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令和版・完全新作アニメらんま1/2。毎週、両手を合わせて天を仰ぎ「恵みをありがとうございます!!!」と拝みながら鑑賞しています。令和版らんまアニメの乱馬くんとあかねちゃんの描写について少し前に、実家で単行本37~38巻・最後の長編をまじまじと読み直しました。妹とも話してますが、やっぱり今回の令和版アニメは、最終回の乱馬くんとあかねちゃんの関係性…そこに2人が向かうことを最初から想定して、原作準拠で構築してるんだな~…と改めて感じました。原作について、昔はそこまで考えずに読んでいましたが、改めて見返すと、平成版TVアニメがひと段落した直後の24~26巻にかけて、作品のクライマックスを感じさせる、今までにない長編作(開水壺と流幻沢)が来て、ここで乱馬くんとあかねちゃんの関係性がしっかり定義されたのかな、と感じます。乱馬くんって、天道・早乙女両家待望にして唯一の男の子で、やっぱりあの家族の中で「王子」なんですよね。明確に無差別格闘流の未来はこの子が背負ってますし、また本人も背負う気満々で。後に登場する無差別格闘流元祖・八宝斎のおじいちゃんも、乱馬くんの格闘センスは非常に買ってますし、乱馬くん自身、無差別格闘流を背負う気でいるから、絶対に何がなんでも「格闘」と名の付くものには負けたくない。自身の勝敗が、流派の格とイコールですので。あかねちゃんは、無差別格闘流がホームと据えるべき天道道場の「お姫様」で、乱馬くんにとっては最初から唯一無二の「一緒に無差別格闘流を継いでいく」女の子だし、また、乱馬くんを立てて支えてあげたいサポート気質のある娘なので、相性ばっちりだし、そりゃ特別な存在ですよね、と。乱馬くんは非常にモテて、可愛い強烈な娘たちが周りにわんさか寄って来ますが、本人自体は特段女の子に興味があるわけではないですし、作中通してずっと一途にあかねちゃんオンリーです。乱馬くんとあかねちゃんは、お互いの存在がお互いのアイデンティティの土台を支える関係性なのであまりにも結び付きが強固なんだなぁ…と改めて思いました。考えれば考えるほど、アクションを描く少年漫画としても、ラブストーリーを描く少女漫画的な観点としても、本当になんてよく出来たラブコメ人物配置なんだと感心しかないです。開水壺と流幻沢は、2人がお互いに「相手にとっての自分の重要性」を改めて実感して、それをお互いに確認し合うようなエピソードだな、と思っています。26巻までで、主役カップル2人の関係性がしっかり確立して、その上で、27巻以降は物語をどうやって畳んでいくかに舵を切っている印象です。各エピソードは、エンタメ性・読み応えを重視した作りというより、全方位のキャラクターたちについて、それぞれどこに向かったらこのキャラクターは幸せかな?という試し試しをずっとやっているようなイメージです。その中で乱馬くんとあかねちゃんの関係性もいろんなパターンを試し試しやってみて、そこで掴んだ「2人の関係性を一番立たせることが出来る部分」で構築したのが、最終エピソードなんだな、と改めて感じました。乱馬くんは、無差別格闘流の跡継ぎという確固たる立場/理想形がありますので、全ての行動原理がそこに向かっているし、価値観を共有してこの先を一緒に作っていくあかねちゃんが死ぬほど大事だし、またあかねちゃんは、価値観を共有しているからこそ、とっさの場面では誰よりも早く、時には自分自身の身の安全よりも優先して乱馬くんを守りに行く姿がとても印象的です。最終的には、男の子の姿だろうが女の子の姿だろうが、たとえ人形のような自由に身動きが取れない姿になったとしても、乱馬くんとあかねちゃんの2人の関係性は強固で揺るがないし、やることも変わりません。…っていう「最終回の2人」。そこに向かって、今回の新作アニメが丁寧に原作準拠且つラブストーリー重視で作ってくださってるのがよく分かります。ここまでの文章書きながら、あまりの尊さに泣きそうになってました。この部分について改めて考えを巡らせると、なんで今回のアニメでは男乱馬くんと女らんまくんの演技筋にきちんと連続性を感じるのか、すごく落ちてきます。男の子の姿だろうが、女の子の姿だろうが、「最終回のあかねちゃんとの関係性」が確固たるものとしてあって、そこに間違いなく向かっているからなんだろうな、と思います。これはもちろん、原作の連載と同時並行での制作だった旧作アニメでは不可能な作り方ですし、リメイクだからこそ折り込める、贅沢な見どころなのだと思います。原作・旧アニメのファンからしたら、本当にありがた過ぎてもう…リメイク、万歳!!!以下、蛇足です。EDテーマ・りりあさんの♪あんたなんて。のCDを購入しました。(OPテーマ♪許婚っきゅんは配信で購入してました)旧作らんま関連のCDは、よほどのレアもの(キティフィルムのファン向け企画盤等)でない一般流通に乗ったものは、基本的にはすべて持っています。※私たちは、原作・旧アニメをリアルタイムで追いかけていた世代ではなく、原作終了後何年もしてからドはまりしたため、一部定価で購入出来たCDもありましたが、廃盤になっていたものは、長期間に渡る中古ショップ巡りの末に必死に集めました。今回初めて、発売日にらんまのCDを購入することが出来ました!…それだけでもう感慨深くって。りりあさんの歌声も情感豊かで素敵ですし、チャイナ風編曲も本当に映えてて…また、CDには♪あんたなんて。のあかねちゃん(日高のり子さん)verも収録されていて、楽曲ラストの「好きだよ」3連発とか…なんか本当にもう…ありがとうございますありがとうございますありがとうございます!原作最終エピソード読んだ直後に聴くと、抱えたエモさ・尊さという感情ダイナマイトが着火して爆発四散します。最高です。…この前、妹に「お前はらんま関連になると、とたんに頭悪くなるね」と褒められました。見事に心が中学生の頃に戻っちゃうんですよね…。折角のリアルタイム『らんま1/2』!またとないチャンスを、最大限楽しみ尽くしたいと思います!!by姉
2024.11.26
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aaaァあああ嗚呼あああ””クライcrymaァああーックス!!!相変わらず、言いたい事を叫ぶだけの超簡単な散文感想をば!!ヴァアアアそう来たか!そう来ましたか(頭抱え)!!!暁のヨナ 46巻 / 第262話「痛みのない世界」263話「手のひらの上で」 感想 *以下単行本46巻収録分のネタバレ含みます。未読の方はご注意ください!*◆盃の中の世界龍神たちと話をすべく、盃の中に入ったヨナ姫…&それを追ってきた黄龍・ゼノ。瞳を開けると目前に広がるのは美しい草原風景とキジャ・シンア・ジェハやぷきゅほーの姿。ヨナ姫は再開を喜びますが、ゼノの表情は曇ったまま…。台詞・描写がキレッキレで…とにかく「読んでください!」としか!キレイな世界なんだけど、すごく絶妙な描写からだんだん(アレこれ違うな)と読者も感じ始めます。◆「人間の一生は我々にとって瞬く間のこと それでも長かった今日あなたがここに現れ 我々の欠片も役目を終えた」by龍神(本体)明確に「キジャ・シンア・ジェハ≠龍神たち」という形で具現化して描かれ、ヨナ姫が龍神たちに向かって「あなたたちは私の仲間ではない」と告げる。当たり前のように描かれていますが「そうだよね、やっぱりココは個体として明確に分かれてるよね!だったら目指すべき場所はひとつだよね!」と嬉しくなりました。◆軽視される「人間の少女の心」キジャ・シンアのフリをするも、ヨナ姫に気づかれる龍神たち。臆することなく、今度は様々な提案で言いくるめようとしてきます。美しい景色や小動物・仲間たちの幻影澄み切った天空や花咲く庭 恋人ごっここれらを持って「私たちはあなたを癒すことが出来る」と言い張ります。緋龍を渇望し、還ってこい還ってこいという割には「人間の少女であるヨナ姫」を馬鹿にしくさってるんですよね。ここは本当に面白い描写でした。天の目線からしたら、そもそも人間界(下界)で起こること全てが些末事…ましてや16歳の少女の気持ちなんて、一番軽んじるべきものなのだと思います。「泥の中だろうと 彼らと共に生きていきたいの 命ある限り」「放して あなたたちとは言葉を交わしたくないわ 私の大切な人や生きてきた日々を ごっこ遊びと嗤うのね」ヨナ姫、半ギレの拒絶っぷりが爽快でした!◆ヨナ姫の「天命」と「意志」について263話で見事に「異なる2つのもの」として描かれていたのが、ここです。この部分です。最近だとヨナミュ感想記事で姉が熱く語ってましたが(というか当ブログは大体ここについて繰り返し語っているだけなのですが)「暁のヨナ」というヨナ姫の物語筋には、最初からダブルミーニング的に2つの目的が仕掛けられていると思ってます。①ひとつめは、緋龍王の生まれ変わりとしての「天命」です。イクスから告げられた「四龍を集めよ いずれ国に嵐を巻き起こすことになる」というものですね。暁のヨナのあらすじとしては、ずっとこの①の方が表立って語られてきましたし、舞台などではもうこちらのみの要素に絞った脚本筋になっていたこともありました。国が絡んだファンタジー戦記モノとして、非常にわかりやすい目的だと思います。ただ本ブログでは、ずっとこの①に関して「ヨナ姫を突き動かす動機ではない&彼女は天命・宿命は一切背負っていない」と語ってきました。ヨナ姫がこの①を漸く背負ったのは、本当に最近…四龍の短命を知り、夢で緋龍王に約束をしてからのことです。あくまで彼女が生きるためにあがいてきたその先で、結果的にたどり着いた結論…というイメージです。今回の263話でヨナ姫は「緋龍王が2000年の時を経て生まれ変わった理由=自分に課せられた天命」を「四龍伝説の終焉&彼らの人間としての地上への帰還」と定義づけました。四龍の呪いを解いてハッピーエンドに向かうには、もはやこれしか手段はありませんよね!②そして…ヨナ姫を突き動かす「天命以外の目的」…ダブルミーニングの2つ目。これは高華国王兼空の部族長の一人娘として生まれ育ち、スウォンの謀反によって国を追われてしまった16歳の少女の心に芽生えた激情…ひとつの「強い意志」によるものだと思っています。そもそも、本作内で緋龍伝説&天命が初めて語られたのは3巻。ヨナ姫=緋龍王の生まれ変わりだと断言されたのは多分18巻です。彼女は「何の力も持たない非力な少女」として描かれてきた2巻の後半ですでに、旅に出て剣を手にしています。追い詰められたハク様を護るために、です。緋龍の生まれ変わりだから&天命だから動き出したわけじゃないんです。「16年生きてきた少女の意志」を持って動き出しているんです。なんでこの部分がこんな描かれ方をしたかって、ここが一番重要だからだと思ってます。この作品は「少女漫画」なんですから。しかし「16歳の少女の意志・恋心」って…本っっっ当に軽んじられるというか、馬鹿にされるんです。スウォン様&その他の有権者達からも「意味の無いもの」と真っ先に切り捨てられましたし、今回は龍神たちから「わがまま」「有っても無いに等しいもの」として扱われ、彼女の叫びは花で埋め尽くされました。そして読者にすら「ヨナは(恋愛メインの)少女漫画じゃなくて(国のために戦う)少年漫画(だから優れている)」といわれている事もあったりして…ーいえ、確かにそうなんです!アクション多いし、ヨナ姫は「自分が国のために出来ることはなんだろう」って頑張ってますしね!でもっ!でも…天だの国だの何千年来の確執だの、到底ひとりの人間が背負いきれない壮大な要素が入り乱れる中で一番力強く、最後に勝つべきものは「16歳の少女の意志・恋心」ではないでしょうかだって少女漫画なんですから‼ーと、そんな想いを乗せながら、私はずっと暁のヨナを楽しんでまいりました。今回の龍神たちの「緋龍王は残してきた四龍が気がかりで天に戻らなかった」⇒「じゃあ四龍は人間に戻して地上に返すね!それで緋龍の願いは叶って天に還ってこれるね!お帰り!」というこの…まるっと「16年生きてきた少女の意志」を無視する流れは、暁のヨナの少女漫画性を浮き彫りにする描き方だなぁ!と本当に感心したというか、また草凪先生に一本取られた!(頭抱えながら超笑顔)と思いました。◆期待値が天元突破中! ※以下、ハクヨナ展開を大いに期待している読者の叫びです※え~~これは、素直にとらえたら①力を無くした四龍たちが人間として帰還 ②でもヨナ姫は還ってこないという展開になるのでしょうか。イカンですね。もちろんこのままではいけません。。ーで、そうなると地上で天とつながっているのは「緋龍王の末裔の血」のみになるわけで…うむ、これはスウォン様がヨナ姫奪還のために一肌脱いでくれちゃったりしなくもないかもしれない!?そしてハク様…ヨナ姫を呼び寄せてください…というかちゃんとヨナ姫を欲しがってください!!!ーううっ私は 私は「私にハクを頂戴!」のシーンを読んだときからずっと「ハク様がヨナ姫を欲しがってくれるラスト」を心待ちにしているんですよ!!最近になっても まだのらりくらりしてるハク様を見て、正直もう無理かもしれない…もうヨナ姫から「結婚して」って言わないと貰ってもらえないかもれない…なんて心配してたんですよ!これは来るんじゃないですか!??流石にリーチかかってるんじゃないですかコレ!!?はぁはぁ…。すみません。龍神てんめフザケンナよ(怒)!! という気持ちとハクヨナ来る??ついに来ちゃう(歓喜)!!?? という気持ちのミックスマーブル状態で、とりあえず絶叫してます。ーいやでも分からない。草凪先生のことだから、どんな展開が来るか全く読めない!次回は1か月後。ワクワクあれこれ妄想しながら待ちたいと思います!by妹
2024.11.07
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完全新作アニメ「らんま1/2」第3話「好きな人がいるんだから」&第4話「乱馬を追ってきた男」&第5話「かわいくねえ」感想アニメ、毎週本当に楽しみに観ています!っていうか、毎話何回も何回も観てます!鑑賞してると言うより、らんま1/2自体が私的な「エンタメ実家」過ぎて、もうすべてが心地良過ぎて、絶対マイナスイオン出てる…もうずっとTVで「ついてる」というか…。こんなに凄い渾身の新作映像が、毎週23分ほど(?)ガンガン公開されるなんて、週刊アニメって凄すぎる文化ですね…改めて。前回感想→1~2話鑑賞及び今回のアニメ化で期待してること列記以下、鑑賞しながら感じていることや3~5話までの簡単感想の箇条書きです。★OP・ED前回の感想記事で描きそびれておりましたが、OP・EDともに楽曲・映像が本当に素晴らしくて感動してます。OP♪許嫁っきゅん は、乱馬くんとあかねちゃん2人の並んだ立ち姿を基軸に、周囲からわちゃわちゃキャラクターが絡んでくるというらんまワールドのラブコメ感が見事に映像化されていて、初見で超感動しました!見れば見るほどかわいいです。楽曲も本当に可愛い…!作曲は、真部脩一さん…♪神様はじめましたの方なんですね。あの楽曲も音源持っててよく聴いてました。anoちゃんは、お名前以外よく存じ上げておらず…(昨年の紅白で一度見かけたことはありました)、今回楽曲をしっかり聞いて、とにかく表現力のある方だなぁ~!とびっくりしました。ボーカルの緩急・強弱、メロディーラインや単語・語尾毎に欲しいテンションが完璧です。凄い!ED♪あんたなんて。はりりあ。さんという若いシンガーソングライター様の提供曲ということですが、こちらも初聴き&映像初見の際はビビりました。転んだあかねちゃんの手を取る乱馬くん…こんな精度で、少女漫画テイスト部分をフューチャーしてくれるの!!?超嬉しい!!って。フルバージョンも聴いていますが、間奏がグッと中華テイストに触れてて、意外性がありつつすごく良いんです。こちらは、あかねちゃんVocal.verも収録というCDを予約済です。もうすぐ(11/6)発売。楽しみです。★一人ひとりのキャラクターの筋立て・周囲認識の繊細なニュアンス1~2話感想記事で「繊細な触覚/ニュアンスに期待してます!」と書いたのですが、3話以降、期待以上の繊細さで、あかねちゃんの東風先生への恋心や乱馬くんとのコミュニケーション過程をじっくり追いかけることができていて、大喜びしてます。物質感/重量感については、先の記事に書いた通り、やはりシーン毎…もっと細かく言うとキャラクターの動作毎に、デフォルメ・色彩・背景の全部を使って、いちいち変えてあるのがよく分かります。鑑賞してて本当に感じるんですが、今回の新作アニメは、基本的に通常のシーン…日常動作シーンにおける質感・重量感が、旧作のアニメや、もっと言ってしまうと原作本編よりも、ずっと「現実」に近く作ってあると受け取っています。各キャラクターの存在感、お互いの認識感がすごくある。主役の乱馬くんが特段顕著ではありますが、それ以外のあらゆるキャラクターたちの、感情の筋立て…周囲の人々への気遣い・空気感の捉え方が全っっ然繊細だと思います。らんまワールドのキャラクターたちは、基本的に皆自我が強く、我が道を行くやつらが周囲にどう思われようがお構いなしに、ガンガン仕掛けてくるのがお話回しの基本形であり、私も「らんまワールド」というのはこういうものだ、と疑うことなく鑑賞していました。ただ今回のアニメは、原作の話筋は変えていないのですが、なるべく各キャラクターの心情筋に鑑賞者が付いていきやすいように…だと思いますが、一人ひとり、演技のニュアンスが凄く丁寧に詰められているのを感じています。乱馬くんがとにかくあかねちゃんの表情/言葉の端のニュアンスを捉えて、それに応じて、ひとつひとつリアクションしてるのが分かります。あとは女らんまくんですね。旧作と全然印象が違ってびっくりしながら鑑賞してます。旧アニメでは、男乱馬・女らんまくんでかなり人格が分かれてしまっている(水をかぶると人格も変わる)印象で鑑賞していました。男乱馬くんは、甘えっこ気質のスーパー愛されアイドル、女らんまくんは覇気のあるカリスマ女性アイドル…みたいな印象でした。どちらにしても超魅力的なキャラクターで、2度おいしい!みたいなイメージ。それが今回は、声質的には旧作よりかなりトーンが高く非常に可愛らしいのですが、でもきちんと男性verからの連続性があり、「あぁ、男の子だ」と感じます。林原めぐみさんは本当に凄いです。今回鑑賞していて、キャスト様皆さまの意欲はどのキャラクターからももちろん感じるのですが、特に男乱馬&女らんまくんの2人のキャスト様…山口勝平さんと林原めぐみさんのお2方の、意欲というか、培ってきたものすべてで、「『らんま1/2』は最高なんだ!」「『旧作があれば良かったじゃん』とか絶対に言わさん!」「30年前のラブコメ全盛期最高傑作の威力を、もう一度深く打ち付けてやる!」と鑑賞者たちをなぎ倒しにかかってくる感じが…凄みというかなんというか…凄いです。ええ。あかねちゃんは、もともと原作がかなり気遣いな娘なので、原作丁寧準拠という印象です。ただ、乱馬くんのリアクションが原作対比でも大きくなっているので、それをきちんと受け取っていて、あかねちゃん自身も表情豊かで、本当に可愛いなぁ、と思って観ています。かすみさんも、全然印象が違いますね…。旧作ではもっと人外の女神のような印象を持って鑑賞していました。本作ではしっかり者で、でも若干マイペースさのある19歳の女性なんだな、とよく分かります。井上喜久子さんが、旧作との違いをしっかり演じ分けられてるのをひしひしと感じます。なびき姉ちゃんもまた…以前よりずっと「気づかいな次女(3姉妹の真ん中)」になっていると感じてます。すごく周囲の表情を見て発言してる。妹が派手な(人気のある)娘なので、過干渉なわけではないですが、様子を見ながら、(あかねちゃんが傷つくようなことはすんなよ)とさり気なく周囲の男どもをけん制してるニュアンスを感じます。乱馬くんのお父さん・玄馬さんも本当に丁寧で…旧アニメ・原作よりかなり親バカ感が増してる印象を持って鑑賞しています。呪泉郷で、乱馬くんを娘溺泉に落とした際、自身がパンダになっていることに気づいていなかったリアクションが入っていたリ…(原作にも全くないオリジナルの描写)初日の登校の際は心配で付いて来てるのがよく分かったり…。あと細かいところだと、山寺宏一さん演じる呪泉郷ガイドさん。1話見て、「演技筋変えてある~…怖っっっ!」と真っ先に思ったところです。旧作では、やっぱりどっか「飛んだ/異邦」キャラクターという印象でしたが、今作ではきちんとお客さんに話しかける、地に足の着いた「丁寧なガイドさん」だと感じたんですよ。★恣意性の強調鑑賞しながら妹とも話している部分ですが、今回の新作アニメで特徴的だと感じるのは、シーン・アクションの魅せ方を、キャラクターの「恣意性」を重視して作っていると感じる点です。一番分かりやすいのが、「お色気」要素について。らんま1/2は設定の特性上、女の子/男の子含め裸が非常によく出てくる作品です。また、各キャラクターは意中の相手に非常にアグレッシブに好意を示しますし、それに加えて色仕掛け等が格闘要素と混ざって出てくるため、シーンとしての数も非常に多い。もちろん、裸シーンの多さはらんま1/2という作品の魅力のひとつだと思っています。ただ、以前の記事でも触れた通り、今回のアニメ化は本作の少女漫画的な要素を一番にピックアップした作りになっていると感じていますし、視聴ターゲット層の想定を明確に「女性層/子ども(が安心して鑑賞できる)」に絞っている印象を受けています。こうした方向性の中で、個別のシーン毎に現代の価値観に照らして、削る・削らない、修正する・修正しないの判別を、「恣意性」で判断しているんだろうな、と。5話とか非常に分かりやすかったんですが、後半パート、絵面としてはお風呂場での男女の裸がずっと続きます。ただ、きちんと文脈を捉えれば、呪泉郷という特異設定の流れの中のシーンなのが全然分かりますので、これは削る必要はないシーン。ただし、深夜とはいえ地上波に乗せるアニメとして、「お色気的な意図はない」ことをきちんと強調したデフォルメで描いたうえで、です。SNS等で何を言われようが、そんなものは「視聴者側が話筋を捉えていないだけ」「雑念を含めた受け取り方をしているだけ」なので。反面、たとえ妄想の中の出来事であったとしても、性的な意図を持った性犯罪に当たるようなアクションは、周囲のキャラクターたちのリアクションを含め、当然、なぁなぁに許容されるものとして描くべきではないし、シーン自体徹底して省略しているのかな、と感じています。※この観点でいくと、八宝菜のおじいちゃんの描写はアウトだらけなので、登場させるにしてもかなりな改変を加えて、話筋を回しの機能に絞ったような描き方になるのではないかな…と想像しています。もう1点、恣意性という観点で強調されていると感じるのが、「殺気」です。4~5話の良牙くんの描写が非常に面白かったのですが、アクションシーンに時折「本気の殺気」を織り交ぜて来るので、純朴が故に、すごく怖いキャラクター描写になってると感じました。山寺宏一さんも明確に使い分けて演じられていて、今更過ぎますが、本当にキャスト様が凄すぎるな!と。この感じで、今後登場する予定のシャンプーちゃんの殺気の切り替えも強調してくるのかな~、見応えありそうだな~、と今からワクワクしてます。■第3話「好きな人がいるんだから」予告PVでもカットがたくさん使われており、渾身回なのだろうな、と思って心して鑑賞しましたが…ワンシーンワンシーン、キャラクターの1動作毎の素晴らしいこと…!骨つぎ屋さんからの帰り道、あかねちゃんにおんぶしてもらうシーンの星空のきれいさ、あかねちゃんを乱馬くんが励まそうとするシーンの夕焼けの美しさ、そして道場の手合わせシーンのふわっとしてぐあっとした、超こだわりの動作を鑑賞し、こんな凄いものが新しく観れるとは思いもしていなかった、年季の入ったオタク的にはもう…心の深き奥底に眠っていたはずの泉から、喜びが噴火してきて大変です!幸せっっっ!!■第4話「乱馬を追ってきた男」良牙くん登場!アクションシーンのクオリティの高さに、ここでも感涙…!個人的には、乱馬くん&良牙くんの中学時代・昼食売店戦争シーンのテンションが見事過ぎて大好きでした。あとはもう…女らんまくんの、可愛らしく男らしい魅力が詰まっている回だったと思います。林原めぐみさん、最高でした。■第5話「かわいくねえ」前半パートのシンシアリーさ…あかねちゃんの「すっきりした」が、ちゃんと本心から出てきているものだと説得力があり、素晴らしかったです!眩い夕日の光が綺麗過ぎて、「(恋の)終わり」が寂しいんだけど優しくて幸せで、新しい希望も感じて…とにかく素敵!少し脱線しますが、東風先生役の森川さんは、犬夜叉の奈落役なんですね。るーみっく作品お馴染みの、(他作品含)クロスオーバーお遊び配役が数十年スパンの長期間で、壮大に一周巡って来てて面白いですね~!・旧:平成版らんま1/2 乱馬くん:山口勝平さん あかねちゃん:日髙のりこさん(タッチの南ちゃんでブレイク) 東風先生:三ツ矢雄二さん(タッチの上杉達也役)・犬夜叉 犬夜叉:山口勝平さん 桔梗:日髙のりこさん(おそらく、前世の相手役という意味での配役) 奈落:森川智之さん(犬夜叉/桔梗の仲を引き裂く役)・現:令和版らんま1/2 ←New! 乱馬くん:山口勝平さん あかねちゃん:日髙のりこさん 東風先生:森川智之さん後半パートは、良牙くんも変身して、一気にグッと「らんまだぁ~!」と感じるテンポになりましたね。次回・6話は格闘新体操序章・久能小太刀登場でしょうか?強烈なキャラクターなので、どのような描写になるのか楽しみにしています!この先の奇人変人パレードも存分に楽しませていただきます。あ~~~、幸せっっっ!!by姉
2024.11.04
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愛知県長久手市ジブリパークへ行ってきました!-2■もののけの里23年11月オープンとのことで、もうすぐ1周年のエリアです。事前情報で、五平餅が焼けるとか、可愛い感じのタタリ神&乙事主様が居るとか聞いていたので、「ここはそんなに見るものもないんだろうな」と油断して足を踏み入れたんですが…びっくりするほど個人的感性にミラクルフィットな、超ド好みエリアでした。こちらのエリアですが、お隣に「あいちサトラボ」という農業体験ができる既存施設があります。公式ガイドブックの吾朗監督のインタビューを見て納得しましたが、もともとこのサトラボの施設拡張に際し、ここもジブリパークに組み込んでいただきたいと愛知県側から打診があったとのことでした。もののけの里は、既存の「サトラボ」という施設にもののけ姫の要素を寄せて、「里山」風にしてパーク化してるエリアなんだな、と。これこそまさに吾朗監督の手腕なのだろうな、と思います。タタリ神と乙事主様も、かなり迫力があって凄く良かった!里山の景観の中における「タイル」は、高貴さ・エキゾチックさをすごく感じました。三本柱の櫓は、もともとアシタカの生まれ故郷の村のものなので、本来ははタタラ場とは全く異なる場所にあるものですが、タタラ場自体も鉄を扱う要塞ではなく、少し武装した山里のお屋敷的な風貌になっていてすごくマッチしてます。タタラ場周りのなんちゃって『堀』。これがすごく良かった!この「噓のつき方」は、おそらく宮崎駿監督にはできないんじゃないかな、と感じました。たぶんもっと「本物」が作りたくなっちゃう。ここも、とにかく植物が素敵なんですよ~!タタラ場回りには、水の要らない稲穂…?が植えられていました。これも、本物の植物の威力をすごく感じました。既存の「サトラボ」の景観を活かし、もののけ姫要素を咀嚼・デフォルメして、嘘ついて、「なんちゃって」で空間/絵面を形作る。映画本編に出て来たタタラ場やタタリ神がそのまま立体になっているわけではないのですが、この「なんちゃって里山」に、ジブリファンがジブリに求める萌えがたくさんあるんですよ。そもそも畑で野菜を育てる・収穫する萌えだってトトロだし、「サトラボ」はだんだんエボシ様の私庭に見えてくるし。なんちゃって里山、最高でした。ほかの季節もきっと良いだろうけど…たぶん、このエリアは秋が一番イイ!■青春の丘地球屋(プレミアムの方のみ入れる)がメインの小さなエリアでした。「次はプレミアムチケットを何とか入手して来よう!」と思いました。さらっと天沢聖司(の自転車とジャケット)が居て笑いました!■どんどこ森メインエリアから、更にひと山超えたところにあります。サツキとメイの家がメイン建造物としてあるのですが、どちらかと言うと、このエリアのコンセプトは「山の中を歩く」ことだと認識しています。メインエリアからの移動に関して、私たちは山道(最短)コースを使用しました。距離的にはさほどのものではありませんし、ウッドデッキ的な遊歩道も綺麗に整備されていますので、歩きなれているお子さんや健脚な方であれば、是非山道コースを歩くのが良いと思います!皆が一番観たい、心躍るモニュメントがあちこちに設置されていました。※歩くのが難しい方にもしっかり周遊バス等整備されています。有料ですが、ネコバスも走ってます。どんどこの森は、まさしく森であり、山でした。万博時よりあったのかな?と思いますが、エリア手前の「日本庭園」も非常に見応えがありそうでした。(時間がなくてそこまでしっかり見れませんでした…)山頂には「どんどこ堂」と名付けられた神社モドキ的な社&お堂?(トトロ)があります。登山道にあるどんぐりのモニュメント(●合目に合わせて増えていく)も、鳥居モチーフの立看板も、「ど・ん・ど・こ」登って行きたくなる意欲を掻き立てられます。素晴らしい…!■ジブリの大倉庫パークの中核となる、大規模な屋内展示施設です。他のエリアと異なり、チケットを取る際には1時間毎の入場時刻指定があります。(出る時間は決まっていないので、好きなだけ中に居られます。ただし、一度出ると再入場はできません)1日にどれくらいの人数を入れることが出来るのか…と思っていましたが、初期の報道等では、土休日4,000人という人数が出てきていました。入場時間指定制:9:00(※)/10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:001時間おきに7回の入場ですので、単純に割算だと、1回につきだいたい570人くらい?所要時間が3~4時間である点を見込むと、館内の収容可能人数は2,000人を上回るくらいなのかな?と思います。(時間に寄って販売枚数を調整している可能性も十分ありますが)屋外施設のみ回るチケットも販売されてはいますが、メインエリアでMAX4,000人というのは、投資回収という点からも、感覚的には「(最低限の)利益確保」ラインなんじゃないかな…。(もちろん具体的な数字は分かりませんが、そもそもチケット額自体、他テーマパークに比べ非常に安いです。)大倉庫内は見どころだらけだったので、かいつまんで感動した部分を!・小人の庭(アリエッティ)アリエッティになった目線で、庭の大きな草花を見上げることが出来る展示。ここは、「もののけの里」同様にテンション爆上がりした場所です!植物の葉・花・茎が、本当に精巧に作り込んであって圧倒されました。アリエッティのエリアがあることは事前に知っていたのですが、うっすらと、もっと作り物っぽい、ファンタジックでメルヘンちっくなエリアなのだろうと想像していました。床下の家の感じは、想像通りのメルヘンな印象だったのですが…それが、庭に出て、草木がわっと目の前に広がった瞬間に「あ、本物だ」と思うような精密さだったので、あぁこれは、メルヘンなワールディングではなくて、「小人の目線だと、足元の草花がこんなに力強く面白いものなんだよ」って言いたいエリアなんだな、と強烈に伝わって来ました。これだけ精巧な屋内展示が誘導するのが「現実の草花」というのが、初めての感覚でしたし、あぁ~~…やっぱり、ディズニーの「夢の国」というコンセプトともまた違う…これぞジブリだ!と感動しました。・ジブリの大倉庫もともと、ジブリパーク構想の始まりが、ジブリがこれまで様々な企画展で展示していた展示物の倉庫兼常設展示施設だったとのことです。なかなか不可思議且つちょっと不気味な立体模型がたくさん置いてありました。ナニコレ気になるわぁ~…・ジブリのなりきり名場面展私たちが行った時間においては、電車の中でカオナシと2ショット、ラピュタの2場面(シータが降ってくる/燃える城に助けに行くシーン)のみ、待機列を作って案内していて、上記以外の展示は待つことなくすすすっっと観る&写真を撮ることが出来ました。展示はしっかり見たいけど、並んでまで写真は…と思っていたので、オペレーションが明確でとてもありがたかったです。まさか自分がノリノリで、紅の豚と殴り合ったり、ぽんぽこの会議に参加したり、獅子神様に首をお返ししたり、カプローニと飛行機の上で語ることになるとは思わなかった。普段こんなことそうもやらない性質なんですけど…なんかもう浮かれ切ってた…。・映像展示室オリヲン座三鷹の森美術館で上映されてきた短編映画を鑑賞することが出来ます。「たからさがし」を鑑賞しました。9分間という非常に短い作品ですが、男の子とうさぎさんの力強い躍動に圧倒されました。イメージ的には「鳥獣戯画」!アニメーション万歳!とスタオベしたくなる素晴らしい作品でした。原作は、奇しくも先日訃報をお聞きした中川李枝子さん(ぐりとぐら・♪さんぽ作詞)です。他にも見どころは本当にたくさん…企画展は、ジブリの食べ物の食品サンプルがいっぱいありました。食べ物のみの展示かと思いきや、トトロの家やタイガーモス号等の室内再現ブースもたくさんあってテンション爆上がりしましたし、あらゆるとこに面白いものがいっぱいでした。風立ちぬに登場したシベリアも食べました。意外と甘さ控えめでおいしかったです。結局、ジブリの大倉庫には3時間強居ましたかね…。■(再)魔女の谷AM中、売店に入店待機列が出来ていて断念していたので、最後にもう一度魔女の谷を訪れました。オープン後、混み合っている期間のみの措置かもしれませんが、魔女の谷エリアのみ、希望すれば再入場が可能でした。オペレーションが本当にしっかりしていて…AM中の売店待機列はかなり進捗が遅い…売店への入店人数を少数ずつに抑えて案内しているようでした。AMに真っ先に売店に並んで入店したい方たちは、売店自体が目的で来園している層だと思います。目当てのお土産があっていらっしゃってると思いますので、待機列の順に手にできるようにしているんだと思います。反して、私たちのように閉園間近に売店に駆け込むような層は、「今日の思い出になんか欲しいな~」「なんか可愛いのがあったら買おうかな~」勢だと思うので、混み合う程度に一気に入店させて、スピーディーにお客さんを捌いていました。ジブリの大倉庫でも感じましたが、目的別に客層の動きに合わせたオペレーションがなされているのをひしひしと感じました。最後になりましたが、スタッフ様たちが皆さま若くて、でも接客やオペレーションの品質が非常に高い印象でした。すぐお隣にある愛知県立大学や愛県芸を始め、周囲に大学もたくさんあるため、アルバイト人材の豊富さを感じました(すごく大事なことです)。英語でバリバリ対応されているスタッフ様も居て、凄いな!と思いました。もちろんお土産も買いました!並べてみると、布製品が多いな…。ハウルのマント風ストール(左上)は、これからの季節に部屋で使うつもりです。いやぁ…初ジブリパーク、本当に本当に楽しかったです!園内は想像通り非常に広く、見どころが多すぎるため、最初はやっぱり大さんぽ券での来園がいいんじゃないかな…と思いました。プレミアムチケットがあったとしても、とても見切れなかった…。行ったその場でしか分からない感動がたくさんありました!次はプレミアムチケットを頑張って取って、また伺いたいと思います!by姉
2024.10.26
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愛知県長久手市ジブリパークへ行ってきました!-1開園が2022.11で、約2年間ほど。実は家が、ジブリパークに車で日帰り超余裕圏域内でして。近所なわけではないですが、感覚的には「めっちゃすぐそこの最近遊園パーク」。全世界ジブラーたちの羨望の的となりうる立地に居ながら、「人混みキライ…!」となんとな~く傍目で見てまして、2024.3に第2期と謳っていた「魔女の谷」エリアが公開され…半年。そろそろ落ち着いただろうか…と恐る恐る、まずは「大さんぽ券」を購入してみました。最初は妹と「平日に休み取っていきたいね」と話していたのですが、チケットは2か月も前に購入しなければならないため、なかなか日程が分からず、秋晴れの3連休という、絶対に皆が行きたい一番混むような日に伺うことになりました。ジブリパークですが、2005年開催の万博愛・地球博会場跡地であるモリコロパーク内にあります。パビリオンの一つとして「サツキとメイの家」が建設され、それも含めて5つの点在するエリアがあり、それら一体で「ジブリパーク」となっています。Wiki等で経緯を見ると、パーク10周年の2015年に同会場にてジブリの企画展を開催したのをきっかけに、愛知県大村知事からジブリ側へ、熱心な「恒久施設」誘致勧誘を行い、2018年に閉館する予定の温水プール跡地(現:ジブリの大倉庫)を用いた構想がスタートしたとのこと。公式ガイドブックの宮崎吾朗監督のロングインタビューを読みましたが、ジブリ側も、2014年の「思い出のマーニー」を一区切りとして映画制作部門を閉じたのをきっかけに、今後の展開を考える必要性が出て来ていて、テーマパークの引き合いは複数箇所からあったものの、最終的には愛知県提案の既存公園を使う構想に乗る形になったとのことです。施設管理・運営のための会社(株)ジブリパークは、スタジオジブリと中日新聞社の共同出資とのことですが、パークの設備投資はすべて愛知県持ちなのかな?開業時のニュース記事には、(近隣道路整備も含め)投資額497億円、…約500億円(うち140億円は国補助、県実質負担360億円)という数値が出ておりましたので、公共事業としても一大プロジェクトですね。だいたい、遊園地の超大型コースターが30~50億円(輸入品は為替影響が大きいので、今はもっとかかると思う)、同ジブリ関連の三鷹の森美術館は事業費50億円(2001年時点の話なので、現在の物価高と状況が違う)と出てきたので、単純比較はできませんが、ざっくりだいたいその10倍か…。ただ、ディズニーシーの新エリア・ファンタジースプリングスは、いちエリアとしての公表投資額が3,200億円と桁違いですし、ハウステンボスは初期投資2,000~2,200億円(1993年時)、USJは初期投資1,700~1,800億円(2001年時)という数値が出てきましたので、それらと比べるとジブリパーク(周辺道路等含)の全体投資額500億円はまだ可愛い金額というか…ジブリパークはやはり、一大テーマパークという規模感のものではなく、あくまで「(規模の大きな)公共事業としての公園整備」という位置づけなんだな、と受け取っています。*以下、ほとんど写真ログ+少し感想です。*まず最初に、全体的な感想を言うと…宮崎吾朗監督が凄い!!感動した点は多々ありますが、主に下記の2点です。①各エリア、各ブースにおける体験/鑑賞すべきものの明確さそれらを立体物に落とし込む際の、使用ツールの妥当さパッとその場に立った瞬間に、今居るこの場で何に感動すべきなのかが明確に分かります。これは本当に、行ってみてその場その場で体感してみて、強烈に焼き付いたところです。使うツールが多種多様で、感動自体も多種多様で、でもパーク全体として統制も取れていてこれはもう完全に宮崎吾朗監督の手腕だと思いますし…凄いな!!と。吾朗監督が、もとは都市の緑化とか、それこそ公園とか手がけられていた建築畑の方で、三鷹の森美術館プロジェクトに際して、ジブリに入社されたという経緯は知っていました。今回のジブリパークは、本当に吾朗監督がご自身の一番メインフィールドで、これまでアニメーション製作等で培われたものや、「ジブリ」ブランドへのリスペクトを全部投入して、形作られた大作だと受け取っています。各所で感じた感動については、各エリアについてで詳細を語ります。②徹底した「公園」への意識先にも書いた通り、ジブリパークは資本主義の上に成り立つ商業施設ではなく、あくまで愛知県の公共公園整備事業という位置づけなんだろうな、と感じました。今回、私たちが10月の3連休という非常に混む日に訪問したのですが、かなりスムーズに施設等を回ることが出来ました。もちろんお土産屋さんなど、入店・レジ待ちが必要な場面もありましたが、待ったとしてもせいぜい所要時間は20~30分程度。メインとなる「ジブリの大倉庫」が屋内施設という点も考慮してだと思いますが、他に屋外展示施設もあるわけで、他遊園・テーマパーク施設の感覚からすると、たぶんもっと人を入れようと思えば入る…現行は、「利益最大化」観点での定員設定ではなく、「訪れた人たち(子ども含)が安全且つきちんと楽しめる」観点での定員設定をしているんじゃないかな、と感じました。屋内展示・屋外展示含め、あらゆる場所に座れる休憩スペースが設けてあったり、とにかく立派なお手洗いが多い&個々の個室がかなり広い。休憩施設やお手洗いついて、激混みで困るような場面は全くありませんでした。園内のお土産等も、個々のクオリティに反して、値段設定がさほど高くない。このご時世、このクオリティで作ってるならもっと取りたいだろうな…と思うような商品も、おそらく受注ロットを増やすことで、なるべく大勢の方が手を出し易い値段に頑張って抑えている印象を受けました。あと印象的だったのは、地元・愛知県(&近辺)の特産品を、フードやお土産品に何とか織り込もうとされている配慮ですね。愛知県がお金出した施設ですからね。朝、駐車場の開く8:00過ぎには到着してました。ジブリパークの各エリアのオープン時間は9:00~17:00まで。私たちは5つのエリアを一通り回り、16:30過ぎまでほぼ1日フルで滞在してました。以下、回ったエリア順に、簡単感想です。■魔女の谷最初に行ったのは、今年3月公開された『魔女の谷』。屋外展示物としては、パーク最大の見どころが詰め込められたエリアだと思います。ハウル/魔女宅/アーヤの、魔女の出てくる3作品に関連する建築物と、メリーゴーランドやラピュタモチーフのライドアトラクションがあります。開園前、エリア外の屋根のある場所で待機列に並びましたが、十数分でスムーズに入場できました。エリアに入る前のモニュメント、入口ゲート等で真っ先に感じたのが、ぱっと見で、タイルですとか、取っ手金具等のあらゆる資材の品質がこだわってあるんだろうな~、という点。今回は外から眺めただけでしたが、「ハウルの動く城」「グーチョキパン屋」等、はっきりと作品名/建物名を出している建物は作中の再現を第一に考えた作りになっているのだと感じました。テンション上がる!「まずハウルの城見にいこう!」と言って入ったのに、次々と目に飛び込んでくる建造物に気を取られて蛇行に蛇行を重ね、全然たどり着けなかった…。視線誘導が絶妙というか…まず街並みに気を取られちゃうんですよ。ここからだと、ハウルの城の見たいところが見えないようになってるんだと思うんですよね。グーチョキパン屋からの屋根裏部屋入っちゃうと…窓からメリーゴーランド見えるし。いやその前にまずハッター帽子店に一度行って…あれ?あそこはなんだ?本屋だ!魔女関連の絵本売ってる可愛い!ふらふら…↑こんな感じ。また、とても印象的だったのがこだわりの植栽植物(本物)の視界への影響力。草の一つ一つ、丁寧にこだわって選んで植えられているのが分かりました。ハウルの城の周囲の「荒地」感も凄かった!「なんちゃって」荒地が、ちゃんと本物の植物で作ってあるんです。面積自体はそれほど広くはないのですが、インパクトあり、感動しました。その2記事に続く!by姉
2024.10.26
