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NHKシリーズ第9話。 原作とはいろいろ変えてあるが、密漁に関するところはそのまま。 イタリアレストランのシェフのトニオも非常によく雰囲気が出ている。 トニオの婚約者は日本人になっていて、蓮佛美沙子。きれいな顔をしている。 ハッピーエンドのような、この後何か起こりそうな予感をさせるような、余韻を残す話になっているのもよくできていた。公式サイト
2024.05.11
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NHKのテレビシリーズの出演者やスタッフそのままで映画化したもの。 テレビドラマを見たときに、高橋一生は、もし岸辺露伴が人間だったらきっとこうだろうという表情、話し方をするので驚いた。かなり研究したのだろう。 これは原作を若干膨らませてあり、泉京香(飯豊まりえ)の過去にかかわるエピソードが加えられていたりする。 全体に、過去の因縁が関係する話。もともとがジョースター家代々の話なので、こういう話もありか。 ルーブルが舞台の話と、日本に戻ってきてからの話の二部構成になっているが、仏蘭西が舞台でも日本が舞台でもとにかく映像が美しく、凝っているので感心した。
2024.05.07
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2日のNHK「ヤマザキマリラジオ」に萩尾望都がゲスト出演していた。 手塚治虫のまんがとの出会い、両親の無理解など、知っていることも、本人の口から語られると聞いていて感慨深い。 最近のこととして、「ポーの一族」の続きを書いていること、デジタルで描いていることを話していた。デジタルの方が、細部が拡大できるし、体も疲れないそうだ。 「ポーの一族」は夢枕獏の熱望によるところもあって続きを描くことにしたらしい。 後半では、漫画家の権利について、主にヤマザキマリが話していた。 映画化された「テルマエ・ロマエ」が大ヒットし、収入があるはずだと周囲から思われ、原作料の100万円以外もらっていないと公表したそうだ。 権利について主張するようになり、出版社から煙たがられただけでなく、先輩マンガ家から、やめるように言われたこともあったという。同世代からも、映像化されたものがヒットしても、二次使用料など待ってく入らないこともあると聞いているとも語っていた。 契約の仕方にもよるのだろうが、脚本を見て、原作として使われることをキャンセルする権利を織り込むこともできるのだそうだ。 映像化に当たって、原作の名だけ借りているようなものが多かったために、原作者の自死という不幸な事件があったばかりだ。むしろ、出版社やテレビ局、映画会社に聞いてほしい話だった。 ただ、中身はどう変えられても、映像の原作として使われればそれだけでありがたい、という時代もあったはずだ。原作というだけで売り上げが増えるのは事実ではあるだろう。 しかし、原作者の意に沿わない形で映像化されたり、原作者の権利がないがしろにされたりすることはあってはならないのだ。公式サイト
2024.05.04
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TOKYOMXで「ドラゴンボールZ」が放送されている。 しばらく前に気づいて、なんとなく見ている。気づくのが遅くて、セルゲームになっていた。 今週は第202話「悟飯のハチャメチャ初デート!?★」。 学校に通うようになった孫悟飯がビーデルと出会ってまもなくの話。 授業風景が出てきたのだが、教科書を音読する場面で読まれていた文章が、聞き覚えがあり、何だろうと思ったら、「山月記」だった。 このあたりは原作にないオリジナルの話を作っているところなので、もちろん原作にはないはず。 アニメを作った人がたまたま参考にした教科書に載っていたのだろうか。 世界各国で放送されているはずだが、海外ではどんな作品を読むことになっているのか気になるところだ。
2024.04.18
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この映画は大分前にも見ている。 感想はその時に書いたものと変わらない。 とにかく、久慈川の河口で、ミサイルが橋の下を水面すれすれに飛んでいくところが最高の見せ場なのだ。 あとは、みんながゴジラを当たり前の存在と思っていて、「ゴジラ予知ネットワーク」なる個人運営組織があることが面白い。 ネットワークを運営する男(村田雄浩)には小学生の娘(鈴木麻由)がいて、これがしっかり者なのだが、どうしても親子の行動がありきたりになってしまっていて、新鮮味がないのが残念。
2023.12.10
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見るのは二度目。全体の印象は変わらない。ゴジラに諸星大二郎の雰囲気を取り入れている。 ゴジラは何度も世界がリセットされているが、これは、第一作に直接つながっている。 防衛軍がゴジラを撃退したことになっているが、実はそうではなかったというのがポイント。 初代ゴジラの恐怖を覚えている宇崎竜童がゴジラに立ち向かう。演技も自然で、「曽根崎心中」の時とは別人のようだ。 娘の新山千春は報道の仕事をしていて、自分なりにゴジラに対峙する。 新山千春も俳優として悪くない。どうして女優として活躍していないのだろう。 この世界を広げて、日本を守る怪獣の銘々伝を作ればそれなりに面白いものになったのではないかと思うのだが、そういうことにはならなかったのが残念。
2023.12.07
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これは初見かなあ。 「逆襲」を企てるのは、自分の意思を持たないメカゴジラではなく、ブラックホール星人。 この宇宙人が、東映時代劇のようなセリフを口にする。 敵の怪獣は、最初は都市部で暴れているのだが、助けを求めた少年の声に応じてゴジラが駆けつけると、突然山間部に部隊が移動する。無理がありすぎるなあ。 ゴジラはあまり強くなくて、土の中に埋められたりする。さらにその土の上を、敵の今回突然現れたチタノザウルスが手を後ろに組んで踏みつけたりする。 おいおい。 なんだかゴジラがほっそりしていて強く見えないのも残念。
2023.11.06
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子供の頃に見たし、その後テレビ放送で何度か見ているのだが、キングコングが大ダコと戦うこと以外は何も覚えていない。 最後の決戦になって、ラストシーンをやっと思い出した。 放射能の影響はすっかり消えてしまって、娯楽に徹している。 ゴジラとキングコングの戦いが妙にコミカルだ。 高島忠夫が主役で、最初の方でドラムをたたいているが、それが妹を救い出す時に伏線になっている。 製薬会社の宣伝部長の有島一郎が、中間管理職の悲哀や、聴取率第一のサラリーマン世界を楽しげに演じている。 なかなか力が入っており、話も凝っていて見応えがある。 南の島の原住民が、未開の民族というのではなく、独特の精神世界を持った人々という感じで描かれているのもよかった。 キングコングの造形はなんだか「サンダ」や「ガイラ」のようだった。
