コーリー・テン・ブームさんとその家族は、第二次世界大戦中、オランダでたくさんのユダヤ人をナチスの手からかくまっていました。しかし、やがてナチスはブーム一家は逮捕され、強制収容所に送られることになります。そこで、ひどい虐待を受けました。結局、親も姉も、収容所の中で亡くなります。
ある時は、服を全部はぎ取られ、裸で外に立たせられました。女性にとって、それは惨めで耐え難い屈辱です。それを7度も経験したのです。あまりの惨めさと寒さで、コーリーさんは、そばにいたお姉さんに「もうこんなこと、耐えられない」とつぶやきました。
するとそのとき、突然、十字架にかかったイエスさまのイメージが脳裏に浮かびました。イエスさまは、ローマ兵に着物をはぎ取られ、裸で十字架につけられていました。イエスさまが、自分と同じ苦しみを味わってくださったということを知ったとき、コーリーさんの心に、言いようもない喜びがわき上がってきたのです。
その後も、イエスさまはコーリーさんやお姉さんと、いつも一緒にいてくださり、彼らがイエスさまに語りかけると、不思議な声が答えるのを確かに聴くことができました。地獄のような苦しみの中で、まるで天国にいるかのような喜びを味わわせてくださったのです。
子どもの頃、コーリーさんはお父さんにこう言いました。「お父さん。私、イエスさまのために死ねるかどうか、心配なの。そんなに強くなれないんじゃないかしら」。すると、お父さんはこう答えました。「コーリー。お前が汽車で旅行することになったとしよう。お父さんはお前にいつ旅費を渡せばいいかな。3週間前かい?」「ううん。出発する時」「神さまも同じだよ。今日、イエスさまのために、試練に耐える力がなくてもいいんだ。実際に試練にあって、その力が必要になったら、ちゃんと神さまはお前にその力をくれるから、心配しなくていいんだよ」。
そして、イエスさまは、お父さんの言ったとおり、収容所の地獄のような苦しみの中で、その苦しみに耐える力を与えてくださいました。それどころか、天国の喜びまでも体験させてくださいました。まさに、「義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人のもの だからです」(マタイ5:10)と書かれているとおりです。
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