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完全新作アニメ「らんま1/2」第1話「らんまが来た」&第2話「男なんか大っ嫌い」を鑑賞しました。走り書きで、簡単感想です!★アニメーション/キャラクターデザイン/デフォルメらんま新作アニメの速報と同時だったと思いますが、メインビジュアルが公開され、順次主要キャラのキャラクターデザインが公開されていきました。一目見て、妹が絶賛したのが、このキャラクターデザインです。旧作のキャラクターデザインは、本ブログでも何度もお名前を出しているアニメーター・中嶋敦子さんが担当されていますが、本当に「映える画」というか、女の子たちは色っぽくて可愛く、男の子たちはカッコよくて可愛く、「あんな絵が描きたい!」と誰しもが真似したくなる、カリスマ性がありました。反面、中嶋敦子さんが描かないと「違う方が描いたんだな」となるというか。作画が各話で大きく異なり、シリーズとしての統一性は無い印象でした。(全然悪い意味ではなく。作画監督様の味が出るのは、アニメーター様方にとってはモチベーションにも直結するし、良い時代だったのだと思います。)転じて、新作のキャラクターデザイン。その後に公開されたOP映像/予告映像も見た上で…下記、妹談:これは・・・ 原画/動画スタッフ様への挑戦状なんじゃないかな!と。わざと、キャラクターデザインの通りに真似して描いてもキマらないデザイン画になってるんじゃなかなぁ。OP映像や予告映像を見て改めて思うけど、今回は徹底して本当に「キメ画/トメ画」を作らない。「キャラクターデザイン画や原作コミック該当場面の、この画を真似して描けばいいんでしょ」とか、「キメ画は作画監督様が修正してくれるでしょ」って出来ない。原画スタッフ様一人ひとりが、自分で考えて画を構築しないとどうにもならないように仕掛けてある・・・気がする。作画スタッフ様一人ひとりが考えて画や動きを構築できる、その自由幅をきちんと持たせてた作りになっていると思う。旧作に比べ、黒目部分がかなり小さいのも、目で演技できる幅をとても広げてるし、とにかくそれぞれのパーツが自由に動かしやすいようなデザインになってる。シンプルなようで、服の線等はかなり柔らかさがあるので、シーンに寄って、必要な質感を強調することもできる…というか、いちいち考えて描かないといけないように、デザイン自体から仕掛けてあるのでは。アニメーション映像が「3D/美麗」にどんどん寄っていくその反面、動きや表情が硬くなっていたりトレースばかりになったり・・・という現在の風潮へのカウンターというか、今、このタイミングでらんまを再アニメ化する意義として、今のアニメーション制作に必要なものはこれだ!という監督様/企画制作の大方針なんじゃないかなぁ(全て推測)。1話&2話を鑑賞すると、キャラクターデザインのみならず、色彩についてもシーン毎にテイストを変えていたり、背景もワンカットワンカット異なる考え方で構築してあったり、「80年代」を印象的に焼き付けるための小物を随所に配置したり…とにかく「シーン毎に必要に応じてテイストを変える」意図を感じますし、それを視聴者に許容するよう訴えてきていると感じます。これらは、シーン毎に必要な質感/重量感等が異なるためなのかな、と受け取っています。原作や旧作アニメのらんまは、アクションシーンとして建物・ブロック壁を人間の力で粉々に破壊するシーンがたくさん出てきますし、脚力だけでほとんど空を飛ぶことが出来るレベルの「軽さ」が特徴なのですが、反面、触覚や繊細な演技動作への意識は感じませんでした。後の話ともつながりますが、今回の新作らんまは、おそらく「触覚」部分…「触る・触らない」といった非常に繊細なところを描くシーンが出てくるのではないかな、と思っています。もしそうだとすると、アクションシーンとの重量感や物質感が全然違ってくるのは明かなので、シーン毎にデフォルメ変えるよ、質感変えるよ、背景の精度も変えていくよ、ってわざとやってるんじゃないかな、と受け取っています。★少女漫画テイスト第1話放送とほぼ同時に発売された「ダ・ヴィンチ」にらんま特集が組まれており、高橋留美子先生のロングインタビューも掲載されていました。そこにも書いてありましたが、「らんまは女の子の読者が圧倒的に多かった作品」とのことでした。私たちが完全にそこに当てはまる部類のファンなのですが、数多の名作揃いであるるーみっく作品群の中で、なんで「らんま」が特別かというと、少女漫画脳で鑑賞して一番心地いい作品だからです。らんま1/2の一番世間的に浸透しているイメージとしては、水をかぶると女の子になる設定や、女らんま・シャンプーちゃんのようなビビットでインパクトのある女の子キャラのビジュアルなんじゃないかな、と思うのですが、いちファンとして認識している本作品最大の魅力/アイデンティティは、「許嫁設定」の方です。乱馬くんとあかねちゃんの、最初からラブ通り越して夫婦という「形から入る」ラブストーリー模様…二人とも、もともと自分が無差別格闘流という少数精鋭の格闘流派を継ぐ気満々ですし、天道道場という立派な器があった上で、「結婚相手だよ」って出逢っていますので、最初からお互いにとって誰よりも都合の良い相手なんです。乱馬君はばっちり格闘の才能が有って、非常に強い子ですし、あかねちゃんは格闘が大好きだけど、守ってあげたくなる可憐さもしっかり持ってる子だし、親同士が決めた許嫁なんですが、お互いに最初からしっくり来てるというか、「そっかぁ」と、もうそういうものだと双方が思ってるし、その価値観を共有してる。偽装結婚や政略結婚から始まったり、義兄弟等になることで一つ屋根の下同居がスタートしたり、その後の日常生活における交流の中でラブストーリーを描いていくのは少女漫画作品の鉄板中の鉄板ですが、「無差別格闘流」というアクション用の設定とともに、「許嫁」という少女漫画的な設定が本当に気持ちよく、少年漫画作品の中にラブコメ要素として綺麗に落ちているのが「らんま」だな、と思っています。作中で登場してくる他女の子キャラクターはことごとく皆乱馬くんにべた惚れですし、他男の子キャラクターは大多数があかねちゃんLOVEに落ちていきますし、そんな中で、お互いが強固に「自分の相手はあかねちゃん/乱馬くん」って当然のように思っているところがラブコメとしての最萌えポイントだし、読者側の一番の安心感です。今回のアニメ作品ですが、まさしく上述してきたような部分…本作の「少女漫画」的な部分を一番にピックアップした作りになっていると感じています。アニメ雑誌等の描き下ろし表紙イラストが、乱馬くん&あかねちゃんのツーショットを前面に押し出して来てますし、OP映像は、2人の並んだ絵面を基軸にして作ってあります。EDは楽曲からガッツリ「少女漫画的ラブストーリーやるよ~!」って内容になっていますし、ED映像では乱馬くんがあかねちゃんの手を取るシーンがじっくり描写されていてビビりました。先のデフォルメの話に戻るのですが、「触る・触らない」レベルの繊細な触覚は、原作や旧作アニメでは、取り立てて描写しようとはしていなかった部分なんです。今回のED映像のレベルで描写し始めると、それこそ他のアクションシーンの軽さとのギャップがすごくありますし、何より…ヤバいんです。だって乱馬くんとあかねちゃんって、この先、家でも学校でもずーーっと一緒ですし、ずーっとベタベタしてますし、お姫様だっことかしまくりますので。たぶん…なんですが、今回のアニメは原作の話筋は変えずに映像化しているように見せておいて、乱馬くんの描写を、若干スパダリ風(余裕のある少女漫画ヒーロー風)に寄せていくんじゃないかな…と思っています。山口勝平さんも、新人時代の演技とだいぶ違って、探偵や怪盗で培ったキザなセリフは板についていると思いますし。で、あかねちゃんの「乱馬くんが守ってくれて嬉しい」って部分を、はっきりではなくて、絶妙なニュアンスで入れ込んで来るつもりなんじゃないかなぁ…、何それ!めっちゃ可愛い!萌えキュン!!と、今のところそんな期待を持ちながら鑑賞しています。2話までで九能先輩が登場し、一層にぎやかになって来ました。1クール(12話)で、良牙くん登場、格闘新体操、格闘スケート~シャンプーちゃん登場までを駆け抜けていくのかな?3話以降も楽しみにしています!by姉
2024.10.13
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デビュー40周年記念『日渡早紀原画展』へ行ってきました!凄く簡単な感想です!「日渡早紀原画展」愛知会場:三省堂書店名古屋本店2024年10月3日(木)~10月31日(木)2年ほど前から、全国数か所を巡っていたのは知っていたのですが、行くのは難しいなぁ…と羨ましく眺めていました。今回、本屋さん支援の意図も込めて、名古屋駅併設の高島屋三省堂書店にて、追加開催してくださるとのことで…!関東/関西間で飛ばされがちな名古屋に来てくださって、とてもとても嬉しいです。早速、妹と2人で行ってきました。高校生の頃、文庫版全12巻の『ぼくの地球を守って』を読んで、脳みそをぶん殴られたような感動を覚え、しばらく月基地から帰って来られなくなったのも、丁度今頃の、肌寒くなって来た秋口だったなぁ…なんて思いながら会場に向かいました。本屋さんの中のイベントブースでの開催とのことで、今までより少し規模を小さめに、展示数も入場料も抑えているとの前情報でしたが、代表作・ぼくの地球を守ってのほか、デビュー作~最新作までの作品をほぼ網羅する非常に見応えのある展示でした!原稿は、数十年経過しているものも含め、非常に綺麗な状態で、しっかり鑑賞することが出来ました。大好きな漫画作品の原画展に伺うと、やはり「生原稿を観れた!」という感慨というか、「本当に人が描いてるものなんだな~」とか「○○先生は××の使い方が尋常じゃなく上手い、これはおそらく▲▲のような考え方で画面構成を~…(画的な鑑賞考察 by妹)」とか、表出/技巧部分への感動が先に立つことが多いのですが、今回は少し違いました。原画展を鑑賞しての感想は、ただただ一言。イ・マ・ジ・ネ・ー・ション!!!生原稿を見ても、「誰かが描いてる」と思わないんです。「あ、輪くんが“居る”」「木蓮さんが“居る”」「月基地に居る、地球が見える」って、普通に漫画読むみたいに、普通に見ちゃうんです。もちろん、漫画原稿は本当にクオリティが高くてものすごく綺麗だし、折角の生原稿なんだから、どんな風に描いてるのかもっと見なきゃ!と思うんですけど、でもなんか普通に「輪くんが、自発的にしゃべって動いてる」としか思えない。本当に、「漫画原稿を描いてる」んじゃないくて、「日渡先生の中の、イマジネーションの大海原に見えているものを、現実世界に描き写してる」んだな、というか。漫画原稿、それ自体に価値があるのではなくて、あくまで原稿は無限のイマジネーションの表層に過ぎない…私たち読者が享受する漫画作品が「水」だとするなら、原稿は「水道の蛇口」みたいなもので、その後ろにどれだけの規模かもわからない、巨大な水道脈が広がってる…もちろん水道の蛇口があって初めて私たちは水を得られるので、蛇口自体もものすごく大事なんですけど、でも何が一番凄いのか、価値があるのかって言ったら、やっぱり大元の水道脈あってこそなんですよ。…そんな感じ!うまく書けないんですが…伝わるでしょうか?この感じ!!ぼく地球のほかにも、次世代編であるボク月の原稿、記憶鮮明シリーズやGLOBAL GARDEN等、大好きな他作品の原稿も感慨深く鑑賞させていただきました。20年以上?前から、日渡先生のカラー原稿がデジタル着色だったため、てっきり白黒原稿もデジタルで描かれていると思っていたのですが、かなり最近の原稿まで、白黒はアナログで描かれていたようで、びっくりしました。原画を順にじっくり観ていく中で、完全にイマジネーションに殺られまして、最後…お土産コーナーにて。下の写真のグッズを購入しました!…のほかに、全く購入する予定のなかった、愛知会場からの新商品!亜梨子ちゃんが地球を抱く、コミック1巻表紙絵の、受注生産品/P8号(455×333mm)・大型キャンバスボード(税込約15,000円+送料)も、うっかり注文して来てしまいました。同じイラストのアクリルボード&ポストカードも買ってるのに!!でも~大好きなイラストなんですよぉ~~…大きかったんですよぉ~~…かなり原寸に近い大きさだと思ったんですよ~~…飛び込めるくらいの、ぼく地球の大きなイラストが欲しい!と思っちゃうくらい、それくらい原画展に感動しました!ってことです。発送は来年2月頃予定とのこと。まだサンプル品の展示のみだった為、実物がどんな仕上がりになるのか分からないのですが、既存で販売している他イラストのキャンバスボードの品質が非常に良かったので、とても期待&ワクワク楽しみに待たせていただきます♪愛知会場では10月いっぱい開催しています。おそらく今回の開催がラスト会場になるのかな…?と思いますので、興味のある方は是非!by姉
2024.10.06
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完全新作アニメ「らんま1/2」2024年10月5日(土)深夜より放送/Netflix配信開始!いよいよ本日! ネトフリ待機、準備万全です!完結後に名作漫画・アニメにハマるたび「私たちは・・・産まれる時代を間違えたんだ・・・」とか嘆いてましたが、めぐりめぐって 今「らんまアニメの第一話がもうすぐはじまる!わくわく」なんて世界線に辿り付いてます。すごいことですよコレは・・・!アニメ化&声優さん続投が発表されたとき、昔 地方の「まんだらけ」に通う度に必死に集めたお宝「らんまセル画」コレクションを引っ張り出して眺めました。ーうん。本当にあの頃、もの凄いらんマニアだったな!!中学生のなけなしの小遣いでよくコレだけ集めたなぁ(しみじみ)セル画は本当に保管が難しく・・・主線が色落ちしていたり、後ろの紙とひっついてしまっているものもありますが、自分たちなりに大事に大事にとってありました。各キャラクターを集めたかったんですよね。なびきちゃんはおそらく巡り会えず・・・シャンプーちゃんは当時から人気があって、手が出せる値段ではなかったんじゃないかな。確か。とはいえ、中々良いカットばかりなのでは・・・(欲目)!下の緑色の男乱馬くんは、TVシリーズ最終回のものですよ~。格闘スケートのセル画は、放送時とは別の背景付で販売されておりました。1枚に2人描かれているし、ちょっと謎な逸品なのですが・・・乱馬君とあかねちゃんが並んでる絵で、しかも作画監督・中嶋敦子さん回のもので、一番のお気に入りです!セル画の裏面って・・・良いよね・・・(セル画好き)・・・はあ。令和版らんま1/2、初回放送が数時間後に迫って参りました。初めての、リアタイテレビ放送らんま! です。・・・はぁ。楽しみです・・・!by妹
2024.10.05
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完全新作アニメ「らんま1/2」の放送開始まで1週間を切りました!2024年10月5日(土)より放送/Netflix配信開始!ネトフリ待機、準備万全です!昨日、OP映像が公開されましたね。→こちら旧作へのリスペクト&新たな映像構築への意欲やキャラクター1人1人の躍動感へのこだわりをとても感じます。楽しみです!な気持ちも含め、らんまコンテンツについて思いつくままに語ります。本ブログでもちょこっと書いてきたことはありますが、私&妹は中学生活3年間を通してほぼ「らんまワールド」に住み着いていました。あの頃の記憶を思い出そうとすると、現実世界より「天道家の居間」に居た印象の方が強い。※ちなみに、リアルタイム世代ではないです。当時らんまは漫画連載も終了しており、私たちは世代的にはガッツリ「犬夜叉」世代です。犬夜叉も当然読んでました。大好きです。…ただ、何をどうあがいても、私たちにとっては「安心感のある、定住できるはっちゃけホームラブコメ『らんま』」が常に1番!でした。キッズステーションでTVアニメを全話録画(VHS)し、繰り返し繰り返しテープが擦り切れるほど鑑賞。らんまにハマって以降、80年代の漫画作品…るーみっくはもとより、同サンデーのあだち充先生の作品にも手を広げていく過程で、昔の漫画作品を開拓する楽しさに目覚め、らんま関連のCDを買いあさって、アニメのOPEDや劇伴を聴きこむ面白さを実感し、らんまに出演されている声優さんのソロ音楽ワークスCDを買いあさり、更にその先、楽曲提供者を調べてはその方の音楽ワークスを漁りだし…都会に連れて行ってもらえる機会があると、アニメイトやブックオフで漫画・CDを買いあさり、昔のアニメ/漫画グッズを物色できるまんだらけに通い始め、なけなしの小遣いやお年玉(2人分)で、らんまのセル画やグッズを購入しては二人できゃいきゃい眺める…また、妹はキャラデザ・中嶋敦子さんのらんま絵の模写を始め…こう…一気にグッとオタク感溢れた感じになりましたよね…。現在に続く私たちのオタクライフスタイルは、ほぼほぼ、らんまによって確立しています。らんまについていざ語ろうと思うと、本当に様々な観点があるのですが、まずは今回の新作アニメのメインキャストが、可能な限り据え置きである点について。山口勝平さん、林原めぐみさん、日髙のり子さん、山寺宏一さん、佐久間レイさん、井上喜久子さん、高山みなみさん…らんま1/2の声優陣は、並べるとその目を疑いたくなるほどレジェンドばかりなのは言うまでもないことですが、とはいえ初回の放送は1989年…35年前です。そもそも、当時の主要キャスティングが、かなり20代前半の若手(しかも多数がほぼ無名状態)中心に寄っていたからこそ、今回の据え置きキャスティングが可能だったのだと思います。明らかに音響監督の斯波重治さんが、若手育成の意図も含めて発掘/大抜擢しているというか…※斯波重治さんは、うる星から続くめぞん・らんま等のるーみっく作品、 また未来少年コナン~ナウシカ・ラピュタ・トトロ・魔女宅等の宮崎駿監督作品群を一手に担われていた音響監督様です。 トトロ・魔女宅~らんまの声優陣が重複しているのも納得です。新人発掘からのキャスティングが多いらんまは、最初若干固さのあったキャスト様が、話数を重ねる毎にぐんぐん縦横無尽に演技し始めるのを実体感できますし、だからこそ、声優様ご本人とキャラクターの融合具合が凄まじい。融合というか、キャスト様がキャラクターの方を引き寄せちゃうんですよ。男乱馬と女らんまって、キャスト様が異なるので人格もどんどん別れちゃったと思ってます。男乱馬は、どんどん甘えっ子の、可愛がられ&愛され気質のキャラになって行きましたし、女らんまは逆に男らしく凛々しくなって行きましたし。いや、全然悪い意味ではなくて!キャスト様が強すぎるので、自然の摂理です。水をかぶると性別と人格が変わるんだな、と思って鑑賞してました。それ以前も当然あった事象だとは思うのですが、キャラクターのアイドル性とリンクして、声優さんご自身がアイドルになってしまうアニメ業界全体の流れについて、らんまという作品の与えた影響は計り知れないものがあったのだろうな、と思っています。これら、アニメ→アイドルコンテンツ化の融合の流れもある中で、らんまは、90年代初頭にしてはかなりアグレッシブなキャラクターソング展開をしています。キャスト陣勢ぞろいの上、コント的な笑い要素も含んだ企画アルバムが3枚発売されています。これらがもう…企画からして挑戦的過ぎる芸術的英知の結晶というか。1枚目は、『歌合戦』。2枚目は、カレンダーにちなんで12か月に当て込んだ12楽曲を収録した『歌歴』。3枚目は、かるたにちなんで、歌い出しを「あ~ん(「を」を除く)」までの五十音順45文字を並べた、『歌かるた』。アニメ劇半を担当されている川井憲治さん主体のキャッチーで高品質な統一感のあるサウンド、また、音劇として聴きごたえのあり過ぎる脚本や、総勢何名なのか数え切れないような超豪華キャスト陣の演技・歌唱が詰まっていますので、アニメコンテンツ好きであれば、これは絶対押さえておくべき名盤×3!だと思っています。今回語りたいのは、上記とは別の、またもう1歩思い切った音楽展開について。音楽語りーその285↓♪フクザツな両想い(Live Version)byらんま1/2DoCoらんま1/2のキャラクターソング展開として、上記のオールスター企画盤とは別に、下記5名で組んだ架空の女性アイドルユニットという設定で、ミニアルバムが2枚発売されています。早乙女らんま役:林原めぐみさん天道あかね役:日髙のり子さん天道かすみ役:井上喜久子さん天道なびき役:高山みなみさんシャンプー役:佐久間レイさん言わずもがなですが…日髙さん&佐久間さんはもともと80年代初頭にアイドルとしてデビューされていて、「もとはこっちが本業」の上で声優に転換された方々ですし、90年代以降の「歌唱する女性声優」文化の先駆け&立役者の林原さん、TWO-MIXでバリバリ音楽展開される高山さん、井上さんはご自身でキャッチー且つユーモアにあふれた作詞作曲をガンガンして、独自ワールドの広がったアルバムもたくさん発売される方です。「歌う女性声優」の文化の基礎から作り上げちゃったような、神×5が並んで歌っている…すんごいんですよ。聴いてるだけで、音圧が!!誰しもが憧れる声質で、情感たっぷりに高らかに歌い上げる神×5ですもん。私たちが、ここから「声優様の歌唱」に入ってしまったので、基本的に「声優様の歌唱」への幻想が非常に大きいというか…コレ↑のレベルの固定観念破壊&文化創造的な魅力を持ったものだという先入観を持って入っちゃうので、正直、様々な他作品のキャラクターソングを聴く際に、「何をなめたことやってるんだろう?」と感じてしまうことが多い。…いえ、私たちが入口に据えたものが、そもそもオカシイもの(神)であったことは、重々承知しております。以下、アルバム楽曲の聴き所について。『らんま1/2 DoCo*FIRST』(1991年7月21日・ポニーキャニオン)1stアルバムは、TVアニメ放送中の91年発売。林原さんはご自身のソロ1stアルバム(91年3月)を発売されて数か月のタイミングですが、高山さんのTwo-MIXや井上さんのソロ音楽ワークスの活動はまだまだ先ですね。70~80年代アイドル懐メロ風味?のマイナーな楽曲が多いのが印象的。そこに川井憲次さんの「らんま風」なおもチャイナっぽいフレーズも入れ込んであり、統一感のあるサウンドが聴きどころだと思っています。また、これは今回改めて聴いていて思い至ったところなのですが、アルバムに収録されている各楽曲は、なんとな~く5名それぞれをモチーフにした上で、わざと「キャラクター性からちょっと外した」形で作ってあるのかな?と感じました。各キャラクターをアイドルとして売り出すなら、こんな楽曲を歌ったら意外性があって面白いかな?この曲調だとこの子の声質が立つだろうな、という本当にアイドルプロデュースをする目線で作ってあるのだと受け取りました。1.プロローグ作曲・編曲:川井憲次最終曲・♪彼のメロディーを用いたイントロダクション。2.僕たちはこれから作詞:和泉ゆかり、作曲・編曲:川井憲次「僕」という単語からも、らんまくんをモチーフとした楽曲でしょうか。楽曲自体はアップテンポ&マイナーという意外な掴み曲だと思います。ちなみに先にも書いた通り、私の認識の中で男乱馬くんと女らんまくんはかなり人格の離れた存在と認識しており、特にこのDoCoワークスに関しては、本当に「らんまくんというボーイッシュなアイドルの女の子」だと思って聴いてます。3.赤い靴のSUNDAY作詞:和泉ゆかり、作曲・編曲:川井憲次 待ち合わせ中、いろいろと妄想の膨らむ女の子の可愛いミディアムテンポの楽曲。「異邦人」「異国の船」という単語も入っており、シャンプーちゃんモチーフでしょうか?5名のボーカルの違いをじっくり楽しむことが出来る楽曲です。4.うそつき作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:川井憲次シチュエーションが分かりづらい歌詞なのですが、素直になれない女の子の心情を歌っている曲?なので、あかねちゃんモチーフかな?5.少しだけ坂道作詞:和泉ゆかり、作曲・編曲:川井憲次小学生の頃の初恋の男の子を思い出している曲かな?かわいい楽曲です。飄々とした歯切れの良い語感の感じが、なびき姉ちゃんモチーフっぽいと思います。6.思い出がいっぱい作詞:及川眠子、作曲:岩田雅之、編曲:川井憲次TVアニメのOP楽曲のカバーです。もともとCoCoという女性アイドルユニットの楽曲。この楽曲を歌暦でカバーしたところから、このDoCo企画が始まっているのだと思います。原曲との編曲の違いも聴きどころです。7.彼作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:川井憲次出だし2分間、延々と5名リレー形式の語りが続くのですが…至宝です。必聴です。声優さん(神レベル)って本当にすごい。これは、バラードのテンポ的にかすみお姉ちゃんモチーフかな、と思います。情熱的に感情を歌い上げる意外性が、キャラクターイメージとの反面性として入れ込んであるのかな?と受け取ってます。上記の、それぞれの楽曲の各メンバーへの当て込みについてですが、CDのジャケットデザインと整合しています。こちらのCD、歌詞カードがブックレットではなく1枚ずつのカードとして独立しています。また、キャラクターのセル画風ブロマイド?的なクリアカードとセットにすることで1枚画として完成するような、凝った仕様になってます。歌詞カードの色とメンバーの服装の色を一致させると、上記の組み合わせになりますので、楽曲のモチーフの組み合わせとしての意識はやっぱりあったんだろうな、と思います。『らんま1/2 DoCo☆Second』(1994年12月16日・ポニーキャニオン)2枚目のアルバムは、TVアニメ終了から2年後くらい?に発売されてます。94年の年末ですので、このころには各キャスト様のソロ音楽ワークスもおそらくかなり華やいでいるというか、声優さんの音楽ワークスが一ジャンルとして確立していく、まさにそのタイミングかと思います。このアルバムは、凄いです。端的に「聴いてみてください!」の一言なんですが、全6楽曲・落ちなくキャッチーな名楽曲を、20代後半~30代前半のノリノリの神声優様たちが、ノリノリのボーカルで歌い上げられていて凄まじいです。これを聴いちゃったら…もう…「普通に歌ってる」可愛いアイドル楽曲なんて、物足りなくて聴けないですよ。1.清く正しいクリスマス作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:安田毅ノリノリのブラスから始まるクリスマスソング。本アルバムの特徴として、季節感を重視した楽曲が多い印象です。1曲も聴いたことのないアルバムを、中学生にとってはかなりダメージのある金額はたいて購入して、ワクワクしながら再生して、このサウンドが出て来た時の喜びといったら…!やっぱりあの頃の、エンタメで新しい世界がどんどん開けていく感覚は、10代のころでしか体感できないものだし、今聴いても鮮やかに蘇ってきますね…。2.授業中の小学校作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:安田毅自身の小学校に彼氏を連れて来た女の子目線の曲。(今では、小学校の敷地内は基本関係者以外入れないと思いますが…。)音楽室 風が運ぶ たて笛 音色 胸がきゅんとなった渡り廊下 横切ったら 昔のままの 思い出の教室独特なシチュエーションが鮮やかに映える歌詞が素晴らしいです。3.終わらない夏休み 作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:安田毅こちらは30分の短編映画作品のEDテーマでした。この楽曲ありきで、2ndアルバムが発売されたのかな、と思います。派手さはないですが、サウンドやボーカル、品質的に非常に洗練されている楽曲というイメージです。4.かがやく空ときみ声作詞・作曲:YAWMIN、編曲:YO!キタロー林原めぐみさんのパーン!張るボーカルが神のように映える1曲。サビは、らんまくん×なびき姉ちゃん、あかねちゃん×かすみ姉ちゃんという声質の近い2人で合いの手を入れていく作りになっていますが、ボーカル分けも絶妙です。「歌う女性声優」というひとつのエンタメ文化/ジャンルを形成してしまうような破壊力がここに分かりやすく具現化されている1曲だと思っています。興味がある方は、是非。5.恋がひとつ消えてしまったの作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:山本はるきち失恋する女の子を、端からずっと見ている主観の楽曲。ラストのサビ部分の口語調の歌詞が印象的です。あのね 今ね 恋がひとつ消えてしまったのメロディーラインに、言葉自体も感情筋も見事にピタッとはまってくる素晴らしい作詞だと思います。6.フクザツな両想い(Live Version)作詞:乱馬的歌劇団文芸部、作曲・編曲:山本はるきちアルバムのラストは、架空のライブ会場でのパフォーマンスに仕立てた楽曲です。レジェンド声優様×5が作り上げるライブ会場の臨場感が本当に凄い。考えると、当時の私たちは実際のアイドルのライブに参加したことはなかったと思うんですよ。田舎の中学生の財力&行動範囲では、遠征してアイドルのライブに行く文化も当然なかった為、せいぜい歌番組でアイドルのパフォーマンスを見るか、わずかなライブDVDを見る程度。なので「アイドル」のイメージ自体、かなりこの「架空のライブ音源」によって形成されているような気がします。Docoの音源や、他のらんま音楽ワークスについては、2024.9月現在、SpotifyやYoutube等の各種サブスクでほとんど無料配信されています。声優さんがお好きな方、声/音の表現が好きな方で、聴いたことがない方は本当に是非!!ちなみに、DoCoの5名女性キャスト様たちは、全員令和版アニメでも続投が発表されています。今回の令和版でらんま1/2に初めて触れる方も、キャラクターが出そろって来たら…これら旧作の音楽ワークスも是非!!凄いですので…!!私たちも、実際にリアルタイムでらんま1/2を追いかけるのは初めてなので…(2008年の高橋留美子原画展で新作アニメが公開された際は、会場で鑑賞することが出来ましたが。)なんだかドキドキそわそわして来ました。いや~…新作アニメ、本当に楽しみです!by姉
2024.09.29
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簡単ですが、感想を書きたいと思います!暁のヨナ 45巻 その2 / 第262話「ボロボロの登城」感想 (姉編)最近は、本誌への掲載が月イチペース(隔号ペース)で安定していますね。とても良いと思っています。漫画画面がグッと良くなってる…画面の丁寧さ、隅々まで表情・動きが生きているのを感じます。やはり30巻台後半以降は、原稿に費やせる時間が本当にないんだな、と感じる画面というか、キーとなる表情のところから描き始めて、何とか形にして出していらっしゃるんだな…と感じてました。なので話は伝わるのですが、キー以外の部分の絵は形をとるのでいっぱいいっぱいで限界なんだろうな、というのはひしひしと感じていたので。ペースを落としてからは、本当に漫画画面も落ち着いていて、細部まで落ちなく表情が良いので、最近の数話は安心する気持ちもありながら読み進めています。*以下単行本45巻収録分のネタバレ含みます。未読の方はご注意ください!*(前回までの引き)ゼノさん及びヨナ姫が盃の中へ入っていき、独り廟に残されたハク様。それと同時に、高華国は暗雲に包まれ、大地は鳴り響き始めた。ハク様が崩壊する緋龍城を脱出すると、戦より帰還したスウォン陛下と遭遇し…。今回は…平たく言うと、終始スウォン様とハク様がベタベタしてたと言うか。前回を読み終えた直後、妹(基本ヨナ姫基軸で読んでるつもり)が「ちょっと目を離したすきに…ちょっと四龍の方を責任持って何とかしなきゃと、そっちに注力しようとハク様から目を離した瞬間にコレだよ!」と叫んだのが印象的でした。まぁ、ヨナ姫の行動はですね、結果的に、あれほど…コミック42巻に至るまで、まともに話すことも出来なくなっていたハク様とスウォン様2人に緊急性の高い話題を提供し、会話を弾ませることに大成功してるというか。転じて、二人がお互いに(まとまらない)考えや思いを伝え合うところまで到達してるので、ここで、こんなにガッと話を進めるんですか!!!とびっくりの展開でした。最近は私が記事を上げるのはこの2人の動きがあったところばかりなのですが、四龍方面は本当に分からないので。いや、四龍伝説はこういうところに行きつくんだろうな~(行きついて欲しいな~)というのはあるのですが、根本的に四龍伝説は、現行高華国の設定を作り込む過程で、その裏で構築されたものだと思っています。あとはもちろん、作品を華やかに彩る「四龍」を登場させること自体が念頭にあって作ってあるというか。結局四龍がなんなのか未だによく分かりません。「四龍は…『四龍』だよ!それ以上でもそれ以下でもない!」という別の言葉で定義/説明の出来ない、無意味な広辞苑程度の認識しかないので。神託についても…こんな風に超直接的過ぎる「闇堕つる大地」が出てくるのか~、へぇ~~~、…ナンデ?ドウイウシクミ?(←考えたら負け)…という感想しか出て来ないので、語りようがないというか。というわけで、四龍伝説部分は今後も新情報が出て来た都度反応するとして、語りたい部分…ハクスウォンシーンで印象的だった部分について。今回を読んで一番印象的だったのは、とにかくハク様/スウォン様の丁寧にお互いに連動した、影響し合う表情変化です。これはもう草凪先生もノリノリで渾身!というか、草凪みずほ先生の作品の真骨頂というべき描写だなぁ、と思います。出だし、四龍+ヨナ姫の行方不明状態を受け、その後崩壊する緋龍城の中から脱出してきたハク様が非常に動揺していて、その表情を見て、スウォン様が冷静に、すごくしっかりした口調で状況の把握・整理をし出すシーン。また、スウォン様の「国王としての最後の仕事」という言葉と、その後2人で緋龍王の廟に向かいながら、ハク様がスウォン様のケガの状態に気づき、スウォン様が甲冑を脱ぐのを手伝うシーン…その後、まとまっていないような自身の感情をハク様にポツポツと話し出すスウォン様、それを受け、こちらもまとまっていない感情を言葉にし出すハク様。一連の流れは、非常に概念的な作りになっていると思っています。甲冑がまさにスウォン様にとっての「王職の重み」「強国化を進める意志を周囲に知らしめる姿」の体現であり、甲冑を脱ぐシーンは、「肩の荷を下ろす」という概念なんだろうな、と受け取っています。スウォン様の「…軽くなった」の一言はとても印象的でした。焼け落ちた緋龍城から、闇に覆われた空都の街並みを見渡しながら、「私はイル王を殺したことを後悔していません」と言いつつ、「シンアくんの向ける、(純粋な)怒りの目線を覗き込みに行った…」という旨をポツポツと話すスウォン様。それに対し、ハク様がかける言葉の数々ですよ。「俺は…国の為なら何をしてもいいという考えは怖い」「上に立てば選べるものが限られていることは分かっている…俺には無理」「お前なら次こそは最善を導ける…お前の知性だけはどうしても信じてる」なんとも…スウォン様のことをいつ何時でも、どんな状態でも全力肯定したい想いがにじみ出てる言い回しだよなー、と思います。まぁ、スウォン様を立てるために、一旦自分を下げる言い回しを挟むあたり、相変わらず過ぎて、「てめぇ、そろそろいい加減にしろよ…!」という殺気に近い感情も浮かびつつ、ハク様のそんなところも含めて、私の頭の中ではスウォン様がずーーーーっと、「や~さ~し~いぃ~~~‼けんきょでと~お~と~いぃ~~~‼やっぱりハクさまさ~い~こ~おぉ~~~‼」って、心中感泣の万歳三唱しまくってますからね。ヨナ姫や四龍の目線がある中で、今回の会話はとてもできませんから。この「2人だけの時間」を作ってあげただけでも、ヨナ姫が盃の中に入っていった甲斐があるってもんだと思います!本当に。(ヨナ姫が帰ってきたら、2人が話せるようになっててびっくりしそうですね)今回のお話も、次の45巻収録予定だと思います。グッとお話も進んで来たなぁ~、とひしひしと感じています。先ほども書いた通り、今後は基本月イチペースの掲載が続くのかな?と思っています。更新頻度は落ちていますが、画面のクオリティは比較にならないくらい落ち着いて、良くなっていると思いますし、話の展開も、1話内に収まる濃密さが格段に上がっていると感じます。この感じなら…完結まで無事に読み切れるのかも…!とはいえ、問題が山積している現状は変わらないわけで、どこがどういった順番で出て来て、あるべく場所へ向かうのにどれくらいの尺を必要とするのか、全然分かりません。草凪先生には是非、休載を挟みながらで全然大丈夫ですので、気長にじっくり…納得のいく形で、あるべき場所に向けて描きだして行っていただきたいな、と思っています。今後も気長にじっくり、追いかけていきたいと思います!by姉
2024.09.16
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単行本の欠品が長く続いていたので、本屋をはしごして既刊18冊を買い揃えました!少年漫画感想『忘却バッテリー』-その2(みかわ絵子先生・集英社・ジャンプ+)ジャンプ+(アプリ)で一度ざっと試し読みした後、紙媒体で改めて読み込んでますが…うなる…!!超オモシロイ…!!以下、思いつくままにこの作品のここがオモシロイ!と思う点の列記です。*ネタバレ含みます。お気をつけ下さい。*■野球描写TVアニメ一期(全12話)で描かれたのがコミックス5巻の途中まで、進捗としては練習試合を2試合終えるところまでの内容です。コミック6巻以降から、1年目の夏の公式戦が本格的に始まりますがここからまた一気にオモシロくなってくるんです!画面がガラッと変わり、野球の描写・球場臨場感・夏の空気感が凄いことになってきます。ここは、妹(が私にゴリ押しされて)コミックを読み進めていく中で「なんで!!?」と真っ先に言った部分でした。コミック8巻以降、作者クレジットに「試合制作・高嶋栄充」というお名前が入り始めます。最初私は、「野球描写しっかりしてるのは、きちんと野球監修の方をつけてるからか~!流石、ジャンプはしっかりしてるなぁ~!」とか思っていましたが、のちに高嶋栄充さんが、チャンピオンでガッツリ野球漫画を長期連載されている方で、作者のみかわ先生の旦那さんと知り、もんのすごく納得しました。妹談:1巻の出だしや、5巻収録の読み切り作品を読む限り、作者のみかわ先生は明らかに止め画漫画の人だし、芸術志向が強く、人間ドラマや感情の爆発を描きたい方だと思う。基本的には、ページをめくったところの意外性のインパクトを一番に考えて、そこの面白さから作品自体を作っていくような方というか。絶対スポーツを描きたくて漫画家になった方ではない。それが何故か、野球画面が素晴らし過ぎる。普通描けない。こんな画面を描くための資料が揃えられない。旦那さんご自身の作品の画面もちらっと見たけど、この方はスポーツ漫画を描きたくて漫画家になっているような方だと思う。ものすごく納得した。「試合制作」って聞いたことのない名称だけど、具体的な試合展開はもとより、作画資料・画面づくりから野球小ネタまで、かなりご協力されているのでは。たぶん。恐らくですが、高校野球という題材自体、旦那さんが居て頼ることができるからこそ描き始められたものだと思いますし、バッテリー(&そこの関係性)がメインの物語筋を彩るチームメイト…特に二遊間・藤堂くん/千早くんのキャラ立てからして、既に旦那さんとかなりのディスカッションを経て設定されているのではと感じます。本作のパッと見の印象は、いわゆる多人数の男の子たちの並んだ、アイドル作品的なパッケージですし、1話を読んだ段階では、まさかこれが1試合の描写にコミック2~3冊を費やすような、本格的な試合描写を楽しめる野球漫画作品だとは思いませんでした。■おじさん描写作中に登場するおじさんの描写が素晴らしいです!初期より、ライバル校・帝徳高校の岩崎監督の描写がキレッキレ。そして公式戦が始まると、モブとして多数の野球おじさんたちが登場して来ます。「忘却バッテリー」と言うと、真っ先に「おじさんたちの顔」が浮かぶほど、印象が強いです。もはや作品の色とも言うべき存在です。・岩崎監督主役主体・小手指高校の属する西東京地区の王者・帝徳高校の監督。もともと主役バッテリー及び二遊間を熱心にスカウトしていたが、断られた。勝手に脳内で「ハイパーつよつよ1年生集団」を夢見ていたが、熱望した選手5名のうち4名が都立高校に進学していることを知り、たいへん悔しがっている。そして脳内で勝手に、小手指高校のエア監督を務めている。ある意味で、作品のノリを決定づけたキャラクターのような気がします。・佐古監督1年目の夏を戦い抜いた後、小手指高校野球部の監督に就任したおじさん。※おじさんといっても、おそらくまだ20代後半…行ってても30代前半だと思います…。もともと熱心な高校球児でしたが、2年生で肩を壊し、リハビリ後大学でも野球を続けるも、試合に出れず選手よりマネージャー業をずっとやってきた方(登場時無職)感じの悪い登場の仕方をしてきましたが、根本的には小手指/小手指の各選手の大ファン。個人的に「本作でイチ推しキャラは?」と言われたら、この佐古監督です。「根本的にチーム・各選手のファン」という設定が本当に上手なんですよ。管理責任を引き受けつつ、選手たちの自主性・意向を尊重/応援する姿勢が印象的です。またこの方の丁寧な説明があると、小手指というチームや各選手の凄いところ・強味を好意的な目線で認識できるようになります(特に大人読者が入っていきやすい)。・野球おじさんたち高校野球をこよなく愛し、平日でもワンカップ酒を片手に公式戦の観戦や練習見学に現れる、やたらと物知り顔をするおじさんたち。野球知識量や原石に誰より早く気付くことでお互いにマウントを取り合う。野球漫画はそこそこ、有名どころはそれとなく読んで来ていますがこんなおじさんたちの描写は初めて見ました。おじさんたちが何を言っても、何をやってもおもしろいので…読み進める中での緩急としても抜群に機能してますし、「選手たちのどこに注目すべきなのか」が笑いながら自然と入ってくるので、野球おじさんたち…これはすごいな!と思っている描写です。■忘却とリセット、今後の展望について本作のタイトルに大きくかかげられている「忘却」。もちろん、主人公・要くんの記憶喪失により、天才バッテリーが名もなき都立高校へ進学するところから物語が始まっていることを指しています。ただ、そこから転じて…というか、一度死んで生まれ変わることによって、その先に大きな飛躍・展望を感じられるところ。これが凄いです。都立の小手指高校に集まった野球の有力選手たち…特に清峰・要・千早・藤堂の4名は、複数強豪校からの誘いも断り清峰くん以外は「野球を辞める」目的もあって本校に入学しています。小学生の頃から野球漬けだった彼らは、中学生の後半~高校進学に際し、自身の野球に大きな失望をして、一度野球を辞める決心をしています。この段階で限界を見定める程に、めちゃくちゃ野球にストイックで、ものすごく勉強して、自分の頭で考える子たちなので、(体格面でハンデを感じていた要くん・千早くんは特に)中学時代、知識と工夫を駆使して超高等級プレイヤーに自身を昇華しながらも、知識で雁字搦めになっている分、「自分の限界」の判断が非常に早かった、ということだと思います。※要くんに至っては、メンタルコントロールが出来過ぎた結果とも言えますが、野球を辞めるどころか、野球をやって来た人格ごと挿げ替えようとしました。(ここまで来ると解離性同一性障害)この「一度リセット」が、各人の重い過去エピソード(挫折がいっぱいで辛い想い)として描写されます。本作が描いているのは、この挫折~一度諦めた・失くしたものの「再生の物語」という側面ももちろんあるのですが、ただ、アウトプットが「再生」どころではないんですよ。「飛躍・展望」なんです。これがミソというか、本作の一番オモシロイところだと思っています。知識があり過ぎると、やった方がいいこと、やっちゃいけないこと、全部分かっちゃうので、なんか新しいことをやろうとしても、遊び幅がないんですよ。「こうじゃなきゃいけない」理論が確立しちゃって、それをストックに突き詰めようとし過ぎちゃうというか。遊び幅がないと、「試しにいろいろやってみる」が出来ない。「失敗する」が出来ない。これは、おそらく作者のみかわ先生自身も漫画制作をされていく中で、様々な試行錯誤・挫折を繰り返されて、本作を形にするところまでたどり着いていらっしゃると思います。その経験上から出て来てるテーマなのではないかな、と感じています、小手指の子たちは、みんな一度野球を辞めてるから…強い。チームメイトたちの失敗や試行錯誤に、非常に寛大で優しいので、いろいろ「ダメ元」で試してやってみることが出来る。また、1年目は特に1試合出来るかどうかも危ういリソース不足状態ですので、メンバー全員が、自信の有無に関わらず持てる力を出し惜しみなく提供して、工夫を凝らしながら、チーム一丸となって闘い抜こうとしますので。↑これが、読み進めるほどにチーム力としてガンッガン活きてるのを感じます。ものすごい説得力なんです。また、本当に上手だと感じるのが、小手指高校(&メンバーたち)のバックグラウンドの描写。伝統もない、OBも居ない、全く期待されていない無名都立高校である点。そして各々の有力メンバーのバックグラウンドにも、「その子の野球」に過度な期待を寄せている家族等が居ない点。要は、野球をやるモチベーションに、本人の意識以外の重圧を負わせない作りになってます。お父さんやお兄さんが野球やってて、自身の叶えられなかった夢を託してたり…そういう外的要因を設定してしまうと、それはそれで遊び幅の全くない野球をせざるを得なくなりますので。メンバーの家族は、本人が楽しく野球をやっている事に対し非常に悦びながら応援してくれますが、絶対に過度な期待は寄せません。ここはかなり徹底的に、気を使って描かれていると思います。小手指は、もともとセルフコントロールに優れた天才アスリートたちが集まった集団ですので、必要な練習の選定/ある程度の試合運び等は、自分たちで何とかしてしまいます。ただ、実績を残す中で組織の人数も増えていく…そこに監督や周囲の目線が「適切な評価」として加わってくることで、組織体として急発展していきますし、小手指の一番の強味(あくまでメンバー主体で、質の高い試行錯誤ができる)が更に活きてくるのが、2年次の夏の公式戦以降~となっています。で、ここまで組織体が活き活きとしてくると、各メンバーの未来の飛躍が見え始めるんです。一度完全に諦めてたところが、びっくりするくらいスッと開けたりするんですよ。この先、2年次の無名の都立高校・小手指の地区大会/甲子園での大躍進とともに、3年次に向けて、清峰・要・千早・藤堂4名の未来にプロ入りがちらつき始める…そこに向けて、小手指高校野球部という組織体としてアプローチしていく話になっていくんじゃないかな、と想像しながら読み進めています。清峰くん以外の3人…藤堂くんはもともと体格にも恵まれていますので、イップスさえ克服すれば十分可能性は感じられると思いますが、要くん・千早くんの2人は、そもそも挫折した理由に「体格面での失望」も大きくあり、今の段階では「自分がプロを目指す」ところまで気持ちは行っていないと思います。小手指という組織体の中で、構成員たちがお互いの野球をリスペクトして、試行錯誤をしながら急成長する中で、お互いの意識がお互いを、上に持ち上げていく…そして組織体として「無名の新設都立高校野球部から4名プロ入り」という、ド級の偉業に向けて動き始めるんじゃないかなぁ~…と期待してます。※コミック14巻・101話で、大阪陽盟館高校の監督が、現在の1年生は過去最強の豊作世代であり「最低4名はプロ指名が来る!(めっちゃ多い方)」と豪語してます。ここを読んで、「小手指の子たち4名のプロ入り」まで意識して今後話を進めていくのかな、と感じました。■要くんの二重人格について主人公・要くんは・生来のお調子者の人格・主人格(マスター)・野球にストイック過ぎる智将格(中学時代の人格)の2つの人格を持った状態です。いわゆる二重人格…連続しない複数人格を有する解離性同一性障害ですね。智将格は、野球におけるストレスを引き受ける人格として誕生したと目されており、1年次の帝徳戦以降は、2つの人格がお互いを認識し、精神世界内でディスカッションをしながら、主人格の野球スキル向上に励んでいます。コミック18巻時点(2年次の帝徳戦)で、主人格(マスター)の野球スキルが中学時代&それ以上まで達したと認識したのち、智将格は消滅することを望んでいます。(もう野球やりたくない)この部分は今後どう決着をつけていくのかなぁ…とあれこれ想像を膨らませるのが一番楽しいところです。私の見解としては、要くんの2つの人格は…1人として納得できる範疇というか、当たり前のことですが、元は同じ一人格ですので。もともと非常に洞察力に優れ、周囲の感情変化に敏感な子ですし、めちゃくちゃ学習意欲が高く、ストイックで勤勉な子ですし。智将格は二重人格の原因として「努力のキャパオーバーを超えた」というような言い方をしていましたが、私が読み進める中で根本的原因と感じるのは、「要くん自身の野球」の高校以降のビジョンの不明瞭さだろうな、と思っています。要くんは、あれほど小学生の頃からストイックに野球に打ち込んで来ており、中学時代に既に相当名の売れた名捕手だったにも関わらず、「夢はプロ野球選手!」とはまず言いません。目標としてません。小学生の頃より、清峰くんの才能を守り、清峰くんを無事プロへ送り届けることを一番の目的に据えてそれを義務として、ここまでストイックにやってきてしまったので、「自分の野球」は大事じゃない…要くん(智将格)の意識の中では二の次なんだと思います。この意識…「清峰くんの為」だからこそ、ここまでストイックに出来たのもあるでしょうし、高校入学に際し、清峰くんだけに一番プロに近い有力校(大阪陽盟館)から声がかかった瞬間に自身の野球(&人格)を放り出させてしまった最大の原因だとも思っています。もともと要くん自身、勝負事が好きな子ではないですし、中学時代に相当無理をして来た疲労のツケもあり、この場面で、モチベーションの根幹を「清峰くんの為ではない野球」「自分の為の野球」に転換する気力も残っておらず、ガクッと来ちゃったんだろうな…と。でも、普通に要くんもどう見ても天才なんですよ。清峰くんが一番言いたいのは、やっぱり「要圭は世界一凄いキャッチャーだろ!天才だろ!?」の一心だと思いますし、小手指高校野球部は、奇跡の幼なじみバッテリーの関係性・お互いの野球を大事にし過ぎる感情を核に、構築された奇跡のチームだと思っていますので。先に書いていた内容とも被って来ますが、「要くんの野球の未来」が描けたときに、野球にストイック過ぎた中学までの智将人格と、小手指に入って、一からやり直す野球が楽しい!と思えた主人格が、統合していくというか、連続性を持った一人格に収斂していくんじゃないかな…だって、その未来に向かうには、2つの人格の経て来た過去がどちらも必要だと思いますもん。そうでなくとも、16巻以降は「真面目に野球やってる主人格」と「チームメイトに囲まれて野球やってる智将格」の表情がかなり近くなってる描写になってきてます。ぱっと見ではどちらの人格か判別できないカットも多くなってきてる印象なので。今のところはこんな予想をしながら読み進めています。■骨太漫画!漫画表現大好きな方は是非!この漫画、先に書いた通り、信じられないくらい野球描写がしっかりした骨太スポーツ漫画ですし、そうかと思えば、緩急やトーンワークで魅せる感情表現は流石女性作家様というか、非常に繊細で、漫画好きが目の色変えて喜ぶ漫画表現の宝庫なんですよ。なんて言うかな…スポーツ描写も、すごく「主観」を大事にした描き方と言うか…実際にプレーしてる選手の必死な主観ももちろんですし、同じ場面をとっても、チームメイトたちの目線、試合に出られない選手たちの目線だとまた全然違う画が見えてきますし、周囲の大人たちの目線…家族や監督や野球ファンのおじさんたちの目線…どれをとっても、高校球児たちに向ける目線というのはリスペクトに満ちてて、すごくイイんです。果ては、主人公・要圭くんの二重人格(主人格/智将格)それぞれの主観での描写とか…超越した世界線に突入していきます。いやぁ…面白いです!!この漫画、たぶん、まだ読まなきゃいけない人たちがたどり着いてない…これは…漫画好きは読まなきゃダメだろ…いや、私も最近まで読んだことなかったけど…これは…漫画好きは唸りますよ!興味のある方は、是非!!あ…あとこれ、漫画表現がそれこそ繊細なので、小さいスマホ画面で読むだけだと絶対もったいないので…試し読みはジャンプ+(アプリ)で出来ますが、読み込むなら絶対紙媒体がおススメです!by姉