2023.10.27
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この映画までは子供の時に映画館で見た記憶がある。 子供を主人公にした冒険映画に徹している。宇宙船内部の壁にある三角柱状の物体など、前作の使い回しらしいものが感じられるが、低予算ながら、できるだけ上質なものを作ろうとした努力が感じられる。 大村崑とイーデス・ハンソンも懐かしい。 まあ、ここまで徹底すれば、これはこれでいいか。
2023.10.05
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いよいよガメラが本格的に子供の味方であることが明確になった作品。 監督の意向であったようだが、私には、ガメラの堕落に思えてならない。本当に子供たちが喜んだのかなあ。 大人になった目で見直すと、低予算であることがはっきりしていて、ガメラの記憶を探る場面では、過去の映画をそのまま使い回している。 特にギャオスが出てくるところでは、本作に出ている本郷功次郞が全く違う役で出ている場面をそのまま使っている。 ただ、怪獣の出番が多くなるという利点はある。 懐かしくはあるが、困った映画だ、というのが正直な感想だ。
2023.09.15
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久しぶりに見た。もう何度も見たいるのに、例によってほとんど覚えていない。 覚えていたのは、走っている車がギャオスの光線によってスパッと切られてしまうことと、ギャオスのちぎれた足の大きさが変わることだけだった。 ガメラは火や熱を好むので、異常な火山活動によって富士山に引き寄せられ、ギャオスは、火山活動によって眠りから目覚める。 ガメラにしてみればギャオスと戦う義理はないのだが、行きがかり上、人間と共闘してギャオスを倒すことになる。 ガメラが子供の味方、というのが強く押し出されている。制作者が思うほど、子供が出れば子供が喜ぶわけじゃないと思うんだけどなあ。「小さき勇者たち ~ガメラ~」では、子供たちを主人公にすることに成功しているが、何の理由もなく、ガメラと子供は心を通わせることができるというのが、なんだか怪獣の堕落のように思えてしまうのだ。 それでも、物語は二転三転し、人間とガメラの、ギャオスとの苦闘が描かれる。 さらに、高速道路建設をめぐる、土地売買の利権問題などがからんでいる。 自分の持つ山を燃やすことでガメラを呼び寄せるあたりは、「稲むらの火」のようだ。 大人になってから見ると、いろいろと深い問題を描いた中身の濃い物語なのだった。 とにかく、ギャオスの造形が素晴らしい。これを超えるガメラの敵は生まれなかった。 ゴジラにおけるキングギドラのようなもので、どうしても、初期に登場したものを超えるものが産まれないというのは、芸術の宿命なのだろうか。
2023.08.30
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前作から半年後に公開された作品で、初めて怪獣同士の戦いが描かれたもの。 なぜか見た記憶がない。同時上映は「大魔神」の第一作だったということで、そちらは見た記憶があるのだが。 冒頭で、前作のガメラが、宇宙空間での事故で地球に戻ってきてしまったことが語られる。しかし、前回ほど、地球全体での大騒ぎというわけではない。 主人公の本郷功次郎が、悪党に誘われてニューギニアへ宝探しに行き、原住民が止めるのも聞かずに、宝石と信じたものを持ち帰ってしまったことでバルゴンが誕生し、巨大化してしまう。 とにかく、南の島の土人というのはこういうものだ、という典型のような描き方がされ、お約束の現地の美しい娘は江波杏子。 「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」の前田美波里よりこちらの方が早い。 人間対バルゴンの戦いが中心で、ガメラは、エネルギーを求めてバルゴンに近づき、戦うものの冷凍されてしまう。 人間の策が尽きたところでガメラが復活し、人間の意図とは関係なく、自分の意思でバルゴンを倒し、去って行く。 このあたり、考えてみると「大魔神」と同じではないか。 子供向けではなく、大人向けのものとして作られたらしい。
2023.08.20
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東京MXの映画放送は、不定期放送で、特定の局員が自分の好みで好き勝手に選んでいるらしいという特徴がある。 かつての話題作を放送する、などという価値基準はない。 8月はガメラシリーズ。 まずは、なんと最初の「大怪獣ガメラ」から。 白黒映画で、船越英二が博士役で主演。 この映画を見るのは3回目だと思う。久しぶりに見たのだが、いろいろ勘違いしているところがあったことを知った。 なんとなく、ガメラはムー大陸由来のものかと思っていたが、アトランティスだった。また。水爆搭載機の事故によって目覚めたのかと思っていたが、原爆だった。 放射能を浴びているという点では「ゴジラ」に似ているが、世界はずいぶん違う。 なんとなく、ゴジラは堕落して子供の味方になったように思っていたのだが、そういうわけではない。 少年を助けるし、少年は、自分の育てていたカメがガメラになったと信じ、ガメラを駆除しようとする大人たちと対立する。 驚いた。これは「小さき勇者たち~ガメラ~ 」に通じる世界観ではないか。 「小さき勇者たち~ガメラ~ 」を見た時に「これはケストナーの世界だ」と思ったのだが、すでに第一作からケストナーの世界だった。 「ゴジラ」と違って、ガメラを殺さなかったのは慧眼。そのおかげでシリーズ化できた。 飛行機の中でたばこを吸っているのには驚いたが、この頃は喫煙可能だったのだ。 また、日本人が平気で核兵器の使用を米軍に求めようとしているのは意外だった。
2023.08.12
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東映は怪獣映画を作ったことはないと思い込んでいた。 ところがどっこい、こんな怪作があったのだ。 主演は渡瀬恒彦。 富士山の樹海に恐竜の卵が眠っているらしいということで物語が始まるのだが、その物語がよくわからない。 富士五湖に恐竜が現れたりするが、恐竜退治がメインではなく、恐竜がいることを予言していた父の無念を晴らすことが中心というわけではない。 ラストシーンを見ると、恐竜騒動に巻き込まれた男女の物語のようなのだが、そうとも言い切れない。 いや、これが現実なのかもしれない。突然恐竜が現れたら、巻き込まれた人々は何が何だかわからず右往左往するばかりだろう。何とかしようとする人たちだってこうやってバタバタするしかない。 唯一感心したのが音楽。怪獣映画らしさが全くなく、映画に登場する実在の歌手の歌も映画との融和性がない。それがかえって映画の印象を強いものにしている。 東映は、この映画の翌年には「宇宙からのメッセージ」を作っている。 東映の懐の深さと言うべきか、行き当たりばったりの真骨頂と言うべきか。
