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2024.07.14
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カテゴリ: 愛to少年マンガ
こんにちは妹です。久しぶりに漫画感想をば。




​『金田一37歳の事件簿』​
2018年~ 現在既刊16巻(連載中)
(天城征丸、さとうふみや先生、講談社 コミックDAYS )

名探偵・金田一耕助の孫であり、永遠の高校2年生・金田一一が、まさかの37歳に!!??
高校生の頃から数え切れない程の殺人事件を解決し、警視庁でも一目置かれる存在だった金田一少年は、 20年後、警察官でも私立探偵でもなく、音羽ブラックPR社でうだつの上がらない営業部主任となっていた。
「もう謎は解きたくない!!」と危険事からひたすら遠ざかろうとする彼だが、 仕事先で次々と謎が謎を呼ぶ事件に遭遇し・・・!??



コチラの記事(クリック) ​ でも触れたことがあるのですが
『金田一少年の事件簿』シリーズ続編『金田一37歳の事件簿』ずっと楽しく追いかけてます!

1巻の時点でも凄く面白くて「思い切った発展のさせ方!凄く良い!!」とベタ褒めしていたんですけども・・・ 恐ろしいことに、巻数を重ねるごとにどんどん良くなるんですよこのシリーズ!!

最初は結構「現代風に!高校生では出来なかった描写も入れて!」という奇をてらった感じの事件&お話回しだった印象なんですが・・・
どんどん「古参ファンが金田一に求める展開」や「社会人経験を積んだ金田一中年の風格」なんかが見え始めて、もうもう毎巻 「はじめちゃん優しい!!格好良い~~~!!!」 と叫びながら読んでますw

当初はイブニングにて連載されていましたが残念ながら廃刊となり、30周年記念の高校生シリーズ4巻を挟んだ後、14巻収録分辺りからは電子のコミックDAYSにて連載中のようです。


​​ーで、最近の がですね・・・ 良いんですよ。 ​​ ​​
これだけ長いシリーズです。読者として長年追いかけていると、正直「画の力が無くなったな~」「初期シリーズの頃ようなキレはもう無理かな~」と感じてしまう時期だってありました。
これはもう当たり前の話です。当然作者様方も年を重ねられています。仕方ない。

​​ ​それが・・・  ここに来て、 ものすごく画が良くなってる!!! ​​​
画の力が!演技が!描写の精度が!めっちゃ安定してきていて、美しく&鋭どくなって来てるんですよ!!!
勝手な想像ですが、もしかしたら電子での連載になって「今回は更新お休み」が出来るようになって、クオリティ優先で描く事が出来ているのかなぁ? と。
『SPY×FAMILY』とかが最たるものですが、今のご時世には紙の雑誌に掲載されずとも、むしろじっくり無理のないペースで描く事で成功する作品もありますからね!
金田一のようなネームバリューのある作品には、この形態がすごく合っているのでは!と思いました。




以下、各事件についての簡単レビューです。
​​ ※ネタバレ含みます。犯人にも触れてます。未読の方は絶対読まないでください!※


◆歌島リゾート殺人事件 ​(1-2巻)​ ​​
金田一シリーズ、何か新しい試みを始めようとしたらココ(オペラ座館)からですね!
とはいえ「第3の殺人」の時に館自体は全焼していて、今は「歌島リゾート」という名前です。

孤島に閉じ込められる・・・という金田一らしい典型的なクローズド・サークルのミステリー!
ーのようでいて、
犯人が冷静な知略家ではなく、非常に短気な凶悪犯だったり
謎解きの場面に犯人以外の関係者が集まってくれなかったり
そもそもはじめちゃんが謎を解きたがらなかったり・・・ と、
今までの金田一セオリーを外してきていて「17歳の時との違いを楽しんでね!」という造りになっていました。

事件や犯人像自体は(個人的には)そこまで好みではなかったのですが; ただ​
37歳になったはじめちゃんは何してるの?
明智警視や剣持のオッサン等、警察方面との絡みはあるの?地獄の傀儡師の高遠は?
そしてそして美雪ちゃんとの関係は????
ー等々、読者の興味・関心にどう情報開示をしていくかがすごく練り込まれていて「流石だなぁ、このシリーズ良いなぁ!」と感じさせてくれるオープニングでした。