2024.08.24
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遅ればせながら・・・暁のヨナ連載15周年&1500万部突破おめでとうございます!!簡単にですが、言いたい事を叫ぶだけの超簡単な散文感想をば。暁のヨナ 45巻 第258話・259話・260話・261話 感想(妹編)*以下単行本45巻収録分のネタバレ含みます。未読の方はご注意ください!*最近はもう…1話1話絶叫しながら読み進めています。話が進む度に、ひとつひとつカードが切られていくような…「ーああ、暁のヨナは本当に最終章に突入したんだなぁ!」としみじみと感じています。ーまぁ、本作の課題はまだまだ残っているので これからだよね! とも思っているんですけどね!◆緋龍城に重要キーマン達が続々と集結!スウォン様率いる高華国軍が、緋龍城への帰還を決定。元々空都に居るリリちゃん御一行、生きていたヒューリさん、復興応援のムンドク、そして一足先にハクヨナが、続々と緋龍城に集ってきました。・・・今までなんやかんや理由を付けて出てこなかった 風の元部族長・ムンドク!と、スウォン様のボディーガード&空の部族の闇の部分を担うヒューリさん!!待ってました!!!ヒューリさんに至っては「死んでたらどうしよう」と思ってたので、安堵しましたw(私と姉的には)この2人は「暁のヨナの謎を説明してくれるキャラ」だと思ってまして。謎というか「スウォン様の心情面」ですね。だって・・・親世代のいざこざの原因と顛末を全部知ってるの、ヒューリさんだけですよね!!?スウォン様が何でヨナ姫の誕生日に謀反を起こしたのか、ムンドクさんは最初からうっすら分かってますよね!!?スウォン様が口を割らない以上、この2人に解説していただくしかないだろう!と前々から思っておりまして。ここに来てキャラ達が緋龍城に集結!ああやっと・・・やっとスウォン様の心の声が聞けるのかな・・・ぁ?? と、期待が膨らみました。しかし・・・ハク様とムンドクの再会場面のどうしようもなさに笑いました。。ーイヤお互いリアクションが難しいというか、ハク様の立場がまだまだ不明瞭なので、下手に絡めないのは分かります。「今はちょっと色々あって この先どうなるかわかんねぇんだわ」byハク様「もうワシらの事は気にかけんでいい ヨナ姫様を絶対大事にするんじゃぞ」byムンドク「これ以上大事にすると重いと思う」byハク様あ、今そんな感じなんだぁ・・・(生暖かい瞳) って、私もムンドクと同じ顔してましたよ^^◆ヨナ姫とヒューリさん「ヒューリ・・・そんな所で人知れず拠ってしまうの・・・?せめてスウォンが戻るまで 生きて顔を見せることは出来ない・・・?」byヨナ姫姫様、良く考えると結構酷い事言ってるな~と思いました。だって①スウォンには父母がもう居ないから、お前が出迎えてやれ ※自分とハク様が出迎える気は無い②死ぬならその後にしてくれ ※瀕死の兵士に向かって普通にヒドイって事ですからね!(まぁ相手はカシ様を殺した実行犯なので、しょーがないですね!)◆黄龍・ゼノが天に還る方法ゼノを追って緋龍王の廟まで辿り付いたハクヨナ。しかし・・・「俺を止めに来たんだろ でも俺は止まるつもりはない なら 闘うしかないよな」byゼノ仙人前巻(44巻)の記事で、コレ ゼノさん、「龍神の血」と別れてゼノさん本人は不死が解けてるんじゃないですかね!?って希望的予想をしてたんですが、そうは問屋が卸さなかったかぁあ!!(頭抱え)ーとはいえ「緋龍王の剣で刺される」という方法に、ゼノ自身は手応えを感じてはいる様子。そしてヨナ姫に対して、三龍をネタに露骨な挑発&ハク様への攻撃を仕掛けます。成程、必要条件は「緋龍王の剣で刺される」+「緋龍王の手によって」だったのか!!!四龍の戦士は緋龍王の為に存在するのでしたからね、うん。すごく納得しました!※256話でゼノが何かに気付いた描写・・・「血が止まらない」事に気付いたんだと思ってましたが、まさか「以前ヨナ姫が放った矢により受けた傷が癒えてない」事だったとは・・・!◆ゼノの本音「背負わせて・・・本当に自分に吐き気するけど これで終わるから頼む 俺は娘さんに殺される事が唯一の希望なんだ・・・」byゼノゼノが登場時からずっと一物抱えてるのは当然分かってましたし、緋龍王(≠ヨナ姫)に対してだって、そりゃひとつやふたつ位言いたい事あるだろう、と思ってました。ただ物語の役割的に、あくまで「四龍の呪いの象徴・代弁者」として、だと思ってたんです。ヨナ姫(≠緋龍王)にはひたすら「四龍の事は気にしなくていいから」って言い続けながらも、心の奥底では「四龍はこれだけ長い間苦しみの連鎖を紡いできたんだ、そこを重視して欲しい!」って気持ちが一番強くあるんだろうな、と。それがまさか・・・ここに来てこんなにゼノ自身の気持ち(死にたい)の方を出してくるとわっっ!!!草凪先生のキャラクターには、いちいち裏切られると言いますか・・・こちらが「受け止めるぞ」と構えている、その一歩向こう側に踏み込んだの感情で殴られるので、いちいち驚かされるんです。今回も やられた~!!!! と思いました。ーでも何だろう。うん、一番悲壮感が伝わって来る場面で、堪りませんでした!◆少女は今、剣を取るーハク様が(ゼノに)攻撃されて、ヨナ姫が遂にあの剣を持ちました・・・連載15年目にして、漸くずっと持つ持つ詐欺していただけだった(多分)あの剣を!!手に取りましたよ!!!良かったァもう大半の読者も覚えてないだろうし、そのまま無かったことになるんじゃないかと危惧してたこともありました。アア良かった・・・ ふぅ。。そしてゼノの思い詰めた「殺して」という独白を聞いて、ヨナ姫は怒り出しました。「龍陣を呼び出す この国の為に闘い緋龍王に尽させておいて 三龍は短命 ゼノは不死 それを終えるには緋龍王に殺されないとならないって 緋龍王はそんなの許してない!」「私はただ一人の人間だけど 緋龍王が生まれ変わった意味があるとするなら 四龍が苦しい選択をせずに生きられる世界をあげたい それが出来なくて 何が緋龍王か」byヨナ姫ーうむ「私が緋龍王なんでしょ?で、龍神にとっては緋龍王が絶対なんでしょ?じゃあ私が全部決めて良いんでしょ!?」ということですね!なんか過去?に飛んで、晩年の緋龍王(前世)に四龍託されてましたしね!「・・・私は緋龍王じゃないけど、四龍がその気なら使えるモンは有り難く使わせて頂くね!!!」というスタンスで、今まで散っっっ々(一切責任を背負うことなく)緋龍伝説の恩恵を受けまくって来たヨナ姫ですが・・・ココに来て、今度は(一切悪びれる素振りもなく)コレを言えてしまう所が・・・最高です!(褒めてる)さすが人を巻き込んでナンボの根っからの王族気質です!そこにシビれます憧れます!(超褒めてる)うん、やっぱり絶対「四龍の血のみ天に還る」という平和な展開が訪れると・・・私は信じてますよ!!しかし・・・ ヨナ姫が盃の中に入った?途端、闇に覆われ地震が発生天変地異に見舞われる高華国。ーそ、そうなるのか!! これが神託の「闇堕つる大地」の部分のことなのかな?◆無抵抗フルボッコ ハク様「俺は 忘れるのが下手だ 手放すのが下手だ」byハク様ゼノに絶対手を挙げず、タコ殴りにされ続ける 我らがハク様。ーうん、こうなることは分かってた!!私、以前は「ヨナ姫がどれだけハク様の事が大好きか伝えれば、ハク様自身のことを大事にしてくれるようになるんじゃないかな」って思ってたんですよ。・・・甘かった!!この男はどれだけ周囲に愛されようが心配されようが、こーゆー奴だった!ヨナ姫ももう、水攻めで行方不明になられた時に(こーゆー男を愛しちゃったんだから、仕方ない)って、ある種の諦めが付いたんじゃないかなぁ・・・と思うんですよね。うん。そしてヨナ姫が盃に入るや否や、速攻でスウォン様との運命の再会(何回目?)を果たすハク様!!!ーまたコレか!! ヨナ姫がちょーっっと目を離した瞬間にコレですよ!!!本当に 何なんだお前達(男ふたり)は!!・・はぁ、はぁ。。いやいや大盛り上がりの暁のヨナ!読者の情緒もおかしな事になっております。次回も楽しみです!!by妹
2024.08.16
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美少女戦士セーラームーンミュージアム金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)2024.7.13~9.1原作コミック、アニメーション、記念碑的な玩具ブームやミュージカル…30年間に渡る、セーラームーンの様々な展開の軌跡を楽しめる企画展!企画展等でも名古屋会場はそれほど混むイメージはないのですが、お盆休み中の更に土日に行ったため、オープン時はかなり人が居ました。美少女戦士セーラームーンは、私たちにとっては古典というか、まさしく神話…エンタメの一番の基礎にあるような作品です。物語というものが認識できるようになったころに、キー局のゴールデンタイムでTVアニメの無印が放送されましたので…本当に純粋に「私たち(の世代)向けに展開してくれてる作品」だと認識していました。そしてやっぱり、アート性というかモチーフのセンスが桁違いなんですよ。従来の作品との比較も判別もできないような段階で、この作品から入り、この作品をエンタメの基礎に据えてしまっているので…アート/エンタメの英知をすべて投入した、ムーブメントを巻き起こすようなトップトレンド作品は、子ども向けに作ってくれるものだと信じて疑っていませんでしたし、そこまでやんないと、子どもには焼き付かないから!子どもって本当に素直に、面白いものしか焼き付けないから!といまだに思っています。以下、ほぼ写真ログです。重厚感のある各戦士のアイテム…!ゴテゴテしつつも抜いた部分・スマートさを感じさせる圧倒的なデザインセンス…おしゃれ…!玩具・グッズの園!初代ムーンスティック。誕生日に買ってもらって、持ってましたよ。多分捨ててないので、今でもボロボロのが実家の押し入れにあるんじゃないかな。30年後に展覧会に展示されるような記念碑的玩具で遊べてたなんて、贅沢でしたよね。ロッドには指輪が付属していたのですが、幻の銀水晶(別売)をはめると、別の豪華なメロディーが流れる仕様でした。…当時のおこづかいでは買うことが出来ず、生まれて初めて「これが商業か」と認識しましたよね。無印最終回が印象的なオルゴールも持ってましたね…。これももってた…無印の頃のグッズたくさん持ってたなぁ~!ルナPボール!これも持ってた。超お気に入りでした。プラスチック製ですが、一応背面はポシェットのように開くことが出来ました。一切忘れてましたが、このよく分からないゲーム(右の方)も超遊んだ…ラムネのお菓子のヘッド部分もコレ持ってた…一気によみがえる記憶。恐ろしいこのゲームもやった!覚えてる!あたりが出ると3枚?かな?カードダスが出てくるんですよ。セレニティのドレス&エンディミオンのタキシード!これはウェディングドレスなのかな…?ミュージカル衣装の展示も見応えがありました。2000年ころの、2.5次元ミュージカルが手馴れていないころの衣装(上段)と、最近の衣装(下段)の作り方の考え方の違いも見て取れて面白かったですね。なかよし表紙(壁面)・ふろくコーナー。うぉおおおお!超見覚えのあるゾーン!(なかよし本誌愛読者)忘れもしない、生まれて初めて買ってもらった漫画雑誌がこの号↑。こんなころから漫画とともに生きて来たんだもんな…そりゃ、漫画がないと生きていけないよな、私たちはもう…。写真を撮ることはできませんでしたが、武内直子先生のカラー原画をガッツリ拝み倒せる展示室もありました!特にアナログカラー原画の園は、ものすごい見応えで、妹がその部屋をぐるぐる熊のように徘徊して出て来なくなりました。武内直子先生のカラー原画は…あれはもう特別というか。漫画云々の世界の話ではなく、完全に水彩アート作品なので。以下、妹の言葉もう…天才!天才過ぎる別格過ぎる…!「こういう作品にする」という明確なビジョンと思い切りの良さ…それにしても「どうしてこうなった!!?」のオンパレードが過ぎる。武内先生の、素材感・空気感への飽くなき追及というか、そこの感性が違い過ぎる。みずみずしさを重視したイラストは、カラーインク主体/水いっぱいで描いていて、ふわ~っとした質感、乾いた空気感の必要なイラストにはパステルを使用している。95年以降とかになってくると、通常の画材じゃ飽き足らなくなって、モデリングペーストを持ち出したり、実物のビーズを貼りだしたりしてる。更にはムーディーな画面づくりのため、だんだん和紙とかに描き始めてる。もともとトーンの落ちた和紙に、ピンク色等のカラフルな色を載せるとか…どんなセンス!?ワントーン暗めの和紙にパステルやホワイトで白を入れると、発光して観える。連載終盤の頃は、どれだけアナログカラーイラストを発光させられるか、というもはや宗教画の様相を呈している。そして「誰に何言ってんだ」な感想だけど、描線が綺麗すぎる・・・!!こちらのイラストの原画も掲示されていました。切り貼りして仕上げてあるアナログ原画が観れて本当に嬉しかった!*写真はイラスト集・レゾネ掲載のものです。あれこれ画材を試されてきた後の、集大成的な印象のイラストでした。ホワイトが本当に綺麗に入っていて、可愛いいのに超カッコいいんですよ。このイラストの原画も拝見しましたが、コレ、アナログですから。。本当に、イエス・キリストかブッタかセーラームーンか、って感じでした。壁面に大々的に展開されているフォトスポットも充実してました。武内先生、現在はアナログ画材も使用しつつ、デジタルでイラストを仕上げられているようです。それがっ・・・いちいちセンスの塊なんですよ・・・!!!(当たり前)グッズも少しですが購入しました。おみくじ的に購入したトレーディング缶バッチは、アニメ無印放送時の推し2人(亜美ちゃん・姉、美奈子ちゃん・妹)を自引きしました!凄い!最近は、展覧会やらポップアップショップやらミュージカルやら…ほぼ少女漫画というニッチ界隈の作品にしか反応しない私たちでも追いつけないほどのイベント数/グッズ数で大変です…いえ、ありがとうございます!!全てに反応することは難しいですが、めっちゃ嬉しいです!是非今後もたくさん企画展を開催して、グッズたくさん作ってください!行けて良かったです。楽しかった!by姉
2024.08.13
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超簡単感想です。堀江由衣さんの12thアルバム『文学少女の歌集III-文学少女と夜明けのバス停-』を鑑賞しました。いつものことながら、清竜人さんの提供曲目当てでした。♪名前を呼んでくれたなら...♡(クリック)作詞・作曲・編曲:清 竜人こちらも凄くかわいい楽曲だったのですが…もう1曲、アルバムの収録楽曲で非常に感動した楽曲がありました。音楽語りーその284♪まじめにムリ、すきっ by堀江由衣作詞・作曲:Misty mint 編曲:伊藤立・Misty mint楽曲(リンク・クリック)なんというか…現実のテンションとしては当然認識してるんですが、それがこういった形で見事に楽曲に昇華されているのは、ありそうでなかった…新鮮な観点の楽曲だなぁ、と。「すき」「ムリ」の繰り返しが、ボカロ調ですごく活きていますし、そこに堀江由衣さんのボーカルが乗っかってきて、2次元っぽい、でもボカロでは出せない情感が出てくるというか…。作詞作曲(&編曲)のMisty mintさんは、どういった方なのか軽く検索かけてみましたが、あまり情報が出てきませんでした…。メロデイーラインはかなり「王道ボカロ~!」って感じなので、そっち系の作曲家様なのかな?秀逸な楽曲コンセプト、メロディーへの言葉の当てはめ方が上手な方だなあ、と感じました。それにしても、堀江由衣さんは本当にすごい…たぶんもう25年くらい歌手活動も展開されてる…?んですが、アルバムもいつもコンセプトがしっかりしていて、収録楽曲の品質が間違いなく高く、いちいち面白味があって…。提供アーティスト様も、堀江由衣さんには「絶対に下手な楽曲を提供できない」と気張っているのも感じますし、それを感じさせるのも、常に品質にこだわった楽曲展開を続けられて来られたブランド力故のものだと感じています。今回もこうして聴き手に「新鮮」と感じさせる楽曲が出てきました。何よりの信頼感です。次作アルバムも楽しみにしています。by姉
2024.08.11
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妹と2人で上京し、ミュージカル『暁のヨナ』を鑑賞して来ました!ミュージカル『 暁のヨナ』(通称:ヨナミュ)2024年7月20日(土)~28日(日)/シアターH(東京都品川区)連載15周年を迎え、新たにミュージカルとして“四龍集め編”を上演!【原作】草凪みずほ【脚本】谷碧仁【演出】元吉庸泰【作曲】鎌田雅人【振付】良知真次ヨナ:星名美怜/明音亜弥 ハク:神永圭佑/草地稜之キジャ:木原瑠生 シンア:吉高志音 ジェハ:加藤将ゼノ:DION ユン:飛龍つかさ テジュン:佐藤永典クムジ:柳瀬大輔 スウォン:良知真次 ギガン:剣幸 他ヨナ舞台はこれまで3度も上演されていましたが、現地に足を運べたことはありませんでした。今回は、全編描き下ろし音楽の豪華なミュージカル!とのことで、音楽好きとしても是非見てみたい!また、発表された演者様たちの動画を少し見る限り、歌唱力重視でキャスティングしていることがありありと分かりましたので、作り込んだ上質な舞台作品が観れるんじゃないかな、と期待感を膨らませていました。結論から言うと、すごく×100 見応えがありました!本当に上京&生で鑑賞出来て良かったです!以下、感想雑記です↓・歌唱力お化けたちの祭典今回の舞台作品ですが、大道具はほとんど設置されず、プロジェクター映像で華やかな宮廷、崖っぷち、様々な龍の里、港町や海戦…とコロコロと場面を転換させる作りでした。パッと見、「(美術などに)お金のかかった舞台ではないな」という印象でした。ただ、その分お一人お一人の衣装/ビジュアルの作り込みはとても丁寧でした。衣装は、パンフレットのお写真を見ると丹念な刺繍が施されているようで、とても見応えがありました。また、全編通してほとんど歌い続けていた描き下ろし楽曲群は、楽曲自体/サウンドも非常に質が高く、どの楽曲も聴きごたえがありました。同じフレーズを繰り返す手法(リプライズって言うのかな?)も利いていて、まるでディズニー!?と思いながら観ていました。上記のように、注力する部分が非常に明確な作品という印象でした。要するに、とにかくもうミュージカル作品として、キャスト様に力がないとどうにもならないんです。舞台装置もないので、楽曲コンテンツを歌唱力/演技力で魅せ切るしかないんですよ。そしてその狙い通り…キャスト様が軒並み歌唱力お化けだらけの怪物の祭典でした。なんかもう、凄かった。あらゆるキャラクターが高らかに歌い上げるのですが、声量があり過ぎて音響音割れして聴こえるし、複数人で歌い始めると、ハーモニーというか、いかに声を響かせるかの戦いのようになってました。舞台製作を担当されたWorld Code所属の役者様…ヨナ姫役の明音亜弥さん、ユンくん役の飛龍つかささん、スウォン様役の良知真次さんは、存在感が「舞台あらし」のそれというか、舞台上の掌握力が凄かったです。スウォン様役及び代表兼振り付けの良知さんはジャニーズ・四季などに所属されていたとのことで黒子たち(アンサンブル?)のフォーメーションダンスを用いた演出等が凄くて!勝手なイメージですが、2.5次元ミュージカル・・・というよりは歌声や演技が派手目な、伝統的な純ミュージカル!といった印象を受けました。ヨナ姫役の明音亜弥さんはミュージカルの申し子としか言いようのない。声の通り、華やかさ、歌唱の安定感、演技力…どこをとっても素晴らしかったです。舞台上の誰よりも存在感があり、光り輝いてました。ハク様役の神永圭佑さんは、控えめで「従者」に徹した演技/優しい歌声が印象的でした。ヨナ役の明音さんが力強い印象だったので、「見守る」ハク様像で凄く相性が良かったです!そして大刀アクションが格好良かった!!ユン役の飛龍つかささんは宝塚出身ということで、凄く安定感がありました。前半のロックな歌声も印象的でしたし、後半の海賊船侵入シーンの緊迫感が凄かったです!四龍は、歌唱力/演技力はもとより、4名並んだ際のシルエットの説得力が凄かったですね!建国神話のシーンは、思わず「四龍だぁ~!本物だぁ~!」とテンション爆上がりしました。四龍は2.5次元ミュージカルなどで人気の俳優さんが揃っている感じだったのかな?各龍たちそれぞれに個人曲もあてがわれていて、見所満載でした!声質もみなぴったりでした。キジャ役の木原瑠流さんとシンア役の吉高志音さんの伸びやかな歌声は本当に素晴らしかったですし、ジェハ役の加藤将さんの舞台上で誰よりもスラっとした立ち姿、ゼノ役のDIONさんの可愛らしい、でも深みを感じる動きが心に残りました。テジュン様役の佐藤永典さんは、演技が本当にお上手で。ものの見事にテジュン様がそこに存在して居らっしゃいました。クムジ役の柳瀬大輔さんも、現在World Code所属なのかな?もともと四季で、美女と野獣の野獣とかをバリバリ演じられてた方なんですね。また、ギガン船長役の剣幸さん…お名前どこかで見たことがある方だな?と思っていましたが、宝塚出身の方で、塔の上のラプンツェル(日本語版)のマザーゴーテル!クムジ×ギガン船長は、さながら四季vs宝塚の図式であり、野獣vsマザーゴーテルという、人智を超えた超豪華競演だったわけですね。流石の大迫力で、圧巻でした!上記以外も、名前のない役どころの役者様もたくさん歌ってらっしゃいましたが、皆さまとにかくお上手でびっくりしました。改めて振り返り、色んな分野の力のある演者様達の歌声&踊り&演技を楽しむことが出来る本当に豪華な舞台だったんだな!と。暁のヨナは本当にメディアミックスに恵まれるなぁ!と嬉しくなりました。※以下、原作ファン(脚本好き)が「暁のヨナのあらすじ」について好き勝手語り散らかしてます。原作を読んでいる方にしか分からない内容です。※・脚本筋脚本は、非常に練ってあるなぁ…!と感動しました。以前、2回目の舞台・2018年の生駒里奈さん主演の四龍集め編を観た妹の感想→コチラ(クリック)と、考え方は似てるというか、ほぼ同じだったと思います。(抜粋)正直に言います。この舞台はいち漫画原作ファンからすると「今後の展開に繋がる大事な描写を、全てそぎ落とした暁のヨナ」「見事に原作の本質から外れた暁のヨナ」でした。いや、こうなる事は分かってました。そりゃヨナの前半部分を簡潔に展開しようとするとこうなりますよ。~省略~実はアニメ化の時も旧舞台の時も、こう↑なるんじゃないかと危惧してました。ならなかった事に驚いた位でした。ここに来て・・・遂にこの「履き違えた暁のヨナ」が出てきたか!! ・・・というのが素直な第一印象です^^;今回の舞台も、基本的にはヨナ姫の動機という大元のところで「見事に原作の本質から外れた暁のヨナ」だったと思っています。「外れた」というか、当然作成側も分かっていて、脚本段階で「わざと外した」が正しいと思います。もちろん舞台作品としてはこの形が正解だと思っています。原作が描いているものが難し過ぎるんです。城を追われたヨナ姫が立ち上がり、目の色を変えて剣を獲る『動機』。その対局にあるのが、作品序盤、スウォン様が謀反劇を起こす『動機』。私と妹が本作品の一番の魅力だと思っている部分ですし、ここが面白くて、十数年にわたり本作を追い続けている理由でもあります。ここの作り込みは、壮大であり、非常に複雑なものだと思っています。原作をそのまま舞台化しても、当然必要なすべてのニュアンスが尺の中には納まりませんし、ヨナ姫の動機に関して言えば、原作通りのバランスで回そうとすると、ヨナ姫の動機自体がぼやけて見えるので、鑑賞者が混乱します。原作は、特に初期・四龍を集め始めてからのエピソード回しの際、ヨナ姫の動機について意図的にWミーニング的に作ってある…ヨナ姫が口で言う「表向きの動機/話筋」と、「実際の動機/話筋」があると思っています。具体的に書き記すと、下記点です。①表向きの動機/話筋本作の序盤・四龍集め編には、城を追われたお姫様が、自身の無知を恥じ、四龍に関する神託を受け、国を知る旅に出る/剣を持ち、大事な人たちを守れるようになる物語という筋道があります。ファンタジー少女漫画作品として分かりやすい筋道というか。これだけ聞けば、鑑賞者の頭に収まりやすい筋道だと思います。この筋道こそ、本舞台が見事に一本筋として表現し切っていた話筋です。・本舞台におけるヨナ姫の動機=ヨナ姫軸=『姫として世界を知り、強くなる』ただ原作においては、上記話筋を回すだけにしてはやたらと複雑な、というか『不要な』別要素・エピソードがもりもり投入されています。上記話筋を隠れ蓑にして、もう一つ「実際の話筋」があるからだと思っています。②実際の動機/話筋ハク様です。もっともっとハク様です。「大切な人たち」とか「国」とかいう言葉で濁さずに言えば、ヨナ姫が守ろうとしているのは、明確にピンポイントで「ハク様」です。ヨナ姫は、風の部族を出るタイミングから「ハクを頂戴」「不条理なまま死ぬのは嫌」「四龍の戦士に会いたい」「無知のままで居たくない」「戦えるようになりたい」と自身の意志として新しい世界に踏み出し、自分自身をどんどん作り変えていきます。これらが、表向きには①の動機/話筋として見えるのですが、正確には全部、ハク様の表情を見て、その状態をもって「やるべきこと」を判断している、という言い方の方が正しいと思っています。ヨナ姫自身が強い信念を持って行動していると言うより、ハク様の状態を観察して、ハク様にとって必要なこと/最良の道を模索してる。ヨナ姫がその場で使えそうなツール・事象をなりふり構わず使いたくって、「ハク様にとっての最善」を実現/実行しようとしている。ここが、暁のヨナという漫画作品の、一番面白いところだと思っています。・原作におけるヨナ姫の動機=ハク様軸=根本的に『ハク様』この観点で読み進める以上、暁のヨナの中で、最も重要な情報は、ハク様の状況/心情を読み解くための情報になります。ハク様本人は、自分自身のことを読者に説明してくれませんので。今回の舞台は、脚本上でこの②の動機に繋がる「ハク様を読み解くための情報」…ハク様のために作り込まれている要素やキャラクター…ですね。これをものの見事に、的確にばっさりカットして展開していました。今回の舞台で省かれた要素を並べ立てれば、どの要素がハク様軸の為に作り込まれたものなのか、見事にきれいにあぶり出すことが出来ると思っています。主には、五部族設定及び五部族会議設定。ジュド将軍やグンテ・ジュンギ・スジン将軍といった他部族長と風の部族のムンドク将軍、テウくんやヘンデくんたち。要するに、現行高華国の基本構造や、ハク様のステイタスに関わる部分の情報ですね。これらハク様軸の情報を省くと、話の展開で辻褄の合わない部分も出てきます。今回の舞台は、①の動機軸の一本筋で違和感なく鑑賞できるように、これら情報の欠如を、丁寧に保管する作り/改変が見受けられました。例えば、ハク様がヨナ姫を1人風の部族に残して、旅に出ようとするシーン。原作通りであれば、五部族会議において新王即位に対する風の部族の承認が必須であり、スウォン&空の部族+火の部族側から、ハク様失脚に関する明確な圧力があるという背景の上で、ハク様はヨナ姫を残して、独り姿を晦まそうとしていました。本当はこの背景の説明がないと、ヨナ姫を残してハク様独りが旅に出ようとする思考回路が意味不明になるんです。だって、ヨナ姫を残していっても危ないだけじゃないですか。スウォン政権にとって、謀反劇の内情をばっちり知ってるヨナ姫は消すべき存在なことに変わりはないので。スウォン様は、イル陛下殺害後間髪入れずにムンドク将軍を緋龍城に呼び出すことで、「風の部族は、即刻ハク様以外の将軍を立て、騒ぎ立てることなく新王即位を受け入れろ」という明確な指示というか、ある意味の交渉…平たく言うと脅しを仕掛けてるんです。ハク様はスウォン様の意図を正確にくみ取り、それさえ大人しく飲めばこれ以上の攻撃はないと踏んでヨナ姫を風の部族に残して、独り旅立とうとしてたんです。本舞台においては、この部分を「ハク様が囮になるために部族を出る」という言い方で濁していました。ただ、城を出る際にミンスが「囮になって」ヨナ姫・ハク様を逃がすシーンをしっかり描写した上でです。ヨナ姫の「囮になろうとするハク様を守りたい」感情筋が強くあるところがきちんと強調されていました。また、イクスの神託を受けたヨナ姫が、四龍探しの旅に踏み切る際の心情筋づくり。原作は、基本的に「ハク様がこのまま行くと死ぬ」から起こすアクションなのですが、本舞台においては、そのニュアンスも変更してありました。ハク様と2人で会話するシーンはカットされ、その代わりにユン君がヨナ姫の無知を盛大に攻め立てる形に改変されていました。原作ファンからすると、ユン君自体のキャラ変を感じさせるほど思い切った改変でしたが、本舞台作品としての、ヨナ姫の心情筋を魅せていくためだと納得できました。阿波でクムジ討伐に乗り出す際の動機付けもね…原作の方では、「姫として悪行を見過ごせない、困っている人々を助けたい」という観点ももちろんあるんですが、一方、ハク様軸として「ハク様が暇を持て余して、女の子と遊んでた」というエピソードも入れ込まれています。ヨナ姫は、暇そうなハク様のモチベーション維持の為に、わざとやることイベントを突っ込んだ形ですね。こんな分かりづらい動機付けのためのエピソード、そりゃメディアミックスではカットしますよね。普通は。そのまままるまる映像化したアニメ版がおかしかったんです。…というわけで、複雑な作りの原作を舞台作品として昇華するための、丁寧で練り込まれた脚本に感動しました!という話でした。ミュージカル『暁のヨナ』、見応え抜群で最高でした!現地まで鑑賞に行くことが出来て、本当に良かったです。2月にはWキャストの両方公演を収録し、楽曲CDもセットになったBDが発売されるとのことで!速攻で予約済です。まだ鑑賞できていない星名さん・草地さんペアの方も観て、Wキャストの違いを楽しみたいと思っています。by姉
2024.08.04
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以前より少し気になってた作品。アニメ1話だけネトフリで視聴して、面白そうだったので、続きをアプリ(ジャンプ+)で最新話(158話)まで一気読みしました。ひとまずの簡単感想。少年漫画感想『忘却バッテリー』(みかわ絵子先生・集英社・ジャンプ+・~158話まで)中学野球界で名をはせた名門・宝谷シニアの幼なじみ天才バッテリー剛腕・清峰葉流火(きよみねはるか)と智将捕手・要圭(かなめけい)。全国の強豪高校からスカウトを受けるも、それらを断り姿を晦ました2人が、なぜか近所の極々普通の一般都立高校に進学した。そこには、かつて天才バッテリーとの対戦で心を折られ、野球を一度辞めた元有力球児たちが複数人入学していた。天才バッテリーが何故ここに…!!?どうやら、信じがたく超アホッぽい行動言動をする智将・要圭の記憶喪失が原因のようで…。ほぼ1日でざっと一気読みしましたが…はい。文句なしに面白いです!これは素直に 単行本(紙)揃えます!*ジャンプ+は、全話初回だけ無料で読むことが出来ます。凄すぎ大盤振る舞いサービスですが、本作は読み進める毎にどんどん面白くなったので、だからこそ購入しようと思えました。*ひとまず近所の本屋さんで3冊購入しました。今、アニメ1期が放送終了した直後なのかな?*TVアニメのMV(クリック)が公開されてました。素敵でした。ちょっと楽天ブックス覗いたら、単行本全巻(1~18巻/以下続刊)が欠品状態だったので、時間を置いておいおいになるかもしれませんが、これは揃えます。*以下、ネタバレも多少含む感想です。未読の方はお気をつけください。*作者のみかわ先生は…全然想像ですが、たぶん…(私たちと)同世代くらいの方なんじゃないかな…と勝手に感じました。本作の絵柄やギャク/言い回しにはかなり『銀魂』の影響を感じますし、スポーツ漫画としても、おそらく私たちが読んできたような作品の影響が大きいんじゃないかな、と感じるところがあちこちに見受けられました。高校の入学式から始まる、男子高校野球モノということで、これまでにも幾万として漫画/アニメ作品で扱われてきた題材ですし、既視感の多いエピソード回しも多いです。スポーツ漫画としての画力・演出、各話しっかりした構成・ギャクシーンの緩急、あらゆる面でクオリティ高く、文句なしなのですが、ただ、革新性を感じる絵柄・画面取りなわけではないので、ぱっと見の印象は、「非常に質の高い、地味で丁寧な普通の漫画」でした。ただもう、読み進めるとどんどん面白いですし、ぐいぐい心に食い込んできます…『感情』が。『感情』の掴み方が上手いというか、繊細というか、とにかく優しいというか…。高校球児たちの葛藤・激情を、バリエーション豊かに深堀して描き、またそれらを取り巻く人たちの多角的な面も、面白おかしく、しかし残酷さも緩急豊かに描写します。ただやはり、いろんな感情が渦巻く中で、一番メインに据えられている『忘却バッテリー』、清峰くんと要くんの、異質な感情・関係性…やっぱりこれが面白いんですよ。唸りました。野球を始めた小学生の頃から続く、かなり異質な関係性…身体能力的に、誰の目にも明らかな天才・清峰くんの為に、要くんが過保護にやってやり過ぎて来てしまったというか…清峰くんを伸ばすこと・守ることを義務として負い過ぎて来てしまって。要くん自身、野球が楽しくはなくなっていましたし、野球に向かう精神構造が『献身』で出来過ぎてしまっていて、高校進学時のある出来事で、自分の存在が清峰くんの足を引っ張ると感じた瞬間に、清峰くんに、要くんの野球…というか、要くん自身ごと全部切り離させようとしちゃったんだろうな、と。要くんに関しては、話が進むにつれて記憶喪失ではなく二重人格であることが判明しますが、まぁもう何をどう取り繕っても、普通に見れば相当重度な精神障害を患った状態です。(いずれの人格も温厚なため、日常生活を送るのに絶対に治療が必要…というわけではないと思いますが、野球への影響は甚大。)また清峰くんの方も、野球の根幹から要くんへの依存でガッツリ構築しちゃってるので、要くんがこうなった以上、本当にどうしようもない。普通に見れば、ここ2人の関係性は結びつき(依存)が強すぎて、良くない。片方もしくはバランスが崩れると、共倒れになっちゃう。やっぱり2人とも天才なので、それはあまりに勿体ない。大人たちが本気で介入して騒ぎ立てれば、それぞれ…最低最悪でも清峰くんの野球の才能だけは守れるように、この2人は一度引き離した方がいいんじゃないかな、と冷静に見ればそう思います。ただ、やっぱ面白いなと思うのが、野球の『バッテリー』なので。ただお互いに自立させればいいでしょって話ではない、『ここの関係性』こそが野球界の至宝なんですよ。ここの関係性を、都立高校の、愛好会と大差ない新設野球部を器にして、山田くん・藤堂くん・千早くんといった野球経験者中心のチームメイトたちが、茶化しながら笑い飛ばしながら、技術偏重野球好きの大人たちの余計な助言/助力や無責任な観衆/外野の好奇の目線に踏み荒らされないように、本っっっ当に上手に守ってくれていて。技術的には強豪校に居るより遠回りになっているかもしれないけど、主役主体バッテリー2人と、その関係性をきちんと内包した状態で、各々の選手がやりがい/手応え、喜びを噛みしめながら、じっくりと野球界の高みへ歩みを進めていく…ところ。ここが、すごく魅力的な作品だと思います。読み進めるとじわじわと、多角的に散在する 憧れやリスペクトや優しさの感情の重さが読者の腹を殴ってきて、ボディーブローのように感動が来ます。いや、面白いです!気に入りました!!まだ一度読み飛ばしただけなので、単行本(紙)を揃えてじっくり読み込みたいと思います。by姉
2024.07.15
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こんにちは妹です。久しぶりに漫画感想をば。『金田一37歳の事件簿』2018年~ 現在既刊16巻(連載中)(天城征丸、さとうふみや先生、講談社 コミックDAYS )名探偵・金田一耕助の孫であり、永遠の高校2年生・金田一一が、まさかの37歳に!!??高校生の頃から数え切れない程の殺人事件を解決し、警視庁でも一目置かれる存在だった金田一少年は、20年後、警察官でも私立探偵でもなく、音羽ブラックPR社でうだつの上がらない営業部主任となっていた。「もう謎は解きたくない!!」と危険事からひたすら遠ざかろうとする彼だが、仕事先で次々と謎が謎を呼ぶ事件に遭遇し・・・!??コチラの記事(クリック) でも触れたことがあるのですが『金田一少年の事件簿』シリーズ続編『金田一37歳の事件簿』ずっと楽しく追いかけてます!1巻の時点でも凄く面白くて「思い切った発展のさせ方!凄く良い!!」とベタ褒めしていたんですけども・・・恐ろしいことに、巻数を重ねるごとにどんどん良くなるんですよこのシリーズ!!最初は結構「現代風に!高校生では出来なかった描写も入れて!」という奇をてらった感じの事件&お話回しだった印象なんですが・・・どんどん「古参ファンが金田一に求める展開」や「社会人経験を積んだ金田一中年の風格」なんかが見え始めて、もうもう毎巻「はじめちゃん優しい!!格好良い~~~!!!」と叫びながら読んでますw当初はイブニングにて連載されていましたが残念ながら廃刊となり、30周年記念の高校生シリーズ4巻を挟んだ後、14巻収録分辺りからは電子のコミックDAYSにて連載中のようです。ーで、最近の画がですね・・・良いんですよ。これだけ長いシリーズです。読者として長年追いかけていると、正直「画の力が無くなったな~」「初期シリーズの頃ようなキレはもう無理かな~」と感じてしまう時期だってありました。これはもう当たり前の話です。当然作者様方も年を重ねられています。仕方ない。それが・・・ ここに来て、ものすごく画が良くなってる!!!画の力が!演技が!描写の精度が!めっちゃ安定してきていて、美しく&鋭どくなって来てるんですよ!!!勝手な想像ですが、もしかしたら電子での連載になって「今回は更新お休み」が出来るようになって、クオリティ優先で描く事が出来ているのかなぁ? と。『SPY×FAMILY』とかが最たるものですが、今のご時世には紙の雑誌に掲載されずとも、むしろじっくり無理のないペースで描く事で成功する作品もありますからね!金田一のようなネームバリューのある作品には、この形態がすごく合っているのでは!と思いました。以下、各事件についての簡単レビューです。※ネタバレ含みます。犯人にも触れてます。未読の方は絶対読まないでください!※◆歌島リゾート殺人事件(1-2巻)金田一シリーズ、何か新しい試みを始めようとしたらココ(オペラ座館)からですね!とはいえ「第3の殺人」の時に館自体は全焼していて、今は「歌島リゾート」という名前です。孤島に閉じ込められる・・・という金田一らしい典型的なクローズド・サークルのミステリー!ーのようでいて、犯人が冷静な知略家ではなく、非常に短気な凶悪犯だったり謎解きの場面に犯人以外の関係者が集まってくれなかったりそもそもはじめちゃんが謎を解きたがらなかったり・・・ と、今までの金田一セオリーを外してきていて「17歳の時との違いを楽しんでね!」という造りになっていました。事件や犯人像自体は(個人的には)そこまで好みではなかったのですが; ただ37歳になったはじめちゃんは何してるの?明智警視や剣持のオッサン等、警察方面との絡みはあるの?地獄の傀儡師の高遠は?そしてそして美雪ちゃんとの関係は????ー等々、読者の興味・関心にどう情報開示をしていくかがすごく練り込まれていて「流石だなぁ、このシリーズ良いなぁ!」と感じさせてくれるオープニングでした。◆タワマンマダム殺人事件(2-4巻)これは面白かった!犯人目線でコミカルさも交えつつ、金田一の言動行動に怯えつつのスリリングな展開・・・ 短編「殺人レストラン」のような造りでした。そしてそこに、タワーマンション内ヒエラルキーだの不倫だの借金だの、37歳らしい下世話なネタが盛り込まれています。現代ならではのトリックも面白かったですし、ゲストキャラがそれぞれ立っていて見応えがありました。◆京都美人華道家殺人事件(4-5巻)・・・正直に言うと、これは個人的には「金田一37歳シリーズの中で一番微妙な事件」というか;;なんかトリックも犯人像も動機もイマイチ心に残らなかったというか;ーというかですね、やっぱり「殺人が絡む双子ネタは・・・個人的にはキツイ」っていうか!!(すみません本当に超個人的嗜好が絡んだ感想です。。)◆函館異人館ホテル新たなる殺人事件(5-7巻)この辺りから「従来の金田一シリーズのノリに戻って来たな~」と感じた覚えがあります。出てくる要素は イケメン俳優グループ・2.5次元舞台のようなファンタジー活劇 等、凄く現代風なんですけど事件の発生~展開~謎解き・犯人像の独白の流れや、純愛から来るド真面目な動機なんかがすごく従来のシリーズっぽく感じました。「ベテランの超売れっ子舞台俳優」というちょっと特殊な犯人像で演出もキレていたというか、印象に残るカットが多かったです!そしてここで元アイドル・速水玲香(37)ちゃんが登場。どうも20歳前後の頃?、彼女が絡んだ事件ではじめちゃんが「もう絶対事件を解くことはしない」と固く誓う出来事があったようで・・・と匂わされます。金田一37歳の事件簿の帰結地点というか、最終的な到達地点が見えたような気がしました。◆騒霊館殺人事件(7-9巻)この話は本当に良かった!!「37歳の事件簿」のテイストが確立したなぁ、と感じた事件でした。歌島リゾート~以来2回目のThe・クローズド・サークルミステリー!「霊の仕業・・・??」という金田一らしい怖さとサスペンス感も楽しめます。この話の何が良かったかって、ちゃんと仕事しているはじめちゃんがしっかりと描写されたことです!37歳現在、弱小PR会社の営業部主任として働いているはじめちゃん・・・いや確かに「大成功&出世エリート」ってイメージではないですし、そんなに大金を稼ぐことが出来るポジションじゃないんだろうなぁ、とは思います。-でも大卒で就職したとして・・・37歳、15年間も真面目に社会人を頑張ってきた中堅サラリーマンなんです。しっかり仕事をこなしている姿を描写されると、一番「17歳」の頃との違いが際立つと言いますか・・・37歳・中小企業の中堅営業マン、めっっっっっちゃ格好良いじゃん!!! と感じる訳です。。犯人像も「大手PR会社の20代美人キャリアウーマン」という、下請けのはじめちゃんとの社会的な格差を感じさせる配置にしてあって、やりとりに見応えがありました。◆綾瀬連続殺人事件(9-11巻)姉とともに「(今の所)ベストcaseだ!一番面白かった!!」と大喜びした事件です。これはもう「読んで下さい!」としか。金田一歴数十年ともなると、正直ゲストキャラクターの登場の仕方で犯人が分かっちゃうこともあるんですが・・・この話は「ミステリー小説家たち」というクセの強いキャラ達が、大体全員怪しくて良かったですw被害者像のブレや何が起こるか分からないスリリングさも見所でしたが、一番の見せ場は後半の「真犯人vsはじめちゃんの一騎打ち尋問対決シーン!」でした!身構えてはじめちゃんと接する犯人像、というのはなかなか目新しいものがあり、ドキドキしました。37歳のはじめちゃん・・・ 犯人目線で見るとやっぱり「怖い」んですよね。「ヘラヘラ冴えない男のフリしながら、絶対こっちがボロ出すの待ってるよね!!??」みたいな。飛び抜けた観察眼と推理力を発揮して、ミステリー小説界隈の人達から天才扱いされるはじめちゃん・・・ やっぱり皆思っちゃうんですよね「中小企業の営業リーマンじゃなくて、探偵やって欲しいな!」って。あとこの話、刑事になった真壁先輩や従妹の二三ちゃんも見所でした!すごくはじめちゃんに期待してるんですけど、本人が「謎を解きたくない」と言っている以上無理はさせられないな~ともちゃんとわきまえていて・・・ おお良い年の重ね方したな!と嬉しくなりました。◆殺人二十面相(11-13巻)この話はうーん・・・ ちょっとこの前の話が良すぎただけにうーん・・・同時期に描かれていた?30年記念の高校生編の方に力が入ってたのかな~・・・いや面白かったんですけどね;!はじめちゃんも格好良かったし!!新キャラでまた変な・・・いやいや手強そうな「殺人二十面相:御堂力也」が登場!ちょっと「探偵学園Q」的な雰囲気もするキャラですね。今後は地獄の傀儡師の高遠(現在塀の中)と絡んできたりするのかな?楽しみです♪◆人狼ゲーム殺人事件(14-16巻)ここから掲載がコミックDAYSになったようです。人狼ゲーム、金田一の世界観に凄くマッチしてるな!と思いましたし、人狼ゲーム大好きで仕事中なのにうずうず参加したくなっちゃうはじめちゃんが良かったvそしてその勢いからか、思いっきり前に出て皆に指示を出し始めたり、ガンガン人狼相手に仕掛けていくはじめちゃんがめっちゃ格好良かった!!犯行の動機は、なかなかに見事な逆恨み案件で被害者が可哀想でしたが・・・。はじめちゃんの活躍で人命救助出来たシーンが良かったなぁ。金田一になかなか無い展開なので!◆首なしスキーヤー事件(16~続刊)まだ事件の前半部分しか読んでませんので総評は出来ない段階なんですが・・・犯人もろめっちゃ分かりやす・・・ イヤイヤそれはさておき。。ーあの、画が めちゃくちゃ良くなってるんですよね・・・金田一の初期シリーズの頃のようなインパクトがある というか・・・なんでここに来てこんなにキレッキレなんだ金田一シリーズ!!次巻もめっちゃ楽しみです!!! ←今ココ(2024.7月現在)最後に・・・ ◆金田一37歳の展望についてあの金田一少年が37歳に!!??というアオリ文を見たとき、私が安直に想像したのは小さな探偵事務所を開いていて、でも実は警察からも頼られるような凄腕名探偵として活躍するはじめちゃん&傍らには奥さん兼助手の美雪ちゃんが居て、もしかしたらお子さんも居るかも・・・! という姿。高校生の段階であれだけ難事件を解決しまくっていたはじめちゃんです。当然、名探偵の祖父に負けずとも劣らずな名探偵になっているのだろう!ーと私だけじゃなくて、読者の大半はそんな期待を抱いていたと思います。それが・・・蓋を開けてみたら、コレ。探偵やってないどころか「もう謎を解きたくない」と言って真面目に働いているものの、普段は冴えない弱小PR会社の営業として社内で馬鹿にされ美雪ちゃんとも一緒に暮らしてはいない様子・・・?まぁ美雪ちゃんとの関係の方は、とっくに結婚しているのか事実婚なのかはさておき(まだハッキリ描写されてないんですよ。そんなに焦らさなくても;)ちゃんと「きちんと恋仲&パートナーとして、お互い話し合ってこの形で居るんだな」という描写になっているので、そこは安心して読み進める事が出来るんですけれども。ーいや、前述したとおり 普通に格好良いんですよ37歳・弱小PR企業の中堅営業マン!さりげない台詞や描写に「ああ社会人頑張ってきたんだなぁ」という成長&貫禄を感じて、それだけで充分格好良いんです。でも!いざ事件が起こると、謎にぶち当たるとやっぱり水を得た魚のように輝く。本領発揮の瞳になる。前に出てガンガン謎を解いて犯人を追い詰めていくはじめちゃんの姿を見る度、読者や周囲の人間や犯人でさえも思ってしまうわけです「中小企業の営業リーマンじゃなくて、探偵やって欲しいな!」って。金田一37歳の向かうべき場所はそこなんじゃないかな~と、期待も持ちつつ・・・今後の展開も楽しみにしています!!by妹