2023.07.29
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テレビで放送されていた「マジンガーZ」の世界の十年後。 兜甲児は研究者として戦闘の第一線からは離れている。 弓さやかとははっきりしない関係。 地球を守っているのはグレートマンジンガーで、剣鉄也は現役軍人。炎ジュンと結婚し、ジュンは妊娠している。 そこになぜかアシュラ男爵が現れ、続いてブロッケン伯爵、ドクター・ヘルも登場。世界は再び危機を迎え、兜甲児はふたたびマジンガーZに乗り込んで戦いに臨むのだが。 という設定で、昔のマジンガーZを知らないとわからないところが多いのだが、謎の人造人間美少女や、なぜドクター・ヘルが地球を狙うのか、という新たな要素が加えられて、それなりにオリジナルの話になっている。 敵のロボットが一体ずつではなく集団で襲ってくるのが新しい。 ボスはかつての子分らとラーメン屋を営んでいるが、最後の決戦には、かつてボスボロットを作った博士たちと奮戦する。ボスが活躍するところだけはコミカルになるのがお約束。 最後は、全人類が心を一つにする、というこれまたお約束の展開。 懐かしさだけで見たが、これはこれでありだな、と思った。 主題歌はもちろん水木一郎。これがなかったらマジンガーZじゃないよね。 マジンガーZがどういうものかは、公式YouTube”だいたい”3分でわかる「劇場版マジンガーZ / INFINITY」がおすすめ。
2023.05.27
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前作と二部作で制作された後編。 前作でちょっとだけ出たアイドル(戸田恵梨香)も主人公とは別のデスノートを手に入れ、重要な存在となる。 主人公は、自分がキラだった記憶を失って、Lとともにキラを追い求める立場になる。 しかし、敵も味方もすべて策略があり、命がけの攻防が続く。 ずっと予想を裏切り続ける展開で、全く先が読めない。 これで決着がついたと思ったら、さらにその先があった。 よくできている。傑作である。
2023.04.25
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ずいぶん話題になったことは知っているのだが、原作のマンガを読んだことも、アニメを見たこともなかった。 最近テレビで放送されたのを録画しておいたので見たらびっくり。 面白い。よくできている。 頭脳明晰で正義感の強い青年(藤原竜也)がデスノートを手に入れたことから、裁かれない犯罪者の抹殺を始め、理想とする社会を実現しようとする。 しかし、犯罪行為ではあるので、警察が「キラ」と呼ばれる殺人者を捕らえようと、天才を助っ人として招き、捜査を始める。そのリーダーが主人公の父親(鹿賀丈史)というのは偶然すぎるが、そんなことを感じさせない。主人公の家庭が理想的な家庭で、妹(満島ひかり)も兄が自慢というのも不自然さがない。 キラを追い詰める天才L(松山ケンイチ)が甘いものばかり食べているのに痩せている。常人とはかけ離れた脳の使い方をしているので、カロリーをどんどん消費してしまっているのだろう。 以前、同時通訳の仕事をしている人が、チョコレートは必需品だと言っていたのを思い出した。 主人公の名が「月」と書いて「ライト」だが、これは「right」(正義)と「light」(光)が日本語ではどちらも「ライト」だからなのだろう。 主人公には理想とする社会像があるが、Lにはそういうものがあるわけではないらしい。ただ、犯人を捕らえたいという欲求があるだけのようだ。 この二人の攻防が軸となり、Lはかなり早くから主人公を怪しいと睨み、主人公はあの手この手で自分にかけられた嫌疑を晴らそうとする。 その方法がどちらも秀逸で、とても私には考えつかない方法ばかりだ。 やがて、主人公は、自分は正義なのだから、目的を達成するためには手段を選ばなくてもよいと考えるようになり、本来なら味方である人間まで犠牲にする。 これは続きが気になる。
2023.04.24
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ずっと前に録画したまま見ないでいたのをやっと見た。 初めて見た。なぜか興味を引かれなかったのだ。 設定に合理的な説明はないが、そんなことはどうでもいいことだろう。合理的な説明を求めていたらファンタジーは成り立たない。 名前が重要なのだ、という話であることはわかる。自分の名を忘れてしまえば自分が何者なのかわからなくなってしまう。 しかし、名を思い出せば、自分が何者なのかを思い出すこともできる。 最後に、トンネルを出るまで振り向くな、と言われるが、振り向いたらどうなるのかはわからないまま終わる。 昔話の要素をちりばめてあることはわかる。
2023.03.31
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シリーズ第3作にして最終作。 第1作と第2作の最後のセリフが生かされている。 ただ、イリスについても、山咲千里演じる謎の女性についても明確な説明はない。 なぜか存在している。「古事記」が出てきたりして、急に諸星大二郎の世界のようになった。 渋谷での最初の戦いで多数の死傷者を出したことから、ガメラが人間の敵と認定され、攻撃される。 ガメラはガメラで自分に与えられた使命を話しているだけで、筋は通しているのだが、人間にとってはそんなことより、人間にとってどうかということだけが問題になる。したがって、人間の味方かどうかはその時その時で変わる。 ただ、ガメラが子供を守るのは中途半端。そこまで気が回るなら、人間がいないところでギャオスト戦えばよかったのに。 本田博太郎演じる役人は、第1作では、最初はガメラを敵視し、途中からガメラに頼りだして主人公になじられていたが、今回は、政府の方針に反して、最初からずっとガメラは味方だと考えており、主人公に密かに協力する。 こういうところは、シリーズらしさが現れていていい。 イリスを倒した後、悲劇的な最後を予感させて終わる。あとは見るものがそれぞれ想像すればいい。 よくできたシリーズだった。
2023.03.16
