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2005年10月25日
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 同責任者によると、2003年に全国で排出された汚水は約680億トン。工業廃水の3分の1、生活排水の3分の2が未処理のまま垂れ流されているという。
 また、黄河など全国の90以上の河川で流れが途切れる現象が発生。1950年ごろとの比較で湖沼の面積が15%減、天然湿地面積が26%減となるなど、水資源の枯渇も深刻化している。(共同)





いつぞや「水だ」って、言い出した時に面白がってくださったのが鍛冶屋の息子さんでしたっけ。

しかし、深刻さは水に恵まれた我々の足元にも迫っているんですよね。









01/06/14発行朝日新聞より

未処理の下水,海を汚染
-雨で放流構造に難-

▼まず東京湾調査-都と海保-
 大都市の下水の一部が雨天時,未処理のまま海に流れ込んでいることが明らかになった。高度成長期につくられた下水道に構造上の問題があるからだ。赤潮などを引き起こす原因になっているとして,海上保安庁が今月中に,まず東京都と合同で東京湾の汚染の実態調査に初めて乗り出す。国土交通省は18日に検討委員会を設け,12指定市を含めた大都市の下水道対策の検討に入る。

▼国土交通省 大都市対策探る
 下水道には,し尿を含めた汚水と雨水を同じ管で流す合流式と,汚水管と雨水管が別にある分流式がある。いずれも下水処理場を経た処理水が川や海に流される。ところが,合流式は雨天時に大量の雨水と汚水が流入すると,未処理のまま一部が川や海に放流される。

 いまは分流式が主流だが,戦後早く下水道整備をした大都市を中心に約200市町が合流式を採用している。東京都区部では8割が合流式。都は「東京五輪に間に合わせようと工期が短く,費用が安い合流式を選んだ」と説明する。指定市の合流式の割合は大阪90%,名古屋65%,札幌63%,京都40%と高い。

 東京都の場合は年約80回の降雨のうち約40回あふれ出している。99年ごろから白い油のかたまりが東京湾岸に漂着するのが目立ち始め,海保が調べたところ,東京都の下水道から出た汚物だとわかった。

 海保の東京海上保安部は都に働きかけ,5月に合同調査を決めた。6月中の雨天時,東京湾岸の下水の吐き出し口近くなど数カ所で海水をくみ,生物化学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(COD),大腸菌群数などを調べる。

 ほかの指定市も梅雨の時期に地元の海上保安部などと合同で同じ調査をする。放流先は東京湾のほか,大阪湾,伊勢湾,博多湾などいずれも閉鎖性水域で,未処理の下水による環境への影響が大きいと予想される。

 一方,国土交通省下水道部は今月18日,全国の合流式下水道の対策を探るため,自治体や海保の担当者,学者らによる検討委員会を設ける。

 施設面の対策では,雨水時に下水をためる貯留施設の建設や管の取替えなどがある。ただ,膨大な費用がかかり,東京都だけでも数兆円にのぼる,とされる。

 未処理の放流は人口の増加など急激な都市化に合流式の処理能力が追いつかなくなったため起きる。下水道管は降った雨の半分の流入を前提に設計されているが,雨水を吸収する土壌が舗装の拡大で減ったため,「約8割が下水に流れ込んでくる」(都下水道局)のが実態だ。

▼改善に膨大な費用-未処理下水 計画策定進まぬ現状-
 未処理の下水が産みを汚していた。急激な都市化に対応できない下水施設を改善するには膨大な費用がかかる。

 「白い粘土のようなものがたくさん海岸に打ち上げられている」海上保安庁に電話がかかったのは99年4月。東京都港区のお台場海浜公園の砂浜で,子どもを遊ばせている親からだった。

 手のひらぐらいの大きさでべたつく。ぬれているとクラゲに,乾くとせっけんに見えた。刺身のつまや果物の皮がへばりついているものもある。調べると,油のかたまりだった。

 海保の巡視艇は定期パトロールのたびに,海岸で白い漂着物を発見した。雨の後は特に多い。油の放流は水質汚濁防止法違反の疑いがある。

 周辺の工場や屋台船を調査し,陸上からの不法投棄も疑い,東京都にも問い合わせた。それでもわからなかった。

 海保が頭を抱えていた昨年3月,都が「うちの下水道から出たのかもしれない。下水処理場に漂着物と似たものがあることがわかった。」と告白してきた。

 都の下水道は汚水と雨水を同じ管で受け入れる合流式。大雨で処理容量を超え,あふれ出た分は川か東京湾へ放流されていた。家庭や飲食店で使われている油などの汚物が下水管にたまり,それが流れ出して白いかたまりになった。

 都は実は30年近く前から知りながら,手の打ちようがなかった。

 1884年の「神田下水」に始まり,東京五輪を機に急激に普及した都の下水道は,72年には半分以上の地域で整備が終わった。下水道協会が「汚水と雨水を別々の下水道管で流す分流式を原則とする」という設計方針を打ち出し,合流式が事実上否定されたときだ。

 人口が集中し,生活が豊かになって汚水の量が増える一方,町がコンクリートで覆われるにつれ,雨水がどんどん下水管に流れ込んでくる。急激な都市化で合流式の下水道に限界がきた,と都下水道局は振り返る。

 合流式を分流式に切り替える本格的な工事は都心では難しい。都は貯留施設をつくり,雨天時に下水をためて放流しないようにし,下水管を太くする改善計画を74年に策定した。だが,膨大な金がかかるため,ほとんど進んでいない。

 東京都区部にある13の下水処理場のうち4個所が東京湾沿いにあり,雨天時は下水を東京湾に直接放流している。

 未処理の下水はどれくらいの環境負荷になるのか。都環境科学研究所99年に,多摩川とその支流の野川,仙台で調べたところ,ひどい場所では生物化学的酸素要求量(BOD)が晴天時の120倍に達した。降り始めの激しい雨は下水管にこびりついた汚物を一気に洗い流すため,特に値が高かった。

 海保はこの4月,海洋環境保全推進本部を発足させ,「東京湾の蘇生」を目標に掲げた。問題視するのは頻発する赤潮と海底の「貧酸素水塊」だ。赤潮のプランクトンが死んで沈み,腐敗する過程で大量の酸素を消費する。そのためにできる極端に酸素の少ない海中のゾーンを指す。魚介類はほとんど生きていけない。

 赤潮も貧酸素水塊も公害が社会問題だった60年代半ばから,東京湾で発生するようになった。工場の排水規制が進んだ後も,発生の頻度は落ちていない。同本部は「未処理の放流が大きな原因のひとつではないか」とみている。

 ほかの大都市も事情は同じだ。大阪市は年間約1億7300万トンの下水を未処理のまま大阪湾に放流する。博多湾に流す福岡市は2年前の水害の後,下水管を太くしたり増やしたりする工事を進めている。名古屋市も一時貯留する滞水池を建設中だ。







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最終更新日  2005年10月28日 20時26分58秒
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