歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2018.11.12
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カテゴリ: みそひともじ

♪ 生(あ)れ出でて流転の際に三万余 日に日を継いで流されてゆく





 知多市には668年に創建されたという法海寺という天台宗のお寺があります。今年創建1350年に当たり、祝賀行事が予定されていて、その特別記念展が「 知多市歴史民俗博物館 」で開催中だ。


法海寺仁王門

 そこには両界曼荼羅も展示されている。県指定文化財の寺所有のものはかなり傷んでいるため修復の手が入っている。この機会に新しいものを制作するべく依頼されたのが前住職とゆかりがあり、すぐ近くにお住いの立松脩画伯。
 2年半の歳月をかけて新たな体動界曼荼羅と金剛界曼荼羅を製作され、旧来のものと合わせて展示されている。ご本人から案内を頂いたので見に行って来た。


県指定文化財の両界曼荼羅 室町時代初期 縦190cm


 お寺で安置される場所が横長で本来の縦長の構図を取れず、大日如来を中心とするメインの部分を忠実に再現するものの、外回りの部分では独自性と省略をもって制作したとのこと。

作家からの案内パンフより
写真撮影は許されるもののフラッシュは禁止なので、暗い室内での
コンパクトカメラによる手持ち撮影ではまともに撮れるはずもない。


 とても精緻な筆使いを要求されるものを完璧に描き上げてある。その完成度の高さは今年83歳になるという人の手になるものとはとても信じられない。根気と集中力、そしてその持続力。
 元々、ドローイングの洒落たセンスとテクニックには定評があった。しかし、それにとどまらず表現領域を果敢に広げられ、後年は抽象性が「禅」と「和」の融合した新たな新境地を開拓して驚かされた。

 この両界曼荼羅は、最後の大仕事として精魂込められたのでしょう。
 「一般的にネパールなどの曼荼羅は極彩色で描かれているのを踏まえ、古来から日本に伝わる伝統食をも重んじてあくまでも現代の曼荼羅として制作した」と書いています。
 画材は、日本画の絵具は経年変化で退色するので避け、ガッシュという顔料をアラビアガムの水溶液で練ったものを使ったとのこと。不透明水彩と呼ばれることもあるが厳密には違うもので、古くは中世の装飾本の挿絵の彩色に使われた。





 寺伝によれば、開基は新羅国明信王の太子動行法師といわれ、由緒は「日本書紀」巻二七の天智天皇七年の条につながっているとされる。
 会場には法海寺の1350年の歴史をたどる、創建前の出土品や寺の文化財などが展示されている。


法海寺遺跡出土弥生人骨 出土品




阿弥陀三尊            不動明王


普賢菩薩座像



知多市歴史民俗資料館




拡大します








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最終更新日  2018.11.19 17:23:22
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
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