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平成ガメラシリーズ第2作。 前作が南方で始まったのに対して、これは北海道で始まる。 たまたま地球に襲来した謎の宇宙生物と人間とガメラが戦う。 ギャオスで大変な目に遭ったばかりなのに、なかなか想定外の生物の存在を受け入れられない。 ヒロインの水野美紀が多方面にわたる生物に関する知識でアドバイスし、自衛隊もかなりがんばる。 隊員の一人が渡辺裕之。全3作に出演している。こんなに自衛隊員が似合う俳優はいないのではないか。 ガメラが現れても、地球の危機だということを受け入れることができない。そりゃあ、意思疎通ができないガメラと共闘するより、人間の力でなんとかしたいと思うのが人情だ。 地球を守ると言うよりも、レギオンのさらなる勢力拡大を防ぐためにガメラは重傷を負う。 ガメラの復活は、人間、特に子供たちの祈りの力によるものであることが示唆されている。昭和ガメラの、子供の味方という設定が引き継がれている。 この設定は、「小さき勇者たち ~ガメラ~」にも受け継がれている。 ガメラは人間の味方ではなく地球の味方だと言うことが明らかになり、最後に、「ガメラの敵にはなりたくないよね」というセリフがあり、これが、次回作「邪神イリス覚醒」につながっていく。 よくできている。
2023.03.06
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松本零士が亡くなっていたという。 85歳。 いろいろ読んだし、マンガを原作にしたアニメもいろいろ見た。 追悼コメントがいろいろあるが、読売新聞で読んだ里中満智子のものが最も印象に残った。 その中にこうあった。世界に知られる大家となられてからも、若い人のために著作権問題に取り組んだ真摯(しんし)な姿勢を忘れられません 代表作として「宇宙戦艦ヤマト」を挙げている記事もあるが、これは賛成できない。 原作者が誰かということで裁判になり、原作者ではないことになったが、キャラクターデザインについては権利が認められた。ただ、デザインに関して権利があることを明らかにした、という点で功績といえるのだろう。 槇原敬之とも、歌詞が「銀河鉄道999」の中のセリフが似ているということで裁判になっている。 「そんなこと放っておいてもいいのではないか」と思ったが、自分の著作に誇りを持ち、権利を主張しなくてはならないという気持ちがあったのだろう。 改めて代表作は何か、と考えたら、「男おいどん」が頭に浮かんだ。 かっこ悪いながらも真剣に生きることを笑いを交えて描いた傑作だ。 「元祖大四畳半大物語」は実写映画も見た。 主役はオーディションで選ばれた人で、体型は主人公によく似ていた。 今頃は時空を超えた旅路にいるのだろう。 宇宙空間なのかもしれないが、もしかすると四畳半で昼寝をしているのかもしれない。
2023.02.21
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何度も見たが、テレビで放送されるとつい録画して見てしまう。 久しぶりのガメラとうことで、子供を連れて映画館に見に行ったものだ。 特撮は樋口真嗣で、後で知ったが、「エヴァンゲリオオン」の絵コンテを描いたりもしていたのだ。 初めて見た時にはCG多用が気になったが、見直すとミニチュアの場面も多い。 主演の中山忍が若い。 日本テレビと共同制作なので、日本テレビのアナウンサーが多数出演しており、若林アナウンサーがニュースを読む場面もある。懐かしい。 物語は、当時の、環境汚染や核のゴミなど時事的な問題も絡め、大人も子供も楽しめるように工夫されている。 最初はギャオスを保護しようとし、ガメラを敵視して攻撃までしたのに、途中からガメラを当てにし始める政府の無責任さも印象に残る。 中山忍演じる主人公は、最後に、「ギャオスの卵は、世界中どこにあってもおかしくない」と言う。シリーズ構成を考えていたわけではないだろうが、結果的に、このセリフが第3作「邪神イリス覚醒」の伏線になっている。
2023.02.18
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映像制作会社の社長が、若いカメラマンを伴って、30年前に引退した女優のインタビューに訪れる。社長はその女優の大ファン。 インタビューが始まると、女優になったきっかけから、当時の映像で描かれる。 スカウトされたことと、憲兵に追われる画家をかくまったことがきっかけで女優になったことが語られる。 インタビューに来た二人もその映像の中に入り込み、最初は物陰から取材しているのだが、映画の中の役と女優の人生とが渾然一体となっていき、二人もその中に取り込まれ、社長は映画の中に入り込んで女優というか女優の演じる役の女性を守る。 女優は専念恋い焦がれるという呪いをかけられ、わずかな関わりしかなかった画家への思いを抱き続け、画家とのつながりを象徴するカギを大事に持ち続けている。 女優の演じる役が、戦国時代の姫君だったり、今日の遊女だったり、ハイカラさんだったり、空襲に襲われた市民だったりするのだが、インタビューに来た二人もその世界で危難を経験する。 やがて、社長と女優には接点があったことが明らかになるのだが、それが話の中心ではない。女優がなぜ画家を思い続けたのかということ、画家がどうなったのかということも気になる。 複雑に入り組んだ話なのだが、見ていれば理解することができる。 こういう作品があったことを知らなかった。わたしの好みの映画だった。 今敏監督のことも全く知らなかった。こんな才能の持ち主がいたのか、と驚いて検索したら、すでに故人だった。 惜しい。
2023.02.17
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かつて、竹宮惠子の「少年の名はジルベール」を読んだ時、自伝なのに萩尾望都のことばかり書いてあるのが妙な気がしたものだった。(その時の感想はここ) 竹宮惠子は、「距離を置きたい」と言って離れることにしたと書いていたが、実情はそんなことではなかった。 何があったのか、萩尾望都側から書かれている。おそらくこれは実際にあったことなのだろう。それくらい、萩尾望都の中では忘れようのない出来事だったのだ。その後一切関わりを持たず、竹宮惠子の書いたものも目にしないようにしてきた理由が書かれている。 萩尾望都の、デビュー何周年かの冊子(単行本のような体裁ではなかった)で、大泉時代のことを、竹宮惠子はグループを作っていたが、自分は一歩引いて関わりを持たずにいた、というようなことを言っていた。ずいぶんあっさり片付けているな、と思ったが、その理由もわかる。 「大泉サロン」「24年組」というようなくくりも、ただ迷惑なだけなのだ。 かくいうわたしも「24年組」という枠でくくっていた。いわゆる「24年組」の中で、最も読んだのは樹村みのりだ。樹村みのりも萩尾望都も同じグループなのは不思議な気がしていたが、もともとそんなグループなどなかったのだ。 