​◆タワマンマダム殺人事件 ​(2-4巻)​​
​これは面白かった!​
犯人目線でコミカルさも交えつつ、金田一の言動行動に怯えつつのスリリングな展開・・・ 短編「殺人レストラン」のような造りでした。
そしてそこに、タワーマンション内ヒエラルキーだの不倫だの借金だの、37歳らしい下世話なネタが盛り込まれています。
現代ならではのトリックも面白かったですし、ゲストキャラがそれぞれ立っていて見応えがありました。



​​◆京都美人華道家殺人事件 (4-5巻) ​​
・・・正直に言うと、これは個人的には「金田一37歳シリーズの中で一番微妙な事件」というか;;
なんかトリックも犯人像も動機もイマイチ心に残らなかったというか;

ーというかですね、やっぱり 「殺人が絡む双子ネタは・・・個人的にはキツイ」 っていうか!!​
(すみません本当に超個人的嗜好が絡んだ感想です。。)


​​◆函館異人館ホテル新たなる殺人事件 (5-7巻) ​​
​この辺りから 「従来の金田一シリーズのノリに戻って来たな~」 と感じた覚えがあります。​
出てくる要素は イケメン俳優グループ・2.5次元舞台のようなファンタジー活劇 等、凄く現代風なんですけど
事件の発生~展開~謎解き・犯人像の独白の流れや、純愛から来るド真面目な動機なんかがすごく従来のシリーズっぽく感じました。
「ベテランの超売れっ子舞台俳優」というちょっと特殊な犯人像で演出もキレていたというか、印象に残るカットが多かったです!

そしてここで元アイドル・速水玲香(37)ちゃんが登場。
どうも20歳前後の頃?、彼女が絡んだ事件ではじめちゃんが「もう絶対事件を解くことはしない」と固く誓う出来事があったようで・・・と匂わされます。
金田一37歳の事件簿の帰結地点というか、最終的な到達地点が見えたような気がしました。


​​◆騒霊館殺人事件 (7-9巻) ​​
​​ この話は本当に良かった!!
「37歳の事件簿」のテイストが確立したなぁ、と感じた事件でした。 ​​​
歌島リゾート~以来2回目のThe・クローズド・サークルミステリー!
「霊の仕業・・・??」という金田一らしい怖さとサスペンス感も楽しめます。

この話の何が良かったかって、 ちゃんと仕事しているはじめちゃんがしっかりと描写されたこと です!
37歳現在、弱小PR会社の営業部主任として働いているはじめちゃん・・・いや確かに「大成功&出世エリート」ってイメージではないですし、そんなに大金を稼ぐことが出来るポジションじゃないんだろうなぁ、とは思います。
-でも大卒で就職したとして・・・37歳、15年間も真面目に社会人を頑張ってきた中堅サラリーマンなんです。
しっかり仕事をこなしている姿を描写されると、一番「17歳」の頃との違いが際立つと言いますか・・・​ 37歳・中小企業の中堅営業マン、めっっっっっちゃ格好良いじゃん!!!​  と感じる訳です。。

犯人像も「大手PR会社の20代美人キャリアウーマン」という、下請けのはじめちゃんとの社会的な格差を感じさせる配置にしてあって、やりとりに見応えがありました。


◆綾瀬連続殺人事件 ​(9-11巻)​ ​​
姉とともに 「(今の所)ベストcaseだ!一番面白かった!!」 と大喜びした事件​ です。
これはもう「読んで下さい!」としか。

金田一歴数十年ともなると、正直ゲストキャラクターの登場の仕方で犯人が分かっちゃうこともあるんですが・・・この話は「ミステリー小説家たち」というクセの強いキャラ達が、大体全員怪しくて良かったですw

被害者像のブレや何が起こるか分からないスリリングさも見所でしたが、 一番の見せ場は後半の ​「真犯人vsはじめちゃんの一騎打ち尋問対決シーン!」​ でした!
身構えてはじめちゃんと接する犯人像、というのはなかなか目新しいものがあり、ドキドキしました。
37歳のはじめちゃん・・・ 犯人目線で見るとやっぱり「怖い」んですよね。「ヘラヘラ冴えない男のフリしながら、絶対こっちがボロ出すの待ってるよね!!??」みたいな。

飛び抜けた観察眼と推理力を発揮して、ミステリー小説界隈の人達から天才扱いされるはじめちゃん・・・  やっぱり皆思っちゃうんですよね 「中小企業の営業リーマンじゃなくて、探偵やって欲しいな!」 って。

あとこの話、刑事になった真壁先輩や従妹の二三ちゃんも見所でした!
すごくはじめちゃんに期待してるんですけど、本人が「謎を解きたくない」と言っている以上無理はさせられないな~ともちゃんとわきまえていて・・・  おお良い年の重ね方したな! と嬉しくなりました。


​​◆殺人二十面相 (11-13巻) ​​
同時期に描かれていた?30年記念の高校生編の方に力が入ってたのかな~・・・
​いや面白かったんですけどね;!はじめちゃんも格好良かったし!!

