殆ど超えるの不可能よ!

あなたは、傷だらけのおばかな忍者さんよ!!!」

いくら思い出しても、

どんな方法で鉄線を乗り越え白い梅のついた枝を持ち帰ったのか

記憶が無い、 

家族と仕事を失って半年が経っていた。

その後も、奇妙で不思議な行動が僕を襲っていく__________________

そして、玄関の大きなクリスタルガラスの花瓶には

白い綺麗な梅の花がはっきりと見えた。






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最終更新日  2006.08.18 01:35:24 コメント(1) | コメントを書く


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