萩尾望都は当時の心境を「困惑」として語り、「怒り」としては語っていない。 しかし、大きな「怒り」があったはずだ。 巻末の、マネージャー的存在の城章子の文章の中に、「両方の先生の行き来がなくなった話」と聞いた人物の言葉としてこうある。 「あの頃、漫画を見ててわかったわよ」 「モーサマの絵柄が変わったから。登場人物の目が怒ってたの」 この本は注釈が細かく、読み始めてすぐのところで、里中満智子や青池保子にまで注釈が着いていて、「この本を手にする人間にこんな注釈は無用だろう」と思ったのだが、それは浅慮だった。 注釈のおかげで、「ささやななえ」が「ささやななえこ」と改名していたことを知り、作品を読んだことのある漫画家の中には、すでに故人となっている人もいることを知ることができた。 個別の作品には初出誌や発行時期が注としてつけられている。資料としての価値を重視したわけではなく、時系列をはっきりさせておきたいという意図があったのではないだろうか。 この本の中ではあまり触れられていないのだが、萩尾望都と両親の話は興味深い。 親には、何をしても否定されて育ってきたこと、親のために苦しんだことをインタビューなどで語っている。 ところが親の方では全くそれを理解していない。先に挙げた冊子の中でも、萩尾望都は両親に苦しめられたことを書いているのだが、同じ冊子に両親も寄稿していて、自分たちが娘の仕事を手伝ったというようなことを自慢して書いている。それがかえって娘を苦しめていたのに。 前書きで、この本の内容について、「人間関係失敗談です。」と述べている。親との関係も含めて「人間関係失敗談」なのではないかと思う。
2023.02.16
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この映画はロードショーで見た記憶がある。 当時、「宇宙戦艦ヤマト」ブームとあいまった松本零士ブームがあり、「銀河鉄道999」も「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」もテレビで放送された。 ハーロックとエメラルダスと999は同じ世界の話で、この映画は、ハーロックとトチロー、エメラルダスが出会った時のことを描いている。「銀河鉄道999」につながる伏線は、トチローの服装ぐらいか。 ハーロックは代々誇り高い冒険者であることが冒頭で描かれ、途中で、トチローとの遠い昔(第二次世界大戦当時)での先祖同士の関わりが描かれる。 世代を超えた友情で結ばれた二人の結びつきが、「男同士のロマン」として描かれる。 敵にも、「誇り」を重んじる男がいて、敵味方を超えた友情のようなものが存在するのも、いかにも松本零士らしい。 ハーロックの登場する世界をある程度知らないと内容が理解できないかもしれない。 初代ハーロックの声が石原裕次郎。豪華といえば豪華だが、当時のアニメファンには魅力的ではなかったろう。むしろ意外な人気声優を起用した方がよかったのではないか、と、今では思う。 主題歌が渋谷哲平というのはどういう理由で選ばれたのだろうか。
2023.01.27
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このアニメのことは全く何も知らずに見た。 「ユーフォニアム」というのがどういうものなのかも全く知らなかった。 独立した青春映画としてよくできており、シリーズを知らなくても鑑賞できる。 悪くない。 ほとんど、女子生徒同士の話なのが興味深い。恋愛ではなく成長を描く物語なのだ。 高校の吹奏楽部を舞台にした青春群像映画で、同じ時期をほかの人物の面から描いた作品もいろいろあるそうだ。 同じことでも、人によって捉え方は異なるのが当然で、シリーズにはまっている人には、世界が広がっていって面白いことだろう。 強いていえば「水滸伝」や「忠臣蔵」の銘々伝とでもいうべきか。 いやいやそれは違う。そうだなあ、佐々木丸美のシリーズのようなものか、というとそれも違うだろうし、若い人にはわからないよね。 公式サイト
2022.12.20
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朝刊を読んでいたら、社会面の下の訃報欄に懐かしい名前が並んでいた。 聖悠紀と御厨さと美。 今となっては信じられないことだが、かつてSFブームというものがあった。 同人誌出身らしい絵柄の聖悠紀と独特の画風の持ち主の御厨さと美。 「超人ロック」は単行本を買ったこともある。 御厨さと美は、連載をいくつか読んだ。完成された絵柄と、「御厨」という珍しい姓が印象に残っている。 ああ、あんな時代があったなあ、と懐かしい気持ちになった。
2022.12.17
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監督が細田守であることも何も知らないで見た。 バーチャル世界と現実世界の二つの世界で物語が進むが、現実世界がバーチャル世界に反映されている。 途中で、「美女と野獣」を意識したものであることはわかるが、物語全体で見れば、それは付け足しのようなものになっている。 驚くのが、バーチャル世界で歌姫として歌っている主人公と、現実世界のさえない主人公の声を同一人物が演じていること。 歌声に比べると、素人くさいさえない女子高生の声。 バーチャル世界を否定するでもなく肯定するでもなく物語は進む。 現実世界の主人公とバーチャル世界の歌姫が同一人物であることを知っていても、それを表に出さず、バーチャル世界はバーチャル世界として理解している人も少なくないのが意外だ。
2022.12.04
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テレビで、「秒速5センチメートル」と二本立てで放送された。 偶然であった高校生と大人の女性との物語。 ただ、偶然とはいっても、片方は相手の立場を知っているのだが、明言はせずにいる。 「靴職人になりたい」という主人公の設定には意味があり、「歩く練習」ということにつながっていく。 この映画は、中国でも公開されたということだが、中国人には、この二人がかなり親密な関係になっているように見えたのではないだろうか。 まず、少年が「おかずを交換しよう」と言って、女性の弁当のおかずを勝手に取るが、同じものを食べるというのはそれだけ親密だということになる。 また、女性が少年に足の採寸をさせるところは、強烈な印象を残す。異性に素足を触らせるというのは、プロに靴のオーダーメイドを注文するのでなければ、日本人でも抵抗を感じるだろう。 まあ、中国関係のことに触れていたのは30年も前のことなので、今ではそうでもないのかもしれない。 どちらかというと、そういう面が気になってしまった。
2022.11.03
