宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

僕が僕であるために


明日は3月7日。
眉毛の綺麗だった男の子の、明日は三回忌。

「来世はおばちゃんと同じ年代にうまれたい」と言った男の子。
君のくれた願いの叶うハワイのサボテン、
小さく乾燥したひまわりの種。

切ない・・・ね。。。

 みんな、おばちゃんと同じ年に生まれたかったって言うよ。
 女の子達なんか、どうして男の人ではないんですか?なんて。
 そしたら、年の差なんて!って言うし、
 なんなんだろうな~。
 そんなにいい人達に巡りあわない人生なんだ、可哀想・・・。


君と話すと私はよく涙ぐんだ。
べつに悲しい話じゃない。
例えば、人生最初に巡り会ったいたいけな少女。
すでにたおやかすぎるくらいたおやかだった小学五年のその少女との思い出話。
君が思わず目をふせたから、私はふいに涙ぐんた。
心は鏡のようなところがあるから、それが君の心だと思った。

夕陽を見るたび、ここにおばちゃんをよびたいと思ったよと、
モロッコの海に沈んでいく夕陽を語った日、
君はたった今帰ったような顔をしたけれど、
本当はもっと早くにモロッコから帰って来ていたんだって、今なら分る。
君は死にたかったんだ・・今なら分る。
君は尾崎豊が好きだったから、尾崎豊はいいけれど、
でも、違うって、私は言ったんだ。

 僕が僕である為に「勝ち続けなければならない」のではなく、
 僕が僕である為には「負けると分ってても、闘わなければならない時がある」
 だけなんだと。


あの年の3月7日。
君が120キロであんな道路を疾走していた時、
私は新大阪で沖縄帰りの人と小さな店で乾杯していた。

3月7日!!
そうだ、その日は、なんて事だろう!
その日は、かの聖者の亡くなった日ではないか!
君は、そんな事は知りもしないだろうけど、
よりにもよって、君はなぜそんな日に死んだのだろう。
たった今、その3月7日に吃驚している私がいる。








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