ヘンリーの国際関係学

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August 19, 2005
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先日の日記 ツッコミ を頂きまして、
これはきちんと向き合ってお答えしたいと思い、
在日外国人シリーズ その2として、「まさやんへの回答~「不法」を考える~」をお送りさせて頂きます。


>ルール違反には必ずペナルティが与えられます。
>それは時には自由という人権を奪うものであったりします。
>懲役しかり罰金しかり。
>したがって法を犯して入国した人間にはそれなりのペナルティが与えられてしかるべきでしょう。


奪われるのが「自由」とは限らない、ってのが問題だと僕は思うのです。

たとえば、「『不法就労者』と呼ばれる外国人労働者は・・・・重傷者に対する医療拒否や病院のたらい回し」に遭い、親が「不法」だということで、「社会福祉や教育を受けることもできずに日本で生育するこども」(鬼束、25p.)が居ます。

ですが、1990年に国連で採択された「すべての外国人労働者とその家族の権利の保護に関する条約(移住労働者条約)」は、
「合法、不正規を問わず、『すべての移住労働者とその家族』に対して、詳細な人権保障を規定している」ことに特徴があります。

28条で、緊急医療について、


子どもの教育については、
「その両親や子どもが不正規であったとしても、公立幼稚園、小・中学校で教育を受ける権利があることを明記している」(近藤、249p.)のです。


ただし、この条約に日本は未批准で、法的拘束力はありません。
後述する内容の中で、日本が批准している条約からも見ていきます。



>ここには
>「被害者が特定される種のものではなく、いわば“形式犯”に過ぎないものである」
>と反論されるかもしれませんが、あえて言うなら被害者は日本人全体でしょう。
>それによる失業者、払われない税金などが被害でしょう。


ここはどうでしょうか。日本人が被害者というのは違うだろうと、私は考えます。

まず、「失業」ですが、ここで問題にしている「不法」労働外国人の職業は、日本人が拒む3K労働であり、労働市場としての“棲み分け”が出来ています。
しかも、それを低賃金で勤めている彼らは、「日本経済を支えている」といっても良い存在です。

「低廉で調整可能な労働力を要請する産業界を前に、『外国人労働者』は受け入れないという建前を堅持しながらも、何とか制度に意図的な穴をあけていこうとする入管行政がある。・・・・
建前の乖離からの結果として存在している『外国人労働者』の(単純)労働で下支えされて、日本の経済と社会が成立している構造があるのだ。」(五十嵐、62p.)


というわけで、彼らが「不法」でいてくれると、日本のためになると言う事も言えましょう。
外国人への優遇こそが、日本にとってマイナスであり、


「福祉国家は、ほぼ例外なく、移民を制限する差別社会となる」(橘玲、18p.)とのこと。

とはいえ、ドイツの例ですが、移民(外国人労働者+家族)のために費やす社会保障などの歳出よりも、税収の方による歳入の方が多いらしいですけどね(近藤潤三『統一ドイツの外国人問題』木鐸社、2002年)。

っちゅう訳で、「税収」ってのが「日本人の被害」になるとは思えません。
合法・不法を問わずに消費税を払っているし、
不法滞在ならば満足な(曖昧な表現ですが)社会保障を受けられない状態にありますし。




その2-2「家族と居住と」 に続く

※参考文献は その2-3 の末尾にまとめて載せました。


<2-1のまとめ>
・「不法」就労者とその家族は、医療と教育を満足に受けることができていない
・在日外国人は、合法・「不法」を問わず、日本経済に寄与している






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Last updated  August 22, 2005 01:58:25 AM
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