2024.07.14
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グッズ関連記事が続きます。ひかわきょうこ 画業45周年 Anniversary Shopに行ってきました。(有楽町マルイ 2024.6.26~7.16)開催期間中に、ちょうど東京での用事が入っており、時間的にも若干余裕があったため、ついつい誘われてしまいました。最近、少女漫画グッズの攻勢がすごくって…!小ロットでのグッズ制作が可能となった影響だと思いますが、(人数は少なくとも)熱狂的なファンは確実に存在する20~30年前の少女漫画作品で、これほどグッズ展開をされてしまっては…このあたりの作品を出されると…逃れられない!だって熱狂的なファンだから!*以下、現在開催中のPOP UP SHOPのほぼ写真ログ記事です。展示物の写真を多分に含みますので、今後訪問予定の方はお気を付けください。*パネルや生原画といった展示物も多く、かなり見ごたえがありました。店内を長いことぐるぐるしていました。昨年頃?一度『彼方から』をメインとしたPOP UP SHOPが展開されていました。それが好評だったのか、今度はそれ以外の作品…初期の人気シリーズ作品・『千津美と藤臣くんのシリーズ』と、『おてんばウェスタンシリーズ』の描き下ろしイラストをメインビジュアルに据え、ひかわきょうこ先生のワークスを網羅するようなグッズが用意されていました。(前回の彼方からグッズも置いてありました。)こちら、今回のメインビジュアルの生原画(たぶん)…!何度も本ブログで書いてきているのですが、私たちは『荒野の天使ども』『時間をとめて待っていて』『それなりにロマンチック』と続くダグラス×ミリアムのおてんばウェスタンシリーズの大ファンです。※現役で読んでいた世代ではなく、大学生のころに古き少女漫画漁りをしている時に文庫で読んで大感動した後々のファンです。ひかわ先生の作品は、他も全部大好きだけど、やっぱり…ダグミリは格別!ひかわ先生の女の子は、おとなしめのぽわ~っとした(でも芯は強い)子が多い印象ですが、その中でもミリアムちゃんは異色を放つヒロインですね。元気いっぱい、勝気な表情の新規イラストが本当にかわいくって。見れば見るほどいい!魅力的!そのほか、生原稿もショーケースに飾られていました。生原稿を見て改めて感じましたが、ひかわ先生の、特に80年代の中頃~後半頃の原稿は、描きこみと1コマ1コマの精度がおかしい。近づいて、拡大して写真とっても、1コマ毎に人物・背景まで濃淡や描線の違いで立体的な世界観が描かれており、綺麗過ぎて、精密過ぎて、見ても見ても「なんだこれ」という言葉しか出てきませんでした。下のイラストは、本当にデビュー直後くらいのイラストだと思うのですが、初っ端からどんな芸術的仕上がりだよ…!と思いました。グッズは、ダグミリ中心に購入しました。ダグミリの描き下ろしアクスタ!こんなものが購入できる日がくるなんて!嬉しい!クリアファイルは、他作品と合わせて4枚セットでの販売だったので値段も高くなってしまっていましたが、これは仕方がない。タイトルのレタリング、裏面の作中カット集も最高!購入特典のブロマイド(ランダム)は、3枚中2枚がおてんばウェスタンでした。私たち的には大当たりです。購入者特典(抽選)のA賞・アクリルクロックが展示されていました。時間をとめて~のイラストでクロックとか、最高に可愛かったので、こちらも是非普通に販売して欲しかった…!(そこそこ高値でも、これは買った!)生原稿も堪能できたし、グッズも現物を見て購入できました。行けて良かったです!by姉
2024.07.07
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今年1月の「草凪みずほ画業20周年記念 暁のヨナ大原画展」にて購入したグッズが揃いました!とりあえず全部並べた祭壇を撮影 至福の時…今回はグッズの数があまりに膨大だったので、事前にすごく悩んで「購入リスト」作成の上で臨みました。現地で考えてたら帰れなくなると思ったので…;数万円の高額商品は避け、ブラインドグッズも避け…欲しいものだけを選定した結果、やっぱり○万円のお買い物となりました。原画展怖い… いやコレは仕方ない必要経費だ!悔いは無い!!以下つらつらと写真をば。キャラファインアコーディオン!…多分皆さん感じる所だと思うんですが・・・この高級感&4連イラストで¥4,400って安すぎるというか、価格がバグってないですか・・・?ホントこの 幼なじみ3人版+四龍&ユン君版 の2種の満足度が半端なかったです!ぬいぐるみ! 可愛くて可愛くて、たまに並べて悦に入ります九谷焼豆皿セット と 青金石ペンダント!アクリル系やキャラファイン系も好きだけど、なかなか無い立体グッズは本当に嬉しいですアクリルミラーキーホルダー!ちょっと値が張るので迷ってたんですが、現物を見たら我慢できませんでした!アクリルスタンド全種!草凪先生の渾身作だと思います。これは全種購入不可避でした・・・壮観です!!ハク&ぷきゅほーの感温湯呑み!届くまで購入してた事を完全に忘れてました; いやカワイイ凄く可愛い!!ゼノの紋章ネックレスヘアゴム!買った時は、まさかこれが「蓋」で「盾」だったとは知りませんでした・・・A5キャラファイングラフ オーバーレイ「ヨナ&ハク」!受注生産販売品。開催期間中にサンプルが飾られてはいたのですが「監修中」でして・・・届くまでどんな仕上がりになっているか分からない一品でした。ーいやもう「買って良かった」の一言です!シックな色味の飾り枠の中に、彩度の高い椿&ハクヨナが映えていて素晴らしいです!↑図録(イラスト集)に掲載されているもの(右側)と見比べると、原画と比べてかなり彩度を上げてあるんじゃないかな、と。枠デザインとの兼ね合いを踏まえて試行錯誤しながら色彩を調整した、グッズ制作サイド渾身の一品なんじゃないかな~ と感じました。買って良かった AKATSUKI NO YONA ILLUSTRATIONS!A4、箔押しハードカバー、大ボリューム240P展覧会図録・・・ではなく、ファン垂涎の草凪みずほ初画集!各イラストはかなり大きく配置されており、1冊で草凪先生の画業20年の軌跡を堪能出来ます。遠路はるばる「暁のヨナ大原画展」に訪れるレベルのファンなら、これはマストなのでは。ちなみに我々は 姉用・妹用・保存用の3冊を買って帰路につきました・・・ーはい、めちゃくちゃ重かったです!!相当重いという情報がTwitter上で散見されたので、リュックサック持ち込んで、背負って電車移動しました。来月から、福岡会場で開催予定とのことで、追加グッズがどれほど出て来るか…戦々恐々としています……いや、楽しみにしてます!!(本音)by妹
2024.06.22
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前々から欲しいと思っていた諸々CDを購入しました。女性アイドルが多いです。簡単に徒然感想。音楽語りーその283↓♪ダーリンダンス by神田沙也加『MUSICALOID #38 Curtain Call!』神田沙也加さんはボカロソングを歌唱するアルバムを3枚リリースされており、こちらは、2022年の一周忌のタイミングで発売された追悼ベスト盤です。前から気になっていた1枚。購入しました。神田沙也加さんに関しては、出演作を追いかけてたとか、ミュージカル観たことがあるとか、全然そんな取り立てたファン活動をしたことはないのですが、やはりアナ雪のミュージカルシーン↓を鑑賞したときは衝撃で…っ!アナと雪の女王 - 生まれてはじめて「歌の上手さ」というのは、もちろん様々なベクトルがありますが、神田沙也加さんに感じた衝撃は、演技力の相まった歌唱…というか。一貫した主観で、神がかり的な映像/情景の切り替えを織り込んだ上で、曲調ばっちりにまとめてくる歌唱…でしょうか。♪生まれてはじめて ですと、出だし、♪窓もドアも開いてる~ なんて久しぶりなの~ のとこからして、窓が一気に開く空気感が、映像に合わせた形で、歌唱に反映されてるんですよ。最初のサビの部分も、窓も外を眺める解放感~から、更にブランコ?に乗って、上に登っていくにつれて視界が海まで大きく広がるシーンも、主観が感じ取っている光や、感極まった感情が明確に表現されていて。どなたの言葉だったか忘れましたが、「セリフは歌のように、歌はセリフのように」という言葉を聞いたことがあるのですが、ミュージカルを主戦場とされていた神田沙也加さんの歌唱は、本当にコレ↑のど真ん中の印象で、松田聖子さんの歌唱とも違う魅力をとても感じましたし、素直に、歌姫×俳優さんのサラブレットすげぇ…!マジモンの天才だ…!と思いました。その後もたま~にYoutubeの歌唱動画を見るくらいでしたので、本当に、ファンと言えるほどでもないのですが、お亡くなりになった時はやはりとてもショックでしたし…追悼アルバムも是非しっかり鑑賞してみたいな、と思っていました。まだあまり聴き込めていませんが、今のところのお気に入り楽曲。♪どりーみんチュチュ可愛らしい、ボカロと中田ヤスタカ楽曲の中間みたいなイメージの曲ですね。曲調を捉えたボーカルが心地よいです。♪リコレクションエンドロウルハイテンポの、いかにもなボカロソング。サビの「総ては僕のせいだ。」の語尾の切り離し感がくせになります。♪ダーリンダンスCDを購入してから、一番聴いている曲です。カンマ1秒で切り替えるボーカルの表情の豊かさというか…繰り返しのフレーズもいちいちニュアンスを変えてくるので、なんでこんなことが出来るんだ…と感嘆しながら聴いてます。♪ジターバグ単純にサウンドとサビの盛り上がりが好きです。♪乙女解剖よくこんなの歌おうと思うな…と思いながら聴いてます。♪地球最後の告白をアルバムラストの締めにぴったりの爽快感のある楽曲です。ココにたどり着けると思うと、アルバムを頭からじっくり流し聞きしてしまいます。書き出してみると、どうも最新の3番目のアルバムからの楽曲が多いのかな?たぶん、本当に歌がどんどん上手くなってらっしゃったんじゃないかな…。アルバム、とても気に入りました。購入して良かったです!アルバムを聴き込んでみて…やっぱりすごいな、好きだな、って改めて感じて、ようやくちゃんと「ファンです」って言えるようになる気がします。by姉
2024.06.15
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先週末に行ってきました。ぎふワールド・ローズガーデン 春のローズフェスティバル20242~3年に一度の頻度で訪れています。広大な敷地にバラが咲き誇る、規模の大きなイベントです。ただ、コロナ禍を機(2020年頃?)にもともと必要だったバラ株の植え替えを一気に実施した影響で、5年ほど前と比べ、ここ数年はイベント規模を若干縮小している印象でした。今回2年ぶりに訪れましたが、前回に比べバラ株が大きく成長していることが感じられました。これは毎年来たくなる…!以下、写真ログです。バラ以外のお花も可愛かったです。フードも相変わらずクオリティが高い!自家製ローズソフト(濃厚)…毎日お店で仕込んでます!とか言われたら、食べざるを得ない…!もちもちロングポテトは鉄板。木陰に座って食べてたら、風が気持ち良すぎて30分以上居座ってた…(周りの人たちも動けなくなってた)是非来年も訪れたいです!by姉
2024.06.02
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こんにちは 妹です。今後のヨナ活予定のご報告をば。チケット入手しましたミュージカル『 暁のヨナ』(通称:ヨナミュ)🌟 2024年7月20日(土)~28日(日)/シアターH(東京都品川区)連載15周年を迎え、新たにミュージカルとして“四龍集め編”を上演!【原作】草凪みずほ【脚本】谷碧仁【演出】元吉庸泰【作曲】鎌田雅人【振付】良知真次ヨナ:星名美怜/明音亜弥 ハク:神永圭佑/草地稜之キジャ:木原瑠生 シンア:吉高志音 ジェハ:加藤将ゼノ:DION ユン:飛龍つかさ テジュン:佐藤永典クムジ:柳瀬大輔 スウォン:良知真次 ギガン:剣幸 他過去3回の舞台は円盤での鑑賞でしたが、今回は初めて現地で観劇する予定をたてております。新しい地図関連で数回舞台を現地で観劇し「やっぱり生舞台はパワーが違うな!凄いな!」と思っていまして。原作も最終章突入…というこのタイミングで「今度はミュージカル化!」ということで、今回こそは頑張って現地に行きたいな!と。いやぁドキドキです!劇場はシアターH。2024年6月開業!マーベラス創業者によって建てられた「2.5次元舞台やライブエンタメに適した新設劇場」との事!そして制作の(株)World Code(ワールドコード)は、スウォン役&振付の良知真次さんが代表を務める形で2018年頃から起ち上げられた、新しい「芸能プロダクション、舞台・テレビ・イベント・LIVE等の制作会社」との事。ヨナ役の明音亜弥さん、ユン役の飛龍つかささんはじめ、その他の出演者もこちら所属のタレントさん達が多く参加されているようです。なんとなく…ざっとスタッフ様やキャストさんの経歴を見た限り、結構ベテランさん達が多いというか…主要キャストさん達の歌唱動画とかも見ましたが、皆さん安定してお上手で!勝手な想像ですが、なんというか「手堅い造りの舞台」になるんじゃないかな~ という印象を(現時点では)抱いております。キャラクター達がどんな風に歌って踊ってくれるのか、今からとても楽しみです~♪※ちなみにヨナ姫&ハクがWキャストなのですが、私達は「明音亜弥さん&神永圭佑さん」チームの方を観劇予定です。「星名美怜さん&草地稜之さん」チームも是非観てみたいので、どっちも収録された円盤とか出ないかなぁ…(気が早い)いやぁ~ 楽しみですby妹
2024.06.02
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昨日、公開2日目に鑑賞して来ました!*以下、公開直後の映画のネタバレ有感想です。未鑑賞の方はご注意ください!*鑑賞特典で50両(ステッカー)もらった…。映画感想『碁盤斬り』(2024年・白石和彌監督・キノフィルムズ)清廉潔白で生真面目過ぎる元彦根藩士・柳田格之進は、在らぬ疑いにより藩を追われ、妻も失い、一人娘の絹と2人で江戸での質素な浪人長屋生活を送っていた。そんな彼の特技は、囲碁。ある日、碁会所で大きな質屋の主人・萬屋源兵衛と知り合う。2人は良き碁仲間となり、柳田の人柄の現れた清廉潔白な碁に感化された源兵衛は、それまでの高圧的で勝ちにこだわる自身の囲碁、また質屋業への向き合い方を、素直で実直な形に変化させていく。月見の夜、萬屋は宴に柳田を招待し、いつものように2人で囲碁を打っていたが、その際、現金50両が紛失する事件が発生する。時を同じくして、柳田は彦根藩で自身を失脚させ、妻を自死に追い込んだのは柴田兵庫という元同僚の謀であった真相を知る。柴田への復讐を果たそうとした矢先、盗人の疑いをかけられ、柳田は一度は腹を切る覚悟を決めるも、娘の絹に止められ、また50両の工面のため、絹は進んで吉原にその身を売る。柳田は柴田を討つため、目撃情報を頼りに中山道を下るが…。予告編⇒こちら香取慎吾主演映画『凪待ち』がとても面白かったので、同監督×新しい地図タッグの本映画作品も楽しみにしていました。本作は、『凪待ち』を鑑賞して感動した草彅くんが「白石監督と是非!」と希望して誕生した作品…とのことで、草彅くんを魅力的に映す、SMAP騒動からの物語性・キャラクター性を物語に落とし込むという大前提があった上で、映画鑑賞としての付加価値を、オマージュ・コラージュで手法で詰め込んだ、超「アイドル映画」な作りの作品だな、と感じました。以下、面白かった点の列記です。・時代劇×草彅剛本作は落語を下地とした時代劇ですが、そもそも白石監督は時代劇初挑戦とのことで、草彅くんの為の映画だからこそ、この題材だったんだなと感じました。草彅くんのビジュアル…鼻筋の真っすぐ通った、唯一無二の顔立ち…特に横顔。それを最大限映える形で魅せられる題材として、『囲碁×武士』が上がって来たのかな、と感じました。・落語モチーフ本作の下地になったのは、落語「柳田格之進」とのことですが、その他にも有名落語「文七元結」の要素等で脚色してある部分があるようです。対質屋の要素は落語の筋道をなぞり、彦根藩を追われる原因となった柴田への復讐物語は、本映画のオリジナル要素だったのかな?と受け取っています。この辺りは、落語の教養が一切ない私には拾い切れないのですが、「なんでこんな話回しなんだろ?」と不思議に思う点は、お約束の定型要素としてあるものだったのかもしれません。・春夏秋冬、浮世絵モチーフ、音サブスク等で、家で膨大な映画作品が観れてしまう現在において、映画館までわざわざ足を運んで鑑賞する付加価値という考え方だと思いますが、映像・音ともに、面白味がたくさん詰め込まれていました。春から始まり、夏・秋・冬…と1年間巡る形で季節が変遷しています。「桜だよ~!春だよ~!」って目いっぱい映したり、「風鈴だよ~!夏だよ~!」ってわざとらしいくらい風鈴の音をでかく入れ込んだり、「中秋の名月だよ~!お月見だよ秋だよ~!」ってシーンがあったり、クライマックスは年の瀬・大晦日~年越しの場面に設定されていました。また中山道を下っていく過程において、浮世絵を想起させる画面作りが各所で入れ込まれていました。中山道ですので、特に広重モチーフですかね。雨や雪の中、傘を被りながら橋の上を走ったり、明らかに実物より鋭角な富士山のシルエットが遠景に見えたり。あとは音もとても印象的でした。上述のような季節感を意識した音を大きく入れ込んだり、劇半も、時代劇には意外な弦楽器を思いっきり響かせるシーン等があり、とても気になりました。・脚本、動機、キャラクター性本作ですが、先に語った通り複数の古典定型筋に、復讐譚(+時代劇として面白味のある絵面・アクションシーン)を組み込んだ作りになっています。そのせいもあって、動機がかみ合っていないところがあるんですよ。後半の主人公の動機としては下記の2つがありますが、これらは別件で繋がってない。①彦根藩を追われ、妻を自死に追いやった原因(柴田)への復讐②柳田が50両を盗んだと疑いをかけられ、その金の工面の為に娘が吉原へ&大晦日の返済期限を過ぎると店に出される結局主人公は、秋~大晦日までの時間を①の復讐譚に全振りするんですが、鑑賞していて引っかかるのは、「いや先に②50両の工面の方に奔走しないの?」という点。奥さんは既に亡くなってしまってますが、娘さんにはこれからがあるので。仇討ちより、なんとか娘さんを吉原から引き出す方を優先した方が良くないか?と。ただ、最終的には作中で①も②もどっちも問題解決まで行きつくんですよ。①の方は、柳田本人が柴田に手を下す形で見事に完遂するし、②の方は、落語の世界観を感じさせる情け×情けの相乗効果で「人情話・ハッピーエンド」に落ち着く。もし②の方に走っていたら、おそらく①の復讐譚はやり切ることが出来ない…あるいは、もっともっと時間がかかる事態に陥っていたと思います。つまり①に全振りしたのが、最終的には最短ルートで正解だったという話です。鑑賞し終わってじわじわと納得感が出て来るのが、確かに明らかに①の復讐譚の方が要素が重い点。柴田(元同僚)の、柳田への明確且つ悪質な個人攻撃と、それに派生した彦根藩内の混乱、柳田の妻が自死しているという取り返しのつかない事実がありますから。斎藤工さん演じる柴田の描かれ方も非常にオモシロかった。一見、話が通じそうな受け答えが出来るし、口も達者なのですが、やってることだけ並べ立てれば、柳田への個人感情(嫉妬心)を拗らせ、全体バランス・周囲の迷惑等も一切合切無視して、何よりもそれを優先してしまったという完全にただのネジのとんだ社会的害悪でしかない、という人物。彦根藩も有能人員を配してその行方を追っており、目撃情報も得ている今、この機を逃さず、こいつを捕まえるのが最優先だ、ということだと思います。この①と②への対応の違い…これは柳田さんのキャラクター性が見て取れる部分だと思います。①柴田の首は思いっきり刎ねた柳田さんですが、②どんなに気がたっている状況でも、質屋の源兵衛さんと弥吉には情をかけました。2人の人柄や、人を攻撃しようという悪意がないことは分かっていますので。あくまで私の個人的な受け取り方なのですが、上記のこうした柳田格之進の描かれ方が、草彅くんというキャラクター性になんともマッチしているな、と感じました。少し込み入った話になりますが、香取慎吾主演「凪待ち」然り、やっぱり「復讐譚」なんてテーマで作品が構築されているのは、間違いなく、新しい地図主体がSMAP騒動というバックボーンを抱えているからだと思っています。凪待ちは、自責のスパイラル⇒心の嵐が凪いだ後に希望を見出し始める話でした。コレは本当に、当時の香取慎吾主演でしか出来ない、鑑賞者をその感情に飲み込んでしまうような作品だったと思います。対して本作は、観客が柳田格之進になかなかついて行けない。捉えどころがない。上述のように、「えっ今そっちに全集中しちゃう!?大丈夫!?」と若干ハラハラ感がある。また、映画頭で源兵衛さんの賭け碁を安請け合いするとことか、何も考えてないんだろうな~と感じる、ウェーイ!な部分がある人だよな、ってところと、そうかと思えば超シビアで、問答無用に復讐譚を完遂するところのギャップ…とか。気分によってなんとなく使い分けてるようにしか見えないんですが……でも、最終的に間違ってないんですよ。気づいたら最短ルートなんですよ。↑この辺りが、騒動以降のSMAP主体を追いかけて見て来て、私が個人的に草彅くんに抱いている&感じているイメージそのままのものでした。上手く書けないんですが…うん。香取慎吾主演だからこその『凪待ち』だし、草彅剛主演だからこその『碁盤斬り』だな、と思います。主演俳優のキャラクター性を一番に据えた考え方で作品が構築されている…これぞまさしく「アイドル映画」の作り方というか、だからこその面白さだな、と感じました。・最萌え・萬屋源兵衛/國村隼さん本作ですが、キャスト様が本当に演技派の固い方ばかりでとても見応えがありました。娘・絹役の清原果耶さん、質屋の跡取り・弥吉役の中川大志さん、吉原の女主人・お庚役の小泉今日子さん、敵の柴田兵庫役・斎藤工さん、碁会を取り仕切る長兵衛役の市村正親さん…お一人お一人の立ち振る舞い、セリフ…どこをとっても迫力があって素晴らしかったです!なんですが…個人的なMVPは、萬屋源兵衛の國村隼さん!萌えキャラ過ぎて、源兵衛さんしか見えない!状態でした。國村隼さん…どっかで観た方だなと思っていましたが、映画「ちはやふる」三部作の原田先生か…そうか…。あとは「君たちはどう生きるか」のインコ大王の声…ほう…。私が今回、落語の筋立ても何も事前予習せずに映画鑑賞に臨んでいたので。前半の、源兵衛が柳田さんの人となりにほれ込み、二人が心を通わせていく過程は、若干「私は何を見せられているんだ?!まさかのBL?!」が頭をかすめたくらい…すごく良かった!高齢且つ大きな質屋の主人という成功者なのに、人の振り見て我が振りを直していけるところとか、跡取りの弥吉を可愛がって、育ててあげようとしてるところとか、人に対して疑り深い現番頭を買っていたりとか(質屋の番頭には必要な素養だと思う)…作中一貫して、私は源兵衛さんにメロメロになりながら鑑賞していました。國村隼さんのハートフルな演技、最高でした!・ラストシーンラスト、彦根藩への帰参を熱望されるも断り、娘・絹と萬屋跡取りの弥吉の結婚式まで見届けて、柳田は再び旅に出た…というシーンで終幕となります。彼の旅の動機について作中で明言はされておりませんでしたが、おそらく、彦根藩時代に自身が失脚させた人・その家族へのお詫び行幸…何か困っていることがあったら力になれないか観に行ったのかな、と受け取りました。この辺りは落語の筋道それているオリジナル(?)なようですし、SMAP騒動を経て、旧事務所の現状も踏まえ、新しい地図・草彅くんの心情として、今こんな感じなのかな~?これからやっていきたい方向として、こういう面に向かう気持ちもあるのかな~?というあくまで「含み」として、そんな印象を受けました。…というわけでたいへんミーハーな感想になりましたが、映画『碁盤斬り』、とてもオモシロかったです!!映画館で鑑賞する醍醐味がたくさん入れ込まれた作品でしたので、SMAP・草彅くんのファンの方は元より、時代劇・落語・浮世絵等にワクっとする方、演技派俳優好きの方、ハートフル萌えキュン親父(萬屋源兵衛さん)が観てみたい方、是非、映画館で鑑賞してください!ここまで来たら、新しい地図×白石監督の三部作完結編として、稲垣吾郎主演の失脚・復讐モチーフ映画も是非観てみたいですね…!by姉
2024.05.19
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『ちはやふる plus きみがため』1巻 ちはやふるプラスきみがため(末次由紀先生、講談社、BE LOVE、2023年~以下続刊)競技かるた漫画の金字塔『ちはやふる』待望の続編がスタート!舞台は千早たちが卒業してすぐあとの瑞沢かるた部。競技かるたで全国制覇を目指す一年生の長良凛月(ながら りつ)は全国制覇をめざし部活に取り組んでいるが、なかなかうまくいかない。それでも真摯に真剣に向き合う彼の姿勢は、周囲をそして自分自身の"心"を突き動かしていく…。その強き意志は、誰がために――。あらたな『ちはやふる』始動!前作の『ちはやふる』は最終回後にハマったので、こちらはリアルタイムで追いかけることが出来て嬉しいです。簡単にですが感想をば!◆漫画の天才の所行(他の記事でも姉が散々褒め称えているので今更なんですが)…どうしても真っ先に叫びたくなってしまうのが、末次先生の「漫画の巧さ」。テーマ性 構成力 脚本力 画力 演技力…シチュエーション カメラアングル デフォルメ力 テンポキャラクター性 情報量 感情の焼き付き方。漫画読書歴数十年の女の戯れ言ですが…ここまで全方位の漫画表現力に抜きんでていてキャラクターのバックボーンや生活感まで画面に落とし込んで言葉にならない価値観・ニュアンス・激情をこんなに伝えてくる作家様はちょっと他に観たことがない!! というか。青山剛昌先生・高橋留美子先生・森川ジョージ先生等々…レジェンド作家様たちからも支持される、圧倒的な漫画力!好みかどうか云々…はさておき、漫画好きを名乗るなら必読書だよホント! と思っています。◆2人の男の子の物語今回のお話は BE LOVE という女性誌掲載でありながら凛月君&千隼君という2人の男の子が主人公に据えられています。前作の 美少女1人+イケメン男子2人(白髪&黒髪)THE・三角関係恋愛モノ! とは明確に異なるパッケージです。そもそも末次先生の作品は「ちはやふる」以前からほとんどが男女の恋物語(かなりメロドラマ寄り)という印象で、恋愛モノじゃない男の子主役なんてオムニバス形式の短編作品でしか描かれていないんじゃないかな… という位のラブストーリー作家様でした。ただ前作「ちはやふる」においては、学生の団体戦~社会人達のかるた界が鮮やかに描かれる中で高校生達の(特に)同性同士のリスペクト精神や友情、社会人カルター達の、各々状況は違えど旧友たちが頑張っている姿に励まされている描写…等々同年代・同性同士の関係性の描写がすごく光っている印象を受けたんですよね。(そしてこれが本作が50巻の大長編になった理由のひとつだと思います)多分… このあたりの「群像劇」に、末次先生自身もすごく手応えを感じられていて今回は「ラブストーリー」ではなく「同年代の友情、そこから産まれる青春の物語」をメインに据えて描く事にされたのかな~、と感じました。※余談ですが… ウチのブログの ちはやふる感想でも切々と語っている部分なんですがやっぱり「恋愛」ってド真面目に描こうとすると、どうしても「人生」を念頭に置いて描かれるべき題材だと思うんです。「この2人なら、生涯の伴侶として幸せに家庭を築いていけるだろう!」と感じさせる説得力が欲しくなるというか。少なくとも BE LOVE で復帰されて以降の末次先生の作品群には、基本これ↑をすごく感じます。やっぱり作者様自身も「恋愛=結婚=人生」の構図を強く意識するご年齢になっていたんだろうな、と。そんな中で立ち上げられた「ちはやふる」も勿論例外ではなく…おそらく初期構想段階で据えていた「ヒーロー&ヒロインが名人&クイーンとして近江神宮で並んでハッピーエンド♥」なんて安直で綺麗すぎるロジックでは、到底長編物語を押し通す事が出来なかったのだろうな…と。(そして「ヒロインがかるたに邁進する動機」をこねくり回して肉付けていくうちに、うっかり太一君の方との「依存と執着の最果て」みたいな恋愛感情が爆誕してしまい、手が付けられなくなっちゃったのかな、と)千早ちゃん&太一君の恋愛模様は、もはや「青春ドラマ」に収まる次元のものではなく後半はもう「ちゃんと描写はする!でもスポ根青春モノの本作の中でそれは説明しない!分かる人だけ分かってくれ!!」という描かれ方をしていたなぁ、と感じます。末次先生が今回「2人の男の子」をメインに据えたのは、前作での反省を踏まえて青春時代=高校3年間の物語 をしっかり描ききるためなのかな~ と、現段階ではそんな印象を受けています。よっぽど恋愛がしたい子じゃない限り、高校生活って「同性の友達との関係」の方が俄然大切だったりしますよね!◆「限られた時間の中で頑張るかるた」を描く群像劇前作は「主人公がかるた界の頂点・クィーンを目指す物語」でした。最初に登場する かるたの師匠は「バリバリ攻めがるた!名人・クィーンを目指すかるた!」を信条としている原田先生。そして千早ちゃんや新君も「初心者に対しても手加減なし!正々堂々勝負!」というタイプ…ーいや分かります。頂点を目指す子達を描こうとしたら、こうなるのも分かります。…ただ!正直、私は読んでいて「ヤダよ こんな奴らと一緒にかるたするの」と感じていまして;;そもそも作中では「才能無いアピール」をしまくっていた太一君だって、12歳でかるたを始めて半年足らずでB級に昇格した、ただの超天才でしたし…※小説版より 多分設定が甘くてつじつま合わせたらこうなったのかと瑞沢かるた部の立ち上げメンバー達だって、バリバリ経験者3名+地頭が良くやる気のある初心者2名 という「高校選手権で全国優勝するための 選ばれし5レンジャー」だったんですよね。基本的には「能力&部活に邁進出来る環境」に恵まれた、超有能キャラクター達の必然的なサクセスストーリー!という印象でした。対して今回の続編は、「ヤングケアラー」「毒親持ち」という問題視すべきレベルの境遇におかれた男子高校生達が主人公。ものすごく頑張らないと「自分の青春に費やす時間・環境」を勝ち取ることが出来ませんし、どうあがいても自分の意志を最優先できない場面に沢山ぶち当たります。前作が連載開始したのは、2007年12月…それから16年後の2023年12月に連載開始となった、今回の続編。見比べると、東日本大震災などを経て…だと思いますが知らぬ間に「標準的な高校生像」や「ジェンダー観」が大きく変化していた事を凄く実感します。また15年かけて「頂点を目指すかるた」「人生をかけるかるた」を熱く・美しく描ききった作者様が、今度はそのアンチテーゼ…でもないですが、「限られた時間の中で頑張るかるた」「楽しい想い出になるかるた」「豊かな人生の糧としてのかるた」もまた、美しく輝かしく描いてあげたくなったのかな、と。数ヶ月頑張っても 決まり字を覚えることが出来ない初心者部員だって頑張ってるし、抜きんでたかるたの才能はないけど、後輩からすごく慕われる先輩が存在感を持って大事に描かれています。主人公・凛月くんのかるたの師匠として登場する初心者やキッズ層に優しい&褒め上手な大山先生。ここに現在の作者様の想いが込められているんだろうな~!と、すごく感じました。◆花野菫ちゃんと綾瀬千早ちゃん今作は恋愛を主軸に置いていない!と前述しましたが、恋愛要素が無い訳ではありません。凛月君が密かに想いを寄せるのが、3年生のかるた部キャプテン・花野菫ちゃん!3年生になった菫ちゃん、恋する凛月君フィルターも入っているのかもですが…優しくて気が利いて、めちゃくちゃ可愛い憧れの君として描かれてます。そんなに派手には描かれないんですが「思いついたらなりふり構わず即行動!自分にも厳しいし周囲にも厳しい事言っちゃう!」というタイプの凛月君に対してフワっと窘めたり冷静に他の道も考えるための言葉を与えたり、要所要所で 人の気持ちに敏感な菫ちゃんの良さが光っていると思います。勝手な見解ですが… 菫ちゃんにとって、千早ちゃんって「こうなりたかった女の子」なんじゃないかな と感じていまして。お化粧なんかしなくても まつげバサバサで美しくて、大好きなかるたに熱意を持って取り組んで結果を出して… それでいて、実は恋愛に関しては超奥手&奥ゆかしさを持つ千早ちゃん。彼女は 菫ちゃんが憧れる「理想のヒロイン」そのものというか…「太一君にとって なんで千早ちゃんが特別なのか」一番理解出来るのは、実は菫ちゃんなんじゃないかな、と。だからこそ余計に千早ちゃんと自分を比較して「私は性格悪い 才能も無い 誰も好きにならない」と思っちゃうんだろうな、と。でも逆に、千早ちゃんは菫ちゃんみたいに「他人の機敏を感じ取り、瞬時に反応して立ち回る」とか「初心者に慕われる」とか、絶対出来ないですからね!決定的に失恋が確定してから数ヶ月…まだまだ新しい恋に向かう気持ちにはなれないかもしれませんが、菫ちゃんには素敵な恋をして欲しいですね!◆長良凛月君と真島太一大明神について最後に…主役の長良凛月君は、基本的には太一君を目指していくんだろうな~と(今の所)想像してます。・目標は「高校の団体戦 全国優勝!」・妹の名前は「りか」ちゃん・めちゃくちゃ学習意欲が高い・花野菫ちゃんに絶賛片想い中こうした特徴から、やっぱり凛月君の目標というか最終的な「倒すべき相手」は、太一君になるのかな、と。今後の展開としては、そんな期待をしちゃっています。総合病院の家系に生まれ、親からのプレッシャーに応えながら超イケメンに成長し運動神経抜群&京大医学部に現役合格する程に成績優秀&勉強家なスーパーハイスペッカー!さらに最強のリーダーシップ精神を有し、創部1年ちょっとで瑞沢高校かるた部を全国優勝に導き競技者としても超A級、名人予選では東の代表(世界で3番手)にまで昇りつめた超努力家!それでいて気配り屋で優しいので、とにかくモテる。女子からも勿論モテるけど、男子からも厚い支持を受けるとにかくモテる!↑菫ちゃんに恋してしまった以上、凛月君は必然的にコレに挑まざるを得ないのではないかと…難儀だな、と。話が進む中で、ものすごく神々しく登場する太一君がまた見れるんじゃないかな~楽しみだな~!と今後の展開に対して、アレコレ期待が膨らみます!…簡単感想にしようと思ってましたが、結局長くなってしまいました;もう一人の主人公・千隼君に関しては、まだまだどんな競技者として描かれるのか未知数という印象…今後どうなっていくのかな?「きみがため」には辿り着くべき答えはあるのかな??久々にリアルタイムで追いかけたい漫画が出てきて、とても嬉しいです次巻が待ち遠しいです!by妹
2024.05.15
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以前、一度訪れたことがあった城郭です。当時の記事⇒こちらお城の近くで用事があったため、9年ぶりに再度訪問しました。簡単写真ログです。愛知県・小牧山城に行ってきました!-その2大手口側の大きな土塁。小牧・長久手の闘いにおける家康時代の改修工事によるものです。9年前は、この辺りも木々が生えていてよく分からなかったと思います。足場が堀のアップダウンを体感できるように設置されていました。以前、発掘中だった石垣が整備され、大手道を登りながら、天守を見上げる絵面を体感できるようになっていました!後の岐阜城、そして安土城に繋がる「信長の魅せる城」とは、まさしくここのことですね!特に真っすぐ伸びた大手道~魅せる天守と言う流れは、非常に安土城作りの似ていることを改めて感じました。天守は、以前も歴史館ではあったのですが、展示内容は完全リニューアルしていました。リニューアルは1~2年前くらいなのかな?小牧・長久手の闘いに至るまでの流れや、合戦の様子を映像等でしっかり学べる内容でした。(あらゆるものが秀吉の悪だくみ的に描かれてて、偏り具合が面白かったです)天守からは、濃尾平野一望!麓に、立派な史跡情報館・れきしるこまきがありました。2019年開業みたいです。こちらは、城郭…特に石垣に関する説明が多かったかな?プロジェクションマッピングを多用した、とてもワクワクする展示でした。城郭ブームがあって、ここ10年ほどで多くの城郭がキレイに整備され、訪れやすくなっています。とても嬉しいです。愛知・岐阜~滋賀に抜けるあたりの城郭は、戦国ビックネームたちの、一番有名どころエピソードのメインフィールドですので。城郭にまつわる逸話だけで、知名度・派手さが抜群ですね。再訪問できて、とても楽しかったです!by姉
2024.05.06
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久々に本誌の簡単感想です。暁のヨナ 44巻(第254話・255話・256話・257話) 感想(姉編)ここのところの、暁ヨナの怒涛の展開!毎回、唸りながら読んでいます。…ハク・スウォン間の関係性に絡まない部分だと、こんなにスムーズに話が進むものなのか…!*以下、花とゆめ最新号掲載話/単行本44巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*■緋龍王/四龍伝説の終焉?怒涛の伏線回収。・天命…四龍と緋龍王伝説を終わらせる方法?・剣と盾…緋龍王の廟に入っていた剣と、ゼノさんの紋章?・四龍終結せん時…血の盃の中で四龍の血が一つになる時?一気に説明され、「えっそうなのっっ?」と読者が驚く間もなくゼノさんは盃の中へ…そこで「ゼノさんの血の中に居た龍神様」と対面します。…ゼノさんが、黄龍と対面している。つまり「青年ゼノ≠黄龍」の構図だということですよね。四龍伝説を終わらせて、天か地かいずれかに帰ろうとするゼノさんに対し龍神はこう言います。・お前は天にも地にも行けぬ・お前は王を守る誓いを反故にした・お前の命はまだ尽きていない盃の外に再び返されたゼノさんは、死ぬことが出来ず失望しますが、そこで何か「あること」に気づいた表情をしました。どうなっているのか概要が明かされてはいませんので、願望も込めたただの予想ですが……コレ ゼノさん、「龍神の血」と別れてゼノさん本人は不死が解けてるんじゃないですかね!?「ポタポタ」という擬音語があり血が止まらなくなっているのかな?という描写になってますし。なんなら、キジャさん・シンアくん・ジェハさんの3人も、龍神と別れて、廟の周囲に転がってたりしてませんかね?※TVアニメのOP映像の如くだって、ゼノさんの体内から出た龍神さんが、ゼノさんに向かってはっきりと言っています「『お前の』命はまだ尽きていない」って。四龍たちは元は龍神の血を飲んだだけのただの人間で、そもそも龍神とは別モノの存在のはずなんです。血と別れたら元の人間になるし、まだ「人間としての生」を生き抜かなきゃいけないよ、それが緋龍王の願いだからね、ってことなんじゃないですか?ーと、私達は最近の展開描写を「スーパーイージーな四龍の呪縛からの解放」と予想しています。…うん、『フルーツバスケット』の十二支の呪いも、結局何もしなくても自然と解けたし。なんかそんな感じのイメージなんじゃないかな、と。■四龍伝説の終焉の意義について二千年の時を経て、緋龍王が転生し、四龍たちが再び終結した真の理由は、「緋龍王/四龍」伝説が終焉することを明示化するためなんじゃないかな、と思っていたりします。以下は、かなり前に書きたくった「高華国の特徴について」記事群のリンクです。その1・地理、体制、武力主義その2・地の制約と血統その3・体制と権力の不一致その4・地の制約の補強、形骸化ここでも一生懸命語っている通り、私は四龍の能力は建国神話内で既に権力から切り離されているが、それにも関わらず、高華国体制は「緋龍王/四龍伝説」を骨格として形作られており、その体制が数千年ずっと継続して来ていた、と認識しています。国家体制と伝説を繋ぐ存在として機能していたのが、神官職だったはずなのですが、二十数年ほど前、ユホン王子の弾圧で壊滅しています。要は、二千年という時を経た伝説の影響力の経年劣化、そして神官職の壊滅という決定的事象を受けて、「緋龍王/四龍伝説」を骨格とした国家体制の維持が無理になっていた、という状況がそもそもあった。高華国の人々は、「もう緋龍王/四龍伝説を骨格にした国家体制作りは出来なくなった」ことを冷静に認識しなければならないんですよ。四龍伝説は、はっきりと、国民の誰しもに分かる形で、「終わったよ」と明示することが必要であり、それを可能にするのが、『四龍が、能力を失って、人間として戻って来ること』なんじゃないかな、と。現在のスウォン政権は、スウォン様がもともと緋龍王伝説が大嫌いですので、「緋龍王/四龍伝説」から離れた、武力でもって強国化を図っていました。ただ、スウォン様自身が緋の病を発症し、時間がないと焦る中で、実際に四龍を連れだってヨナ姫が帰還し、「緋龍王/四龍伝説」があれば、次期ヨナ姫新王体制を形成していけるのではないか…とあまりにもスウォン様らしくない、明後日の方向へ思考を走らせていた状態だったんじゃないかな、と思います。スウォン様は256話で龍たちが戻って来ないかもしれない事態を把握し、一気に「冷静になって」「四龍が消えるなら見届ける」方向に気持ちが向かったようです。非常にオモシロいシーンだと思いました。まだまだ全然、どんな状況として描かれるのか分かりません。ただ、繰り返しになりますが、とにかく重要なのは、「きちんと四龍伝説が終わった」ことの明示化そしてもちろん、キジャ・シンア・ジェハ・ゼノさんの4人が、きちんと「人間としての生」を全うできるような形で、無事に戻って来てくれることなんじゃないかな、と思ってます。■予知夢?過去夢?に襲われるヨナ姫一貫性のない夢を見続けるヨナ姫。・ゼノさんに刺され倒れるハク様・1巻1話冒頭、スウォン様に代わりジュド将軍/ケイシュク参謀を引き連れて進軍する?ヨナ姫 (世紀の「お前かよ!!」案件)・最後は過去に飛び緋龍王と会話をして、四龍を迎えに行く約束をしました。 (シーン作りが非常に『NGライフ』っぽくて、懐かしかったです)どう捉えたら良いか分からないような夢もありますが、少なくとも「予知夢」は全て彼女にとって『こんな未来は嫌だよね!?』というものになっていると思います。一貫して、ハク様を失う・ハク様が居ない世界線のようですからね。とにかく、一気に物語が進んでいるのを感じます。本当に、42巻までの進捗ペースに比べて驚異的なスピード感。ハク/スウォンが絡まないと、こうもサクサクと…(以下略)すごい勢いで伏線回収(?)がされて…「えっそんなんでいいの!?」と不安に思う気持ちがある読者も居るんじゃないかな、と思いますが、個人的には、「サクッといったな!うん、こんなもんだと思ってた!」という印象で、軽い気持ちで読み進めている部分もあります。今回一気に伏線回収されてる要素は、なんか「伝説の少女っぽい」「女王誕生っぽい」話になりそうな、いかにもファンタジーな雰囲気を、初期初期に提示しているものが多いと思います。あくまで個人的見解ですが、これらはどれも、基本的にはミスリード的な機能が強い要素というか、本作の本題から読者の目を逸らせる目的があり、わざと意味深な感じで投入されているものなんじゃないかな、と受け取っていました。どのような形で伏線回収されるのか、全然想像がつかなかったですし、…重要な伏線だとも思っていませんでした。ですので、今回、このスピード感でこれらの「伏線」を一気に駆け抜けていく作品のバランス感を見て、「やっぱり本題じゃないよね、コレ」と思いながら読み進めていたりします。だって伝説も天命も、そもそもヨナ姫の動機には直接関係がなかったですし。ヨナ姫は、そもそも父親の敵討ちがしたいわけではなく、王位を奪還して自分が国を統治する・軍を率いる、という志向があるわけでもない。神官から天命を受けたから四龍を集めたわけでも、緋龍王の生まれ変わりだから、何かをしようとしているわけでもない。彼女の動機は、最初からずっと「ハク様を護る」「ハク様を失わない」ことでした。予知夢は、ヨナ姫の本質的・潜在的な「恐れ」を読者側に改めて提示して、思い出してもらって、いよいよ物語を「本題」に集約させて行くための布石かな~、と思って読んでいます。さてさて、上記のようないち読者の予想や認識は、果たして合っているのか…次話の数ページで、あっさりぶった切られる気がしてなりません;;次回掲載は6月とのことで、少し間は空きますが、すごく楽しみにしています!by姉
2024.04.29