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「君の名は。」を見たときに、光や水の描き方があまりにも精密で驚いたが、その画風はすでに完成されている。 三部作になっていて、時間がたっていく。 ぼんやり見ていたので、1部と2部の少年が同じ人物だということに、最初は気づかなかった。後で、同じ少年が大人になるまでを描いていることに気がついた。 爽やかでありながら切なく、すべてが夢幻のように思われる。フィクションなのだから当たり前なのだが、現実に存在しないような純粋な登場人物の気持ちが見るものの心に何かを訴える。 意見が分かれるのは、第3部の、踏切ですれ違うところだろう。 私は、現実ではないと思った。主人公の内面の変化(成長というべきなのだろうか)を象徴している場面なのではないだろうか。
2022.11.02
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前にも一度見たような気がするのだが、今回は少し集中して見てみた。 テレビで放送したものの総集編。その点は、オリジナルの最初の劇場版と同じ。(オリジナルの劇場版は、イスカンダルに着いてからがテレビ版と異なっていたが) リメイクと言えばリメイクなのだが、オリジナルの矛盾を解消し、新たな物語として作り上げている。 オリジナルとの最も大きな違いは、ガミラス星人との関係。 敵対し、戦うだけではなく、交流する場面もあり、互いに理解し合える可能性も示している。 これは新しい視点だ。 古代の兄については、オリジナルの劇場版を踏襲している。 音楽は宮川泰のものをそのまま使い、息子の宮川彬良が編曲を手がけている。主題歌もささきいさお。 オリジナルへのリスペクトが感じられる。 これはこれでよいのではないか。
2022.09.03
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「ウエスト・サイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」のロバート・ワイズ監督のSF作品。 キアヌ・リーブスのリメイク版は見た記憶はあるのだが、例によって、何も覚えていない。 この映画は、まだ白黒時代の映画でありながら、すぐれたSF映画になっており、かなり踏み込んだテーマが描かれている。 謎の宇宙船が着陸し、その中から、人間の姿をした宇宙人が現れる。人間はパニックになってしまうが、宇宙人は冷静で、むしろ地球の現状を憂える、平和のための使者だった。 当時の世界状況が反映されており、核兵器の開発など、人間の攻撃性を指摘し、それを乗り越えて理性的な生き方をするよう勧める。それができなかれば人間に未来はないのだ。 異星から来たのは、異星人「クラトゥ」とロボットの「ゴート」のみ。「ゴート」は強力な攻撃能力を持ってはいるが、暴走することはない。 クラトゥは、世界各国の政治首脳に対して働きかけたいと思っているのだが、人間側の都合でそれは実現せず、科学者を集め、自分が何のために来たのかを説明して去って行く。 その後、人間がどのような世界で生きていくのかは、人間自身に託されて終わる。 なかなかの傑作である。重いテーマではありながら、娯楽作品としてもすぐれている。
2022.06.03
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「ウルトラQ」から始まる「ウルトラ」シリーズの主要な脚本家として活躍した金城哲夫と上原正三を中心に、ウルトラシリーズがどのように作られていたかを描いてる。 ドラマではあるのだが、当時を知る人のインタビューもあり、ドキュメンタリーでもある。 沖縄復帰50周年を記念してのことなのだろうが、NHKには熱心な円谷ファンが多いらしい。最近、「ウルトラQ」と「ウルトラセブン」のデジタルリマスターン版が放送されたのは、このドラマ放送のための伏線だったのかもしれないが、「怪奇大作戦」を作ったこともあったし、どうしても円谷プロのものをNHKで取り上げたいという熱い思いを持った人がいるようだ。 ドラマは、沖縄復帰まえから始まり、金城哲夫を頼って上京した上原が、円谷プロ入りして脚本家として活躍するようになる過程を描いている。熱い思いを持った制作者たちを描く一方で、沖縄と日本の関係についても描いている。 金城哲夫の妻役は、「あまちゃん」に沖縄出身メンバーとして出演していた蔵下穂波だった。 円谷プロの経営が悪化したこともあり、金城は沖縄に戻り、沖縄のために力を尽くそうとする。 その一方で上原は脚本家として独り立ちしていく。 円谷一もこの二人の同志であり、三人で熱く語り合うこともある。 その円谷一の方が金城より先になくなっていたのは意外だった。 金城は、沖縄海洋博に関わったことで大きなストレスを抱えることになり、アルコールが手放せなくなる。 1993年の「私が愛したウルトラセブン」では、沖縄に戻る前からかなりアルコールを摂取していたらしいことが示唆されていた。 ドラマ部分もインタビューも見応えがあった。
2022.05.06
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何も知らずに見た。不思議な印象を残す映画だった。 ニホンオオカミの末裔であるおおかみおとこと出会った女子大生。 やがて二人の間には二人の子が生まれるが、おおかみおとこは不慮の死を遂げてしまう。 娘と息子二人が残され、母親として自力で二人を育てることを決意し、二人の子がおおかみになってもいいように、限界集落のような地域で暮らすことにする。 地域の人たちに助けられ、どうにか生活していけるようになるのだが、娘と息子は異なる方向へ進んでいく。 それぞれ、自分がどの世界で生きるか決意し、それを貫く。 母親の物語ではあるが、自立の物語でもある。 クライマックスがあって結末があるのではなく、この先どのように生きていくのだろうということを見るものに想像させる終わり方になっている。 こういう話を作れるというのは、非常にまれな才能だ。
2022.04.23
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この映画のことは全く何も知らずに見た。 肉体が年をとらず、若いままの姿でいる一族。そのため、一カ所に長く定住することができない。どんなに親しくなった者とも必ず分かれなくてはならない。 「ポーの一族」のようだが、その力を他人に分け与えることはできない。 見た目は少女の主人公が、戦乱で生き残った赤ん坊を救い、自分で育てる。 赤ん坊はどんどん成長し、少年から青年へとなったいくのだが、主人公の姿は変わらない。そのことを、少年は理解し、生活を共にしているが、やがて成人し、自立していく。 王家がある世界で、ヨーロッパ風ではあるが、どこがモデルということはないらしい。 最後は、冒頭の時から数十年後。主人公の外見は変わらないが、会いに行った相手は変わり果てている。 孤独ではあるが、愛には包まれている。 やや設定がわかりにくかったが、ファンタスティックなアニメ映画だった。
