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2006/08/11
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カテゴリ: mixi
前から日記を見てくれてる人は知ってると思いますが、俺は絵を描くという素敵な趣味を持っています。いくつか絵を公開してきましたが俺の絵に感動し、美大に進学した人もいるほどです。

先日、絵の先生と短い時間だけど絵について話をしました。絵の先生と言っても使っているソフトを教えてくれただけかもしれない。でも俺にとって先生は先生です。同じソフトを使って描いたという絵をいくつか見せてもらいましたが、やはり俺の絵と先生の絵にはかなりの差がありました。同じソフトを使って描いたとは思えないほど上手い。ほんとは自分だけもっといいやつ使って描いてんじゃねえの?って思いたくなるくらい上手かった。

「先生、なんで俺の絵とこんなにも差があるんでしょうか・・・」

「もう少し時間かけて描けばいい絵になると思うよ」

くっ、さすが先生。俺の絵に全然時間がかかっていない事を見抜いている。今まで描いた絵は一つ描くのに1分もかかっていないものばかり。手を抜いていたわけではなく、あれ以上何をしていいのかわからなかったのだ。

「実は俺の絵は1枚描くのに1分もかかってないんです。」

「な、なんだと?貴様は絵を馬鹿にしとるのか!死ねぇえええ!!」

「ひぃーーー!すいません!どうか命だけは・・・」

なんとか機嫌を直してもらうと



こう教えてくれた。絵というのはそれほど怖ろしいものだったのだ。俺は絵の事なんて何もわかっていなかった。きっと絵に詳しい人間は今まで描いた絵から俺の感情を見抜いているだろう。

「絵って・・・、深いですね。。」

「うむ」

「俺の絵にはどんな感情が表れてますか?」

「知らん」

こうして先生との会話は終わり、俺はまた少し成長した気がした。とても貴重な時間だった。とにかく何か描きたくなった。
何を描こうか考えているとちょうど暇そうにしていた犬が部屋にやってきた。俺は犬と一緒に暮らしている。「そうだ、犬を描こう」犬は飼い主に似るというが彼は俺に似て賢い犬だ。

「あのさ、キミの絵を描きたいんだ。モデルになってくれないか?」

「OK。男前に描いてくれよブラザー」

彼は快く引き受けてくれた。いつもは頭の中にイメージしたものを描いていたが今回は違う。見ながら描けるんだ、きっといい絵になるにちがいない。俺は一生懸命描いた。描いては消し描いては消し、納得いくものができるように必死で描いた。モデルを引き受けてくれた彼も長時間同じ体勢というのは辛かったと思う。それでも俺のために動かず頑張って同じポーズをとり続けてくれた。彼の美しい毛並みを表現するために色にもこだわった。今まで描いてきた絵とは全然違う仕上がりになっただろう。
絵に夢中になっていると電話がかかってきた。Sという友人だった。残念ながら男である。たまには女性からの電話も欲しいものだ。



「鎌ヶ谷市 キャバクラ で検索してくれ」

・・・。俺が絵の世界に浸っているというのにキャバクラだと?雰囲気ぶち壊しだ。それでも優しい俺はS君のために検索した。きっとこの日記を読んで俺の優しさに惹かれた人も多いだろう。彼が言うには行く店は決まってるんだが料金がわからないから調べて欲しい。店の名前はわからない。という事だった。必死で検索したが彼のお目当てのお店の情報は全然でてこない。出てくるのはなぜかヘルスとか風俗ばかりだった。

「調べたんだけどね、ヘルスとかしか出てこないよ」

「そっかー。んじゃいいや、バイバイ」

そう言ってS君は電話を切った。電話をしている間もモデルの彼は体勢を崩すことなく俺を待っていてくれた。なんて賢い犬なんだ。描いてる途中で電話なんかして申し訳ない気持ちになった。



「あ、ああ。もうすぐ完成だよ。まだ途中だけど見るかい?」

そう言って彼にパソコンの画面を見せた。彼は絵を見るとすごく悲しそうな目で俺を見た。そしてゆっくりと俺から離れ、何も言わずに部屋を移動して眠った。部屋から出て行くときの彼の後姿はとても淋しげで俺はひどく胸を痛めた。
俺は絵を削除し、パソコンの電源を落とし携帯の電源を切って眠りについた。

絵は「深い」などと語っていた俺だが、絵で「不快」にさせてしまったのかもしれない。個展を開く日はまだまだ遠い。

絵よりもこの日記を削除しろというツッコミは全て却下させてください。





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Last updated  2006/08/22 09:52:52 PM
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