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漫画原作の連載が始まった頃、触りだけ読んだことがあり、また非常に人気のある作品なのは知っていましたが、なかなか本格的に手を付けていませんでした。今回、劇場版は鑑賞しておりませんが、TVアニメシリーズ1~4までを一通り鑑賞しましたので、感じたことを簡単に書き記しておきたいと思います。TVアニメ感想『ハイキュー!』(原作:古舘春一先生、TVアニメ:Production I.G、2014~)小柄ながら抜群の瞬発力とジャンプ力を持つ日向翔陽と、正確無比なトスを上げる天才セッター影山飛雄。中学時代、なかなか自身の持ち味を発揮し切れなかった2人が、烏野高校男子バレー部に入部し、唯一無二の「速攻」を仕掛け始める。「最強の囮」と「天才セッター」が機能することにより、烏野バレー部は超攻撃特化のチームへと変貌していき…。*以下、原作未読・TVシリーズも1度ざっと流し見した程度で書いていますので、情報・認識が誤っている点も多々あると思います*■ハイクオリティアニメーション原作漫画画面がそんなに「読みやすい」作品ではないな、という印象だったのと、人気が拡大したのは、なんとなーくアニメ化以降だという認識だったので、アニメーションのクオリティが非常に高いのだろうな、と思っていました。実際に鑑賞して、その印象は間違っていなかったな…というか、TVシリーズも全シリーズ、非常に丁寧に丁寧に、演出にこだわって作ってある印象で、これは人気出るわ~、ととても納得しました。漫画原作とアニメーションの関係性としては、銀魂に近いところがあるかなぁ…というか、(おそらく)完全原作準拠、原作完全信頼のもと映像化されているんじゃないかな、と思いますが、立体的になればなるほど、各キャラクターの感情、視野の広さや、空気感・臨場感が活きる。もともと原作に描いてあるからこそなんですが、主観数とそれに伴う情報量がとにかく多くて、漫画画面がごちゃごちゃしがちで、正直、原作を読むだけでは面白さを拾い切れない。それが映像化して、ひとりひとりのキャラクターを声優さんとアニメーターさんが全力で演じて筋を通してくれることで、それぞれの視点や働きがすごく華やぐ。原作で話筋を知っていても、「さぁ!これがどう映像化されるのかな!?」と大勢の「アニメ」ファンが楽しみにしている作品なんだろうな、と受け取りました。■バレーボールについて私は、リアルスポーツ(他人の勝負)に全く興味がない人間のため、これほどメジャーなスポーツでさえ、ルール知識がほとんどありません。「3回」で相手コートに返す…くらいは知ってましたが。今回作品をじっくり鑑賞して、へぇー、強制的なローテーションがあるのか!とか、サーブ専門で選手交代したりすんのか!とか。漫画・アニメ作品になってくれて、愛着の抱けるキャラクターたちの物語として魅せてくれて、ようやくスポーツ観戦することができます。…ありがとうございます!!■キャラクターについてキャラクター作りが非常に上手な作品だな…いちいち、テンプレを一歩踏み込んで作り込んでくるというか、居そうで居なかったキャラクターが大勢出て来たな、と思いました。・日向くんと影山くん連載初期の辺りで立ち読みした際、「おおきく振りかぶって」の主役バッテリーに凄く似てるな、と感じていました。ビジュアルもですし、お互いの持ち味を掛け合わせて名コンビになる感じとかですね。私がこどもの頃に読んでいたスポーツ漫画って、基本的には圧倒的な天才主役の作品が多かったので、最近はこういう、個性×個性、チームワーク重視!みたいなのが多いんだなぁ…と。ただやはり本作品の主役はこの2人で納得!というか、この2人が、お互いを一番輝ける場所に押し上げる…その「コレだ!行ける!」という高揚感が、作品全体、また烏丸バレー部自体の起爆剤になっている点について、プレーの印象の強さ・爽快感という点で非常に説得力がありました。・月島くんと山口くん烏野高校に入った1年生4人のうち、主役コンビ以外の2人。冷静且つ皮肉屋の月島くんと、彼ともともと仲良しの山口くん。主役コンビがガツガツ系なので、それと比較してこの2人のキャラクター造形は、鑑賞者のテンションがついて行ける…作品としての間口の広さを保っているなぁ、と感じます。また、各々ブロックとサーブの職人のようになっていく姿が、見応え抜群でした。思わず応援したくなります。他にも印象的だったキャラクターは多々いますが、あえて挙げるとしたらこの2人でしょうか。・菅原さん3年生・部員たちからの信頼厚い副キャプテン。正セッターでしたが、1年生で天才セッターの影山くんが入学して来たことでレギュラーを外れます。…が、もちろん影山くん不在時はセッターとしての交代も多く、試合内外でのチーム内調和に向け常に全力の子です。・武田先生烏野バレー部顧問(4月より就任したばかり)。バレー経験はありませんが、熱意をもってバレー部に取り組み…あちこちに頭を下げまくって、練習試合を取り付けたり、新たにコーチを招いたり、休日返上で遠征へ連れて行ったり、バレー部が公式戦で勝ち進むと資金集めに奔走…と、教員の成り手不足の理由(部活面)を完全網羅した仕事っぷりで、烏野バレー部/生徒たちを強力に支えます。…いや、本作品、この2人だけじゃなくて、登場してくるキャラクター全員なんですが、物分かりが良すぎる、イイ人たち過ぎなんですよ!烏野の子たちはもちろん、周囲の大人たちやライバル校の子たちも。ひと昔前のスポーツ漫画って、もうちょっとこうヤンキーちっくな子たちがスポーツやってたりしてなかったっけ…?わざとボールをお互いの顔面にぶつけ合って、試合なのかケンカなのか分からん感じになったりとか…しないの?(基本的にスラムダンク/テニプリ育ち)先輩たちのことは皆敬って気を使うし、チームメイトの心情を一生懸命推し量るし、大人たちもできる限りのことをやってあげたいと目いっぱい時間と労力を割いてくれるし、そんな大人たちに、高校生の子たちがちゃんと感謝するし…なんでこんなにイイ子&イイ人たちばっかりなんですか?いや…イイ子で全然いいんですよ!ええ。でも…男子高校生(集団)なんて…もっと世間知らずで自分勝手・失言だらけで、調子に乗ったことやらかして失敗して怒られて…でもいいんだぞ…?(個人的な見解)これは、もちろん作者様の堅実なお人柄があった上で、だと思いますし、鑑賞する側としても…特に若い読者/鑑賞者たちの、作品への安心感にもつながっている部分だと思っています。ただ、観ていてこんな感想を取り立てて書きたくなるほど、現実感がないほどに「皆イイ人」「悪事/悪意を描写しない」…というか、簡単に言うと「叩かれそうなことは絶対に描写しない」がかなり徹底している印象です。SNS時代に入ってからの、「若年層」読者向けを意識している漫画作品のトレンド…なのかなぁ、と感じた部分でした。■チームバランス各々のチームに寄って、特徴があるのが魅力でした。・烏野影山くんが入ったこと、日向くんとの速攻攻撃が出来るようになったことを受け、全員一斉に攻撃態勢に入る戦略等で一気に頭角を現して来た、超攻撃特化型チームという設定なのですが、主役主体でこれほど偏ったチームバランスの作品はあまり見たことがなかったので、なかなか面白かったです。・青葉城西及川くんをメインに、他のメンバーたちとのやり取りも非常に魅力的なチームでした。練習試合・インハイ予選・春高予選…と、烏野とのどの対戦も非常に見応えがありました。個人的にTVシリーズを観た中で、一番好きなチームです。・音駒高校公開中の劇場版の対戦相手ですね。非常に練り込まれたチームな印象ですし、東京⇔宮城間の距離感を無きものと感じさせるほど、烏野と練習試合をしまくるので、劇場版の闘いはとても盛り上がりそうですね。・白鳥沢学園宮城の絶対的王者なのですが、正直なところチーム/キャラクターの練り込みがいまいちな印象でした。牛島さんも、チーム力としてもなんか全然凄そうに見えなかったし…。青葉城西の描写が魅力的過ぎたのもあるのですが…本校も県大会決勝前にもうちょっと出して、チームとして烏野と絡んでいたら、印象が違ったのかな…。・稲荷崎双子の宮兄弟が登場しますが、あんまり双子っぽさのない双子だったかな...最初天才セッターの侑(あつむ)くんを出して、この子と「変人速攻」が出来る子が必要になって、急遽双子設定になって治(おさむ)くんが出て来たのかな?、と感じました。(↑双子描写にはうるさい)でも、双子に好き勝手させてあげるチームの雰囲気や、音楽で相手チームのサーブ妨害をやってくる応援団とか、観ていてとても面白かったです。基本的には「天才セッター」からチーム形成するのがスタンダードというか…「天才セッター」から作ってあるチームは、セッターの特質・性格に寄ってチームの形が決まっていく描写に説得力があって、非常に魅力的に映りました(個人的な見解)。ざっと思いつくままに書きましたが、総じて、非常にオモシロかったです!私にしては珍しく、アニメーションで続きを鑑賞したいな、と思う作品でした。現在公開中の劇場版も、(劇場まで行くかどうかは分かりませんが)是非鑑賞したいと思っています。by姉
2024.04.21
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『ちはやふる』の末次由紀先生の新作コミックが2冊同時刊行!ちはやふるの続編『ちはやふるplus きみがため』も見どころ多過ぎなんですが、とにかくまずはこちらの1冊について語りたいです。『MA・MA・Match(マ・マ・マッチ)』(末次由紀先生・講談社・全1巻)相川成美(45)は、長男・拓実(17)、長女・瑠実(10)の二児の母。ある日拓実から、4歳から熱心に続けてきたサッカーを辞めると切り出されショックを受ける。そんな中、瑠実と同じサッカークラブのママ友・芦原沙耶(40)から、「一緒にサッカー選手になりませんか?」と誘いを受ける。彼女は、芦原家長男・圭人(10)の生意気な言動行動に手を焼いていた。流れで、ママチームvs小学生の子供チームで対戦することになり、仕事・家事の合間をぬったママたちの特訓が始まった。決戦は6週間後…!ちはやふるの長期連載を終え、1年半ほど?のお休み期間を経てから繰り出された、末次由紀先生の大型読切作品の単行本化です。これはっっ…この作品はもうっっ…手放しに『漫画の天才の所業』としか言いようのない作品です。漫画好きの方は、本当に是非。絶対に、紙の単行本で鑑賞してください!!!その他サブキャラクターたちの主観も目いっぱい投入しながら、基本的には相川家・芦原家という2家族の軸がメインで描かれます。相川家は、おっとりしたお父さんと小さな映画広告会社勤務のお母さんの一家。非常に安定・安心の真面目な一家で、家族仲は家事も分担し合いながら非常に良好。(職業柄もあってだと思いますが)お母さんがとにかく「褒めること」が大好きで、上手くいってもいかなくても、全部「すごーい」「えらーい」って褒めたくります。その教育の賜物というか、子どもたちも非常に温和で友好的で、周囲/現実を見たうえで自身の進路を定めていく、堅実な価値観を持っています。対して芦原家は、元サッカー部だった旦那さんが熱心に長男にサッカーを教えており、家庭内価値観におけるサッカーの地位が、非常に高い。家庭内不調和を産んだり、周囲とのコミュニケーションに支障が出るレベルで。子どもたちはサッカーを価値観の最優位に置き、サッカーをやったことのない母親を下の存在と見始めます。読む方の感性によっては、相川家を「上手くいっている家庭」、芦原家を「(DVチックな)上手くいっていない家庭」と定義したくなるだろうな、と思いますが、基本的に何が「いい・悪い」という定義は、末次先生の作品にはほとんどないと思っています。これは、末次先生のちはやふる以前の作品を読んでいても感じます。どんな物事だって、捉える側面によってプラス面・マイナス面はあって、絶対的な良し悪しなんて誰も定義できない。傍から見てるだけの人間が何かを定義したところで、何の意味もない。当事者たちがそれをどう捉えて、自身の行動に活かしていくか、にしか意味はない。相川家は、お母さんの成美さんもモノローグでポツポツと言っていますが、「サッカー選手になる子」が育つ家庭環境ではありません。憧れ・夢に一直線に向かった気持ちのまま大人になることは出来ず、拓実くんは「これから受験」という時期に差し掛かったタイミングで、プロサッカー選手という極々狭き門の道筋を、将来の選択肢から外すことになりました。でも…拓実くんがまぁもう…泣けるほど良い子なんですよ…。公衆の面前で、新たなスポーツに挑戦するお母さんにエールを送れる子なんですよ。「サッカーやってたこと、両親が応援してくれてたこと、自分にとって全然無駄じゃないよ」ってお母さんに素直に直接伝えられる子なんですよ。「それが大事」な価値観の家庭で育ってますからね対して、芦原家。価値観のバランスの悪さが、傍から見ても限度を超えるところまで行っている感があります。お母さんが我慢できなくなった際は、離婚も視野に入れないとだめだな、という観点もキチンと織り込まれていました。でも、もしプロサッカー選手が育つとしたら、こんな「偏った」価値観の家庭だろうな、という描かれ方になっていました。単行本描き下ろし短編『PA・PA・Patch』は、この観点を分かりやすく補足するようなアプローチの作品でした。誰も、何も、否定してないです。でも、積もる不満が爆発する前に解消できる糸口を探したり、挫折のショックを受け止めるだけのパワーを醸成するに際し、普段と違うこと…「お母さんたちもサッカーに取り組んでみる」というアクションが、相川家・芦原家双方にとって良い流れを生み出していることがきちんと伝わって来ました。他の家庭の価値観に触れることで、他の価値観を尊重・リスペクトする気持ちも生まれますし、転じて、自分自身の価値観のプラス面・マイナス面を改めて認識することもできるようになります。↑っていう作品だったな!と受け取っています。(たぶん受取り切れてない情報ももっともっといっぱいあります!)結局何が言いたいかといいますと、描き下ろし短編も含めて、全140ページほどの単行本ですが、情報量がとんでもないです!こんなもん、絶対にスマホの小さい画面で読もうとしても、画面いっぱいに展開される強烈な情報量の、極々一部しか捉えられないと思います。スマホで隙間時間に、細切れで読むような漫画作品は、それはそれで絶対に需要があるし、そこで読んでもらう作品を作るのも、当然作家様の技量やマーケティングの腕が必要です。それはそれで、現代の漫画作品としてのあるべき形だと思います。末次先生の作風は、どんどん情報過多になってきている…時代に逆行して来ていると感じます。『ちはやふる』もそうでした。どんどんどんどんそうなってます。この作品は、絶対に紙書籍で鑑賞を…!電子版で読むとしても、可能な限り大きな画面で読める環境で。作者の末次先生が、天才過ぎます。観たもの・感じたものを全部漫画画面に入れ込めてしまいます。読者が必死に情報を拾いにいく努力をしないと、「ちゃんと読む」ことが出来ません。最後に。本作は上述のように、様々な価値観が入り乱れる作品ですが、一番のとっかかりは、やはり「高校生の息子が、サッカーを辞める」ことをどう受け取めていくか、ずっと頑張って来たことを辞めることは、本人にとってどうなのか、という点だと思っています。ちはやふるは「かるた」漫画ですし、主要登場人物たちは「名人・クイーン」という競技界隈最高峰付近で闘うような、超高等級プレイヤーに偏っていました。彼・彼女たちの思考回路や価値観は、当然「人生通して『かるた』をやっていく」という方向に寄っていましたし、(主役主体たちにとっては)それを是とする方向性の描写が多かったな、と感じます。ただ、やはり太一くんは、いち読者の目線から見てもずっとかるたを続けていくことが、この子にとって幸せだとはあまり感じない子でした。この子にとって「今後(大学)もかるたを続けていく」ことはもちろん物語として素晴らしい帰結だけど、一方で最後、かるたを辞めさせてあげても、それはそれで良かったのかなと感じていました。取り組んで来た物事を「辞めること」…少なくとも、「『辞める・離れる』選択肢をきちんと持っておくこと」は、物事に「楽しく」取り組む上で、必要不可欠!…とまでは言いませんが、重要なセルフメンタルコントロールのいち手段だと思います。…って、本作・『MA・MA・Match』で提示されていました。ちはやふる本編ではしっかり描くことが出来なかった、「かるたを、(自分にとっては青春時代だけのものとして)辞めること」「名人・クイーンを目指すのではない『かるた』」…これらを肯定的に、人生にとって非常に価値のあるものだと言いたかったのだろうな、と感じました。価値観がぐるぐるぐるぐるしますが、『安定・堅実』も『偏り』も、どちらかが是・どちらかが非ではない。自分が何を最優先させて生きていく価値観の持ち主か、それぞれが自覚して、それぞれが選べば良いだけです。『道徳』(の授業って今の小学校にもあるのか?)の教材にしたいくらい、『多様性』の捉え方のヒントをたくさんたくさん拾える、超濃い1冊だと思います。老若男女、漫画好き云々に寄らず、本作はもうもう是非!超・おススメの1冊です。(出来る限り紙媒体で!)by姉
2024.04.13
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以前より気になっていたアニメ作品をネトフリで鑑賞しました。超簡単感想です。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2018年・全13話)『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』(2019年・劇場版)『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2020年・劇場版)高い戦闘能力を持ち、「武器」と称されて闘った少女は、戦争の最中で両腕と最愛の上官を失う。終戦後、上官の知り合いだったホッジンズの立ち上げたC.H郵便社で、文字の書けない依頼者の代筆を行う「自動手記人形」として働き始めた少女は、同僚や友人、依頼主たちとのを交流通じて、様々な「愛」に触れていく。彼女の名は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。CM→ 第1弾、第2弾京都アニメーションの美しい映像美と、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という浮世離れしたキレイな名前が印象的で、鑑賞してみたかった作品です。TVシリーズ・劇場版ともに、丁寧に作られた1話1話、とても見応えがありました。様々な依頼者が都度現れ、また「呼ばれれば駆け付ける」という自動手記サービスとしているため、毎話ガラッと変えた感情やシチュエーションで話を回すことが出来る点が、アニメーション用として非常に上手な仕掛けだな、と思って鑑賞しました。京都アニメーションは、言わずもがなですが、圧倒的な美麗作画・映像クオリティが一番の売りで、特に本作のような、デフォルメの少ない作品の艶っぽさ、細かなディティールの繊細さが圧巻…だともちろん思います。…が、実は私(たち)は、あんまりにも美しい…ぬるぬる動くアニメーションが少し苦手で。というのも、キャラクターの動作/表情が、いちいち大袈裟だと感じることが多くて。効果的で取捨選択した上での、必要な「動き」なら、いいんですよ。でも、あんまりにも神作画過ぎる作品って、「この情報を伝えるのに、この大袈裟な動作はいらないだろ」とか、「この部分の感情表出/話回しのために、こんなやたらとオーバーな演技/表情変化いらないだろ」と思っちゃうことが多い。特に「演技/表情」に関しては、大げさ過ぎると全体のバランスが崩れちゃうというか。どういうテンションでキャラクターたちの感情変遷を捉えればいいのか、ちゃんと情報の表出にデフォルメなりテンポなりで緩急をつけてくれないと、1作品として、一番重要な感情を一番重く捉えられなくなっちゃう…というか。本作も、パッと見た感じ、上記の印象を受けそうな作品だな…と思っていました。ただ、実際に鑑賞してみて、思ったよりもずっと素直に受け取ることが出来ました。出だし、無表情で他人の気持ちがなかなか理解できないヴァイオレットちゃんにとって、サブキャラたちも含めて、周囲の人たちの「感情表現の豊かさ」は、学びの対象であり、憧れの対象であり、非常に尊いものだからだと思います。オーバーな表情、オーバーなリアクションを、ヴァイオレットちゃん目線を通じて、とても好意的に受け取ることができる…作品の設定に鑑賞者の受け取り方も引きずられるんだな、と思いました。これは実際に鑑賞してみないと感じ取れない、興味深いところでした。TVアニメシリーズの3話・10話・11話、劇場版の『外伝 - 永遠と自動手記人形 -』が個人的には気に入りました。完結篇となる劇場版も、きちっと幸せなラストに締めてくれて、鑑賞者の期待したいものを見事に全部描き切った、優等生なアニメーション作品だな~、という印象でした。鑑賞できて良かったです。by姉
2024.03.25
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超久しぶりですが”工作のヨナ”シリーズです。3年ほど前に、アニメ版を目指したver(クリック)を作ったことがありましたが、「ヨナ姫がスウォンからもらった簪(原作版を目指したver.)」を作ってみました!2年ほど前から構想練ったりせこせこパーツ集めたりしてましてこの度漸く仕上げる気力が湧き、完成しました・・・!原作版バージョンはあまり資料が無く、色も不明…なんですが作者様が「金細工のような~」と仰っていたので、金の花びらはメタルフラワーを分解して使用。蝶々はすごく迷いましたが、出来るだけ素材を生かす雰囲気にしたかったので貝殻のペンダントトップを改造しました。材料費がそこそこかかるパーツばかりだったので、今回は本当に一個しか作りませんでした;ちょっと飛び出てる花びらとか、可能な限り原作1話のデザインに近づくように頑張りましたが…どうでしょうか??<製作風景その①><製作風景その②>何故か工作系の色々なアイテムは手元にあったりします。とにかく今回は「金属にも使用出来る透明ボンド」が大活躍。渇きが遅いので、組み立てては1~2日渇かし…を繰り返し気長に仕上げました!裏面はこんな感じ。…あまり自信をもって見せられる感じではな… うん。今回のものは、以前作成したアニメ版ver.のものよりひと回り小ぶりの大きさにしました。それぞれ葉っぱやガラス玉パーツも、印象の異なるものを使用してます。…うん、各々の良さを表現出来たんじゃないかな!!??(自画自賛!)・・・いやぁ、暁のヨナの劇中アイテムグッズ(公式・非公式混在)もなんやかんや増えて参りましたね…by妹
2024.03.24
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久々に新しい少女漫画を読みました!椎名軽穂先生の『君に届け』の前後作です。もともと『君に届け』の恋敵役・くるみ(胡桃沢 梅)ちゃんが好きだったので彼女が主役の『運命の人』が気になっていて読んでみたかったのですが、ヒーローが『CRAZY FOR YOU』の人気キャラ(赤星栄治くん)だと聞き、ちゃんと続けて鑑賞したいな! と思いました。以下、簡単感想です。『CRAZY FOR YOU』(椎名軽穂先生・別冊マーガレット・全6巻・2003-2005年)美人でもなく、昔から「ひきたて役」と言われ続けて来た、明るくお人好しな幸(さち)。彼女は、合コンで出逢った男の子・ユキちゃんのことを大好きになるが、ユキちゃんは女癖が悪く、「嘘ばっかつくよ」と突き放しにかかってくる。また、ユキちゃんには「本気で好きな人」が居るようで…。椎名先生の「君に届け」以前の作品が、五角関係のドロドロものだというのはなんとなく知っていました。今回初めて読んでみましたが、すごく面白かったというか…興味深かったです。私はもちろん、「君に届け」は名作だと思っていますし、この作品がとても売れたのもすごく納得しているのですが…なんだろう…ちょっと違和感を感じる作品というか。すごく純情な青春ラブストーリー…なんだろうと思うんですが、嫉妬、妬み、自己否定、(自己を守るための)他者否定…と、そこかしこに『黒い感性』が出て来る。こういった感情は人としてある方が自然なので、違和感というわけではないですが、ヒロインの爽子ちゃんは、それらから遠い存在過ぎて、読者としては思考回路に今いちついていけなかったり…。風早くんは、爽子ちゃんの心のキレイなところが大好きなんだろうな、というのももちろん分かるんですが、風早くん自体、個人的には「爽やかな子」だと素直に認識できないというか…。なんかこう綺麗なんだけど、裏を返せば「器が小さい」とも言えるというか。あくまで私の受け取り方なのですが、なんて言うかな…当たり前みたいに「黒い感性」が存在する世界線なのに、そこからヒーロー・ヒロインを遠ざけた「美しい」存在として描写しようとすると、どうにも「周囲の人の気持ち/空気感に鈍い子たち・分かってない子たち」な感じになっちゃうというか…。※実は「君に届け」は20巻くらいまでしか読んだことがないので、 その後の展開できちんと突っ込んだ描き方がされていたらすみません…。『君に届け』に上記のような印象を抱いていた私にとっては、今回『CRAZY FOR YOU』を読んで、こっちが作家様の元の気質爆発の作品だったんだな…!とすごく納得感があり、非常に素直に読み進めることが出来ました。五角関係ということで、「迷い」だらけの非常にめんどくさい恋愛模様が展開されます。ここに来て、「黒い感性」で目いっぱい話を回すのですが、「人を傷つけたい・悪い人」が居るわけではない「爽やかさ」を非常に感じて、椎名先生のお人柄が非常に活きているなぁ、と感じました。主人公の幸ちゃんも「黒い感性」から遠いわけではなくて、全部分かってるんですよ。全部分かって許容・自分の中で全部咀嚼した上で、何があっても「みんな大好き」だし、いつでも自分の気持ちに素直に行動できる強さがある娘で、「この子はすごいなぁ!」とリスペクトしながら読むことができました。この目線が、作品の恋愛面では報われることのなかった赤星栄治くんの目線なんだろうな、と思いますし、幸ちゃんと赤星くんが「良かった」と思えるラストだったので、爽やかに読み切ることが出来ました。ただやはり、五角関係のドロドロでかなり椎名先生も神経を使ったんだろうな…特にラストのラストのあたりは、相当悩んで描かれているのがひしひしと伝わって来て、この反動で、次に『君に届け』が出て来たのはすごく納得!と思いました。(「君に届け」1巻の欄外で、作者様のこういった説明がされてましたね。)『君に届け 番外編~運命の人~』(椎名軽穂先生・別冊マーガレット・全3巻・2018-2022年)爽子ちゃんと同じ大学に進学したくるみ(本名:胡桃沢 梅)は、爽子ちゃん宅に通い詰める、ガッツリ依存した生活を送っていた。合コンに参加してみるも怪しげな男に絡まれてしまうが、爽子ちゃんの従兄の大学生「えーじお兄ちゃん(赤星栄治)」が助けてくれて…。『君に届け』のくるみちゃんと、『CRAZY FOR YOU』に登場した赤星くんのラブストーリーです。両作の良いとこ取りをしたような作品というか、とにかくめっちゃ良かったです!!くるみちゃんは幼少期より美少女で僻まれやすく、また自分でも自覚している通り我が儘で疑り深い&黒い感情も内包している「敵を作りやすい性質の女の子」。『君に届け』本編では、恋敵の爽子ちゃんの悪い噂を流す等 嫌がらせもしてしまい…(爽子ちゃんのような「毒気の無い&性格の良い女の子」には、絶対敵わない、自分の黒い&面倒くさい部分を見られたら、絶対愛して貰えない)と思ってます。距離を縮めてくる赤星くんに対して、くるみちゃんは(内心ときめいたり期待しつつも)「私、こんなに黒くて酷いことやっちゃう女だよ!めんどくさい女だよ!」ってアピールしまくって、そんな人を試すようなことばかりしか出来ない自分に落ち込んだりするんですが…そもそも『CRAZY FOR YOU』の世界線を生きて来て、超めんどくさい(人を試したがる)気質のユキちゃんのことが、友人として大好きで、そんなユキちゃんを全身全霊で許容してくれる幸ちゃんのことを尊敬していた赤星くんにしてみれば、くるみちゃんのやることなすこと、全部ただただ可愛いだけ、自分に「甘えたい」と思ってくれてるのが、ただただ嬉しいだけ、という奇跡のマッチング。くるみちゃんがもうとにかく可愛くて可愛くて…!『君に届け』本編を読んでいる時から大好きなキャラクターでしたが、本作を読んで、もっともっと大好きになりました。くるみちゃんに相応しいのは、絶対に風早くんじゃないよ!…包容力のある『年上』だよ!全3巻ながら画面やモノローグ、キャラクター同士のやり取りがとにかくキレてるし、2人の相性の良さが本当に立っていて『運命の人』というタイトルが、大げさではなくぴったりだな!純な少女漫画、最高だな!と感じることが出来る作品でした。繋がりのある2作品、読み応えがありました!いや~、良かったです!!椎名軽穂先生の新作が連載開始しているみたいですね。そちらも気になりますが…『CRAZY FOR YOU』以前の初期作も是非読んでみたいな、と思っています。by姉
2024.03.18
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以前よりずっと(ブログの記事、自分たち用に印刷しておきたいなぁ…)と思っておりまして。ーアレこの形なら出来るんじゃない? と思い立ち、しまうまプリントさんのフォトブック(A5/144P)でブログアーカイブ本 2冊 作ってみました!◆ちはやふる 感想まとめ①(その1~10+京都旅行記事)◆リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様 感想まとめあれこれ変換しているため画質はイマイチですが…自分用としては出来映えは十分!…ただ画像が多い記事だと、PDF化の際にめちゃくちゃ面倒くさかったので、基本テキスト記事用だな~と思いました。ちなみに姉は…自分の記事が印刷すると10枚・20枚レベルのボリュームになる事実に、自分で引いてました。(何を今更…!)しまうまプリントさんのフォトブックは、何より1冊から手軽に注文できるのが嬉しいですね!暁のヨナ記事は膨大すぎて(どうしよう)って感じですが…手が付けられる所から形にしていきたいです~♪by妹
2024.03.17
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花ゆめ本誌を読みまして…「ああ、やっと感想が書ける…!」と思いました。ひっさびさになりましたが、暁のヨナ感想投下します。*以下単行本43~44巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*42巻の243話『別れを告げる夜』で、スウォン様とハク様が2人で話した場面。姉が語りまくってましたが、やっぱりここがある種の暁のヨナの到達点だったと思います。その後の展開は…するすると、でも表現描写はキレッキレで描かれていくなぁ、というか(ずっと描きたかったターンに来たんだな)と凄く感じながら連載を追いかけてました。ーで、ずっと (ーそうきたか!…??)(何かやりたい事があるのは分かるけど、何だろう!?)と色々考えながら、感想を書けずにいたわけです。それが今回の 第253話「名前を呼ばない仲間」まで来てー成程!!これがやりたい展開なのかな!!!???と言いたいことが形になりましたので、各キャラクターに対しての好き勝手な感想&今後への展望を語ります。・寿命を迎える3龍たち …終焉の龍たちジェハ兄さんやゼノが説明してくれていましたが、黄龍以外の3龍は「単純に寿命を迎えた」のだと認識してます。緋龍城燃えちゃって、国外で無茶して闘って…も勿論あるとは思います。でも別にハクヨナが無理させちゃったから、とかでは無く基本的には「その役目を終えた」からなのかな、と。歴代の龍たちは皆短命です。迎えに来ない緋龍王を待ち続け、死んで行きました。キジャ・ジェハ・シンアは「始まりの龍たち」同様「緋龍王の願いを叶えるために闘うことが出来た、幸せな龍たち」でありそして「伝説の終焉を飾る龍たち」なんだろうな、と思ってます。(今までの慣例と異なり、新しい龍の誕生を待たずに寿命を迎えていますしね…!)・緑龍 ジェハジェハ兄さんは登場時からずっと「龍の天命に従うことはしない」と「龍ではなく人として生きる」事を切望していました。そして実際、自らの意志(ハクヨナ&仲間達を守りたい)を原動力に戦いぬき恋するヨナちゃんの側でちょこっと胸を痛めたり、ハクをからかったり…最後まで人らしく生き抜いたなぁ! と。・青龍 シンアシンア君のターンは本当に漫画描写がキレッキレで、めちゃくちゃ見応えがありました!この子はおそらく、誰かと比較して自分の境遇を嘆いたりはしない強い子で。心の赴くままに、仲間たちとの出逢い&光に満ちた旅を謳歌したんじゃないかなぁ!と思います。龍の姿になって意識が朦朧とする中…仲間たちの姿や名前を求める姿がグッときました!・白龍 キジャ一番最初に登場し、四龍の宿命を「呪い」では無く「悲願・悦び」と豪語し超×100前のめりで仲間になってくれたキジャ。ゼノさんや歴代の龍達は… キジャさんの存在にどれだけ救われたか、と思うんですよだって四龍の苦しみを、存在を、こんなにも全力で価値付けてくれるんですよ!キジャは最後の最期まで天晴れでした。ヨナ姫の命を狙うスウォン過激派部隊を蹴散らす為、龍の姿に成ることにすら前のめりでした。本当に物語が進めば進むほど、大好きになるキャラクターでした!・黄龍 ゼノ「四龍の始まりは血の盃だ 血の盃と四龍を何らかの形で天に還す」ゼノ仙人、やっっっっっっっっと胸の内を明かしてくれました。ーとはいえ、今の段階では仙人といえど「最終的にどうすれば願いを達成できるのか、分からない」状態なのかなぁ…と感じました。ゼノ仙人のこれまでの印象的な台詞を振り返ってみました。8巻「命あるもの いつかは等しく天に還る」11巻「龍は死んでも代わりがいる でも兄ちゃんには代わりはいないから大事にしなきゃ」17巻「俺は四龍の落ちこぼれだけど…お前らを絶対守ってやんよ」36巻「いつか…俺の旅も終わる その時は 神様に背いても願いを叶えてみせる」上記台詞がすべて本心だとするならば、ゼノが本当にやりたい事は「四龍の血を天に還して、再び人に戻ること」なのかな、と思ってます。始まりの龍達だって、元は人間の戦士たちでしたので!単純に考えれば 逆も出来るんじゃないかなぁ!!ーと(超楽観的予想)。で、今は寿命を迎えた他の3龍達を(皆が天に還ってしまう前に)盃の中に保護してなんとか「伝説という名の呪いを解く手段を探しに行きたい」状況なのかな~と受け取りました。キジャさんもヨナ姫も力強く断言してましたが皆はまだ死んでないので! 盃の中にいるだけなので!!私は全然、超楽観的に希望を持っていますよ ハイ!!ゼノ仙人は今回、ハクヨナに対して「自分の命を絶つ方法を探してた」「皆が死ぬ時を待ってた」「四龍のこと忘れて」「ここで解散」と突き放すような言い方をして、去って行きました。四龍の呪いに向き合うのは、(始まりの龍である)自分の命題だからヨナ姫は背負わなくていいから四龍のために生きようとしなくていいからねーと、ゼノ仙人は伝えたかったんじゃないかな、優しいなぁ~!今のところ、私はこんな感じで↑解釈しました。どうなるかなぁ。・意識不明のスウォン様シンア君が野営地で暴走した際、肩に重症を負い意識不明になってしまったスウォン様。漫画狂歴○○年余りの私たちは、もはや読み方がアレなのでおお、遂にスウォン様目線の回想シーンに突入していくんだな!!と感じました(←嫌な読者筆頭…)いやスウォン様の容態もちゃんと心配してますよしてますけども!今後の展開に期待しちゃってもいます。ちなみにわざわざ「シンア君によって」倒れる描写にしたのは、「現国王が緋龍伝説(緋の病)によって倒れた」事を目に見える形にしたかったのかなぁ…と。・高華国の現状&本作の課題について現時点で、本作は「解決すべき課題」が山積みとなっている状況です。緋龍城が焼け落ち、王不在の中混乱に陥っている空都疲弊しきっているにも関わらず、南戒の都まで攻めに行く高華国軍そしてハクヨナ&四龍離脱の後、倒れる総大将のスウォン陛下…もちろん南戒以外にも、内外に反乱の火種は残っている状況です。ーいやもう、あちこち焼け野原になってますね!スウォン陛下は「ハク様&四龍が居るなら、次期国王はヨナ姫で」と告げてハクヨナを戦線から逃がしました ーが、この状況下で三龍は寿命を迎え不死の黄龍が「四龍を天に還す」と言い残し姿を消しました。3巻(四龍探し)から始まった腹減り御一行の旅路はここで終わりを迎えました。ーで、結局今までの腹減り一行の旅って何だったんだ??と言いたくなるような状況… に見えるような描写がなされているな、と思います。ただ私達の感覚としては… 四龍が再び緋龍王の元に集結した目的は随分前に、とっくに達成されていると思ってます。そして一見焼け野原なんですが、各地にはたくさんの種が既にまかれていますので。今後の展開で、腹減り達の旅路の意義が明確に明かされていくんじゃないかな~ と今の段階ではそんな期待を持って読み進めています。・二人きりになったハクヨナについて最後に… 腹減り御一行が離散しハクヨナは再び荒野で二人きりになりました。(成程ユン君が野営地に残ったのはこの為か… と思いました)3巻の序盤 二人で谷底に落ちて、イクスから天命を受けて…二人で顔を見合わせて「さて、これからどうして行こうか」と確認し合う場面がありました。あの時は国から追われていたので、その身を隠しながら旅に出るしか出来なかった訳ですが…今は違います。各地にコネクションがあります。高華国の状況もばっちり把握してます。でも今はスウォン一派からヨナ姫&四龍が狙われているので、逃げた方が良い場面でもあります。あらゆる面で課題が山積みです。二人で顔を見合わせて「さて、これからどうして行こうか」と確認し合う場面が、再び来たんじゃないかな! と。というかですね…もう個人的な願望だけ語っちゃいますけと、ここまで来たら…やっとやっとハク様がヨナ姫を貰ってくれるんじゃないか って!!私達が十数年来心待ちにしていた場面が!やっと…今度こそ本当に来るんじゃないかって!!そんな期待をしちゃっている訳なんですよ!!!イヤ待て まだ分からない…今まで散々「来るか…!?」と期待しては違う展開になり…を繰り返してきたので…いやでもここまで来たら流石に…(本当にずっとソワッソワしてます)なんか訳分からん話になってしまいましたが、久々に感想書けて嬉しかったです!次回も楽しみです~♪by妹
2024.02.13
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どれだけ書いても次から次へと語りたいことが出てきます。ちはやふる、怖い漫画です…。※これまでの記事と同じ内容(恋愛面)を、別の言葉で延々と語っているだけの記事です。ちはやふる 感想-その13「一緒に居るための手段」の整理とサブキャラクターを用いた視点の投入について高校3年時、太一くんと千早ちゃんの関係があれほどごたついた(1年間冷戦を繰り広げた)のはそもそも高校生の恋愛感情云々という次元ではなく思考のテーブルが「人生」レベルであり、極論『結婚出来るか、出来ないか』の話をしていたためだと認識しています。何故高校生の段階で、そんな切羽詰まった状況になったのか。今まで書いてきた記事と内容かなり被りますが、「選択肢」という観点での区分整理とどういった形でこれらの要素が作中に織り込まれていたのか本作品の独特な描写方法について語り尽したいと思います。■「一緒に居るための手段」の整理原作では偶然同じ高校に入学した千早ちゃんと太一くん。そこで一緒にかるた部を立ち上げます。基本この部は、太一くんが千早ちゃんの為に立ち上げ組織した活動体だと思っています。2巻以降を読んでいて、千早ちゃんと太一くんにとって瑞沢かるた部は「エデン」であり、創設者の2人はアダムとイブのような存在でありお互い「なんでこんなに上手くいくんだろう」「無敵」「最高」と感じているのだろうな、と受け取っています。千早ちゃんのかるたに向かうの力の源泉というか、モチベーションは根本的に「みんなで楽しむ団体戦」であり、この瑞沢かるた部です。瑞沢かるた部が高校2年生の段階で全国大会制覇まで登りつめたその調子に乗った勢いのまま、クイーン位まで駆け上がってしまった…というのが作中で描かれた千早ちゃんのかるた軸の説明としては妥当かな、と思っています。(もちろん現クイーン・詩暢ちゃんを、千早ちゃん個人の目標として設定した上での話です)でも、高校の部活動である瑞沢かるた部は有限です。千早ちゃんは一生この瑞沢かるた部に居たい…ここで生きていきた過ぎて「卒業しても教えに来る」「教師になる(&かるた部の顧問やる)」とまで言い出し、自身の進路を決めています。でも当然、太一くんはずっと「瑞沢かるた部に居ること」は出来ません。作品後半は、「エデン」を永遠にするにはどうすればいいのか。それはどういう状態なのかの整理と、そこに向かうため何が必要なのか、人生を織り合わせていく覚悟が出来るかどうか…が描かれていたと思っています。まず千早ちゃん・太一くんの感じている「エデン」とは何なのか…の定義ですが、これはもう単純に「お互いと一緒に居る世界」だと受け取っています。太一くんは、千早ちゃんが自分を見て笑ってくれれば、なんでも出来ます。千早ちゃんは、太一くんが居れば無敵です。太一くんの居ない世界で生きていく気がありません。自分の中で整理をしたかったので、高校時代・高校卒業後に分けた形で太一くん&千早ちゃんにとっての「一緒に居るための手段」を具体的に書き出してみました。■一緒に居るための手段 1(高校時代)■一緒に居るための手段 2(高校卒業後)よく分からん一覧になりましたが…とにかく書き出して整理してみると、本編中の太一くん・千早ちゃん双方の動きや、作中で描写される要素がそれぞれどこを意識したものなのか、理解しやすくなったかなと思います。「一緒に居るための手段」としては、高校時代は当然④瑞沢かるた部が最適解でした。ここで築いた2人の最高の関係性をどうやってこの先・高校卒業後~人生レベルのものにしていくのかというのが、作品後半の命題だったと思っています。人生レベルで「一緒に居るための手段」の話を考えなきゃいけなくなった時に結局、選択肢①の恋愛(結婚前提)しか未来に続く道はないことは太一くんも千早ちゃんも最初から分かってたと思います。でもやっぱり、高校生に①はあまりにハードルが高い。そもそも一般サラリーマン家系ならまだしも、この2人の場合は「結婚=真島家(総合病院家系)」なんで。ハードルの高さへの恐怖心や「かるた」という土台への執着&トラウマが入り組みまくって、選択肢④かるたでパートナー、⑤かるたでずっ友&⑥千早ちゃんと新くんが結ばれる といった、そもそも無理だったり、手段として根本的に破綻してる選択肢が登場するため、高校2~3年生はぐっちゃぐちゃで訳が分からんことになっていたのだと受け取っています。やっぱり、かるたが絡むと千早ちゃんも太一くんも思考回路が壮絶にバグるんですよ。選択肢④を生み出したのは千早ちゃんだと思ってますが、一覧に書いた通り、これは「選択肢」というより、具体的に未来を想像するのが怖くて「かるた」という非日常感を纏った、自分が一番得意な世界に閉じこもろうと千早ちゃんが思考停止している状態なだけだと受け取っています。真島家がどんな家で、太一くんがどれだけ重いものを背負って小学生の頃から頑張って来てる子なのか千早ちゃんは一番分かってるはずなんですよ。だって読者にそれを説明してくれたのは、そもそも千早ちゃんでしたから。だからこそ、①が怖くて考えたくない。で、もう一方で厄介なのが、太一くんが内心推し進めていた選択肢⑤、⑥なんですがこんなのそもそも「一緒に居るため」の選択肢じゃないんですよ。太一くんは「①の結婚が無理なら、この先千早ちゃんと一緒に居るのは不可能だ」と最初から思っている節があります。でもそれだけだったら、まだ高校生の千早ちゃんに①レベルの覚悟を求める事が難しいことは、冷静に捉えられる子だと思います。ここに自身最大のトラウマである「かるた」が絡んでくるから、バグる。根本的に、太一くんにとって「かるた」は嫌い嫌われた存在というか、とにかくツライ。千早ちゃんが「かるた」を求める度に、「千早ちゃんを幸せにできるのは自分ではない」という思いを上塗りしまくり16巻で新くんが「大学になったら東京に来る」ことを認識した瞬間から、「高校卒業まで」をタイムリミットに設定し全力で選択肢⑤&⑥に向けて爆進し始めました。…高校2年生の夏の段階で、です。団体戦で全国優勝をもぎ取り、かるた部創設時の目標に到達していたとはいえ見切りをつけるタイミングが、あまりに早い。太一くんは…あまりにも「仕事/タスク脳」過ぎて、判断がとにかく早い。判断してからの行動力が、光の如しなんです。太一くんがかるた部を退部した26巻の段階で、千早ちゃんの中に「太一くんと、瑞沢かるた部を踏襲したような関係性をまだ続けていたい」という強い想いがあるのは、当然なんですよ。だってまだ瑞沢かるた部として、3年次・夏までの期間があるはずでしたから。ひとたび目標を設定して動き出した太一くんの行動力に千早ちゃん(や周囲の子たち)が追い付けるはずもなく…太一くんが瑞沢かるた部を退部し、東西戦まで戦い抜いて気が済むまで誰も口を出すことが出来ない状態でした(見守るしかなかった)。まぁでも太一くんがここまで意地になって…かるたをやり切る姿をちゃんと見せてくれたから、千早ちゃんも太一くんにこれ以上かるたを求める余地がないこと、(=卒業後の選択肢に④かるたでパートナーがないこと)、太一くんと一緒に居るための実現可能な選択肢は結局①の恋愛(結婚前提)しかないことを、冷静に認識できたのだと思います。■原作と映画の違いについて実写映画では3作目の「結び」において、高校3年生で部を退部した太一くんが夏の全国大会団体戦のラストで戻って来て、もう一度一緒に闘うという展開になります。団体戦決勝の場に駆け付けるも、部に戻ることはなかった原作とは明確に異なります。この違いは、作品自体が何を描こうとしているのかの違いが見て取れてすごく面白い部分だと思っています。■映画は「『青春』の話」だから、「瑞沢かるた部の物語」を完遂するために、戻って来た。■原作は「『人生』の話」をしているから、戻って来なかった。瑞沢かるた部としての団体戦全国優勝は、2年生で既にやってましたし。「この先は、千早ちゃんに合わせてかるたは出来ない」という意図で部を離れたのに戻って来たら、辞めた意味がなくなっちゃいますので。■サブキャラクターを使った「視点の投入」についてちはやふるを読んでいて非常にオモシロい描写方法だな、と感じているのがサブキャラクターのエピソードを用いた、視点の投入です。特に作品後半が顕著ですが、突然よく分からないサブキャラクターが登場し唐突に独特な自身の観点で話をし出すシーンが度々挿入されます。様々な立場のかるた競技者・またそれに限らずあらゆる立場の人たちの視点もどんどん投入されるようになり、多角的な視点の大人な漫画作品だな…・という印象を読者に与えます。これらの情報提示は、基本的には主役主体たちの今の状況・行動を「この視点」で観るんだぞ、という「読み方のヒント」なんだろうなと受け取っています。例えば34巻から始まる東西戦。準決勝で田丸さんの対戦相手として、あらゆる大会で2位を獲る銀メダルコレクター優木秀子さんが登場します。この方が何のために投入されているのかと言ったら、やはり読者への「視点の提示」だと思います。「今日こそ2位じゃなくて優勝するわ」「ここで負けたら 2位でもなかったら きっとズブズブ下がっていく」↑優木さんのモノローグですが、これと同じことをこの会場内でもっと強烈に感じてるであろう人が居ます。昨年、周防名人に敗れて準名人となった原田先生です。そして優木さんと同門の横浜嵐会の皆さんは、彼女のこの気持ちを理解してるよ…というニュアンスの描写も出て来ます。同じように、原田先生の気持ちを白波会の人たちは分かってます。…当然、太一くんもです。優木さんの投入は、「『年季の入った2位プレイヤーにはこの感情がある、それを同門の人は分かってる』という視点を持って読んでね」という読者に対して、作品の読解方法を提示するサービスだと受け取っています。また視点の提示例として分かりやすいのは、39巻・東西戦第2戦目のクイーン戦で審判をしていた今田裕子7段。8割の試合で「最後まで読まれない札」がどれかピンとくる驚異の勘(今田伝説)の持ち主。いきなりよく分からん特技の持ち主なのですが、彼女は作中でひたすら「『せ』は最後まで読まれない札」という観点をアピってくるキャラでした。45~46巻のクイーン戦第3戦目も同様ですね。ちはやふるの感想で、(特に千早ちゃんの)恋愛描写が足りない…的な感想を目にすることがあるのですが、そんなことは全くないと思ってます。本作には、上記のようなサブキャラクターの描写を用いての人生レベルの恋愛観/結婚観、また千早ちゃんの恋心に関する様々な視点の投入がなれていると受け取っています。