2022.03.03
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久しぶりに見た。 これが1956年の作品であることには驚くばかりだ。 前に見たときにも思ったことだが、宇宙船が宇宙空間にいるときに、金属音のような、ビョーンビョーンというような形容しがたい音がするのは、この映画が嚆矢ではないか。 もちろん、現在の特撮技術に比べれば手作り感満載だが、それもまた魅力的だ。 真の敵は自身の潜在意識というのも当時としては斬新だったろう。 形を持たない精神という相手、潜在意識というと、アメリカのSF「世界の中心で愛を叫んだけもの」( ハーラン・エリスン)を思い浮かべる。 精神世界の話だった。いうまでもなく、「新世紀エヴァンゲリオン」最終回のタイトルの元ネタだ。 だた映画のほうが10年早い。先進的な発想に驚くばかりだ。 ついでに言うと、「新世紀エヴァンゲリオン」の映画版の「まごころを、君に」の元は、「アルジャーノンに花束を」。日本でもドラマ化されたのでこのタイトルを知っている人は多いだろう。 アメリカで映画化されたことがあり、それを日本公開した時のタイトルが「まごころを君に」だった。
2022.02.09
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「サンダーバード」の劇場用新作が公開されるというのは聞いていたが、それに合わせてTOKYOMXで昔の「サンダーバード」が放送されていると言うことに今週になって気づいた。 録画したところ、昔懐かしいあの「サンダーバード」なのだが、ちょっと違う。 かつて放送されたものは一部をカットしたものでオリジナルサイズではないと知ってはいたが、オリジナルを見たことはなかった。ところが、今回の放送はオリジナルサイズ。 ただ、日本版でカットされたシーンは吹き替えがないので、そこだけ字幕になっている。もちろん、その部分がなくても話は十分理解できるのだが、ずいぶん長い年月を経て完全版を見ることができた。 ありがたい。
2022.01.14
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今敏監督はアニメ界では有名な人らしいが全く知らなかった。しかもすでに故人。46歳で亡くなっている。 それぞれの事情があってホームレスになった三人が、クリスマスの夜に赤ん坊を拾って、自分たちで育てようとしたりとんでもない事件に巻き込まれたり。 ありがちな現実離れした設定でありながら妙なリアリティがあり、作りが丁寧であることもあって引き込まれる。 たまたまテレビで放送されたのを録画して見ただけなのだが、こんな佳作があったのかと驚いた。
2021.12.22
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ムーミンをCGでアニメ化したもの。フィンランドとイギリスの共同製作だそうだ。 設定は原作に忠実だが、スナフキンとミイの関係についてはまだ明かされていない。 子どもの頃に見た「ムーミン」を面白いと思ってみていたが、成長してから原作とは全く異なる内容になっていることを知って驚いた。 なお、後にテレビ東京で放送された「楽しいムーミン一家」は原作に忠実だった。 その放送中、新聞のテレビ感想欄に、スノークのお嬢さんの名が「フローレン」になっていることについて、「ノンノン」の名を勝手に変えたと抗議する投書が載ったのを読んで驚いたのを覚えている。 原作を知らないのは仕方がないが、誤解にも続く抗議を乗せる方がどうかしている。 この作品では、原作通り、名前はなく「スノークのお嬢さん」になっている。 日本とフィンランドでのみ知られているのかと思っていたが、そういうわけではないらしい。 公式サイト
2021.12.20
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BSプレミアムでずいぶん前にクイーン特集が放送され、日本での人気投票、コンサートの映像、この映画と三部構成だった。録画しておいたのをやっと見た。 当時の世界的なSFブームに乗ってリメイクされた映画。 ジョージ・ルーカスは実はこれを作りたかったのだが、映画化権が手に入らず、「スターウォーズ」を作ったというのはよく知られている。 さて、この映画だが、とにかくしゃれがきついというか、どこまで本気なのかわからない不思議な映画。 昔の特撮感を出そうとしてわざと稚拙な特撮にしているのだろうし、全体的な安っぽさも意図的なものとしか思えない。 ストーリーなどあってないようなもので、子ども向けの話をそのまま映像化したような怪作。 主題歌がクイーンなので、主題歌を聴いたことがある人は多いはず。 とにかく怪作・奇作としかいいようがない。 わたしは、「フラッシュ・ゴードン」のパロディ映画「フレッシュ・ゴードン」というのを見たことがあるが、この映画より前に制作されていた。アメリカではよく知られたスペースオペラなのだろう。
2021.12.16
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今年の中頃から、TOKYOMXで最初の「仮面ライダー」が放送されているのを知り、録画してみるようになった。 第9話『デストロン地獄部隊とは何か!?』を見ていたら、なんだか見覚えのある場所が。鳥が出てくるし、もしや「行川アイランド」ではと思っていたら、途中で看板が出たし、エンドクレジットにも名前が出ていた。 行川アイランドのトンネルに入ると、なんとそこがデストロンの秘密基地になっていた。 ここは子供達が小さかった頃、合計3回泊まったことがある。 最初はポリネシアンショーがあって、バーベキューを食べながらショーを見ることができた。 「高速戦隊ターボレンジャー」でも、そこでショーを見ながら食事をする場面があった。 数年後にまたいったら、バーベキューコーナーは廃墟になっていた。 懐かしい。高度経済成長が生み出したものだったのだろうなあ。 最近では、ここから逃げ出したキョンが増えて近隣で問題になっているというニュースがあった。
2021.11.27
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宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルから地球に帰還するまでに出会った不思議な事件。前後のつながりはなく、独立した話になっている。 謎の惑星に漂着したが、かつての地球にそっくりなところがあり、かつてヤマトが偽装した戦艦大和の残骸が登場し、異星人たちとである。 そこに居合わせた者の内面が具現化するような世界で、ありがちではある。 ありがちと言えば、このシリーズがいかにもありがちな戦争物のキャラクター設定になっていて、未来がこんなに過去に逆戻りしているのか、異星人も昔の日本人と同じ感性の持ち主なのか、という疑問も持つ。 日本風でなければ日本で受け入れられないだろうという考えもあるだろうが、全く人類とは異なる思考に基づくエイリアンと闘う話もたくさんある。 とにかく「宇宙戦艦ヤマト」好きなんだな、ということはわかる。