新キャラでまた変な・・・いやいや手強そうな 「殺人二十面相:御堂力也」 が登場!​
ちょっと「探偵学園Q」的な雰囲気もするキャラですね。
今後は地獄の傀儡師の高遠(現在塀の中)と絡んできたりするのかな?楽しみです♪


​◆人狼ゲーム殺人事件 ​(14-16巻)​​
ここから掲載がコミックDAYSになったようです。
人狼ゲーム、金田一の世界観に凄くマッチしてるな!と思いましたし、人狼ゲーム大好きで仕事中なのにうずうず参加したくなっちゃうはじめちゃんが良かったv
そしてその勢いからか、 ​思いっきり前に出て皆に指示を出し始めたり、ガンガン人狼相手に仕掛けていくはじめちゃんがめっちゃ格好良かった!!​

犯行の動機は、なかなかに見事な逆恨み案件で被害者が可哀想でしたが・・・。
はじめちゃんの活躍で人命救助出来たシーンが良かったなぁ。金田一になかなか無い展開なので!


​​◆首なしスキーヤー事件 (16~続刊) ​​
まだ事件の前半部分しか読んでませんので総評は出来ない段階なんですが・・・
犯人もろめっちゃ分かりやす・・・  イヤイヤそれはさておき。。

ーあの、 ​画が めちゃくちゃ良くなってるんですよね・・・
金田一の初期シリーズの頃のようなインパクトがある というか・・・

なんでここに来てこんなにキレッキレなんだ金田一シリーズ!!​
​​ 次巻もめっちゃ楽しみです!!! ←今ココ(2024.7月現在)




最後に・・・  ◆金田一37歳の展望について

あの金田一少年が37歳に!!?? ​​​
というアオリ文を見たとき、私が安直に想像したのは
小さな探偵事務所を開いていて、でも実は警察からも頼られるような凄腕名探偵として活躍するはじめちゃん& 傍らには奥さん兼助手の美雪ちゃんが居て、もしかしたらお子さんも居るかも・・・!  という姿。

高校生の段階であれだけ難事件を解決しまくっていたはじめちゃんです。
当然、名探偵の祖父に負けずとも劣らずな名探偵になっているのだろう!ーと
私だけじゃなくて、読者の大半はそんな期待を抱いていたと思います。

それが・・・蓋を開けてみたら、コレ。
探偵やってないどころか「もう謎を解きたくない」と言って
真面目に働いているものの、普段は冴えない弱小PR会社の営業として社内で馬鹿にされ
美雪ちゃんとも一緒に暮らしてはいない様子・・・?

(まだハッキリ描写されてないんですよ。そんなに焦らさなくても;)
​ちゃんと「きちんと恋仲&パートナーとして、お互い話し合ってこの形で居るんだな」という描写になっているので、そこは安心して読み進める事が出来るんですけれども。

ーいや、前述したとおり  普通に格好良いんですよ ​37歳・弱小PR企業の中堅営業マン!
さりげない台詞や描写に「ああ社会人頑張ってきたんだなぁ」という成長&貫禄を感じて、それだけで充分格好良いんです。

でも! いざ事件が起こると、謎にぶち当たるとやっぱり水を得た魚のように輝く。
本領発揮の瞳になる。

前に出てガンガン謎を解いて犯人を追い詰めていくはじめちゃんの姿を見る度、読者や周囲の人間や犯人でさえも思ってしまうわけです ​​ 「中小企業の営業リーマンじゃなくて、探偵やって欲しいな!」​ って。​

金田一37歳の向かうべき場所はそこなんじゃないかな~と、期待も持ちつつ・・・
今後の展開も楽しみにしています!!

by妹





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最終更新日  2024.07.14 12:05:36
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