花野菫ちゃんの存在は言わずもがな。ライトなところの描写だと、例えば40巻の布団回。図書館で本を読む太一くんに、周囲の女の子たちが「新ヘアやばい」「話しかけたい」とそわそわしていたり…布団を持ち込んだかるた部の子たちと一緒に、太一くんの布団の中に隠れた際菫ちゃんが「真島先輩のベットの中…!」とドキドキしていたりしている描写。あれ、周囲の子たちに言わせてますけど千早ちゃんも同じこと思ってますよ、という描写なんじゃないかな と。「かるた」で繋がることを諦めて、太一くんとの距離感を見失って太一くんに話かけたくても話かけられない!周囲の娘たちと同じ立ち位置になってしまった!という焦りと困惑、そしてクィーン戦&受験が終わるまでは太一くんに甘えてはいけない! という強烈な想いが、あの挙動不審行動に表れてたんじゃないかな と受け取っています。また、先に語った①恋愛(結婚)感については人生レベルで、長く晩年まで見据えた視点が複数投入されていると思っています。思いつくものを挙げていくと…・猪熊元クイーン以前の記事でも語りましたが、猪熊さんは、一番直接的に「千早ちゃんの将来像」を意図して投入されているキャラクターなんだろうな、と認識しています。慌ただしい子育てをしながら、自身のかるたを諦めることなく磨き、同時に後進育成にも力を注ぐ姿… ですね。クイーン戦前には、わざわざ千早ちゃんを猪熊さん宅に行かせてその生活感や価値観まで具体的に描写していました。・41巻、千早ちゃんのインタビューをしに来た賀正寿子さん「親戚めちゃくちゃ多い家に嫁いでますが、お正月に仕事取りました」というキャラクター。嫁入り先の家において、自身の外仕事・用事があった際の立ち回り方の一例として投入・提示されている視点だと思っています。・45巻、10年ぶりに戻って来た読手の九頭竜葉子さん仕事・結婚・出産/育児と並行して40年間読手を続けていた方。でも旦那さんが倒れた為、介護で10年間かるたから離れていました。なにわずの歌と和泉式部の「あらざらむ」、印象的な2首を装飾として捧げている点からもこの九頭竜さんのエピソードは、恋愛観・結婚観について非常に重要な視点が織り込まれている温め続けていた渾身のエピソードなのだろうな、と受け取っています。まず九頭竜さんのかるたについて、旦那さんは一緒にやってくれたわけでも、積極的に応援してくれたわけでもありません。でも、九頭竜さんのかるたをやりたいという気持ちを絶対に否定せず、ずっと尊重してくれていました。九頭竜さんはそれだけで、人生繰り返すならもう一度一緒に居たいと思うくらい旦那さんに感謝してるし、大好きなんです。そして、九頭竜さんの下記のモノローグ。「40年もかるたやらせてもろうたんや 『そっち側』に行くのはうちのほうや」私的にはすごく印象に残った台詞でした。人生なんて「頑張って折り合わせないと、織り合わない」ですよ。高校では太一くんが千早ちゃんの望む形に合わせて、エデンを作ってくれました。千早ちゃんが「この先も太一くんと一緒に居たい」と思うのなら、今度は千早ちゃんが「太一くんの世界に行く」「かるた札を持って、真島家に乗り込んで行く」しかないですよ。太一くんの立場を考えたら、当然です。また、猪熊さんの出産・子育てにも通じる観点ですが、長く続けていれば、家族都合でかるたが出来なくなる時期だって訪れます。でも、少なくとも九頭竜さん自身は、(終わったタイミングだからこそだと思いますが、)そこで旦那さんを最優先出来たことを、幸せだったと思えています。時期が過ぎたら、自身の時間は自然とまた増えますし、意欲があれば、いくつになっても、何度でも、かるたにもう一度関わって生きていくことは出来ます。相手を見て人生を織り合わせる観点については、桜沢先生と鷲尾さんの結婚エピソードにも同様のメッセージを見て取れます。(2019年発売のコミックガイド収録)上記、九頭竜さんをはじめとした「かるたを折り込んだ人生観・結婚観」については、本作が「青春の物語」で終わって良かったなら投入されていなかった要素だろうな、と思っています。言い換えると、もし本作が連載企画時に据えた「千早ちゃんと新くんのラブストーリー」に帰結する物語だったら、人生レベルの結婚観の提示なんて必要なかったと思うんです。各自かるたに邁進して、高校生で名人・クイーンにたどり着けたね!が最終回。かるたを通じてまた会えたし、新くんがこれから東京の大学に来る…ここからどうやって未来を描いて行こうか?恋愛になるのかな!? ーというふわっとした締めで良かったと思うので。それがうっかり 千早ちゃんと太一くんのラブストーリーが始まってしまった…太一くんの将来像がかなり特殊且つ具体的で、人生レベルで恋愛を捉えていた結果千早ちゃんとの将来を端から諦め、高校生のうちに片をけようと全力で暴走するような奴でしたので。だからこの作品は、高校生の主人公たちの恋愛を人生レベルで具体的に考えていかなければならなくなった…大人たちの人生観・結婚観まで描く必要が出て来たんだな、と受け取っています。他にも、様々なサブキャラクターたちが投入されています。まだまだ全然噛み砕けてないですが、本作を読み解くのに必要な「視点」の提示が行われているんだ、と思っています。■42・44巻の内拝殿・外拝殿 時間を超えた邂逅シーンについて42巻の名人・クイーン戦当日、朝の近江神宮での参拝のシーンで千早ちゃんが内拝殿から居ないはずの太一くんの幻を見るシーンが描かれます。太一くんは外拝殿から手を合わせ、千早ちゃんを笑顔で見送っていました。また44巻のお昼頃、近江神宮にたどり着いた太一くんが外拝殿で参拝をする際、内拝殿に居ないはずの千早ちゃん(&新くんらしき男性)の幻を見るシーンが描かれます。千早ちゃんは太一くんに向かって「行ってくるね」という強い表情をしていました。10月に京都旅行をした際、近江神宮を訪れこの内拝殿・外拝殿を実際に拝見したのですが、非常に雰囲気のある場所でした。神様の世界と一般人の世界…という「隔たり」が真四角の空間になって存在しているというか。この幻想的で印象深い邂逅シーンは千早ちゃんがクイーン戦に臨むにあたり、千早ちゃん・太一くんが「お互いに求める姿」を観た・認識したシーンなのだろうな、と受け取っています。千早ちゃんは太一くんに「一緒に来て下さい、傍に居てください」ではなくて「そこで微笑んで観ててください、遠くから応援しててください」と望んだし、太一くんは千早ちゃんが「自分が居なくても大丈夫そうだな強く前を向いて、神様の世界で闘かって来て欲しい」と思えたんだろうな、と。この2シーンが体現しているのは、「かるたフィールドにおいて、千早ちゃんと太一くんがお互いをちゃんと切り離すことができた」ということなんだろうな、と受け取っています。かるたを媒介にして相手を求めなくても/手放しても、もう大丈夫!という状態までようやく辿り着けたというか。高校時代のように「かるたを媒介にして一緒に居る」という手段は高校卒業後には、明確に「ありえない」ので。「お互いのかるた」は、一人でも/手放しても大丈夫になるしかなかったんです。面白いのが、実際のお互いの表情は相手が観た表情と一致してないところです。千早ちゃんは、本当はすごくすごく太一くんに一緒に居て欲しくて、半泣きになってました。太一くんも、「自分が居なくても大丈夫」な千早ちゃんの姿を見てめっちゃ寂しそうにしていました。千早ちゃんと太一くんは、「一緒に居たい気持ち」を強く強く持っているからこそ「かるた」に執着したし、だから一緒に居る未来が描けなかったんだろうな、と。近江神宮が見かねて「かるたフィールドでお互いを手放す」ことを手助けしてくれたのかな、と受け取っています。■まとめ、記事を書いての雑感今回の記事は、これまで書いてきた感想記事の恋愛部分の内容を改めてくどくどとなぞるようなものだったのですが…書いてみて、作中の情報に対する私自身の捉え方が結構変わりました。クイーン戦後、最終回。千早ちゃんが「太一くんと一緒に居られる唯一の選択肢」である①恋愛/結婚にいよいよ立ち向かおうとしていたのに対し、太一くんはとっくに千早ちゃんと一緒に居る未来を諦め、選択肢⑥を勝手に推進し完全に逃亡態勢に入っていた …という地獄の状況が発覚します。私はもともと、太一くんに感情移入して本作を読み進めたこともあって高校卒業後、選択肢④の「かるたを介して、濃密な関係性を続けたい」という千早ちゃんの意識が一番わけが分からなかったというか。そんな土台無理なことを求めようとするから、こんなにこじれたんだと認識していました。私のこの認識に対して、妹はずっと否を唱えていました。妹の主張↓確かに千早ちゃんも千早ちゃんで、(未知/責任だらけの真島家への恐怖心もあって)太一くんの「かるた」しか見ないようにしてた。真島母や周囲(特に女の子たち)の目線に対して、先手を打って「私は!太一くんとの恋愛なんて 全く!微塵も!まんじりとも!1mmたりとも考えた事すらありませんが!!!」ってアピールしまくってた。結果、太一くんに「皆で一緒に楽しいかるた」を求め過ぎて追い込んでしまったし、太一くんがかるた部を辞めた瞬間もう「世界から居なくなってしまった」レベルで故人扱いしてた。あれはどうかと思うし、千早ちゃん自身も「これではダメだ」と思ったから1年間かけて、超頑張って自分を作り変えて来た。それにしたって太一くんが「千早ちゃんとの未来」を見限るのが、あんまりにも早い。だってまだ高校生だよ!?高2の夏~秋で別々の未来に向かって舵切られて、高3の春で突き放されたんだよ!?千早ちゃん的には、最終回で太一くんが手を握り返してくれるまで「太一くんに求められた」「太一くんにとって自分が必要だと実感できた」ことはおそらく1回もない。そんな自信の持てない状況でも、千早ちゃんは自分を奮い立たせて…無我夢中でクイーン位と大学合格を自分の力で獲得して、それを握りしめて「一緒に居たい」と言いに行こうとしてたのに既に京都に高跳び(ほぼ絶縁)する算段をつけられてて…一番自信のない大学受験の結果がはっきりしない段階で観念して、告白せざるを得ないところまで追い詰められたんだよ?最終回の告白は「『かるたで繋がる』とか舐めたこと考えてて、ホントすみませんでした!心を入れ替えて来たんで、離れる前提で話を進めるのだけはマジで勘弁してください」っていう、千早ちゃん自身のスタンスもプライドもかなぐり捨てた完全降伏だと思ってる。ーでも、本当によく1年弱で奴を捕まえるところまで行ったよ。千早ちゃん、超がんばったよ…!今回、未来の選択肢を書き出してみて、妹の意見に納得しました。うん。確かに、高校生の段階で選択肢⑥に突っ走っていた太一くんが…やっぱりおかしいな!トラウマ×常人の追いつけない脅威の判断力/行動力、恐ろし過ぎるな!と思いました。千早ちゃん的は、太一くんが内心抱いていた選択肢⑥の「新君と結ばれる未来」なんて具体的に考えた事も無い、というか。本当に「太一くんとの未来の話をしてるのに、なんでそこに新くんが絡んで来るんだ?訳がわからない」って話だろうと思います。まぁ、「せ」札モチーフで体現される選択肢⑥こそ本作品が作品立ち上げ段階で据えていた初期のストーリー筋だと思います。そして太一くんというキャラクター自体が、一番最初はその初期筋を回すために投入されたサブキャラクターだったと思いますので。作中、自身の気持ちに反しているにも関わらず「選択肢⑥の筋道を強力に推進しよう」とあまりにも能動的に話を回し過ぎて結果、完全に主役に踊り出て作品を作り変えてしまった…千早ちゃんにとっては、「せ」札推進過激派筆頭の真島太一こそが真のラスボスになってしまった…キャラクターの感情/生命力が強すぎてあっちでこっちで話筋が完全にバグったという、たいへん興味深い展開だったな、と。だからこその作品の大ヒットだし、この圧倒的なパワー!なんだろうな と思っています。■最終回 その後&番外編について最終回では千早ちゃんが太一くんに「好き」と言う言葉を伝えることが出来ました。選択肢①恋愛(ヘビー/結婚前提)に向かう意志を持って未来への扉をノックできたというか。太一くんは選択肢⑥の遥か彼方まで自分の意識を飛ばしていた状態でしたが、この千早ちゃんのノックに気づいた瞬間、一気に選択肢①にすっ飛んで来ました。私はこのシーンを「北極から南極」「瞬間移動」と呼んでいるんですが…まぁもう流石太一くん、一番大事なチャンスを逃さない成功者の鏡ですよね!と。太一くんは本当に極端…というか思い立った瞬間に、行動が伴うんですよ。気づいたらもう次の目標地点定めて、ストーリー組んで動いてるんですよ。勝手な想像ですが…太一くんはここで千早ちゃんが告白して来なかったら(京大医学専攻内で)最初に告白して来た娘と速攻で付き合い始めてたんじゃないかな、と。もしそんなことになったら… 千早ちゃんは絶対萎縮するし、更にこじれにこじれた地獄のおんどろ大学生活編がスタートしてたと思います。ホント、卒業式で片を付ける所まで行けてよかった。これ以上周囲に迷惑をかけずに済んで、本当に本当によかった!!恋人になってからの描写は、最終回最後の数ページと番外編、末次先生のSNS投稿イラスト等でわずかに匂わすのみとなってます。ただ、これも全くの想像ですが… 太一くんは「千早ちゃんが恋愛に向かう覚悟を決めてくれた」と分かったその日から「千早ちゃんと結婚」を目標に定めて全力前進し始めるんだろうな… と。千早ちゃんが『結婚してくれる』って言った!(※言ってない)位な勢いで、真島家内部&周囲への根回しを始めるんじゃないかな、と思ってます。そして千早ちゃんの方だって、そもそも太一くんに求めてたのは最初から「かるただけじゃなかった」というか。恋人になってからの方が「そう、コレ!私が求めてたものはまさしくコレ!!」って実感していけるんじゃないかな… と思ってます。花野さん目線で描かれた、最終50巻収録の番外編『はなのいろは』。あれは「サブキャラクター視線の投入」と少し似た技法・構成で描かれた作品だと思っています。花野さんが「太一くん&千早ちゃんの交際状況」を気にしている描写から始まり、久々に大学生になった千早ちゃんを観た瞬間に「私はこの人が嫌いだ」という強烈なモノローグを被せる…=もともと周囲の恋愛感情へのアンテナが敏感な花野さんが顔を上げた千早ちゃんの表情を見て、一瞬で「あ、太一くん&千早ちゃんは 超☆順☆調 だな」と強烈に感じたそのシーンを一番の魅せ場として持って来ています。そんな千早ちゃんを、新くんもちゃんと見ています。太一くん&千早ちゃんの具体的な描写を避けつつその後の恋愛面の進展だけを憶測という形で、しかし強烈な絵面&花野さんの感情的な強いモノローグで叩きつけて来るという恐ろしくエグイ構成の一作だと思っています。最終回後に描かれた(おそらく)大学生になった千早ちゃんのカットイラストを見ると、服装も仕草も表情も女の子っぽくなったというか、お姫様な雰囲気になったというか…ようやく「これでええんや…!」と安心した表情をしているように感じて「千早ちゃん、良かったね…!」と思いながら眺めてます。大学生の太一くん&千早ちゃんは、現在連載中の続編『ちはやふるplus きみがため』にもいつか登場するでしょうか…?(もちろん、新くんや他の子たちも!)どんな形で描写されるのか、楽しみにしています。『ちはやふる』…本当に、どれだけでも語れますね!by姉(+一部見解・妹)
2024.02.11
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アイドル&アニソン熱が高まったため、以前より気になっていたユニットのCDを購入しました。音楽語りーその282↓♪めがもるふぉ~ぜ♡ bySmewthieSmewthie(スミュウジー)は、アニメ「東京ミュウミュウ にゅ~♡」の主役の声優さん5名によるユニットです。東京ミュウミュウは、2000年~なかよしで連載され、アニメ化された作品です。90年代なかよしで漫画作品にのめり込んだ私&妹ですが、この作品の頃には「なかよし」本誌には見切りをつけていた…というか、本作についても、あまりにも「セーラームーン」モドキ過ぎて、正直なところ、さほど良い印象を抱いておりませんでした。征海未亜先生も、前作の「スーパードール★リカちゃん」登場時に感じた少し独特な漫画画面のキレも、本作には感じなかったですし…。(単に、私たちが世代でないという話です…)ですので、「東京ミュウミュウ」原作・アニメ本編はほとんど興味がなく、これまで真剣に鑑賞したことはありません。…が、本作はとにかく、アニメ化の際の音楽が良かった!!本編を観てないのに、CDを購入して聴き込むほどに、良かった!サウンドトラックは、カードキャプターさくらも担当されていた、根岸貴幸さん。♪地球の未来にご奉仕するにゃん軽快で上質なキラキラサウンドが楽しめます。OP/ED/キャラクターソング、全方位の楽曲クオリティが非常に高かったんですよ。・OPテーマ♪my sweet heart可愛い楽曲なんですよ…。思わず口ずさんで、「これなんの曲だっけ!!?」ってなるタイプの曲だと思ってます。・EDテーマ♪恋はア・ラ・モード声優さんたちが歌っているEDソングですが、これは聴いた時に衝撃を受けたアニソンです。スイーツ・フルーツモチーフを使って、恋のことを歌っていますが、韻を踏んだ合いの手や、語感のあまりのセンスの良さ…!「カリカリ歯ごたえ欲しいし 甘酸っぱいのもそそられる~わ」とか、なんて独特な語彙で、可愛らしく「恋をしたい女の子」を言い表すんだろう、と感動しました。・キャラクターソング♪最高にHappy!声優さんの真っすぐな声質がよく活きていて、いい楽曲だな!と思っています。今回、20年周期の展開として、新しくアニメが放送するということで、本編自体は前回同様特段興味がなかったのですが、音楽は気になってて。アイドルグループ展開をするとのことで、ちらちら気にかけていました。主役のいちごちゃん役は、一般公募をしていたのかな?メンバーは、ガッツリ新人声優さんというより、子役上がりで舞台/ドラマ等で活躍されていた方が多いのかな?あまり詳しいことは知らないのですが、新しい楽曲が公開される度、Youtubeで動画をちらちらチェックしていて、「いいじゃん」と思っていました。アニメ放送が終了し、音楽展開も出そろったみたいだったので、CDを一気に購入して、聴き込んでみました。いや~、各楽曲・サウンドの質も高いし、歌はみんな上手だし、すごく良かったです。♪bitter sweet darlingユニット紹介ソングとして製作された楽曲でした。「簡単じゃないよ」とか、「期待しちゃっていいかな 君の笑顔」とか、「まみむめもひとついかがです?」とか、恋の歌詞に、アニメ新展開へのビターさと意欲を折り込んだ楽曲だと思っています。誠意のあるアイドル展開、楽曲展開をしていくんだな、という意識が非常伝わってきました。♪トキメキ☆イチゴいちえ前作EDの♪恋はア・ラ・モードのオマージュ楽曲だと思います。合いの手や、編曲、「女の子の欲張り」を折り込んだ歌詞の作りも、前作の作りの良さをとてもよく掴んでいます。♪my sweet heart~にゅ~♡Ver.~前作のOPのカバーですが、前半を思いっきりバラード調にしてある面白い作りでした。♪Story with you...バラード調の楽曲です。非常に単語が頭に入って来て、ボーカルがすごく良いな、と感じました。♪めがもるふぉ〜ぜ♡アニメ第2期のOPだそうですが、メンバーたちの歌唱力が確実に上がっているのを感じられました。まだ聴き込んでいる途中ですが、Smewthieの楽曲展開は、何より、前作の楽曲展開へのリスペクトを非常に感じられるところが良いと思っています!久々にアイドル(&アニメ)ソング漁りをしました。楽しかったです~。by姉
2024.02.03
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セリアさんで『怪盗セイント・テール』原作絵グッズが買えるという、にわかには信じがたい情報を入手しまして、隣町の大型セリアに駆け込んでみましたーなんっじゃコリャあああああ!!!!この企画は…どう見ても私達と同年代、古き良き「なかよし」でトキメキ&ロマンを育まれたファンの方の所行ですねありがとうございますありがとうございます!!コレが、一つ100円(税抜き)!!!??爆買いしました…!◆アクリルスタンド(トレーディング/全7種)単行本表紙絵!可愛い台座&本体以外の部分もわざわざデザインを合わせてあって素敵…!◆ホログラム缶バッジ(トレーディング/全6種)キラキラでもうめっちゃ可愛いぃい~特に飛鳥Jr.とツーショット!芽美ちゃんが超嬉しそうで可愛い…♡ちなみに缶バッジ用額縁もセリアさんのものです。◆クリアファイル(A4/全2種)きゃわわわわわモノクロ原画の方は裏表並べると見開きになる仕様で…天才すぎました…!<姉談↓>立川恵先生の描かれる漫画画面の素晴らしさが、凝縮された見開きページのセレクト!見開きページは、右上から左下に向けた視線の流れを時間軸の大きな基本としつつ、飛鳥Jrのアップ~ベタで引き締まる夜の空気感と教会へのシーン転換~からの、シルクハットに視線を持って来て、全身シルエットで緩急のタメを作りつつ、ハットからマジックが飛び出してくる流れが、見開き画面右下から左上に向けて描写され、左ページ画面は、セイントテールが読者側に弾け飛び出してくるような華やかな魅せページ。漫画表現の宝庫!最高です!◆アクリルキーホルダー(全2種)/ラバーキーホルダー(全2種)♥Aと♠Jを持ってくるトランプモチーフとかね、やっぱり完全にファンの所行ですよね!そしてまさか令和の時代に、セイント・テールのラバー系グッズをお目にかかれるとは…!ちなみにこちらは私が勝手にアレンジ※手持ちパーツ(星型ナスカン&十字架チャーム)プラスしたものです~^^ より可愛くなったのでは!!◆シール(全2種)/ジッパーバック(全2種)古き良き なかよし11大付録のアイテムの類かな!? 懐かしくて可愛い◆ビニールポーチ/ミラー/ハンドクリーム/折りたたむコーム/前髪クリップ何この充実のラインナップ古き良き少女漫画雑誌の応募者全員大サービスセットじゃん!!!イヤもう…セリアさん 凄いです。一本獲られました…。元・少女の夢とロマンを呼び覚ます商品企画をありがとうございました…そしてこれらの収納のために、セリアさんのマイコレ(缶バッジなどグッズをファイル収納出来る)シリーズも購入。最近グッズ収納の類いは本当にセリアさんにお世話になってます。これを100均にやられてしまっては、他のグッズ業者さんも大変なのでは…と要らん心配までしたり。セリアさん、本当に凄いです。。by妹
2024.01.21
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遅ればせながら見て来ました。簡単感想です。映画感想『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(2023年、片桐崇監督、東宝)世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。西国ウェスタリスの情報局対東課〈WISEワイズ〉の敏腕諜報員エージェントの〈黄昏たそがれ〉ことロイド・フォージャーがいつものように任務に当たっていたところ、進行中のオペレーション〈梟ストリクス〉の担当を変更する、という指令が。しかし新たな担当に選ばれたのは、無能な男だった――。その頃イーデン校では、優勝者に〈星ステラ〉が授与されると噂の調理実習が実施されることに。少しでもオペレーション〈梟ストリクス〉の進展を示し〈WISEワイズ〉へ任務継続を交渉する為、ひいては世界平和を守る為、ロイドは審査員長を務める校長の好物である“フリジス地方”の伝統菓子≪メレメレ≫を作ることをアーニャに提案。本場の味を確かめるため、フォージャー家は家族旅行でフリジスへ向かうことに。その一方でヨルは、出発前にロイドと謎の女のやりとりの一部始終を目撃してしまい、仮初めの関係に一抹の不安を覚えながらの家族旅行となってしまう……。そんな家族旅行の途中、列車内でアーニャは怪しげなトランクケースを発見。その中にはなぜかチョコレートが……。不思議に思っていると、トランクケースの持ち主が戻って来てしまい、驚いた拍子にアーニャは誤ってそのチョコレートを飲み込んでしまう……。ところが、そのチョコレートには世界平和を揺るがす重大な秘密が隠されていた――!?そしてたたみかけるように、旅先で起こるハプニングの連続!!世界の命運は、またしてもこの仮初めの家族に託されてしまった――。(公式サイトより)公開直前PV*以下、公開中の映画作品のネタバレ有感想です。未鑑賞の方はお気をつけください*SPY×FAMILY初の劇場版。お正月明け、池袋のサンシャインシティの暁のヨナ大原画展に伺ったのですが、街中、 SPY×FAMILYだらけでした。いきなり、お正月映画の大本命扱いですね。鑑賞した一番の印象としては、もう本当に公開直前PVがすべて…というか。本編の設定の中で、本筋に影響は与えない形での、スケールの大きなサイドストーリー。ジャンプ作品の古き良き映画作品の作り(東映アニメフェア的な)と感じました。安定安心・劇場版スケールならではのアクションシーン等、期待したものがきちんとある、家族・友人と観に行って、1日を費やして満足できる映画作品だったのではないかな、と思いました。■子ども目線について1点、鑑賞していてとても印象深かったのが、非常に「子ども目線」を意識したのだろうな、と感じるシーンが多かった点。アーティスティックな映像で盛大に魅せる、うん●の神様(だったっけ?)のシーンとか、あとはひたすら、アーニャちゃんが旅行先でいちいちキラキラはしゃぐシーンとかですね。本作品はWEBマガジン掲載であり、主人公も成人男性ということで、基本的には「大人向け」の正当な少年漫画というか、読者層は年齢高目な印象で受け取っておりました。ただ、今回ここまで明確に小学生以下(中でも小・中学年)を意識したシーンを盛って来ていたので、「ファミリー層向け」作品としてのポテンシャル…というか、期待感を持って製作しているんだな、ととても伝わってきました。確かに、アーニャちゃんが居れば、小学生低学年の子も入っていける。私自身の子どもの頃の記憶を思い起こしても、主人公たちが基本大人であっても、自己投影できそうな「子ども」が主要キャラクターとして活躍できていれば、楽しく入っていけていました。中~高生になれば、年齢・性別が離れた大人ばかりの作品でも楽しめるようになって来ますが、やっぱり小学生にとって、作中に「子どもの目線」が用意されているかって本当に大事で。今から思えば、「子ども」キャラクターがメインビジュアルに居る作品から、「私たちが読んでも/観てもいい作品だな」と認識して、手に取っていたような気がします。ドラゴンボール(ハイスクール編~)とか、話ぶっ飛んでてよく分かんないけど、悟天くん&トランクスくんが居てくれるからアニメ観れたり、るろうに剣心とか、大人キャラばっかりだし、幕末も明治維新も全然よく分かんないけど、弥彦くんが居てくれるから、原作を一生懸命読むことが出来たり。この点で考えると、大人たちの小難しい世界にガンガン主体的に絡んでいけるアーニャちゃんは、子どもたちの視線も鷲掴みにできる存在なんだな~、改めて素晴らしい設定だな~、とひしひしと感じました。■脚本と子ども視点の演出について。脚本の印象としては、まぁ…非常に無難というか。飛行機を使ったスケールの大きなアクションシーンを魅せ場とした、期待したいものをきちんと落とし込んである脚本だな、と感じました。SPY×FAMILYは、ほとんどのキャラクターが本性をお互いに隠しており、また所属組織が全くバラバラという特性上、お話を回す際の、各キャラクターのインセンティブ・感情筋作りが、非常にややこしくもあり、腕の見どころになる作品だな、と思っています。そもそも、主人公・ロイド・フォージャーにとって仕事と家族が同じ方向性の中にあり、「仕事」と言いながら家族サービスをやる、「仕事」と言いながら生まれる一つの家庭があり、動く個人感情がある、という点が、とても良くできた面白い設定だと思っています。その中で、やはり視聴者として期待したい・観たい萌えポイントは、仕事と家族に向かうベクトルがズレる、もしくは相反した場合の主人公の動きになるだろうと思って読み進めています。もちろん、主人公が仕事命で、陰に徹して生きることを決めているのは分かっていますし、そこがカッコイイところなんですが、でももし仕事と家族のベクトルがズレたとき、どっちを取るかの選択で、やっぱり「家族」を大事にする方に向かって欲しいじゃないですか。もちろんこれはまだ先々の話だと思っていますが、それにしてもやっぱり、主人公の行動言動の中で、仕事ベクトルには本来必要ない…「家族」ベクトルの感情を立たせるシーンを作る、その感情を強烈に焼き付けるのが、脚本の腕の見せ所…だと思っています。今回の映画作品でも、当然この部分は意識して入れ込んで来てあったと思っています。冒頭から、黄昏さんがオペレーション梟を外れる…疑似家族終了の話が出て来ていて、それもあって、アーニャちゃんの調理実習課題の成功に向けて一生懸命になる、という作りになってました。ちゃんと萌えポイントを抑えているな、と思う反面、脚本好きとして高望みをするのであれば、ちょっと要素の掛け合わせが直接的というか安直…というか。もうちょっと捻って、繊細に上手いことキュンポイントとして入れ込めたんじゃないかな…もうちょっとこう…インセンティブの作りや魅せ方としてもうちょっとこう…王道ですけど、最後に「あれ?これロイドさんこっちの方が気になってて、それであんな少し不自然な動きしてたのかな?」って分かるような出し方するとか。あとは、先に書いた子ども目線について。子ども目線を意識したシーンが入っていたのは確かなのですが、やるなら…もっと徹底的に、本気で子どもを釣る心情の動線作り、シーン/画面作りをしても良かったのかな、と感じました。今回の映画は、公開時期に合わせて雪国モチーフだったのだと思っていますが、折角、遊園地・クリスマスマーケットや、ケーキ(メレメレ)等を出して、楽しいシーンを作っているのに、かなり現実的な空気感/描写になっていまして。もうちょっとこう…子ども目線で、ウキウキの空気感を描いてもいいんじゃないかな、と感じたというか。また、子どもにとって、クリスマス最大のわくわくといえば、「サンタさん」と「プレゼント」。折角のクリスマスモチーフなんだから、主人公にサンタさんとしての役割/心情づくりを与えて、アーニャちゃんに感情移入して鑑賞している子どもたちに、最後、とっておきのプレゼントを渡して喜ばせよう!という作りにすれば、もっともっと観客に嬉しい感情を焼き付けることが出来る、印象深い映画になったんじゃないかな、と思ったんですよね…。(お正月に係る映画のため、クリスマスモチーフ一辺倒に出来なかったという事情もあったのかもしれませんが…)私の好みで語ると、ちょっとこの辺が「SPY×FAMILYのポテンシャルなら、もっと出来たんじゃないかな…!!」と感じる部分でした。■エンディング主題歌について本作、主題歌はOfficial髭男dismの♪SOULSOUPとのことですが、別にエンディングの前半では星野源さんの♪光の跡が流れました。『劇場版 SPY×FAMILY』/星野源「光の跡」コラボムービーこの楽曲が素敵で、とても気に入りました!映画の内容も踏まえながら、まったりテンポの中で、上述したような萌えポイントに繋がりそうな感情をじっくりゆっくり歌い上げる内容でした。少しマイナスちっくなことも書いてしまいましたが、本当にSPY×FAMILY、コナンのように(長寿は無理にしても)、ファミリー向けとして定番化も出来るのではないかという、ポテンシャルのある作品だと思っています。劇場版第2作もあれば、是非また劇場に足を運びたいと思っています。by姉
2024.01.14
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草凪みずほ画業20周年記念暁のヨナ大原画展 に行ってきました!(池袋・サンシャインシティ展示ホールD会期23年12/22(金)~24年1/9(火)※24年1/1(月)休業)暁のヨナ、原作単体としては今までで一番大きなイベントだったと思います。メディアミックスのタイミングでもないのに、サンシャインなんて…これはもう是非行かねば!ということで、お正月明け・会期終盤のタイミングでしたが、妹と2人で上京して来ました。*以下、ほぼ写真のログ記事です。東京会場会期中&今後本企画展は巡回予定もあるとのことで、ネタバレになります。未訪問の方は、お気をつけください。*展示は、基本的にはストーリーを追う形で白黒の本編原稿&カラー原稿が展示されていました。ちなみに、本展示会は、原稿の写真撮影は禁止でした。良かった…これ撮影してもいいよ、とか言われた日には、1日かけても出て来れなくなるところだった…。白黒の本編原稿は、もちろん印象深いシーンの展示が多かったのですが、「読者が喜ぶシーン」というより、「話回しとして重要なシーン」「キャラクターの登場バランス」を念頭にセレクトされている印象を受けました。読者人気で選ぶと、おそらくハクヨナのいちゃシーンだらけになると思いますので…。そして私は確信をしました。暁のヨナは、やはりハク様×スウォン様のシーンで構成されている!と…。※ハク様×スウォン様のシーンは、ほぼ網羅する形で、更にいちいちシーンの流れが分かる複数枚の形で展示されていた。展示会場中央に腹減り一行+スウォン様の等身大立像8体が配置されており、このエリアを中心に、3つのゾーンを行き来できるようになっています。ストーリーに沿った展示ではあるのですが、動線が一本筋ではなく、好きな箇所から自由に回ることが出来る&元の場所に何度でも戻ることが出来るため、お客さんの滞留を防げるようになっていました。漫画作品の企画展をこれまでいくつか見て来る中で、こういった作りの展示会は初めてでした。等身大立像の存在感も非常に活きますし、よく考えてあるなぁ、と思いました。各ゾーンには、フォトスポットや主要サブキャラの等身大アクスタがあり、見応え抜群です。クラウドファンディングを募った上で製作された、等身大立像は壮観でした。身長等設定に忠実に作ってあるのだと思いますが、大きいんですよ。ハク様・スウォン様・ジェハさんなんかはもう巨人です。ゼノさんやユンくんも、小さな印象を持って漫画は読んでいましたが、こんなに大きいんだ~、と思いました。細かなディティール(特に衣装・手)まで、とても見応えがありました。プッキューの森と言う名の、プッキュー(&ホーちゃん)無双地帯。展示ラストには、草凪先生のヨナ以前の作品のカラーイラストがありました!NGライフ…大好きな作品です。巻頭カラーイラストの青色がキレイでした。それにしても…最近のカラー原画は本当に凄くて…2年前、横浜の原画展でもカラー原画はたくさん鑑賞していました。今回、それ以降に描かれたカラーイラストも展示されていましたが、なんかもう、キラッキラに光り輝いてるんですよ。色落ちしていない、というのももちろんあると思うのですが、どこまで上手くなるんだ…と感嘆しながら鑑賞しました。ちなみに展示会場で約3時間を過ごし、出口に向かう際の妹の一言がコチラ↓「待ってくれ!! 私はまだ何も成し得ていない!!!」…成し得るって何?(おそらく、白黒本編原稿・カラー原画の展示等、何も咀嚼出来ていない、というような意味)展示鑑賞後は、グッズ販売会場で1時間以上ぐるぐると滞留しました。おかしい…購入するものは、予算考慮の上で事前にリスト化していて、いくつか入り繰りはあったものの、ほぼほぼ予定通りの買い物だったのに、何故にこのように時間がかかったのか…。(グッズの出来映えを1個1個じっくり吟味してたから)入場特典の青金石ペンダント。ウレ(・∀・)シイ!!…と、ヨナ姫の簪(妹の自作・並べて満足したかったらしい)。天然石で、定形のものをこれだけの数用意するのは大変なことだと思います。ヨナファンが一番喜んでくれるものを、と真っ先に準備し始めたものじゃないかと思います。高品質の公式グッズを、こうして手に取ることが出来て、本当に嬉しいです。草凪先生の夢が詰め込まれたイラスト集!(展示会の図録じゃないんだ…)A4、箔押しハードカバー、厚手の紙の240P。各イラストは、余裕を持ってかなり大きく配置されています。4,180円という刻んだ値段設定は、もちろん原価割れはしないよう設定されていると思いますが、白泉社側はほぼ利益無しのご奉仕価格なのでは…。これは、20年間に渡って第一線で活躍されてきた…特にここ10年間は花とゆめを牽引して来られた草凪先生へ贈る、誠意だけで作った白泉社からのプレゼントなんじゃないかと思っています。(全部想像)草凪先生描き下ろしのアクリルスタンド全8種!カワ(・∀・)イイ!!妹談:展示会メインビジュアルの全身像版だが、アクスタ用に不透明水彩の重ね塗りでアニメ風に仕立てている。こんなことをご自身で、しかもアナログでやろうとしてくる作家は他に居ない。今回、等身大立像の作成も同時並行のため、設定の身長差・等身にも気を配った、全身全霊をかけたイラスト群。念願のぬいぐるみ!カワ(・∀・)イイ!!これは…凄い。着脱可能な服、並べてカワイイよう練られたシックな色合い…おそらく、草凪先生が先手を打ってデザイン画まで描き起こして製造会社へ叩きつけ、仕上がりについても何度もリテイクを繰り返し、製造側や間に入った編集部側、それぞれの担当者に相当な犠牲を強いて作ったものでは…。これは本来、この値段で売っていい代物ではない。会期終盤においても在庫切れを起こさない状況を見ると、ロットを増やすことで値段を抑えたのではないか。編集部か販売元か、どっかが在庫リスク抱えてやってくれてるような気がする。(全部想像)久谷焼豆皿。カワ(・∀・)イイ!!色合いがハクヨナにばっちりはまってます。まさかの盃の蓋だったことが判明したゼノモチーフのヘアゴム。もっとおもちゃっぽいかと思っていましたが、想像以上に重厚感があってしっかりしてました。このほかにも、売切商品等、受注でいくつか頼んでいます。届くのは6月頃とのことで、楽しみにしてます~♪暁のヨナ大原画展、誠意&漫画愛・作品愛が溢れる夢のような空間でした。本当に、行けて良かったです。幸せでした!!!by姉
2024.01.08
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あけましておめでとうございます2024!中々浮上できてないですが…今年のヨナ活は暁のヨナ大原画展から始めるつもりです~。by妹
2024.01.01
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のだめカンタービレ展に行ってきました。もともと、1年ほど前に東京・大阪で開催されていた企画展のようです。名古屋会場として、2023/11/25~12/24の1カ月間、愛知県の文化フォーラム春日井へ巡回して来ています。妹と二人で行ってきました。ほぼ写真の訪問ログです。*以下、現在開催中の企画展の写真(たくさん)です。これから訪れる予定の方はご注意ください。*企画展会場前には、ストリートピアノの設置が…(気が利いてる)。帰りがけに、小学生の女の子がトトロのサントラを弾いていましたが、めっちゃくちゃ歌ごころ・抑揚のある素晴らしい演奏で、妹と二人で顔を見合わせました。のだめちゃんの汚部屋再現コーナー。まだまだ全然可愛らしい汚部屋ですね。うん。そこかしこにあるプリごろ太ネタにこだわりを感じました。本企画展示は、基本的にはストーリーに沿った白黒の本編原画と、その元となるネーム兼下描きの展示がメインでした。QRコードでサイトに飛び、音声マークのある展示物の前で、そのシーンで演奏されているクラシック音楽や、アニメ声優さんの撮りおろしボイスを聞くことが出来ました。驚いたのが、出だし1話の段階で、(おそらく)仕上げにPCを導入されていた点。ペン入れまでアナログ→PCでぺったり基礎トーン部分の処理→出力して、髪のベタ部分や、PCでは扱えないトーン処理と言う感じだったのかな?と受け取りました。※当時、原稿の納品自体は紙だったのだろうと思います。この辺↑のほわほわトーンは、まだPC上で処理できなかったようで、印刷後の原稿にアナログトーンで処理されていました。のだめの連載開始が2001年ですので、当然漫画用のソフトウェア等もなく、この段階から漫画原稿の作画にPCを導入されていた作家はかなりレアなんじゃないかな、凄いな、と思いました。Sオケ用にのだめちゃんが自作したマングースの着ぐるみの展示。のだめちゃん…デザインセンスから裁縫スキルからプロ過ぎる。千秋先輩等身大立像。指揮棒がちゃんとカズオ仕様。原画展示は、とにかく作中で印象的なシーン・観たいシーンが、(個人的に)完全網羅されているのが印象的でした。この↑シーン、(たぶん読者はみんな)好き!(みんなが観たい)ラブストーリーの要所は、必ず抑えてありました。ネーム兼下描きが、もうほとんど完成形過ぎました。このモノローグ大好き!ストーリーをなぞっていくだけで、面白い!ワクワクする。一般人には終ぞ想像することが出来ない、トップ音楽家たちの人生の一部を、ラブストーリー仕立てで追いかけられる、素敵な作品だな~~、と改めて思いました。間もなく、23年年末~24年年始にかけて暁のヨナ大原画展も開催されますが、企画展の考え方・作り方の違いを楽しめたら良いな、と思います。by姉
2023.12.17
