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シュタイナーの思想を信奉する人が、もしもこの基本的な自由の感覚を放棄して、酒を飲んではいけない、テレビを見てはいけない、化繊の着物を着てはいけない、自然食以外のものを食べてはいけない、スピーカーを通した音楽はよくない、というような、要するに「いけない」だらけの否定的な発想の中で、多くのタブーにがんじがらめになって、上昇志向だけを頼りに生きていくとすれば、何のためにシュタイナーの思想を学ぼうとするのかわからなくなってしまいます。
はっきり言ってしまえば、人間はどんな環境に生き、どんな食べ物や飲み物をとろうと、本質的には一向かまわないわけです。
その結果生じてくるものを自分で背負うつもりさえあれば、何をやってもかまわないという前提の下に、内的により真実の生き方を求めて生きたいと願うのがシュタイナーの生き方です。
ですからこの生き方からは、決して他人に対する強制や批判は生じえません。
シュタイナーはこのような「自由」の衝動を大切にする生き方を「意識魂の時代」である現代にふさわしい生き方であると考え、そのような生き方をする「意識魂」の持ち主のために生涯語りかけてきました。
意識魂というのはシュタイナーの思想の基礎概念のひとつです。
決して外的社会的な環境に自分を適応させることに生きがいを感じるのではなく、自分の中から必然的に生まれてくるものに従って生きようと願う魂を、シュタイナーは「意識魂」と呼びました。
意識魂、つまり「自分自身を意識する自我」の内的要求に応えうる思想を追求する中で、シュタイナーはオカルティズムと出合ったのです。
彼は現代という大きな転換期の中で既成の宗教的、社会的諸体制の中には安住できず、苦悩し、求め、絶えずよりよいものへ眼を向けて生きようとする「意識魂」のためにこそ、その魂に応えうる認識の道の先達になろうとしました。
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