2021.11.24
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「宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海」では解消されていたコスモクリーナにまつわる疑問。 波動エンジンの設計図を送ってきてくれるのなら、そもそもコスモクリーナーの設計図を送ってくれればそれで済んだではないか、とずっと後になって思った。 ガミラス帝国を倒して欲しいからここまで来いと言ったのだろうか。 木村拓哉主演の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ではそこは矛盾が生じないようになっていた。 ヤマトブームだった頃、「宇宙戦艦ヤマト99の謎」なんていう同人誌を買って読んだことがあったなあ。
2021.11.19
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遠い昔の「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク版の総集編。初めて見た。原作者は西崎義展になっている。妥当なところだろう。 基本的には昔のヤマトのストーリー構成をそのまま生かしているが、ガミラス側の問題も描いている。 オリジナルはさまざまな矛盾点があったが、そういうものは解消されているらしい。 私などは「ああ、懐かしいな」と思うだけだが、思い入れのある人もいるだろう。
2021.11.18
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「ビッグコミック」の公式サイトに、「【訃報】白土三平氏 岡本鉄二氏 ご逝去」という告知が掲載された。 なくなってすぐの告知ではなかったのは、岡本鉄二さんの容態が思わしくなかったことと、近親者のみで葬儀を終えてから発表しようという気持ちがあったからなのだろう。 子供の時に、アニメの「サスケ」は見ていたし、「カムイ外伝」も見ていた。 のちに「サスケ」の原作を読んで、アニメでは描かれなかった結末に衝撃を受けたものだ。 思えば、歴史や武術に興味を持った原点の一つが白土作品だったのかもしれない。 中学生の時、「カムイ伝」を読んだときの衝撃は忘れられない。被差別部落の存在を知らなかったこともあり、江戸時代にはこんなことがあったのかと思ったが、それが今でも続いていることを知って驚いた。そういうものがない地域に育ったので、実感としては、なぜ差別するのか理解できない。 興味を持った方には、カムイ伝講義 (ちくま文庫) [ 田中優子 ]をお勧めする。これを読んで初めて穢多と非人の違いがわかった。 いろいろなことを思い出させる訃報だった。 残念だ。
2021.10.27
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これは2017年に一度見ている。そのときの感想を読み直したが、今回も全く同じ感想だった。 その時の感想はここ。
2021.10.04
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2017年に一度見ているのだが、話の中身は全く覚えていなかった。 唯一覚えていたのは、女の子の制服が上下とも白で、汚れが目立って困るだろうと思ったことだけ。 主人公の少女が、言葉を発することができず、携帯電話のメールで考えていることを伝える。 偶然なのか、「古見さんはコミュニケーション障害」のようだ。 爽やかな終わり方の青春映画だった。
2021.09.22
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東映とテレビ朝日が組んだ、アイドルによるスーパー戦隊もの。 基本的には学園ドラマなのだが、素晴らしいのは、生徒の問題を生徒が自分たちの力で解決しようとするところ。 最終回に向け、主人公や顧問急死を巡る話が二転三転し、読めない展開に引き込まれる。 報道部の女の子が、戦隊の一員になれなかったあたりで、出番がなくなるのかと思ったが、最終回ではかなり重要な役割を果たしていた。こういうところもよくできている。 主人公たちが求めていたのが「自由」だったのはちょっと説明不足で、「自分の生き方を自分で決めること」と言った方がよかった。 最後にら図ボスを倒して終わるのだが、この後、学園防衛部はどうなるのだろう。 ジャーニーズJr.が主演だから、来年は新入生が入って新たな敵と戦うという展開にして毎年一作ずつ作っていくことものできるのではないか。
2021.09.19
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これは初めて見た。 前作の島が舞台で、4年後が描かれている。 恐竜の生態調査のために派遣されたグループと、捕獲のために派遣されたグループ。しかし、恐竜の襲撃を受け、そんなことはどうでもよくなり、とにかく生き残ることが第一になる。 恐竜がどうこうよりも、崖から落ちるか落ちないか、とか、建物にこもっても襲ってくる恐竜からどのように助かるか、というハラハラドキドキが中心。 人間がバタバタ食われていく。その一方で、子供を含め、主人公たちは超人的な体力と運動能力で生き残る。 どうせなら早い内に恐竜をアメリカに連れて行って大暴れさせた方が面白かったのではないか、とも思う。
2021.09.12
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前に書いたように第1回から見ている。 アイドルのドラマなのだが、非常によくできている。 五人揃うまでにすったもんだがあるのが定石だが、モモヒーローがなかなか決まらない。 当然、唯一の女性部員の女の子だろうと思っていたら、前回、思いもかけないどんでん返し。 なんと、男子生徒がモモヒーローになる。 女でなくてはならないという思い込みをひっくり返して見せた。 ただ、肉体的には男として生まれてきたが、内面は女、というところに限界は感じるが、美少年六人全員を主要キャストにするための工夫だとしても斬新だ。ことさらLGBT問題を表に出すでもなく、自然な展開だった。 青だったら男だったり女だったりしていたが、モモが男はなかったはず。 今回は、魔神を倒すだけでいいのか、魔神になる側にも事情があるのではないか、という疑問を投げかけて終わった。 ストーリーもよくできている。
2021.08.30
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