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このキャラクターについて、まだ語れていませんでした。ほとんど妹の受け売りです。ちはやふる 感想-その12若宮詩暢ちゃんについて*以下、最終50巻までのネタバレあり感想です。未読の方はお気をつけください*◆作品における『キャラクターの思考の多様性』についてちはやふるを読んで、何よりも度肝を抜かれたのは、キャラクター一人一人の、『思考回路の多様性』です。老若男女、様々な立場のキャラクターたちが登場しますが、いちいち「なるほどこの人はこういう思考回路を持ってる人なのか」ってよく分かるんですよ。これは、末次先生の人間を捉える洞察力のなせる業というか、実際のかるた業界の方たちへのインタビューもたくさんなさったでしょうし、もちろん、日々の生活・お仕事の中で関わる方たちも参考になさっていると感じます。ただやはり、本作を読んでいて、その「思考回路」の描写がずば抜けて深く、興味深かったのが、真島太一くんと、若宮詩暢ちゃんの2人です。感想その2記事でもこの2人のプレイスタイルについて語りましたが、基本的にこの2人は、末次先生の化身なんだろうな、と受け取って読んでいます。化身というか、末次先生の価値観・思考回路が非常に色濃く投影されたキャラクター。簡単に「この2人」って書いたんですけど、何が凄いかって、「この2人」の思考回路が、あまりにも相反しているところです。「太一くんが描けて、詩暢ちゃんが描けるって、どういうことだ!?」とこの目を疑いたくなるような、もの凄いことだと思っています。私の思考回路は、どっちかというと完全に太一くん寄りです。もちろん、あんなにストイックじゃないです。ですが、太一くんの思考回路は、リスペクト心を持ちながら、非常について行ける。おそらく、きちんとちはやふるを読んでいる男性ファンは、その大半が『太一くんファン』なんじゃないかな、と思っています。基本的に太一くんは、あらゆる物事を「タスク」として捉えている超仕事脳人間だと思っています。学生の本分である勉強も、部活も、趣味も、「千早ちゃんに笑って欲しい」という恋心すら、この子の中では、自身の目の前にあるタスクだと思っています。この子にとって、目の前の物事を取り組むにあたって、「自分がやりたいか、やりたくないか」「自分が得意か不得意か」は判断基準にはならないんですよ。基本的に全部タスク…「やるべきこと」なんで。目指すべき目標点に向けて、「どうやってやるか」「どうやれば出来るか」しか考えない。更に、太一くんには、基本的には家庭環境…というか、幼少期からの教育に、帝王学を感じさせるものが織り込まれていると思います。場の中で、「人の上に立つ」を自然と演り出す…というか。身振り手振りや発言のほとんどに、「他の人を動かす」意図を感じますので。そのため、瑞沢かるた部立ち上げからの太一くんの動きは、公立進学高校の、いち部活動では通常考えられない水準での意識の高さであり、彼の考えられない次元の組織力を持ってして、瑞沢かるた部は超短期間で全国大会の舞台に躍り出て来たんだな、と受け取っています。↑太一くんがこういう思考回路の持ち主なので、特に、お勤めの成人男性読者は感情移入&リスペクト出来て、メロメロになるんだろうな、と思っています。◆誌暢ちゃんのアート気質について反して、詩暢ちゃんは というと…正直、私一人の感性では、この子にはついて行けません。思考回路がよく分からない。描写の1個1個も、しっかり噛み砕けない。ただ、妹がさも当然のように、すごく熱く「詩暢ちゃん像」を語ってくれるので、「はぁ…そういう思考回路か…はぁ…」って教えてもらいながら読む感じです。私自身も数十年来、妹を見て来て、その特性を知ってるから、言われれば「こういう子なんだな」ってなんとなく分かる…というか。詩暢ちゃん…この子は、「アート」な子。芸術的な思考回路の持ち主だな、と思っています。アート気質 …と検索をかけるとこんな↓特徴がヒットしましたが、まさにコレですね。①直観力に優れ感受性が豊か②独自の世界観に生きる③創作意欲が豊富で常に刺激を求める④ロマンを求める空想家・周囲からはミステリアスと思われがち⑤こだわりが強く協調性に欠ける⑥やりたくない事を強要されることを特に嫌がる以下、妹の熱く語る詩暢ちゃん像も踏まえて、この子の興味深いなと感じた部分の列記です。◆鳥人間コンテストちはやふるという作品の、一番の魅せ場と言いますか、世間一般的な入り口として、団体戦描写があると思います。「かるた」という語感からは想像も及ばないような、熱い体育会系の闘いが臨場感たっぷりに描かれ、その「青春」感が、本作の一番の売りになっている部分だと思います。この団体戦描写について、妹は読み始めた当初若干の嫌悪感を示していました。体育会系のノリがダメなんです。「熱さ」とか、押し付けられるのが嫌なんです。妹が「気持ち悪い…」と言い始めて、でも、そこに詩暢ちゃんが登場してくれて、同じように「気持ち悪い…」と言ってくれて、「まさか私のための入り口(視線)が用意されているなんて!」と、すごく喜んでいました。私は、なるほど引っかかってたのはそこか、と驚いて、「『団体戦が嫌い』な視点だね」と言ったら、こう↓力説されました。妹:何を言ってるんだ、詩暢ちゃんは、本当は団体戦を観るのは大好きなんだ。鳥人間コンテストとか大好きなんだ。若い人たちの一致団結した青春団体戦とか、めっちゃ燃えるんだ。でも自分は出来ないし混ざれないし、特に「かるた」は団体戦である意味は全くないし、(そもそも詩暢ちゃんにとっては、札と自分との対話の世界なので、対戦相手すら本当は必要ない)昔友達を無くした思い出もあって、「みんなで一緒に楽しむかるた」にはものすごく苦手意識とトラウマがあるんだ。でも団体戦の決勝戦は、最後は食い入るように観てたじゃん。ちなみに新くんに対しては、昔から自分と同じ「かるたが友達」なお一人様仲間だと思ってたのに、普通に友達居るし部活立ち上げ始めるし…「なんだこの裏切り者!」という気持ちがあったと思う。姉:鳥人間のくだりとか、なるほどそういうキャラ立てだったのか…。妹:ただし、団体戦が好きと言っても別に何でもかんでも好きなわけではなく、鳥人間はやはり「未知の乗り物で空を飛ぶ」というロマンがある点。これが大事。姉:知らねーよ。なんで鳥人間だけでそこまで読み取れるんだよ。妹:20巻ではサイドカーにつられて、東西戦予選見に来てたじゃん。珍しい乗り物!ワクワク!ってなる子。芸術肌の人間にとってはロマン大事。姉:ホンマや…。私には、詩暢ちゃんのこのあたりの情報が、ただの「不思議ちゃん」認識で、全然一本筋で掴めていませんでした…。確かに、昔から妹もやたらと鳥人間コンテストが大好きだったりして、詩暢ちゃんの思考回路に似てるんだな、だからついていけるんだな、と思い、改めて、なんて立体的で具体的なキャラクター造形なんだと感心しました。◆パン屋のバイトと挫折28~29巻で、詩暢ちゃんがパン屋のバイトをはじめ、数日でクビになるエピソード。ここも、妹が「稼ぐ為に頑張る誌暢ちゃん、ここ最高!」と力説してくれました。姉:そこ、詩暢ちゃんの心が折れるのが早すぎてよく分からない。妹:何が分からないんだ!描いてある通りだろうが!詩暢ちゃんがどれだけ頑張って心を折ってバイトを始めたか。そもそも出場したいかるたの大会を蹴ってバイトを優先する、この時点で超頑張ってる。そして自信が全くない接客業を頑張ろうと、苦手なパンを全種食べてみて、その良さをなんとか自分なりに掴んで、一生懸命伝えられるようになろうと推しパンのラミカードまで創って挑んでたのに、否定されたんだぞ!「もうダメだ、やっぱり自分はかるたしか出来ないんだ、わーー!」ってなるだろうが。姉:もちろんクビになったらショックだとは思うけど、でもやりたいことは「お金を稼ぐこと」でしょ?「パン屋さんになること」じゃないでしょ?パン屋さんだって、別に詩暢ちゃん自身を否定したわけでは全くないし、パンを好きなろうと頑張って食べて、ラミカードまで用意して、ってアプローチは全然間違ってないし、有難い探求心だと思ってるよ。でもお店が今求めていたのは、忙しい時にレジ業務を機械的・スピーディーに回せる労働力だったわけで、そこが満たせていないところに対価を支払う余裕がないよ、って話なだけでしょ?世の中、バイトと一口に言ってもいろんなものがあるんだから、「『組織体の求める労働力』を提供して、それに対する対価を受け取る」が目的であることを念頭に、労働力として自分を当て込められそうなものをもう一度探すとか、「そうか、お店が求めているのはこういう労働力なのか」って分かったんだから、今度はそれを満たせるように、もう一度レジ業務に挑戦してみるとか、いくらでも…妹:詩暢ちゃんがそんな風に考えられるわけないだろ!そもそもやりたくないのに!↑この嚙み合わなさ…!まぁ…でも確かに、昔から妹もやりたくないことはとにかくやりたくないというか。勉強とか、隣で見てて、なんかこっちが悪いことしてる気になってくるくらい嫌そうに、やりたくないオーラをものすごい発しながらやってたんですよ。やらないわけではないので、そこは偉いなと思って見ていたんですが、でも、そもそもなんでそんなに「やりたくない」のか、私にはよく分からなくって。だって、就職という選択肢もある中で、一応は進学を念頭に置いた高校に通ってて大学受験をする以上は、やりたい・やりたくない云々は関係なく、受験に向けた勉強なんて「やる」以外に向き合い方なんてないじゃん…と。また、昔からどうも妹の言う「頑張る」が、しっくり来ない…妹の中の「頑張る」の定義って、「やりたくないことをやること」なんですよ。逆に、お絵かきとか、自分のやりたいことをやることは「頑張る」とは言わないんです。(お絵かき、あんなに「頑張ってる」じゃん、と思うんですけどね…。)多分、このあたりの思考回路が、詩暢ちゃん寄りか、太一くん寄りか、でちはやふる内の情報の捉え方も全然変わって来るんだろうな、と思っています。◆おばあちゃん妹:詩暢ちゃんのおばあちゃんは、孫馬鹿で最高だね!「かるたのプロになりなさい」は痺れたよ…!姉:全く異論なし。おばあちゃんは最高だと思う。流石の傑物。しかし面白いのは、この「やりたいことを極めて金にして生きていく」という選択…駒野先生の名台詞「やりたいことを思いっきりやるためには やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ」の真逆を行く道になるんですよね。最初に触れましたが、この「キャラクターごとに異なる答えに辿り着く」多様性は本当に凄いと思ってます。◆30~32巻の、TV番組の収録高校選手権団体戦が行われている同日、大阪のTV局で、周防名人&若宮クイーンの凄さを解き明かすをテーマにした番組収録がありました。ここに太一くんが参加して、作中では唯一の、詩暢ちゃんとの絡みのシーンがあります。このシーンは、妹がすごくすごくすごく、作中で一番くらいときめいたシーンだ!と言っています。妹:本作品の華とも言うべき高校選手権大会団体戦が行われている最中、明後日の場所で、全く相反する思考回路を持った2人が、新しい視点を求めて「(まだよく分からないけど)意味のあるものになる気がする」と必死にもがいている…なんっっってオモシロいんだ!!!と思った!妹:あとは、このシーンで、かるた札に愛情を持って数える詩暢ちゃんを見て、太一くんが言う「ああはなれない」というモノローグ。壮大にツッコミたい。どの口が言うか!!と。詩暢ちゃんからしてみたら、お医者さん目指して勉強出来る人なんて、異次元のエリート過ぎて本当にスゲーっって話だし、世のため人の為になる、求められることを頑張れるなんて、本当に羨ましい。でも詩暢ちゃんは、太一くんみたいになんでも頑張れなくて、どうしても、世の中に対価性を認められていない「かるた」しか出来ない。かるたしか出来ないから、かるたで稼げるようになるしかない。追い詰められてやってるのは詩暢ちゃんの方だぞ。さも詩暢ちゃんが凄くて自分ダメな奴だみたいな、意味不明なモノローグ被せて来て…本当にたちが悪いなコイツ…!私はこのシーンは、妹ほどときめきを感じたわけではなかったし、完全に太一くんになって読んでいたので、素直に、うわぁ詩暢ちゃん凄いなぁ…!天才が過ぎてとても真似できないわなぁ…!と思って読んでいました。まぁ、超高等級ハイスペッカーたちの、ないものねだりの競演ですね。ちはやふる、視点が多角的で面白過ぎるな、とひしひしと感じたシーンです。◆小さな神様たち上記で書いてきたように、詩暢ちゃんのキャラクター造形については、妹と私であまりに解像度が違って、そこが感想を言い合ってて一番面白いところだったのですが、私の感性でも、詩暢ちゃんに唯一ついていけたのは、かるた札…百人一首の歌自体への向き合い方。札(歌)を「小さな神様」のように擬人化して、友達になるというアプローチ方法。ここはすごくついて行けました。私自身も、小学生低学年の頃から、漫画作品が大好きで、また、「どういう考え方でこのエピソードやキャラクターは出来てるのか」、「この面白さは、一体どうやって作ったものなんだろうか」を、ぐるぐる考えるのが大好きな人間なので。考えたことが合ってる合ってないはそうも気にしない…(確認しようもないことが多いし、作家様のインタビューを追いかけたりもしない)自分の中で、筋が通って、面白さが噛み砕けたと思えればそれでよし!みたいな楽しみ方ですね。で、作品を形作る思考回路の筋を通そうとすると、だんだん漫画作品自体が「一人の人間」みたいに見えて来ます。作品の向こう側に、作者様の価値観や人間性が立体的に見えてきて、「こんな人が居るんだ!」と作家様の内々面との出逢いを楽しむ、というか。これは、一人の方の頭の中で表出形を形成する漫画作品ならではの観点なんじゃないかな、と思います。逆に映画作品やアニメ作品とかだと、大勢の作り手の思想が入り乱れるので、一つの思考回路に集約できないような作品は、私には楽しみ切れなかったりします。(圧倒的な力のある監督様の統制が効いている作品や、カリスマの脳内を具現化することが目的のような作品は別です。)おそらく詩暢ちゃんの和歌への向き合い方も、基本的には歌人の思考回路を読み解く、一人格として筋を通す、というアプローチ方法なんだろうな、と受け取っています。また、面白い描写だな~と思って読んだのが、詩暢ちゃんの中の理解度によって、神様たちの大小・デフォルメが異なる描写です。基本的に、詩暢ちゃんの世界における試合中のキャラクター達は、指のサイズの「小さな神様」たちで、皆わちゃわちゃ可愛い存在なのですが、見ていると、やっぱり理解度に差があって。同性の女性歌人たちは、近しい存在として非常に愛着を持って友達になっているようなのですが、おそらく、性別・年齢の大きく離れたお坊さん歌人たちは、基本的にかなり和歌自体の印象に寄ってる…というか、歌人本人の思考回路・人物像というレベルまで、掴み切れていないんじゃないかな、という印象です。あまつかぜ~の僧正遍照とか、「きれいな女性好きのエロ僧侶」という凄く表面的な認識なのかな、と。44巻、百人一首に出逢った詩暢ちゃんが、自身のかるたへの向き合い方を確立する…というか、和歌の奥に居る歌人に触れることが出来て、その奥深さにのめり込み始めるシーンが描かれます。たまのをよ~の式子内親王が、当時の詩暢ちゃんと同い年の頃に斎院(巫女さんみたいなもの?)になったという話から、その感情を想像することが出来るシーンですね。このシーンの式子内親王は、当時の詩暢ちゃんと同じ頭身(大きさ)で描かれていました。◆Youtube配信仲間とこれから(小さな神様から等身大の存在へ)かるたに「仲間は必要ない」と思っていた詩暢ちゃんですが、物語後半、かるたで食べていくため、かるたの付加価値付けをしたいと考えたときに、明星会の桃ちゃん・ポカ作くんといった、深いかるた愛を持つ年上の非常に優秀な方たちが「それは凄いことだ」と詩暢ちゃんのやろうとしていることを認め、一生懸命協力してくれるようになります。詩暢ちゃんは、お母さんが外に働きに出ていなかった姿を見て来たことや、これまで独自のかるたの世界を作り上げて、閉じこもっていたこともあり、自身のことをコミュニケーション下手だと思っているようです。でも実際は、全然そんなことはなくて、やり手の政治家の祖母や、コミュ力お化けの父親の血を継いでいますし、お母さんも、マスコミとのやり取りを見る限り、全然普通にコミュニケーション出来る人だと思います。詩暢ちゃん自身、もともとかるたでも、お友達の気持ちを推し量って手加減するような気遣いな子ですし、また、自身のワールドが確立しており、大好きなものの推しポイントを説明・プレゼンするのは大得意な子だと思います。明星会のこころちゃんに向けた優しい眼差しからも、教育的な素養も多分に持っていますし、良い教育者・指導者にもなっていけると思います。今後、詩暢ちゃんが人生経験を詰んでいく中で、様々な世代の、様々な価値観の方たちとの触れ合いを通じて、「小さな神様」たち一人一人の解像度も、より具体的に、重みを持った存在として捉えることが出来るようになっていくと思います。最終回、詩暢ちゃんの背後に現れた崇徳院は、現実の人の大きさをしていました。これは誌暢ちゃんが成長したからこそ、感じる事が出来たものだと思います。ーでも、まだ顔が見えない…本心がまだまだ分からない存在です。渡会元クイーンは「いつの間にか友達だと思ってた"かるた"が遠くなる 誌暢ちゃんもきっと同じ苦しみを味わうことになる」と危惧していましたが…イヤ、誌暢ちゃんはそもそも「競技かるたに生きる娘」ではなく、和歌を通じて古の歌人たちと対話する創造主ですので。千年残った和歌から、よりリアリティを持った存在として歌人たちに触れに行き、その奥深さ・面白さを現代に発信していくことこそ、詩暢ちゃんの人生の命題になっていくんだと思いました。◆千早ちゃんと誌暢ちゃんについて最後に、千早ちゃんとの関係性について。誌暢ちゃんの「孤高のクィーン」というキャラクター造型は、やっぱり主人公の綾瀬千早ちゃんと対照的な存在として組み立てられているな、と感じます。誌暢ちゃんが本格的に作中に登場するのは、4巻の中盤。本当に想像の域ですが、3巻までの展開で①千早ちゃんのホームが、明確に「瑞沢かるた部&団体戦」になった②千早ちゃんの目指すべき場所が、当初恋愛面で仕掛けていたはずの「新くんの隣」ではなかったんだな とはっきり分かったこれら千早ちゃん像の確立をふまえて、またおそらくリアルの学生クイーンへの取材なども参考にして同学年の現クイーン・若宮誌暢ちゃんのキャラクターは練り込まれていったんだろうな、と感じます。5巻で誌暢ちゃんに大差で負けた千早ちゃん。彼女が涙を流しながら素振りする姿を見て、太一くんは(千早の夢が本物になった)と認識しました。この時から、千早ちゃんが「世界の頂点 高い山の頂」で一緒に並びたい存在・目標は、明確に「誌暢ちゃんの隣」になりました。誌暢ちゃんにとっての千早ちゃんはどんな存在なのかな、と考えると…自分が「意味が無い」と定めていた「部活動・団体戦」畑から出てきて、自分の居る山頂に近づいてくる存在。自分と札との対話で成り立つ世界に、初めて乱入して来た邪魔者であり…新しい風。最終話、ふたりで世界の頂に到達した…その時に初めてもっと高い山があったことに気付くシーン。京都明星会の伊勢先生の想いにも繋がる、素晴らしい到達点で震えました…!詩暢ちゃん…このキャラクターは、かるた競技を単なる競技に留めない視点…文化的・芸術的側面から捉える「かるた」を、これでもかと言うほど照らしてくれる、本当に凄いキャラクターでした。末次先生の、仕事人としての価値観、大きな組織体の中で責任を負い、バリバリに仕事をこなす方たちをリスペクトする感性は、太一くんに色濃く投影されている反面、末次先生の、芸術家としての価値観、学び&イマジネーションを大きく膨らませていくことと、表出力を磨き、他の方により分かりやすく伝えていくことを並行して行うことで、付加価値を創造していく感性は、詩暢ちゃんに色濃く投影されているのだと受け取っています。両極端とも言える、この2人の感性をしっかり捉えてこその「ちはやふる」だと思います。本当に本当に、凄い作品です!by姉
2023.12.10
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その①②記事の記事の続きです。京都に行ってきました。-その③ 竹内栖鳳 展&細見美術館、平安神宮京都の美術・絵画展覧会めぐりです。◆京都市京セラ美術館(旧京都市美術館)『竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー』展会期:2023年10月7日〜12月3日実はもう少し早く旅行に行くはずだったのですが、私妹が「コレが見たいんじゃ!」とゴネて、会期に合わせスケジュールをずらしてもらいました。 学生時代から、ずっとずっと「近代日本画家で一番絵が巧いのは、竹内栖鳳画伯だから!!」と言い続けて○○年… 前期展示のみですが、大規模展覧会を観ることが出来ました!感無量でした!! 竹内 栖鳳(たけうち せいほう 1864 - 1942年)戦前の京都画壇を代表する近代日本画の先駆者。その画風は四条派を基礎としているが、狩野派の他に西洋の写実画法などを意欲的に取り入れており、革新的な画風を示すことで日本画の革新運動の一翼を担った。また弟子の育成にも力を入れ、画塾「竹杖会」を主宰。第1回文化勲章受賞。特に「動物を描けば、その匂いまで描く」といわれた達人であった。何というか「誰がどう観ても巧い、上手すぎから!!」というか「とにかく展覧会観に行って下さい!無理なら画集観て下さい!検索してください!!」としか言いようがありません。従来の水墨画技法・日本画技法を学び、洗練させまくった上で西洋的な立体感・写実性にも振れ、その描写力が一際冴え渡っていきます。その上で… 今回展覧会で圧巻&愛嬌に溢れた動物画や残されたスケッチ集の数々を観て、栖鳳の一番の魅力は、何よりもその「愛情深い視点」だな、と感じました。大好きな「絵になる最初」が後期展示だったのは残念でしたが…旅の悦びを感じさせる風景画、ライオンや鶏や鹿の躍動感、愛嬌たっぷりの熊や梟や雀たち、そして晩年の傑作「雄風」の虎の洗練された描線の美しさ…!いやぁもう、感無量でした…!◆細見美術館 開館25周年記念展「愛し、恋し、江戸絵画-若冲・北斎・江戸琳派-」京セラ美術館から歩いて10分、細見美術館にも行きました。毛織物で財を成した実業家・細見亮市(1901-1978)より3代に渡り収集した東洋古美術品を展示するために開設された美術館です。 今回の企画は多彩なコレクションの中から、伊藤若冲 のユニークな作品、葛飾北斎の肉筆美人画、酒井抱一に始まる洗練された江戸琳派の作品群展示でした。いやぁもう…よくもまぁこんな、美味しい作品ばかり!というか、本当に細見一家は芸術を観る目があるんだろうな、と。 江戸琳派の作品は、その前に鑑賞していた竹内栖鳳の作風と比較するのが楽しかったですし個人的には春日大社の鹿を描いた春日曼荼羅…それを立体化した希少な「春日神鹿御正体」を観れたことが嬉しかったです! ◆平安神宮 & 平安神宮神苑美術館が10時~だったので、朝方に近くの平安神宮にもお参りしました。堂本剛さんのライブで2度ほど来たことがあったのですが、日中は初めてです。そして実はどんな場所なのかも、よく分かっていませんでした。平安神宮とは…1895年(明治28年)平安遷都1100年を記念して京都で開催された内国勧業博覧会の目玉として、平安遷都を行った天皇である第50代桓武天皇を祀る神社として創祀された神宮。社殿は平安京の大内裏の正庁である朝堂院を模し、実物の8分の5の規模で復元されている。また、社殿一体の風致保存のため、周囲には池泉回遊式の近代日本庭園(神苑)が配されている。ーなるほど、明治時代にイベント用に創設された神宮だったんですね!堂本剛さんはじめ、AKBさんやその他アーティスト様方のイベントを柔軟に行えう事が出来るのも納得でした。 神苑の方に今回初めて入ってみました。というか、こんな植物園みたいになってたんだ…!!入って早々、日本古来の和歌や文学に登場する植物たちが集められたブースが。古文に明るくないから全然分かんないんですよねぇえエエ!!エンタメを正しく・楽しく享受するには、受け手にも知識が必須ですね… うう。控えめなゾーンを幾つも通り抜け、出口付近の東神苑に来ると…一番の見せ場:泰平閣の派手さが際立ちます。よく考えられた造りになっていました。満足です!3記事にも渡った京都旅行記事、これにて終了です。いやぁ…本当に、久々の旅行でしたが、最高でした。満足度半端なかったです!思い返すと、超有名寺院・名所を完無視してひたすら目当ての要所満喫のみに時間を全振りするスケジュールでしたが…ーイヤ本当に最高でした!!これからも気をつけながら、ちょくちょく計画を建てて行きたいですね~♪それでは。by妹
2023.11.05
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その①記事の続きです。京都に行ってきました。-その②豊国廟&新日吉神宮、智積院東山地区の、秀吉所縁の地めぐりです。◆豊国廟(ほうこくびょう)東山・三十三間堂の近く、もう少し東の山を登ったところにある豊臣秀吉のお墓です。おね様のお墓のある高台寺や、もう少し街中にある、秀吉を祀る豊国神社は訪れたことがありましたが、秀吉自身のお墓が何処にあるのか、よく分かっていませんでした。偶然、妹が旅番組でこの廟の映像を観て「これは行かねば!」となり、訪れることが出来るタイミングを狙っていました。豊国廟は「とよくにびょう」と読むのかと思っていましたが、「ほうこくびょう」だそうです。本廟は豊国神社が管轄しているようで、拝観料が100円かかるのですが、基本的にはあまり大々的に観光客向けに宣伝はしていません。本当に神域なんで、下手に人を入れたくない…ちゃんと秀吉のお墓詣りに来た人だけに開けてるんだな、と感じました。麓にある京都女子大学の敷地?と一瞬思うよう参道を進むと、鳥居が見えます。ここまで、看板や案内はほとんどありませんでした。階段を登ったところで、ようやく「豊国廟」の文字が。大きな社殿があったのだろうと思われる、かなり広い広場が眼前に拡がります。拝殿の先は、本当に「神域なんだな」と感じます。進んだ先、峰を登る長ーーい石段があります。案内の方に教えていただきましたが、階段はここから500段くらいあるそうです。秀吉の生涯(享年62歳)になぞらえて、62段ずつで一区切りするような作りになっているとのことでした。ちなみに、上の写真で見えるのは、全体の2/3のみ。下から見えていた頂上まで登り切ると、ここにも社殿があったのかな?と思われる平らな空間&中門があります。中門をくぐると一直線の石段(残り1/3)がそびえています。圧巻です。ここは!96年のNHK大河ドラマ秀吉のオープニングで、日吉少年が、階段でまったり寝転んだりもしながらも、最後、光を目指して一気に駆け上る印象的な絵面があるのですが、まさしく、この場所です!!今回、豊国廟を訪れた最大の目的は、この絵面を実物で拝みたかったから!です。一直線に伸びたこの石段が、日本史上最も出世した男(百姓→天下人へ)の人生・物語の印象と非常に合っていまして、そっか…これは本当に秀吉のお墓に繋がる一本道だったのか…!と。石段を登り切った先に、五輪塔の廟が現れます。かなり大きな石碑でした。視線を左手に向けると、伐採された木の隙間から京都一望…更に、清水寺の全景を見て取ることが出来ます。清水寺の先には、おね様の眠る高台寺があるはずで、高台寺の霊屋は、この豊国廟の方を眺める形で建設されているとのことです。訪れた後に、豊国廟の経緯について調べましたが、1598年秀吉亡き後、遺言に従って現在の豊国廟のある「阿弥陀ヶ峰」に葬り、おそらく麓の広場だと思いますが、荘厳な「豊国社」が建設されていたそうです。ただ、1615年に豊臣家が滅亡すると、徳川家康の意向で神社は廃社に。その際、社殿は北政所の強い意向で残されることになりましたが、その後一切の修復を行わず朽ち果てた…とのこと。現在の豊国神社や、今回訪れた豊国廟に繋がる石段&廟自体は、明治時代に入り再建されたものだそうです。経緯を見て凄く納得しましたが、どう見てもこの場所、神社仏閣のひしめき合う東山地区の中においても一等地だと思うんですよ。山科地区・琵琶湖に抜ける超重要街道の真横ですので、当然のことながら「阿弥陀ヶ峰」自体が軍事戦略上の超要所だったようですし、秀吉自身がここに眠ることを望んだのも、東国(家康)を牽制してのものだったんだろうな、とひしひしと感じました。こういった権威の象徴のようなお城や神社仏閣は、滅亡後に上からマウントを取る形で別のお城・神社仏閣が建設されることが多々あるのですが、豊国社及び豊国廟の一番重要だと思われる社殿・廟跡地にその形跡がなく、江戸時代を通じて手つかずで放置されたのは、家康が北政所の意向を重視しており、家康亡き後の徳川家も、家康の意向と違えるようなアクションを起こすことが出来なかったからかな?と想像しました。※北政所(~1624年)は家康(~1616年)より後まで生きてます。大河ドラマ秀吉を小学生の頃に鑑賞して、戦国ロマンに思いっきり夢見た時から25年以上経って、オープニングの印象的な絵面の実際の場所を訪れることが出来ました。概念が、めちゃくちゃ見事にロマンそのままの形で映像化されていたことを実感出来て、感無量でした!◆新日吉神宮(いまひえじんぐう)豊国廟の参道を下り、少しだけ参道からそれた場所に、謎の神社がありました。名前的に明らかに秀吉関係だと思い、覗いてみると…「いまひえじんぐう」!?いや、立地的にどう考えても秀吉関連の「しんひよしじんぐう」だよね?ナニコレ?案内板を見ると、後白河上皇により建立~云々と書いてあり、ますます…???本殿まで行くと…いや、狛犬の居るべきところに、なんか阿吽の狛猿が居るんだけど…。「大黒様」と「真猿(まさる・勝る・魔去る)様」とかが並んでて、不自然なほどに猿推しなんだけど…。ナニコレ?本殿の裏手に、2つ社が並んでおり、左手は「樹下社(このもとのやしろ)」とのこと。大きなご神木の下に配されているから、「『このもと』だよ~」って体ですが、明らかに秀吉の若き日の名・「木下(きのした)藤吉郎」のことですよね?この新日吉神宮ですが、長いこと廃絶状態だったものを、豊国社廃絶後の1640年に豊国社参道上に再建したものだそうです。近くの妙法院で、豊国社の御神体を長く隠し祀っており、江戸時代中頃からは、御神体を上述の樹下社等で祀っていたそうで。「新日吉神宮」は、江戸時代における豊国社の仮住まい的な社というか。はっきりと「豊国」「秀吉」って言わない状態で、洒落のようなモチーフ・語呂遊びをしながら明らかに秀吉を祀ってた神社なんだな、と理解しました。豊国社・秀吉信仰の歴史的背景と、江戸時代における人々の秀吉への愛着を非常に感じられる場所でした。いやぁ…興味深くて、とても面白かったです!◆智積院(ちしゃくいん)豊国廟麓の智積院も訪れました。紀州の根来寺に端を発するとのことで、秀吉の紀州征伐で社寺を焼き払われた後、僧侶たちは高野山に潜伏しており、関ヶ原の合戦後、豊国社の一部土地を家康より賜り再興した寺とのこと。こちらも、戦国のマウント合戦の経緯が良く見て取れるお寺ですね。非常に荘厳な、大きなお寺でした。名勝庭園があるとのことで、拝観しました。千利休好みの、中国の廬山を模した庭園とのことで…うん…いや、もちろんキレイな庭だな、とは思いますし、多分、一つ一つの木や石について、語れる意味が込められてるんだと思うのですが、正直なところ、よく分からない…。いやでも、すごくキレイな寺院でした。東山地区でも、マニアックな名所巡りになりましたが、最高でした!秀吉ファンとしては、本当に訪れることが出来て良かったと思います。by姉
2023.10.30
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旅行の余韻も止まぬまま、新刊・花とゆめ本誌・ボイスドラマに原画展諸情報…と、ヨナ関連の猛攻撃を受けて、あたふたしてます。今のところ、大原画展もこの日程なら行けるかな?上京したいね、と妹と話しているところです。ひとまず、単行本2冊まとめて感想のような、そうでもないようなものです。暁のヨナ 41・42巻感想+暁のヨナの本題について(姉編)暁のヨナの30巻台の後半から、より一層「もだもだしているな~」という印象を持って読んでいます。20巻台の真国編を読んでいる時も同様のことを感じていましたが、もともと主体が多過ぎて飽和状態のところに、メイニャン・チャゴル・ヴァルたち各将軍等、南戒関連の主体が複数登場し、群像劇飽和状態が一層深刻化してるな…「こじらせてるなぁ」…と。草凪先生は、どんなに端役の立ち位置に収めた方がイイようなキャラクターたちも、生み出したからにはどこまでも深堀りして、それぞれの感情を描きたくなっちゃう作家様だと思っています。この、キャラクターへどこまでもどこまでも入って行ってしまう作風は、他作家様でも見かけることはありますが、それにしても草凪先生のこの部分の入り込み方は、もはや病的…というか。作家様としての、最大の強味だと思っていますし、まさにこれこそが、末永く追い続ける熱狂的なファンを獲得する原動力だと思います。これでも草凪先生的には、あまりにも広がり過ぎないように、自制されてるんだと思うんですよ。(たぶん放っておいたら、真国の五星や、南戒の将軍たちのエピソードだけで、いくらでも描き続けちゃうんじゃないかな…。)暁のヨナ…今、42巻という膨大な巻数になってきました。30巻発売の頃には、47(ヨナ)巻くらいまでには終わるかな~?50冊は行かないよね~?…なんて思っていましたが、まぁ、おそらく無理でしょう。草凪先生の体力的なものも、当然限界はあると思っておりますので、30巻台後半のこじらせ方をじっくりゆっくり眺めながら、白泉社の歴代大作同様、完結まで読めなくても、致し方なし。…という心の準備というか、覚悟もどこかで持ちながら読んでいます。ただ、本当に存分にこじらせながら描き続けてこその、この面白さなので。草凪先生の思いのままに、是非このまま、じっくり。◆「暁のヨナ」の本題とは何か?とはいえ42巻は、完結に向けて物語を大きく転換させる巻だったと思っています。34巻でヨンヒ様主観の親世代過去編がひと段落して、35巻からのメイニャン登場~36巻以降の南戒攻防があって、39巻でハク様⇒スウォン様への千樹草の手渡しシーンがあって、40~42巻で、緋龍城焼失からの四龍行方不明展開…それと同時進行で、スウォン様⇒ハク様への明確なアクションがありました。先ほども書いてきた通り、暁のヨナは主体数が膨大になってくる中で、あちこちに解決すべき問題が山積しています。現状、大きな問題としてヨナ姫たちの目の前にあるのが、40巻以降に大きく展開させてきた、「四龍の呪い・短命」問題。それと類似する形で存在する、緋龍王の子孫に受け継がれる「緋の病」問題。また、南戒との戦争状態をはじめ、周辺諸国との火種は多々くすぶっている状態です。これらが同時並行で急激に深刻さを増して来て、正直、どこから手を付ければ良いのか分からん…が、ここに来て超急を要するのは四龍問題だぁああああ!!!逝くなお前らぁあああああ!!!…ってところかな、と思います。もちろんこれらの諸問題は、全て解決すべき重大問題ばかりで、一つでも積み残した状態では、この作品を終えることは出来ないと思っています。草凪先生が、キャラクターを不幸な状態のまま終わらせることなんてない、と信じています。…ここで、いち読者の着目点、というか、語りたいポイントがあります。じゃあ、「暁のヨナ」の根幹にある問題…「本題」とは、一体どれのことなのか。諸問題の全部を解決しないと終われない…のはもちろんそうなのですが、でもやっぱりその中で、暁のヨナという物語の始まり…「『この問題』が、暁のヨナの核心だ」というものがあると思っています。問題というか、「謎」という言い方の方が正しい気もします。いつだったか当ブログで、「私は、暁のヨナは『群像心情ミステリー』だと思っている」という書き方をしたことがあります。42巻現在、「群像心情」という部分があまりに肥大化し、上記のような問題が山積してて、非常に分かりづらい…というか、わざと分かりづらいようにここまで描かれて来てるのだと思いますが、結局、「暁のヨナは、何を描いている話なのか」?私は、ものすごくシンプルに、暁のヨナの本題は「物語の始まり」…すなわち、「スウォン様の謀反劇」にあると思っています。スウォン様が、何故、あの謀反劇を『あの形』で起こしたのか?暁のヨナを読んでいて、読者が一番気になるのはココだと思います。謀反劇の意図について、スウォン様は最初から、「高華国を強国にするため」だと強調して来てます。30巻台以降は、スウォン様がモノローグで心情を吐露したり、親世代の過去話が描かれたりして、背景について説明をしてくれている…ように見えて…でも結局、やっぱりよく分からない。しっくり来ない。モヤモヤしたままになってる。42巻・243話で、スウォン様とハク様が1巻以降初めて思いっきり話をする展開が来て、この核心だと思われる部分について、ハク様がスウォン様を問い詰めるシーンが出て来ましたね。「なんであんなやり方したんだ!?」って。イル陛下を殺して、ヨナ姫も殺そうとして、追い出して、傷つけて…って。いや…もう、流石、ハク様だと思いました。問い詰めるべき論点が違う。そこじゃない。ヨナ姫に関しては、スウォン様が今回言っていた通りなんだろうな、と思っています。城に居た頃のヨナ姫は、何の力もない小娘だと思ってたし、殺すことになったとしても致し方ないと思ってた、と。それが、死地を乗り越えて帰って来たら、すげぇ目つきになって、周囲の大人たちも掌握できそうな貫禄になっていて、今の彼女なら、四龍を従えていれば、王職もいけると思ってるよ、と。イル陛下が「ヨナ姫は緋龍王の化身~」とか言ってたことについては、スウォン様はもともと懐疑的且つ「だから何だ」というスタンスであり、それが謀反劇の動機にはならないという前提を置いたとして、ですが、ヨナ姫よりも、「高華国を強国にする」方を優先したよ、と言われてしまえば、謀反劇におけるヨナ姫への対応について、スウォン様の行動・言動に特段の矛盾・疑問点はありません。イル陛下については言わずもがなですが、彼が空の部族長としての権力を掌握しており、スウォン様の目指す「強国思想」の妨げとなっていたため排除したよ、と言われれば、そりゃそうですよね、という話です。…もう一人、居ましたよね。あの謀反劇で、「追い出された」超重要権力者が。国家権力から締め出され、国王殺害に関する無実の罪を着せられて、部族・家族と縁を切らざるを得なくなって、終いには追手に追い詰められて崖から落ちて、殺されかけてた人が。史上最年少で将軍職に就いて、風の部族長をやりつつ、ヨナ姫の護衛という名目で緋龍城に上がり、今後も風の部族は、絶対的に親・空の部族であることを周囲にアピっていた、ソン・ハクって人のことなんですけど。若くして誰もが認める圧倒的天才武人で、且つ風の部族内における圧倒的カリスマで、間違いなく今後の高華国の武力面の中核を担っていくであろう宝のような人材であり、コイツが、ムンドク将軍のスタンスを引き継ぎ、絶対的に親・空の部族であることは、空の部族にとって、向こう数十年の安定的な王権体制維持が確約されるようなことのはずです。しかもハク様は、親・空の部族…ももちろんですが、どっちかと言うと、完全に親・スウォン様だったんですよ。空の部族内部で、イル陛下とスウォン様の思想が相いれない場合は、もちろん内容にも寄りますが、イル陛下の権威は保ちつつ、スウォン様の思想の方を推進・実現出来るように立ち回ろうとしたと思うんですよ。第一話段階のパワーバランスを普通に見れば、スウォン様が今後、自身の思想を実現していくに際して、最重要キーパーソンは、間違いなくハク様のはずです。スウォン様にとって「翼」と言いますか、「ハク様が居るから、自身の思想を実現できる」という存在。スウォン様の目指すべきものが、「周辺諸国の制圧~高華国強国化」なのであれば、尚更です。ユホン派のくすぶる空の部族内における、イル王排除~空の部族内部の権力奪取をするやり方も分からなくはありませんが、その辺は「ユホンの意志を継ぐ」ことを前面に打ち出せば、部族内部の実質支持はおおよそ得られるわけで、今後の発展性を考えれば、何よりも優先すべきは、ハク様、ひいてはそのバックの風の部族全体を味方につけるべくの協力要請のはずなんです。なんで「強国化」を目指す政権が、協力的なカリスマ天才武人を排除しようとするんですか。スウォン様に問い詰めるべきは、スウォン政権最大の矛盾…「なんでスウォン様は、謀反劇を『ハク様を追い出すような』やり方で実行したのか?」私は、暁のヨナの本題は、これ↑だと思って、ずっと読んで来てます。実際問題、スウォン政権は、ハク様を追い出して、風の部族の反感を買っておいて、結局、様々な危機的局面を自分たちだけじゃ回せてない。空の部族内の側近たち…策を立ててるんだか何やってるんだかよく分からない参謀や、明らかにトップに据える器じゃない将軍、他部族将軍たちも、分かりやすく裏切る気満々の古参、思慮浅く自己評価の肥大化した武人、事なかれ主義の地蔵…スウォン様は、こんな↑持ち駒で、本気で強国化(周辺諸国制圧)に乗り出していて、うん、その無謀な勇気は称賛に値する…というか、「正気かな?」と思います。ハク様は、謀反劇を発端として、社会的に抹殺されて(というか、自ら消滅して)から、ずーーっと、動くにしてもヨナ姫&四龍の影に隠れながらで、29巻で表舞台に出て来る(戦場で名前・元の身分を認知されながら闘う)まで、30巻弱も「いち個人」としては対外的な存在感を一切消して、押し黙ったままでした。緋龍城に戻ってきて、生存・存在は認知されてもなお、「一兵卒です」「新米兵士です」って言いながら、戦場の最前線で闘って来ました。以前書いた感想の通り、243話はスウォン様がハク様に、こう↓言いに来た回なんだろうと思っています。私は長くない。あなたにここで死なれちゃ困る。戦線を離脱しろ。ヨナ姫と後のことは頼む。簡単に言うと、ハク様を戦場の最前線で本気で殺しかけて、スウォン様がようやく「折れた」というか。ハク様が名無しのいち兵士として、戦場で命がけで闘ってしまうのを止めに来た、…んだろうな、と今のところは受け取っています。スウォン様をここまで持って来れたから、作品として、ようやく四龍問題にも大々的に突っ込んでいけるんだな、と思って読み進めています。物語はちゃんと進んでいるとは思ってるんですが、いかんせんこじらせどころが多過ぎて、まだまだこの先も全っっ然長いんだろうな、と思っています。感想記事も、ゆるゆると無理のないペースで上げていけたらいいな、と思っています。by姉
2023.10.28
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京都に行ってきました。大好きなものにまつわる場所だけを、かなりピンポイントにめぐる、超ミーハーの旅でした。簡単に写真付き日記です。①近江神宮*実際は、京都ではなく滋賀県(琵琶湖畔)です。百人一首の1番が天智天皇の和歌であり、その天智天皇を祀っていて、かるたの名人・クイーン戦や全国高校選手権大会を行う近江勧学館が併設されています。昨年、原作の最終回後にハマりにハマっている「ちはやふる」は、作中の超重要かるた大会シーンの多くが、この会場で行われてます。42巻以降は、名人・クイーン戦の5番勝負が延々と続きますが、勧学館だけではなく、境内でもドラマチックなシーンがいくつも展開され、まるごと余すことなく聖地でした。ちはやふる熱が高い状態のまま、妹と二人で訪れることが出来て嬉しかったです!追記: 続編 『ちはやふる plus(プラス) きみがため』連載の告知がされましたね!とても楽しみです♪◆一の鳥居~二の鳥居間の表参道。一の鳥居から歩いてみましたが、かなり大きな森でした。◆楼門二の鳥居をくぐると、広場(駐車場)があり、少し北に逸れたところからの近江神宮の象徴的な絵面である、楼門。これだけ浮いて真っ赤で、他の建物との色合いの違いが凄くて。非常にエンタメ的と言うか。…面白いですね。楼門をくぐると、一般的な境内というか、広場があり、楼門づたいの壁には、百人一首の絵札が順番に飾られていました。◆外拝殿その先に大きな拝殿があります。ちはやふる5巻で、ちはやちゃんと詩暢ちゃんがすれ違った時のアングル!◆外拝殿~内拝殿の空間外拝殿を登ると、内拝殿が見えて来ます。一般客が入れるのは、外拝殿まで。内拝殿は、更に神事・祈祷を行う方のみが入る形です。(内拝殿の先に、本殿があります。)この空間は、非常に雰囲気があって、特に感動しました。ちはやふる本編で名人・クイーン戦が始まってから、42・44・47~48巻で、朝・昼・夜の3回に分けて、この場所における「(近江神宮が手助けをしたと受け取れる)邂逅」シーンが描かれますが、本当にとっておきのシチュエーションだったんだな、と改めて感じました。ここ…!48巻で新くんがソースカツ丼かっくらったのはこの辺…もうちょっと向こう側!?(←色々幻覚を見る観光客)◆近江勧学館かるた大会自体が行われる会館。会館の中には、自由に入って見学することが出来ました。休日だったこともあり、実際にかるたを行う各会場は全て貸スペースとして埋まってしまっていたので、見学叶わず…でした。それでも全然、見どころが多過ぎて、全然大満足できました。アニメ版のパネルや、映画撮影時の小道具が並んでいました。最終回で、チームちはやふる3人が抱き合っていた階段…!数々の印象的な名シーンを生み出した、2階ロビーの椅子…!末次先生の生原画も飾られていました。1枚絵で見応えがあるなぁ…!ファンのコメントを書き記すことのできる「机くんノート」があり、現在の20冊目は、末次先生の直筆イラストが表紙を飾っていました。瑞沢かるた部カワイイ。原作オリジナルイラストのクリアファイルをはじめ、お土産もたくさん購入できました。あなたの運命の札は…?という謳い文句のかるた札のおみくじ(読み札・取り札)もそれぞれやりました。左2枚が妹の引いた札。絵札の方、この蝉丸の歌好き。羨ましい!取り札は、先ほど見た「机くんノート」に描かれている札(20番の札)じゃないか。羨ましい!右の2枚は私なのですが…えっと…これなんだっけ。たぶん、ものすごい恋愛~~!って感じの2首ですね。うん。百首を全然覚えれてないことがよく分かりました。いやぁ~、超良かったです!帰って来てから、ちはやふる本編を読むと、解像度が格段に違っています。「分かる!ここがどこだか分かるぞ!」って楽しんでます。主人公たちがどこに居るのかふわっとしたような作品でも、漫画作品としては全然問題なく読めますが、ここまで実際の場所がはっきり分かる作品にハマることがあまりなかったので、私たちにとっては新鮮なオタ活でした。これが聖地巡礼か…!楽しい…!その2に続くby姉
2023.10.21
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10記事を軽く超えていますが、まだまだ書きます、ちはやふる感想。今回は、非常に漫画狂的な、物好きな観点の感想だと思います。ちはやふる 感想-その11末次先生の過去作とちはやふるのハイブリットなラブストーリー描写について*以下、ちはやふるの原作と、末次先生の過去作品をざっと読んでの、いち読者の好き勝手な感想です。全部想像で書いてます。ちはやふる本編や過去作のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。**2024/3/17追記しました。*ちはやふるという漫画作品の最大の魅力は、もちろん、これまでほとんど本格的にエンタメ作品の題材とされて来なかった「かるた」を、場の空気感・緊張感まで使って鮮明に描写し、知力・体力面で限界を超えた闘いであることが説得力を持って伝わってくる点、高校生の団体戦を、青春スポ根モノとして熱く描写しながら、それだけではない、老若男女・学生~社会人まで、様々なバックグラウンドを抱えた方々が、かるたというフィールドに向き合う姿が、多様な価値観で描かれている点、また、「かるた」の文化的背景…百人一首自体の咀嚼や、着物・袴やかるた札といったかるた文化にまつわる周辺文化の深堀り等、だと思います。これらが、女性向け・少女向け漫画作品とは一線を画す、特出すべき部分だと思っています。ただ、ここまで何記事も、ほぼそこメインで語りたくって来た通り、いち漫画好きとして、本作の一番ヤバい…というか、語りつくすべき最大の見どころは、「恋愛感情部分」だと思っています。ちはやふるの「恋愛感情部分」…これは正直、読解がすごく難しいと思います。ものすごい情熱的な感情が、さも当たり前みたいな顔をして、ものすごいハイブリットに織り込まれているからです。■感情面(特に葛藤・心理的ハードル)に特化した恋愛漫画について私は、本当に作り込んであるラブストーリー漫画作品の読解は、ものすごく難しいことだと思っています。「感情」は、キャラクター周辺環境の設定を繊細なところまでひねり回して、作り込むものなので。現代日本を舞台にしていたとして、持って生まれた能力や性格があって、その上で周辺環境…住んでいるのが都市なのか、田舎なのか、家が家業をやっているのか、サラリーマン家系なのか、またいずれでもないのか、家族構成や兄弟の有無によっても、立ち位置の振り方の意識は大きく変わって来ます。↑これらを、ちゃんと最低2人分描いたうえで、きちんと掛け合わせて、ラブストーリーは成り立つと思っています。特に、少女漫画…少女主観の「恋愛」感情は、テンプレ的に「結婚」へ繋がることを前提とするなら、恋する相手によって、主人公の今後の人生が大きく変わって来ますから。葛藤部分をちゃんと作った上で、最後きちんとハッピーエンドに持っていけるように設定を作り込むのは、作品の成否を分ける重要な部分だと思っています。「感情」を作り込む方法については、様々な手法があると思いますが、一番スタンダードなのは、「これ」という面白味のある感情を掴んで、その感情を描くために、キャラクターの周辺設定を全部作り込んでいく方法かな、と思っています。ちはやふるにハマって以降、末次先生の過去作品をざっと読みまして…先生の物語の作り方は、基本的にこの↑スタンスなのではないかな、と感じました。ここで、いち漫画好きの着目点の話になります。上記のような、感情面に特化した(恋愛)作家様の作品を複数作追いかけてみると、下記2つの特徴を見て取れることが多いと思っています。特徴1:言葉で感情を説明しなくなる。作家様の初期の作品は、感情に関して、セリフやモノローグでくどいくらい説明していたものが、だんだん無くなっていく。というのも、そもそも「キャラクターの周囲の設定」を、感情想起に向けて作り込んでありますので、「このキャラクターの立場を考えれば、言わなくても分かるじゃん」って書き方になって来ます。それとやっぱり、「自分の感情」に関するモノローグって、そもそも存在が不自然なんですよ。日常生活の中で、脳内で自分の感情を言語化するようなことは、ほとんどない。ショックを受けた時とか、自分がショックを受けたのかどうかもその瞬間には分かりませんし、ましてやそれを人に上手に説明調で言語化するなんて、絶対できません。恋愛感情が脳内で言語化されることなんて、現実世界ではほとんどないと思います。感情のモノローグは、本当にキャラクターの感情を説明するために仕方なく書いてるもので、キャラクターをより自然なテンションで描こうとするほど、ノイズになるものだと思っています。感情に特化した作品は、やはりだんだん、キャラクターが脳内言語化を省いて、言語化を待たずに行動し始めるようになっていきますし、読者もその描き方に慣れていきます。※ちはやふる内では、終盤に至るまでモノローグがかなり多用されています。ただしそれらの特徴として、かるた競技という尋常ではない集中力を要する競技線における、トップアスリート達のセルフメンタルコントロールの側面がかなり強いと感じます。印象的なモノローグがあったとしても、実際にキャラクターが「そう思っている」わけではなく、セルフメンタルコントロールの一環で「そう思おうとしてる」ことを脳内で言語化してる。スピーチ前の「みんなじゃがいも」と一緒です。もちろん、本当に聴衆が「じゃがいも」だなんて思ってません。でも「じゃがいも」だと思おうとすることで、緊張を抑えるメンタルコントロールをしてる。特に30巻台の名人・クイーン戦予選以降は、個人戦の臨場感・複数人の主観の漫画画面への落とし込み…そのキレ方がとんでもないことになっています。読むときは、モノローグ自体をそのまま「これがこのキャラクターの心情だ」と受け取るのではなく、キャラクターが「こう思おうとしている」ことで、実際には何を行おうとしているのか、キャラクターの自身・周囲への働きかけという「行動」ベースで捉える必要があります。特徴2:作品の中で成熟した感情を、次の作品に持ち込んで、更にひねって出してくる。「感情」は、いち作品の中で、キャラクターが行動でそれを体現することで、より強固になっていく…成長というか、成熟していくものだと思っています。特に連載作品です。いち作品としてのまとまりは、当然読み切り作品や1冊で読み切れる作品の方があると思いますが、ただ連載作品の面白さは何より、感情の成熟過程を見て取れることだと思っています。感情に特化された漫画家様の中で、前作で成熟した感情や、キャラクター同士の関係性を、次の作品にどんどん転生させているんだろうな、と思う作家様が居ます。既に成熟しきった感情を持ち込むわけですから、次の作品は最初からキャラクターの行動・言動が飛んでいて、その作品から読み始めた読者は、「なんだコレ、なんだコレ…」と戸惑いながら読むことになります。キャラクターの爆発的な感情と行動が先走り過ぎて、読者は正直ついていけてないんですが、でもなんかすげぇ感情があるのが分かるから、面白くて読む。ちなみに…上記の特徴1、2で見て取れる感情特化の作家様として、個人的に真っ先に思い浮かぶのが、あだち充先生です。