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古事記に「シラス」という言葉があります。古事記では、漢字一文字で「知」と書かれています。
この言葉こそ、日本の歴史の根幹にある言葉です。この言葉は古事記のいたるところに出てきます。
わかりやすいのは、大国主神の国譲りです。そこでは、シラスとウシハクが、会話として出てきます。
出雲の国の伊那佐(いなさ)の小浜(をはま)に降りたった建御雷神は、十掬剣(とつかのつるぎ)を抜き、その剣を切っ先を上にして波の上に立て、その上に大あぐらをかいて坐ると、大国主神に、次のように問うのです。
「汝のウシハクこの葦原中つ国は、 我が御子のシラス国と仰せである。汝の心やいかに。」
ウシハクの、「ウシ」は主人のこと、「ハク」は刀を腰に佩(は)くというように身につけることです。そこから派生して私的に領有し支配することを意味します。これは、所有と被所有の関係です。権力者にとって、その権力の及ぶ先が私物であるとするものが、ウシハクです。被所有とされた者は、所有者によって殺されようが、服役させられようが、文句は言えません。なぜなら所有物であり、私物であるからです。
それに対してシラスは、民衆を神のオホミタカラとし、大切にすることで権力が責任を負う立場となります。高天原におわすのは、全員が神様です。
そして国家最高権威は、その神々を代表して、創世の神々と繋がる立場です。つまり国家最高の存在として、神々(地上においては民衆)を代表して、神々と繋がるのです。これを「シラス(知らす、Shirasu)」と云います。
政治権力者は、その国家最高権威によって親任されます。政治権力者は、ウシハク存在ですが、その権力者は、権力者よりも上位にある天皇によって責任を負う立場となり、また天皇の「おほみたから」である国土や民衆への責任を持つ立場となります。なぜそうなるかというと、「シラスのなかにウシハクが内包されている」からです。そしてこの仕組みこそ、神話の時代からずっと続く我が国独自の統治の根本です。
