風の吹くまま 気の向くまま

風の吹くまま 気の向くまま

高田崇史

『毒草師 QED AnotherStory』

『QED 諏訪の神霊』

『QED~flumen~九段坂の春』

『QED 河童伝説』

『QED~ventus~御霊将門』

『QED~神器封殺』

『QED~ventus~熊野の残照』


『QED 龍馬暗殺』

 幕末フリークの方にはうれしい作品かも。私は幕末はどちらかというと好きじゃないのですが、ついシリーズなので読んでしまいました。(最近ミステリはシリーズものばかりだ)
 坂本龍馬暗殺事件の真犯人を論証していく部分と、現在進行している事件とが複雑に絡みあわ・・・ずに話が進む。動機の部分で少しリンクする程度。
 まあこれは作者の高田さんの歴史解釈本と理解しているので、あまりとやかく言わない。シリーズ通して読むと、高田さんの歴史論がわかってきます。
 それにしても、事件の起きる村の設定に無理がないか。今時あんな村は存在しない。・・・とは思うけれど、お話なのでまあいいとしましょう。(なんか妥協しているな)

 因習にとらわれてばかりいると、人としての存在がどうでもよくなってしまう。そのことは、守ろうとしているものを結果的に滅ぼしてしまうことになるのだとちょっと考えた。人間を大切にしないところに明日はない。
 まあそんなに深く考えずに読むのがいいでしょう。なんだこれは、と怒らないでね。(2004.1.27)


『QED~ventus~鎌倉の闇』

 わああ~また買ってしまった・・・(苦笑)。
 この薄さで760円ですか?ムムム・・・。
 ところでventusって何?

 作者も開き直っているのか、殺人事件とタタルさんの歴史蘊蓄との関係が全然ないぞ・・・(強引にむりやり解釈すればあるかもだけど)というわけで、今回は、鎌倉幕府にまつわる歴史講釈を楽しませてもらいました。

 鎌倉幕府が、裏では(でもないか)暗殺に次ぐ暗殺の世界だったというのはよく知っていましたが、なぜ、頼朝は鎌倉だったのかということに関しての解釈はなかなかおもしろかったです。
 そしてここにも出てきた「タタラ」。虐げられていた人々の存在。
 ちょっと「正史」というものをはずれてみると、歴史がグンと楽しくなりますね。(陰謀説大好き)
 こういう解釈が事実かどうかは別に気にしていない私でした。

 鎌倉といえば、萩尾望都さんの漫画『あぶない丘の家』で、主人公が頼朝と義経の時代へタイムスリップする話がありましたが、そこでの頼朝の心象風景がとても印象に残っています。すごく寂しい・・・。萩尾さんの解釈もおもしろいです。(2004.9.11)


『QED~鬼の城伝説』

 「桃太郎伝説」ではなく、「鬼の城伝説」ということで、「鬼」の立場に寄り添ったお話になっています。(岡山行きたくなりますな~)

 QEDのシリーズを読んできた方は、「桃太郎」がどういう立場の人で、「鬼」がどういう立場の人たちだったかは、だいたい想像がつきますね。
 やはり出てきた「タタラ」、大和朝廷の騙り、虐げられた存在・・・。

 今回は事件と古代史解釈が、わりとつながっていたかなあ、と思います。
 でも、そんな意識にとらわれてしまうことがあり得るのか?というのももう一つのテーマかも・・・

 「荒屋敷」(おもしろいのでそのまま・・・笑)とDNAの解釈は「ほほう」でした。仏教の人が、DNAの存在を知っていて、そのように説明していたとしたら・・・またおもしろいですね。

 ところで奈々ちゃんとタタルさんの仲は全然進歩がないな(^_^)
 しかも奈々ちゃん、すっかり事件に巻き込まれ体質にされているし・・・

 「ももたろう」という話は、戦争の時にも軍国主義教育に利用されているし、この小説のような解釈もあって、素直に伝説として読めない部分がありますが、毎晩しおじいに聞かせているときには、単なる「おとぎばなし」です。(2005.3.26)

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