*以下、オレンジ文字箇所、あだち先生の作品の語りです。*あだち先生の作品は、ほぼモノローグやセリフで感情の説明はしません。また、キャラクターが表情を大きく変える…激高したり、泣き叫んだりする場面も極端に少なく、主人公は常に飄々としている印象で描かれます。(まさに「あだち充節」と感じるところです。)でもいち作品毎に、その作品独特のものすごく重たい感情・葛藤があります。あだち先生の主人公は、「みんな顔が一緒」と言われることが多々ありますが、キャラクターに寄って抱えた状況・葛藤が異なるので、性格や言動行動はかなり違います。設定で作り込んでありますので、キャラクターの表情が変わらなかったとしても、ものすごくこの出来事のことを気にしてるとか、ショックを受けてるとか、この人に対してすごく遠慮してるとか、ちゃんと分かります。極力言葉で説明せずに、激重の複雑且つ繊細な感情をきちんと伝えきってくる…このあだち充先生の描写技法は、感情特化のクリエイター様の憧れなんじゃないかと思います。また、あだち充先生の作品の感情の作り込み過程には、2の特徴…前作で成熟させた感情を、次作以降に転生させ、更にひねって複雑にしてくるやり方が見て取れます。「タッチ」の設定も、それ以前の脚本家様が付いて描かれていたころの作品「夕陽よ昇れ!!」等をベースに、ひねったものなんじゃないかな、と想像しています。たっちゃんのかっちゃんへの遠慮や、初っ端から周囲の認識などガン無視でたっちゃんひとすじの南ちゃんとか、人物配置設定自体から、想起させる感情がかなり複雑なので。いきなりあの設定は出てこないだろうと思います。あだち充先生は、特に「タッチ」「H2」「クロスゲーム」「MIX」といった野球モノが、基軸の渾身作としてあると思っており、その作品を描かれる直前に、「感情を成熟させるための、遊び幅をゆったりと持たせた連載作」を走らせていると思っています。「クロスゲーム」の前作・「KATSU!」は、単体としてはかなり緩い作りのボクシング漫画ですが、ここで成熟させた、ヒロイン・香月(かつき)ちゃんの、自身の叶えられないボクシングへの情熱・夢を、ヒーローに託す感情は、次作「クロスゲーム」内の、ヒロイン・青葉ちゃんがヒーロー・光くんへ向ける感情としてガッツリ登場して来ました。※「クロスゲーム」は、夭折した若葉ちゃんの存在等、あだち充作品中随一のしんどい複雑激重設定で雁字搦めにした作品だと思っており、設定で追い詰め過ぎて、最後の方は青葉ちゃんが全く身動きが取れない状況になってて、可哀そうでした(超名作です)。現在連載中の「MIX」は、おそらく先生ご本人も、「大作としてはラスト作」と思って走らせている作品だと思いますが、連載前に、亡くなったお兄さんとひたすら対話をする作品「QあんどA」で、描くべきものを詰めていたんだろうな、と思っています。ちなみに、感情特化の作家様としては「暁のヨナ」の草凪みずほ先生もガッツリ上記の2つの特徴が見て取れる作家様だと思っています。要するに、私はこういった感情面に特化した(恋愛)作家様 が大好きなんです!■末次先生の過去作の注目どころについて前置きが長くなりましたが、この記事で一番語りたいのは、ちはやふるの(千早ちゃん&太一くんの)恋愛感情の作り込みとして、上記のような感情特化の作家様の物語構築過程と似たものを感じるよ、という点です。以下、末次先生の過去作品の中で、ちはやふるの恋愛感情面に繋がる作り方が見て取れる作品の注目点の列記です。※前提として、どの作品も純度100%のラブロマンス作品です。・君のための何もかも(1996年・全1巻)中学時代、情熱を傾けた陸上を、膝のけがで辞めざるをえなかったつぐみ。彼女を支えた翔(なつる)とともに高校に進学したつぐみは、なつるの義母兄・ショウと出会う。末次先生の初連載作品だそうですが、本作の三角関係のバランス・描き方が、「ちはやふる」の連載開始段階で想定していた描き方に近いところがあるんじゃないかな、と思っています。The・構成遂行型!なラブロマンス作品です。なつるくんの方を好きになった方が周囲も納得だし、そちらの方がいいのは分かっているんだけど、どうしてもショウくんの方に運命的なものを感じて、惹かれてしまう…という、ザ・三角関係モノの感情ですね。ちはやふるも、最初はこの作品と同様に「ヒロインがどうしても運命的に惹かれてしまう存在=新くん」という形で仕掛けてたんじゃないかな、と思います。つぐみちゃんとショウくんの運命的な出逢いの象徴として桜が使用されていたり、末次先生のモチーフの使い方の定石を見て取ることが出来ます。・Only You-翔べない翼ー(1997年~・全8巻)末次先生初の長期連載作品。ちはやふるでは、かるた界隈への取材を元にリアルな立体感のある社会を描ききっていた作家様ですが、初期作の印象は「アナタとワタシだけで成り立つ世界、まさしくonly you!」という社会性?現実感ナニソレ?みたいな、ゲッテゲテなロマンス作で面白かったです。2年前、手術で視力を取り戻した少女・こころ。彼女が光とともに出逢ったのは、一学年上の国見真(しん)。人を寄せ付けようとしない彼は、本人も持て余す超能力を抱えていた…。この作品は、読んでびっくりしました。ちはやふる内で、(しっかり描かれているんですけど)言葉ではほぼ説明されていなかった千早ちゃんの、特に作品後半における恋愛観が、この作品内で既にしっかり出来上がっており、丁寧に説明されていました。相手を「半身」と言い切って、一緒に居ないと未来が見えない感じとか…ヒーローとヒロインが一度離れる展開を経てからの、超能力を怖がる気持ちがあると、ヒーロー(超能力者)に筒抜けなので、本当に強くならないと、一緒に居られない!とヒロインが自分を作り変えていくところとかですね。…いや、太一くんは超能力者じゃないんですけどね。でもそれに近い観察眼の持ち主なんで、千早ちゃんの考えてることとか即バレしますので。・エデンの花(2000年~・全12巻)13年前、両親を火事で失い、別々の場所に引き取られた兄妹。サンフランシスコで育った兄・時緒は、来日し、生き別れの妹・みどりを見つけ、引き取り先で虐待を受けていた環境から連れ出し、一緒に暮らし始めるが…。ちはやふる以前の、末次先生の代表作だと思います。キャラクターの感情が走って、キャラクターの目に映る世界がどんどん鮮明に広がっていって、それに呼応して漫画画面自体もどんどん鮮明になっていく、感情の成熟がよく見て取れる作品です。本作品をヒットさせたのは、間違いなくヒーロー・時緒さんのキャラクターだと思っていますし、本作を力強く回すのも、彼の激重な感情です。ずっと独りにしてしまっていた生き別れの妹に、なんでもしてあげたい、そのために生きるのが俺の人生だとすら言い切る、病的なまでの愛情ですね。この時緒さん:「お兄ちゃん」が、もう見るからに、太一くんの原型と言えるキャラクターだと思います。またそれ以外にも、ちはやふる内で見て取れる定義・感情がそこかしこに散見されます。家族で幸せに過ごした時間を「エデン」と定義して2人で共有するところや、みどりちゃんの、ひたすらお兄ちゃんに甘えることが出来る幸せな感情、お兄ちゃんの、みどりちゃんと同級生のボーイフレンド(由鷹くん)が幸せになって欲しい、譲らなきゃという感情ですとか、みどりちゃんの、お兄ちゃんと一緒に居たいから、「妹」ポジションを手放したくなくて由鷹くんへの感情を「こっちが恋愛だ!」と頑張って定義しようとする感情、時緒さんが、実はアメリカで飛び級しまくってきたような超天才努力家で、引き取り先の二階堂家(巨大グループ企業経営一族)の中で、跡目も視野に入れた形で期待されまくってたり、そこに対してみどりちゃんが恐縮してしまう感情ですとか…本当にいろいろ。ちはやふるの、特に前半の恋愛面の描写は「エデンの花のこの部分だ、この感情に相当する動きだな」と読み解けるというか… 本作は、ある種の「ちはやふる恋愛面解説本」みたいな形で楽しみました。・Silver(シルバー)(2005~、2巻刊行)近未来。有望なバレーボール選手だった青葉は、ケガで選手生命を絶たれる。絶望の中、彼女に声をかけて来たのは、不思議な空気を纏ったクラスメイトの少年・銀。実は彼は、天才科学者が秘密裏に製作したロボットだった。ロボットの銀くんと接する中で、確かに感じる「心の動き」に惹かれていく青葉ちゃんですが、銀くんが故障や大型オーバーホールで姿を変えて来る度に驚き、戸惑います。ただ青葉ちゃんが毎回それを受け入れて、本質を捉えて愛していく…というラブストーリー筋がメインの作品なんだろうな、と受け取っています。このヒーローがコロコロ変わって登場してくる中で、本質を捉えていく観点は、ちはやふるの26巻の退部以降、特に34巻からの名人戦予選・東西戦で、(意図的に)周囲への態度・スタンスを大きく変えて登場してくる太一くんと、読者はもちろん、周りの大人キャラクターたちも若干戸惑う中で、一人だけ(心の中で)「イイねボタン」を連打しまくる千早ちゃんの描写に、その片鱗が見て取れるなと思っています。■ちはやふる内での、過去作品の感情の表出についてちはやふるの恋愛部分の読解が難しいのは、末次先生の過去作…特に「Only You」+「エデンの花」の、少女漫画にしてはかなりの巻数をかけて成熟させ切った感情が、うっかり顔を出しているからだろうな、と感じています。正直「Only You」「エデンの花」の2作で描かれている感情要素で「ちはやふる」の恋愛感情面はおおよそ説明可能だと思っています。ただこれは別に、ちはやふるの連載開始時から意図して過去作の感情を投入しようと思っていたとは考えていません。「Only You」も、「エデンの花」も、基本的にはラブロマンス作品として、その「感情」を描くためにキャラクター配置を全部作ってあるような作品なんです。かるた競技に打ち込む高校生たちの青春モノに持ち込むには、あまりに重く、病的な感情なんですよ。1~2巻の描き方を見る限り、千早ちゃんと太一くんは、かるた部を一緒にやる幼馴染同士として、もっとケンカップルっぽくする予定だったんじゃないかな、と想像しています。お互いに軽口をたたき合いながら、わいわい部活をやるイメージでいたんじゃないかな、と。ただ太一くんが、末次先生の従来の典型的なヒーロービジュアルだった点や、中学時代に別の学校に通っていて、その間千早ちゃんがかるた仲間を作れなくて寂しい思いをしていたり… という状況が揃っていたこともあって、うっかりエデンの「お兄ちゃんの感情」が出てきちゃったのかな…と。また、太一くんがそもそもかるたにトラウマを抱えていたので、ケンカップルのノリでは普通はやらない…千早ちゃんが笑ってくれるから、トラウマ抱えてても、一緒にかるた頑張っちゃうようなマインドの子になっちゃって…千早ちゃんも千早ちゃんで、そもそも小学生の頃から、(太一くんが「よそ者ハブ」とか言ってるにも関わらず)「太一は優しい」と、ずっと太一くん完全肯定でしたし、太一くんが、千早ちゃんの「かるたをやりたい」という気持ちを誰よりも大事にしてくれていることを真正面から受け取って、嬉しくて嬉しくて仕方がない! ってなっちゃって。お互いに激甘過ぎて、全然ケンカになりませんでした。太一くんは、大事な娘は自然と「お姫様扱い」したい子だと思うんですが、千早ちゃんが嫌がるのと、また周囲の反感を喰らう恐れもあるため、配慮して…でもやっぱり甘やかしたいし、千早ちゃんも全力でそれに乗っかるし、高校生になって早々に「おじいちゃんと孫」のような、お前ら、それは同級生同士で作っていい関係性じゃねぇよ、不健全だよという、他作品では感じたことのないヤバさを感じて、面白かったです。■1~2巻までの事前の構成と、3巻以降の作りについて1~2巻は、お話の作り方や描写を見ると、基本的には「新くんを正ヒーローとする」前提の構成・仕掛けが見受けられます。第一話がそもそもアレですし…高校生になって、太一くんが現れたシーンのアップよりも、福井で新くんに逢うシーンの方が見開きで大きく取ってあったりとか、太一くんの方が早いのに若葉モチーフを背負って登場しているのに対し、新くんは満開の桜モチーフを背負って登場したり とか。福井に戻ってからの「祖父の死」という設定自体も、千早ちゃんがお菓子の包み紙にメッセージを書いていく等の細かなエピソードも、新くん関連の方が、事前段階で脚本的に全然作り込んであると思います。…ただ、自由度を持たせてた(というかあまりしっかり考えてなかった)分、いざ走らせてみたら、太一くんの方が(過去作で成熟させた感情が顔を出しつつ)ものすごく面白い動きをするし、太一くんに対する千早ちゃんの反応が、明らかに大きい。2巻で、高校入学後に太一くんが現れた時の千早ちゃんの喜び方は半端なかったですし、A級昇格を決めた試合の後に、太一くんにガッツリ抱き付きに行くなんて…プロット段階では描く予定はなかったんじゃないかと思うんですよ。…千早ちゃんが勝手に動いたのかな と。その後、すぐに2人で新くんに会いに福井まで行く展開になるのですが、その道中でもずっと、千早ちゃん・太一くんがワチャワチャしてて勝手にどんどん面白い会話をしだして…そしていざ千早ちゃんを新くんと逢わせても、(脚本を超えてくるような)生き生きとした会話は生まれず…なんなら、そこでもほとんど太一くんが話を回しちゃってる印象でした。2巻のラストで、事前の構想通り部活を立ち上げて、奏ちゃんを出して「ちはやふるは真っ赤な恋の歌」という解釈の面白さを定義して、ここまで描いて、太一くんに3巻以降の舵取りを任せたのかな、と受け取っています。太一くん…この子は、脳みそが課題解決や目標到達で出来てるミッション遂行型の超仕事脳人間でしたので。千早ちゃんにトロフィーをあげたい、更にその先、千早ちゃんをクイーンまで押し上げたい、…その道筋に向け太一くんが「ああしたい、こうした方がいい」ってすごい勢いで提案してくるので末次先生も、もう好きにさせたんじゃないかな、と。そしたら、3巻がもう…あんな感じで。太一くんが瑞沢かるた部構築に向けて、全力で暴走して。いや本当に勝手な想像です。ですけど、やっぱり3巻以降の勢いと面白さは脚本云々で語れるモノではないと思うんですよ。多分末次先生も、3巻は描いた記憶がないんじゃないかな、と。隔週連載で、1話1話をあの濃度で回すのは、普通じゃないので。「話を練って考えた」というより、「太一くんの思うがまま、やりたいがままに『任せた』」3巻・第十三首の、かるた部で合宿をする回とか…部活組織体としての役割配置の確定(部長・キャプテン等)と、かるたの基本部分の解説、太一くんの家庭環境の詳細を描写しながら、少女漫画としての恋愛面のハードル設定を匂わせつつ、スポ根ものとしての描写を確立しながら、立ち上がったばかりの組織体の不調和からの、千早ちゃんのバースデーお祝いを転機としたひっくり返し…最後は、新くんからのメールで太一くんが三角関係モノとしての「可哀想ポジション」を自己演出して締める、という、たった1話の中で、あまりに見事に話を展開させていて、信じられませんもん。過去作(エデン)を読んで、ヒーローが(仕事)仲間たちと一緒に、ヒロインのバースデーをサプライズで祝う準備をしておくシーンとかが既に大々的に出てきていて、なるほど~!とすごく納得しました。このエピソードは、太一くんが千早ちゃんに喜んでもらうだけでなく、かるた部の結束感醸造も意図して、わざわざ他の3人にケーキを買って来てもらってるのがよく分かるので。高校一年生男子のスキルとしてはあまりに飛んでいて、最初読んだ時にびっくりしたシーンでしたが、既に成熟した感情・エピソードとして、スピーディ及び非常にハイブリットな形で、ちはやふる内に顔を出していたのか、と。ここから、最初の団体戦描写…地区大会予選へ突入していくあたりは、読者・編集部内・講談社内(管理職レベル・男性陣含)のリアクションも爆発してたと思います。「なんだコレ、すげぇ!とにかくこのキャラクター(太一くん)、すげぇ!」って。で、どうも3巻発売直後に「マンガ大賞2009」受賞が来ているようです。新設されたばかり(2回目)で注目度が高く、かつ少女・少年~青年漫画までの総ジャンルから選出されるこの企画。大賞に選ばれることは、作品にすさまじい箔と栄誉が与えられる事でした。おそらく、末次先生が本連載作品を立ち上げるに至るまでの経緯からは想像も追いつかないような、驚くほどスピーディーな大逆転劇です。ただ、あらゆる目線をねじ伏せる圧倒的なパワーが、この3巻までで誰にでも伝わる形になっていた… というのは、本編を読めば非常に納得できます。そして3巻の段階での、この驚愕すべきムーブメントの立役者が太一くんである点、また彼の存在が、主人公・千早ちゃんのパワーの源泉になっている点は、末次先生・編集部双方の手応えとして、確固たるものだったんじゃないかな、と思います。ここからの、4巻の最初の全国大会の描写。このあたりで末次先生・編集部と共同で、ちはやふるという作品の今後の展開について、大枠の確認/組み直しをしているんじゃないかな、と想像しています。「千早ちゃん・新くんがクイーン&名人になる話」の基軸は保ちつつ、瑞沢かるた部をどう描いていくのか、太一くんのかるた軸をどう描いていくのか、ラブストーリーをどう展開させていくのか。全国大会の団体戦で千早ちゃんが体調不良で離脱する展開。今後当然メディアミックス展開が予想されるので、メディアミックス用としての山場を瑞沢かるた部の2年生・夏の団体戦に持ってくることを念頭に置いた展開だと思います。また本当に想像ですが、この4巻の段階では、団体戦をより一層魅力的に描くに値するヒアリング・ネタ集めが不足している、という判断もあったかもしれません。ラブストーリーとしては、早々にここまで片方が羽ばたいてしまったため、三角関係に新くんをどのように絡ませていくかは悩みどころだったと思いますが、試合中に倒れた千早ちゃんを、太一くんが抱えて会場の外に出て、居合わせた新くんに託すシーン。 このシーンは非常に印象的に描かれていたと思います。ここで、太一くんが新くんに「譲っちゃう」…ここが、ラブストーリーとしてのハードルだ、三角関係でないと描けない面白さだ、と方向性を定めたのかな、と感じました。あともう1点、ここでしっかりはっきり、千早ちゃんに「最終確認」をしているんだろうね、と妹と話してます。全国大会直前に、突如として奏ちゃんより提示された万葉集の和歌『茜指す 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る』(あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる)現夫の領地内で、元夫がこちらに袖を振って好意を伝えて来て、見張りたちに恋心がばれないかドキドキ…!という、突然どうした?な内容の歌。百人一首でもないこの和歌について、奏ちゃんが図解までして説明した後に夏の全国大会に向かうわけですが…おそらくこの和歌自体が、今後の展開のメタ的な概要説明だったのかな、と。3巻までで既に、千早ちゃんが本当に太一くんが居ればそれで良さそうで、「私はもうココ(瑞沢かるた部)に永住しますが、何か?」みたいな雰囲気ですので、もう分かってはいたと思うのですが…念のため。作り込んであった新くん主観の過去話をきちんと出した上で、(かなり無理やり)千早ちゃんと新くん(元夫)の2人きりのシチュエーションを作って、「さぁ!近江神宮で、夢にまで見た、逢いたかった新くんだよ!…どうかな?」って千早ちゃんの反応を窺ったんじゃないかな、と。結果はまぁ…(当然といえば当然ですが)千早ちゃんは「(瑞沢かるた部の試合に)戻るうぅぅぅぅ!!」と泣いて嫌がったというか…。※もちろん、新くんの所に居るのが嫌…というわけではなく、この時点での千早ちゃんの原動力の根幹は既に「瑞沢かるた部」であり、連載立ち上げ時に据えていた「新くんに向かうこと」ではないことがはっきり形になった、という意味です。上述して来たように、作品の今後の展開について、大きな枠組みでの方向性は、この4巻で、きちんと各キャラクターの反応を再確認した上で、組み直しているのだろうな、と想像しながら読んでいます。■千早ちゃんの恋愛観・テンションについて最後に、本作で一番読解が難しい?と思われる、千早ちゃんのテンションについて。妹は、少女漫画では「女の子の主観」に感情移入して読み進めることが多いです。(私は、逆に男の子主観の方が入っていきやすい…)特に「ナチュラルに、若干病的な恋愛観」を持った女の子が好みみたいです。お前っ…!って突っ込みたくなる、偏った価値観が一番の見所!という娘ですね。こんな妹にとって、綾瀬千早ちゃんのキャラクターはドストライクだったようで、「千早ちゃん…この娘、ヤバいから!太一くんのこと好きすぎるから!マジで病気だから!この娘のテンションについていかないと、この作品面白くないじゃん!」と喜々として語ってくれます。以下、妹が好き勝手に語る千早ちゃん像(特に恋愛面マインド)についての列挙です。◆千早ちゃんの「好みのタイプ」と「依存体質」についてこの娘の好みのタイプは「かるたが強い人」だと思われがちだけど、実は「派手な人・努力家な責任感のある人」なのでは。だから本当に好みドストライクなのは、太一くんの方だと思う。…後期に発売されたファンブックには、好きな異性のタイプに「自分の道をしっかり持っている人」との記載が。ーなるほど。千早ちゃんのこうした人格形成の根幹は、やっぱりお姉ちゃんの存在によるものが大きいと思う。千早ちゃんは根本的に依存体質の娘で、自分よりも、身近に居る「溺愛&自己同一視している存在(お姉ちゃん&太一くん)が中心に居る世界」に居心地の良さ&悦びを見出す娘だと感じる。正直、高校生になってからの太一くんへの執着・依存っぷりと比べれば、身内のお姉ちゃんに夢をのせてた小学生時代の方がはるかにマシだったようにも見える…。◆小学生の段階ですでに、自分もいやがらせされてるにも関わらず「太一は仲間には優しいのになー」とか言い放っていて、スゴイと思った。もう太一くんが何やったとしても、多分この娘は全肯定するんだろうな、と。◆この娘にとって、太一くんと新くん以外の男の子はほとんどじゃがいもに見えてるんじゃないかな。認識としては、たぶんこんな感じ(超偏ってる)↓太一くん=神と推しの結集体。この世界を照らす太陽。その上でめっちゃ優しくて甘えられる存在。自分の半身であり、求めるものの全て。お父さん、原田先生=個体認識している、唯一無二の存在。大好き。新くん=かるたの化身。かるたメンタルを共有し、離れていても分かり会える運命的な存在。一生好き。肉まんくん、机くん=非常に出来の良い、超頼れる身内&師匠的じゃがいも。大好き。かるたやってる男性=志しを同じくする、無くては成らないじゃがいも。好き。そのほか=じゃがいも。※千早ちゃんが男の子に対して異常に塩対応なのは、美人だからこその処世術でもあるんじゃないかな。◆逆に、周囲の女の子達には嫌われたくなくて、すごく気を使っている気がする。やっぱり美人で、普通にしてても遠巻きにされたり妬まれたりするので。特に太一くんとの関係は、小学生の頃から「そう」見えないように振る舞ってたと思う。そして高校2年生になって、待望のかるた部の後輩が「太一くんに恋して入部を決めた」菫ちゃんだったので、もう何が何でも「自分も太一くん大好き」だとは気取られたくない。17巻で突然「新が好きなんだ」とか頑張って思おうとしたのも、その前に、高校選手権B級個人戦で優勝した太一くんとイチャついてる場面を奏ちゃん・菫ちゃんに目撃されて「やっべ!」と思ったのも影響してるのでは。(ただ26巻バレンタインの段階に至っては、隠す余裕もなくなっててだだ漏れだった)この観点で考えると、太一杯の優勝賞品に「太一くんのキス」なんてとんでもないものをぶっこんだのも、準備を頑張り過ぎた結果「千早ちゃんは太一くんが大好きだねぇ…」という周囲からの視線を察知して、「そういうの(恋愛)ではない」ことを強調したくて、最後に付け足した超余計な付属設定だったのでは。◆千早ちゃん的には、太一くんと新くんを同列に並べて考えたことは一度もない。「会いたい人は」と問われれば、それは新くんになる。「この感情が恋!?」と思おうとしたこともあった(17巻)けど、そのあとすぐに忘れ去った模様。太一くんは、作中一貫して「ずっと一緒に居るべき人」「太一くんの居ない未来」は、選択肢に存在しない。2巻:太一くんと2人で畳を部室に運んだ瞬間、秒で「エデン」は完成した。3巻:サプライズバースデーからの、太一くんの「千早 お前が笑ってりゃかるたは楽しい」で、この娘は人生の最高地点(喜び)に到達した。そして「千早 おまえは息をするだけで勝てる」で深い呼吸が出来て視界が一気に広がった時から、この娘は自身の呼吸器系を太一くんに預けたんだと思う。ここからは冗談抜きで、太一くんが居ないと「死ぬ」フェーズに入ったのでは。~15巻:太一くんは基本的にモテ過ぎるので、(場を壊さないように)周囲の女子達に対してキチッと線引きして振る舞う子だと思う。千早ちゃんはちゃんとそれを分かってるし、そもそも自分自身 恋愛したいタイプじゃないので「私達は深いかるた愛で繋がっている!そして自分は絶対太一くんに恋なんかしない!だから一番近くに居れるんだぜ!」って思ってたんじゃないかなぁ。17巻~:将来を少しずつ考えなくてはいけない時期になったけど、千早ちゃんは「太一くんの未来・将来を具体的に考えること」だけは拒絶していたように見える。おそらく家業の病院を継ぐ道を進んでいくであろう太一くんの未来に、かるた(一緒に居れる場所)を見いだせなくて怖かったんだと思う。26巻~:本当に、マジのガチで死刑宣告だった。本当に一回死んだし、世界は終了した。でも新くんの創部を受け&自分が立ち上げた瑞沢かるた部への責任感から、なんとか「かるたマシーン千早」として蘇えることに成功した。31巻:会場に現れた太一くんを認識して、自分と未来を取り戻した。これ以降のこの娘は基本「どうやったらこの先、太一くんと一緒に居られるか」しか考えてないと思う。生死がかかってる。34巻:「今までのようにはいかないからね」と線引きをしつつ、でもだんだん優しさがにじみ出ちゃう太一くん。千早ちゃんは「やっぱり、一緒に居ればこっちのモノだ!」と確信したんだと思う。35巻~40巻:「太一くんが居るか・居ないか」に大きく左右される自分の気質を自覚して、だんだん「(ちはが無いけど)太一がいる」「(自分は取れてなくても)太一が取れてるからいい」とか、かるた試合中のセルフメンタルコントロールに太一くんを利用し始めた所は、超面白かった。40巻:新くんとの東西戦で、太一くんが「やりきった」事が分かったので、千早ちゃんは明確に「これ以上、太一くんにかるたを求める事は出来ないな」と諦めが付いたんだと思う。ーじゃあどうするんだ、かるたが無理ならどうやったら「一緒に居る未来」に向えるんだ!?と思ったときに、今まで絶対考えないように×100してた「恋愛・その先の結婚」という道が漸く見えてきたんだと思う。「太一くんとの恋愛」を考えた瞬間に、怖いお母さんと大きなお家と、その後ろにうすぼんやりとでっかい病院と大勢の人達の生活と視線が見えてくる…でもこの時の千早ちゃんには、太一くん不在のかるた部でも頑張れた、かるたを通じて社会人の方達とも交流してる、東大出身者とかが居るような「かるた界の頂上決戦」への切符だって手に入れた…という確固たる実績がある。私だって死ぬ気になれば何だって出来るんだよ!!!って気持ちに、漸くなれたのかな、と。47巻:(最近はそうでもなかったような気はするが)脳内補完を駆使して「(太一は)ずっといた」ことにした時は、「この娘…行きついたな」と思った。…まぁ27~32巻でも、全く同じように「太一は居ないけど…気配は感じるので、太一居るネ‼」という完全なる現実逃避メンタルで乗り切ってたので。結局千早ちゃんは最後まで”太一くんが居ない世界”だけは拒絶し続けたというか…ついぞ認めることはなかったな、という印象。50巻:千早ちゃんは(かるたの大一番で)勝った!と思った瞬間、太一くんに真正面から抱き付きにいくのが癖づいているように感じる。32巻のまともに口もきけないほど険悪な状態になっていた時ですら「他の部員たちと一緒に」という体で、ガッツリ抱き付きにいくことに成功している。最終回、目が覚めてから一目散で太一くんを探しに行ったのも、最初は(勢いに任せて告白しに行ったのかな)と思ってたけど、もしかしたら条件反射で、無意識に抱き付きに行っただけだったのでは…と思うようになった。あとは… 最終話最終ページの写真が最高にエグくて…!両親&先生達&白波会&瑞澤の子達「千早ちゃんのかるたの世界」に関わる皆様が勢揃いする中…後列の一番端、次の瞬間にはフレームアウトする気満々の立ち位置に映る真島太一くんですよこんな恐ろしい表現初めて見ましたね…多分千早ちゃんは…卒業式の日の部室でこの写真が目に入って、太一くんの意図が分かりすぎて青ざめて…観念せざるを得なくなったんじゃないかな、と。 ◆千早ちゃんは、太一くんが自分を特別に大事にしてくれてることは、ちゃんと自覚してる。なので、他の女の子にやきもちを焼くとかはない。…でも正直新くんの存在には若干の危機感を感じていると思う。(太一くんにとって、新くんも特別な存在だから。ぶっちゃけ「太一くんのかるた」は完全に新くんに獲られた形に落ち着いた。)50巻、最終回で新くんに対して交際報告をしたシーンは、「太一くんのかるたはお前に向かうかもしれないが、人生のパートナーは私だから!」という牽制の意も含んでいたのではないか…と邪推している。◆卒業後は、遠恋だしもう周囲の目を気にする必要もなくなるし、素直にロマンスを楽しめるようになるんじゃないかな。かなちゃんは「歌の情景&美しさ」から、誌暢ちゃんは「詠み人への理解・愛着」から百人一首と繋がっていったけど、千早ちゃんはこの先「恋心への共感」から、もっともっと歌を深めていけるんじゃないかな、と感じた。いろいろ書きましたが、私たちは、千早ちゃんを、これ↑くらい超恋愛脳の子だと思って読んでますよ、ってことです。本作を「熱血かるたモノ」ではなく「恋愛モノ」という観点から見ると、40巻以降のクイーン戦は、千早ちゃん(&末次先生)が「最後まで戦い抜いた暁には、太一くんに思いっきり愛を叫ぶんだ!」という想いをモチベーションにしていたんだろうな、と感じますし、だんだん、千早ちゃんにとってクイーン戦自体が、最終回、太一くんの左手薬指の一点だけを獲りに行くための、壮大な素振りだったんじゃなかろうか… みたいに見えてきます。末次先生の過去作…ゲテゲテのラブロマンス作品の感情が顔を出しているにも関わらず、千早ちゃんも太一くんも、基本的に「その感情のため」にキャラクター設定が出来ていないので、お互いに自信がない。…故にお互いに、相手・周囲に「やべぇテンション」が悟られないように、隠す!かなりやべぇ恋愛感情・テンションが、超ハイブリットに日常描写&かるた競技描写に織り込まれてる、それが漫画好き的に「ちはやふる」の一番の見どころ・語りどころだと思っています。もともと末次先生の過去作品を読んでいると、他の作品で成熟させた感情を持ってくるという傾向は感じません。本作にこうして、過去作で成熟させた感情が溢れたのは、やっぱり、過去作・キャラクターたちを封印することになった経緯を経て、培ったものの全てをもって「ちはやふる」を描く、この作品内で、すべてを生かす、という思いがあったからだろうな、と感じています。最終回の千早ちゃんの観念の仕方、作品としての清々しいほど見事な天秤のひっくり返し方も含めて、唯一無二の恋愛描写だと思います!by姉・(千早ちゃんの恋愛面マインドについて:妹)
2023.10.08
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先日 陶器の街・愛知県瀬戸市『ギャラリーもゆ』様にて姉と2人、絵付け体験をしてきました♪体験後1ヶ月ほど、焼き上がったものが届きました~!初めてでしたが丁寧に教えて下さり、とっても可愛く出来たのではないかな!!?? と!ギャラリーの1階部分では、作家様が絵付けされた作品を購入することも出来ます。もともとこちらのギャラリーの代表者・野村晃子さんの(粘土やいっちん技法を用いた)華やかなお花デザインの大ファンで、一度体験に参加してみたかったのです!ちなみに… 手練れの職人さんに手にかかると、こんな↓洗練された仕上がりになります…!(※元々幾つかこの技法の作品を所持していました)細やかでデザイン性が高くて、お花の立体感・華やかさが凄いんです!制作風景↓ 色々参考作品があるので「こんな感じにしたい!」とマネしながら描くことが出来ます。今回は比較的描きやすそうなお皿→マグカップの順で絵付けしました。時を忘れ…4時間くらい居座ってましたね…!妹作の2点。焼き上がるとこんな仕上がり↓になりました。ちょっと「この色が全く出なかったな…」的な部分もありますが…頑張って書き込みましたよね‼(自画自賛)こちら↓は姉作の2点。姉のものは…なんか色がすごく上手くいってて…若干妹が嫉妬してます。なんというか。もちろん手練れの方たちのようには上手に出来ないんですが、それでもこの技法で花っぽいものを描くと「ド素人でも、花がざっくりしてても、何となくそれっぽく仕上がってめちゃくちゃ満足度が高い!」んです!お子さん向けではないですが、モノ作りが好きな方や可愛い陶器がお好きな方(その中で愛知県に来れる方)には、是非一度トライしていただきたいなぁ!と思いました。体験後には、お茶菓子もご馳走になりました。正直、このお値段でこんなに楽しませていただいて良いんだろうか…という絵付けコースでした。是非是非また行きたいです^^ちなみに…瀬戸市といえば「陶器の町」ですが、最近では「将棋の町」にもなりつつありますv藤井聡太さん(瀬戸市出身)、8冠王達成できるのでしょうか…?こちらも楽しみですね!by妹
2023.09.03
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必ず発売直後に購入する米澤先生の新作!お盆休み中にじっくり読むつもりが、半日で爆読してしまいました。小説感想『可燃物』(2023年・米澤穂信先生・文藝春秋)彼らは葛(かつら)をよい上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う者は、一人もいない。群馬県警捜査第一課 葛警部の推理・5編の短編集。非常に面白かったです!葛警部カッコいい!*以下、発売直後のミステリー小説に関するネタバレあり感想です。未読の方は、お気をつけください*今回のシリーズは、終始「警察」の観点で様々な事件にアプローチしていく、という言葉で書き出すと、ものすごーくスタンダードな「事件モノ」だと思います。何が面白いかというと、これまでの米澤先生の作品への反転というか、逆説的なアプローチの部分かな、と感じました。米澤先生の従来の作品は、特に「犯人」が多いですが、『感情』をミステリーとして解き明かしていく部分が、一番の見どころになる作品が圧倒的に多い印象です。感情というか、人を追い込み、突き動かす『激情』ですね。激情が鮮やかになる・理解できる瞬間がクライマックスとして描かれて、ただ、起こった事象が「当然、刑事事件として捜査され、司法で裁かれるべき」出来事だったとしても、主人公が最終的に、気づかなかったふりをしたり、世間一般には事実と異なる筋書きで認知されたり、…といった帰結に収まるものも少なくない印象があります。激情が理解できれば、なんとなーく起こった出来事の全体像も想像できるのですが、『なんとなく想像』以上には立ち入らない、というか。また、『氷菓』・『追想五断章』に見て取れるような、何十年も前の文章の断片から、そこにある激情に触れに行く、といった「今更、どうにもならない」んですけど、残した意図を汲みとることに意義がありそうな気がする、そういった作品群の印象も強いです。こういった従来の米澤先生の作品を知っていると、本作は、「感情・激情」は二の次で、組織体・権力を用いた、極力短時間での「事実」解明のへ向けたアプローチが見どころなんだな、とよく分かります。葛警部が、部下たちを(恐らく非常に根気の必要な)情報収集に散らして、各所から上がってくる情報を頭の中で一気に組み立てます。その過程で引っかかる部分が出てきた場合には、そのままにせず、(周囲に顔をしかめられながらも)納得がいくまでとことん追求する。本当に細かい部分の情報収集をし始めると、自然と別の曖昧だった部分や、ほかにも考えられうる可能性が潰すことが出来ていく…その過程を楽しむ、という作品だったな、と受け取っています。以下、各編の簡単感想です。■崖の下雪山で、男女4名が遭難した。最初、崖の下で発見された男性2名のうち、1名は重症で病院に搬送された。しかし、一緒に居たもう1名は、頸動脈を刺され死亡していた。犯人は重症の男性と考えるのが自然で、調べを進めると動機となりうる事実も見えてきた。捜査が進み、別の可能性をどんどん潰していけているものの、どうしても見つからないものがある…凶器だ。上述してきたような「事実」解明へのアプローチ部分が、一番端的に表現されていた1編だったんじゃないかと思います。かなり地味で、どんでん返しが来そうでいて、最後までどんでんなく終わる…それが「事実」解明アプローチの一番凄いところ、という作品だと思います。1冊読み終わって、一番好きな短編と言われると、これかもしれないです。■ねむけ強盗傷害事件の容疑者が、交差点での交通事故を起こした。深夜にも関わらず目撃者が複数現れ、容疑者の信号無視を主張したため、県警は危険運転致傷罪で容疑者の身柄確保を画策するが…。これも、警察組織ならではの話回しが楽しめる作品でした。強盗傷害再犯防止のため、別件で容疑者の身柄確保をしたい気持ちはすごく分かるのですが、交通事故案件の釈然としない点について、細かい引っかかりにひたすら突っ込む葛警部が見ものです。■命の恩榛名山麓のきすげ回廊で、男性のバラバラ遺体が発見された。ほどなく歯形より被害者の身元は判明したが…何故、バラバラ遺体は、観光客にも目につきやすいきすげ回廊に放置されたのか?絵面が一番劇的な作品だったかと思います。従来の米澤先生の作品の主人公たちなら、最後気づかなかったふりをしちゃいそうな作りで、あえて淡々と「事実」への対処が羅列されるラスト、エピローグを含め、「情<事実」という構図が心に焼き付く作品でした。■可燃物住宅街で立て続けに起こる不審火。いずれも小規模ではあるが、放火事件の可能性があるとして、捜査第一課の葛班が捜査に当たり始める。しかし、捜査開始の夜から、不審火はぴったりと止まり…。表題作になっている作品です。やはり、一番まとまりの良い作品だったかな、と思います。消防管轄と捜査第一課管轄の価値観というか、観点の違いをあぶり出すような展開・犯人像が見どころでした。ラストの、結局何も進展・発展せずに凶悪犯罪だけが残るやるせなさは、流石な米澤先生の作品の醍醐味という印象でした。■本物かファミリーレストランで立てこもり事件が発生した。現場へ急行した葛班は、店内で犯人が拳銃らしきものを手にしているのを目撃する。「……本物か?」現在進行形の重大事件…下手を打てば、人命にかかわる重大被害が出てしまうという緊迫な状況下において、短期間での情報収集と、事実・全体像(仮)の組み立てを行い、冷静に対処する…緊迫場面を「平常」なメンタルで取り扱う、警察組織体へのリスペクトを感じられる作品でした。従来の米澤先生作品とは一風変わった読後感…のようでいて、やっぱり米澤先生の醍醐味!も存分に味わうことのできる短編集だったと思います。私は、今回の葛警部のシリーズ、大好きです。ゆっくりと書き溜めて、いつか続刊があると嬉しいな、と思っています。by姉
2023.08.16
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お久しぶりです… 。今年に入り、ヨナ感想(というか記事そのもの)を書くことが出来ていませんでした 妹です。花ゆめ本誌は発売日にバッチリ読んでました! が、「書かなきゃ×3…」と思うと、余計書けなくなる不思議…;;もう追いつけないし全部の話には言及出来ないし、ホットな感想&考察も出来ないのですが…超簡略感想にて書き殴ります。今後も出来る形で続けていけたら…と思っております~><*以下単行本42巻収録分のネタバレ含みます。ご注意ください!*暁のヨナ 第244~246話 ※まとめて気になった部分だけ・メイニャンとヴァル244話で印象的だったのは、何と言ってもメイニャンの言葉やモノローグの数々。紆余曲折あって、今漸く安心できる場所で(いや戦地だけども)一番大好きな人と一緒に居られて、軽口を叩きながらも甘えることが出来ていて、夢のように幸せな時間が流れていて…そして死期が迫っているのをより強く感じてきている。優しくして欲しいけど、気付いて欲しくはないよね。でも隠し通せる状態じゃなくなっていますよね…。「あーあ… 死んでもいいって思ってたのに 生きたい もう少し これからも この顔を見てたい」印象的なメイニャンのモノローグ。スウォン様も同じように「もっと生きたい!!」と感じているのでしょうか…?・テウ将軍 …ハク様より若くして、立派に風の部族長を務めているテウ。ラフな話しやすさで皆から好かれるタイプですが、貫禄が出てきましたね~!・ユンくんと旅のはじまり「最初はヨナと雷獣と3人で 不安もあったけど四龍を探して歩いたあの頃はワクワクしてさずっと…このままではいられないって…どこかで気付いてたけど」byユンくん成程、ユンくんは残留して怪我人・病人の看護にあたるんですね!…姉と話してたんですが、やっぱりユンくんの能力は国の宝といいますか…今後誰が王座に就いて、どんな形で国が再建されて行くのだとしても、この子は超重要ポジで重宝されて欲しいと思ってます。そのための展開なのかなぁ…なんて深読み。ユンくんが旅のはじまりを思い返してくれたので、私もリアルタイムで初期展開を読んでいた時の気持ちを思い出しました。ハクヨナがお互いの存在以外全部無くして、谷底の底まで突き落とされて…そこからの展開に胸が躍り出したのは、やっぱりユンくんが(あと実はヨナ姫も少し)未知の世界にワクワクしてくれていたからなんだろうな~! と思ってます!・「…スウォンが…探しに行けと言ってきた」byハク様 「スウォンと話をしたの…?」byヨナ姫衝撃の事実を幾つもスウォン様から投げられたハク様。旅立つにあたり、ヨナ姫(やキジャたち)にどう説明したのかな?でも何も言わずに抱え込みそうだな…と思ってましたが、やはり。まぁ特に四龍の寿命に関しては、本人たちが言いたくないなら伝えるべきじゃない、と考えますよね。ヨナ姫の方も、ハク様にとってのスウォン様が鬼門なの分かってますので、どこまで探って良いのやら…という感じ。でもお互い何か抱えている事はしっかり認識している感じはするので、そこは安心感が。やっぱりこの2人はどこまでも一緒に居て欲しいですね!・ソヨンさん&ランラン再登場!!あああすんごく雑な感じでフェードアウトしていたお二方が!ご無事で良かった!!!まさかハク様の羽織がランランの一張羅に華麗に変身してるとは思わなかったぁあw!!そして姫様の目前で蒸し返される夫婦設定!!……ああ、ヨナ姫そーゆーリアクションなのですね。ふむふむ。。萌…ッツ///普通に考えれば、状況的にも年齢的にも矛盾が生じている事は分かると思うのですが、あまりの衝撃に思考停止になってたんでしょうね。「哀しくて心臓が潰れるかと思った」byぽてりヨナ姫…これ、結構ハク様には響いてる…ん じゃないですかね!!??(願望)ヨナ姫は、そのポジションに飛び込むつもりなんだと思いますよ。ファイトハク様!!そしてヨナ姫とキジャが改めて救出のお礼を言えて良かったなぁ、と思います^^…まぁ、また多大な迷惑をかけそうな不穏な空気が満載ですが;;・「娘さん 来るぞ 来るから…逃がすなよ」by盃持ったゼノ仙人ゼノ仙人、あの… そろそろ…何かしら呪いを解くヒントだけでも頂けないでしょうか…?緋龍伝説と緋の病の根本的な骨格が見えてこないと、多分ヨナ姫たちもどうして良いか分からないし、読者としても何をどう期待すれば良いのか本当に分からな…;; 「緋龍城が消失している」ここから考えていくしかないのかなぁ。本当にファンタジー小説とかの知識が無いので、私達的には予想不能なんですよTT・「いや ここで お別れだ」byジェハジェハ兄さぁああああああああ"あ"あんんん!!!???いやイヤちょっ 待っ …えぇえ"ぇエエ"ええ???すみません…どこぞでなんか一瞬四龍の皆から龍がブワっと離脱(?)したようなシーンとかがあったので…「ああこうやって、龍の憑き物(伝説・呪い)だけ天に帰って行くのかなぁ~??」なんてゆるっと期待していたんですよ…よ…まさかまさか。ど、どうすればllll(読者に出来ることは無事を願って次回を待つのみ)そして、そうかここでヨナ姫は「四龍(正確には三龍)は短命」という事実を知るのか…!と。初期初期から匂わされ、17巻で明言されてから…うん、長かったなぁ、と。ヨナ姫(&ハク様)が知る順番が一番遅くなったのには、ちゃんと理由があると思ってます。やっぱりこの短命設定、重いんですよね。どうにかしなければいけない事柄が幾つもあったとして、この事実を知ってしまったら、パーティとして何を差し置いても最優先せざるを得ない事だと思います。「四龍の為に動く」では「暁のヨナ」にならないので…今までこの展開だけは避けられていたのだと思います。・緋龍城が消失した・龍たちの寿命という運命を知った・スウォン様の緋の病もこの呪いと関係あり?…という説も知った・ジェハが消えたこれだけ出そろったのです。ここからは全力で「伝説の終演/呪いからの開放」に向けて物語が進むのだろう、と思っています。ホントに…本当に何とかして下さい;;(祈るしかない読者)次回も楽しみです~♪by妹
2023.08.12
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少年・青年漫画の人気作で、気になっていたタイトルをいくつか爆読しました。超簡単感想です。青年漫画感想『【推しの子】』(赤坂アカ・横槍メンゴ先生・集英社・週刊ヤングジャンプ・~11巻まで)非常にクオリティの高いTVアニメーション化もあり、とても話題になっている本作。11巻まで鑑賞しました。本作の魅力として、サスペンス風なところや、芸能の裏側?というか、作り手目線の解説を楽しむ、という部分ももちろんあるのですが、根本的には「これはラブコメ」と思って読んでいます。もともと、赤坂先生の「かぐや様~」を鑑賞した際も感じていましたが、基本的に私は、赤坂先生の描かれる恋愛観に入っていきやすい性質の読者だと思います。男の子が割と万能で、誰にでも優しくしたくなるフェミ気質な面があるところや、「女の子のめんどくさいところ、カワイイ!」という価値観とか、その辺りですね。ですので、本作を読んで出て来た感想が、ルビーちゃんが活き活きとアイドルをやっていられれば、なんかそれでもういいと思う。とか、とりあえず、自宅経営の芸能事務所で、イケメンになって、ものすごく頑張り屋な有馬ちゃんに、「めっちゃ魅力的だよ!最高だよ!」て言いたい。とかだったりして、ものすごく素直に【推しの子】を楽しむ才能に満ち溢れてるな私、と思いながら読み進めました。TVアニメも、びっくりするくらい力の入った作品で、OP映像も素晴らしいですし、声優さんも上手且つ配役のバランスも良いし、1期は特に後半、有馬ちゃんのシーンに命がけさを楽しませていただきました。2期も決定しているということで、ルビーちゃんがガンガン主体的に話を回し始めるところまで…は行くか分かりませんが、黒い部分を出してくるルビーちゃんも是非アニメで見たいですね。楽しみにしています。by姉
2023.08.11
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