キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

プロフィール

HUMANO

HUMANO

2010.11.05
XML
カテゴリ: クチコミテーマ
 不燃ごみの日。
 化粧品のビンや油などが入っていたビン、割れた陶器などと一緒に、長くキッチンの隅に眠っていたフライパンを集積場に出した。

 うちは集合住宅で、道路側に住人専用の集積場がある。

 そう。
 そこは、あくまでも「住人」のためだけに「専用」とされている集積場、のはずなのだ。

 いや、それは私の思い込み?
 もしかしたら、すぐ隣りにある戸建ての人や、別のアパートの住人たちも同じ場所に出すことになっているかもしれない。

 でもまあ、そうだとしても。
 私が不燃ごみとして、市のゴミカレンダーの「ゴミの分別」情報をじっくり読んで、間違いのないように分けてから出した「不燃ごみ」の袋を、出した直後のこと・・・。



 それで私はその場を立ち去るのをやめて、ほんの2メートルくらいのところで観察していたのだが・・・。



 目の悪い私でも、はっきりと見ることができた。
 彼は、私が捨てたフライパンを袋から取り出して、持ち去ろうとしているのだ。

 私は、捨てたのだ。

 まだ、使おうと思えば使える状態だった。
 外側はあちこち汚れてはいるけれど、内側は見た目には特に問題はない。
 ただ実際に使うと焦げ付くようになったので、新しいモノに買い替えてしまった。

 それでももったいなくて、捨てる決心をしていてもぐらついて、何ヶ月かキッチンの隅に置きっぱなし。
 そうして、やっと「ゴミ」として出した途端に、拾われたフライパン。

 私はその男性に声をかけた。
 「袋は元通りにして、キレイに結び直しておいてね」


 「そのフライパン、ちょっと外側は汚れちゃったし、内側は焦げ付くようになっちゃって捨てたけど、まだ油をひけば使えるんだ・・・」

 まるで、言い訳してるみたいだな、私。

 捨てたゴミをあさられるのは、いい気分ではないのだ。
 だけど、まだ使えるのに捨てたフライパンを、誰かが拾って使ってくれるのならば悪くない。むしろ、自分の中にある後ろめたさから救われて、嬉しいくらいだ。

 部屋の中には、同じ思いが邪魔をして、捨てられないままにホコリをかぶっているものがたくさんある、私の家。


 使えないわけではないけれど、買い替えたモノたち・・・。

 だって、コードレスじゃないと使いにくいし。
 コピーができるプリンターが必要だったし。
 オーブンレンジが欲しかったんだもん・・・。

 そうやって、まだ使えるモノを捨てるたびに、ものすごく、後ろめたいような気持ちになる。
 でも、そんなことを繰り返しながら日々を送っている自分・・・。

 なんか、ね。
 そういう生き方をしていることが、正しいのか、悪いのか、よくわからなくて。
 辛いような、切ないような、複雑な気持ちになったのだった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.11.05 15:53:24
コメント(2) | コメントを書く
[クチコミテーマ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

サイド自由欄







クリックで救える命がある。




© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: