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カテゴリ: 魔法使いたちの恋
『魔法使いたちの恋』―再会3―

「サキ=オ=リュインでございます」
 頭を垂れ、膝を折った。
 一瞬だけ視界に入ったその部屋は、想像以上に広い部屋だった。荘厳、とでも言うのだろうか。重々しい空気に押し潰されそうになる。そうして、それが部屋の大きさや装飾によるものだけでないことはすぐに判った。
 足元から長く続く絨毯の先、巨大な王座に座っている人物、サイガ=イ=ラウ国王陛下。
 離れていても、圧し掛かるような威圧感が伝わってくる。

 1秒1秒がとても長く感じられた。


「面を上げよ」
 そう告げられて、1つ息を吸い込んでから、顔を上げた。


 何か、変、かな……?

 正装姿が似合っていないのは何となく判っていた。でも、教わったとおりに着たし、間違っていないと思う。

 何で、みんなじろじろ見るの……?

 ラウ国王の他に、何人かの魔法使い、重臣たち、そして騎士たちがその場にいた。
 みな一様に視線を送ってくる。

「なるほど。“お人形さん”か」
 ざわめく声の中、ラウ国王がぽつりとそう呟くのが聞こえた。
「やわらかい金糸の髪に、若草色の大きな瞳。透き通るような白い肌……。どうだ? 今宵、わしの寝所に来ぬか?」

 ……はい?

「そちの乱れる姿が見たい」

 乱れる……???


「……そちを抱きたいとそう言っておる」
 小首を傾げていると、ラウ国王がそう付け加えてくれた。

 何だ、『乱れる』って、『抱かれる』ことをいうの……。

 ふとカイに触れられた日のことを思い出す。
 カイの指に『感じ』て、恥ずかしい『声』を上げた。



 顔が火照る。胸がどきどきする。


「良いのか?」
 ぼうっとしていたら、ラウ国王の声が聞こえた。

 良い……?

 これまでの台詞を思い出す。
 『そちを抱きたい』……??
 陛下が僕を……??

「や……っ」
 思わずそう声にしていた。
「あ、……嫌、です」
 慌ててそう言い換える。
 でも、言葉を正したところで、命令に背いたことには違いない。

 どうしよう……。

「冗談だ」
 青褪めていたら、頭上からそう告げられた。
 視線を上げると、意地悪そうな笑みを浮かべるラウ国王の顔があった。

 あれ……?
 何処かで、会ったこと、ある……?


「サキ=オ=リュイン、ガリル王国宮廷魔法使いに命ずる」
 ラウ国王がそう告げると、隣に控えていた初老の魔法使いが立ち上がるのが判った。そのまま耳飾を外しながら、近付いてくる。その手の中にある耳飾の色に気付いて、心底驚いた。

 真紅の宝石だ。
 魔法使いたちの最高位とされる、“ガリル王国宮廷魔法使い”。その7人の長とも言える存在、エリル師が持つ耳飾の色だと聞いたことがあった。

「よく来てくれた」
 目の前まで来たエリル師に微笑まれた。優しげなその顔には見覚えがあった。
「あの時、の……?」
 エリル師の指が、左耳に触れた。耳飾を付け終えた後、そっと握ってくれた手が、自分の中の1番古い記憶と重なる。この手が、燃え盛る建物から落下した時、受け止めてくれた手だと、そう認識した。
「ゴウは、私の不肖の弟子は息災か?」
 その時、育ててくれたあの優しい義父が『エリル師の唯1人の弟子』だということを、初めて知った。
 でも不思議とあまり驚きはなかった。
「はい。相変わらずです。僕の弟妹は、21人に増えていました」
 笑顔でそう答える。

 ガリル王国の南西地方は、いくらか収まったとはいえ、いまだ戦火の絶えない地域である。
 親を亡くした子、子を亡くした親――。親友や恋人、大切な人たち。数では表せない悲しみがそこにある。
 そうして、行き場を失くした子たちを引き取り、育てているのがゴウだった。

 本当に、たくさんの愛情をもらった。
 その幾らかでいい。僕に出来る恩返しがしたい――。

 それが、僕の夢だ。


「陛下」
 顔を上げる。玉座に座るラウ国王を真っ直ぐに見つめる。
「争いのない国を」
 願いを声にする。
「そのための尽力は惜しみません。ただ……、争いに魔法は使いません」
 言い切ると、周囲がしん、と静まり返った。

「12年前、同じ台詞を口にして、クビになった奴がいたな……」
 静まり返った室内に、ラウ国王の声が響いた。
「だからこそ、この耳飾を託すのに、相応しい魔法使いでしょう?」
 エリル師の声がそう答えた。
 優しげなその声に、凍り付いていた空気が溶けていくのを感じる。

「なかなかどうして。可愛いだけの御しやすい奴かと思えば……」
「カイ様が選ばれただけのことはありますかな?」

 突然登場したその名前に、心臓が跳ねた。

 カイ……? どうして……?

「あ……」
 ラウ国王に何処かで会ったような気がした理由が判った。
 闇色の髪、空色の瞳。そうして、意地悪そうに微笑んだ顔は、カイにそっくりだった。

 もしかして……。

 1つの答えが導かれる。

 第3王子さまって……。

 今の今まで、カイの素性を考えたことなどなかった。
 誰であろうと、カイはカイだから。何も気にしたことはなかった。

 馬鹿だ、とそう思う。

 カイが好きだ。
 カイと一緒にいたい。

 でも、たぶん、それだけじゃだめだ。
 だって、だって……。

「カイは3日後に婚姻することが決まった。そなた、どうする?」
 現実を突きつけられた。

 何かが崩れる音が聞こえた。


 …続きます♪

===================

窓の外はぽかぽかお天気です(^^)
ボスからの宿題が遅々として進まず…(汗)。
頑張っています(><)

お話の方は、カイの素性をちらちらと匂わせてみましたが…。
さすが皆さん、鋭いですね~(><)
当人(リュイ)にも見習ってほしいものです(^^)

さあ、思い込んだこれからのリュイの行動にご期待下さい(苦笑)。
この子、前回もそうでしたが、誘い受けというか襲い受けの傾向が(笑)。
おっかしいな~(^^;;;

これまで好き好き追っ掛けてきたので、追っ掛けてもらうのも良いでしょう。

妄想を膨らませながら待っていて下さると嬉しいです(><)

さ、今夜はバトンと『Crossing』を更新します!

では、病院行った後、仕事して来ます!





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Last updated  October 21, 2006 09:59:29 AM
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海神ほだか@ ご無沙汰してます 高瀬さん、お久し振りです。以前イラスト…
高瀬RING @ >prisonerNo.6さんvv ありがとうございますvv prisonerNo.6さん、ご無沙汰すみませんで…
高瀬RING @ >旭陽さんvv ご無沙汰すみませんでした! 旭陽さん、こんにちは! 励ましのお言葉…
prisonerNo.6 @ おかえりなさい。 言葉、思いつかなくて。 おかえりなさ…
旭陽(あさ‐ひ) @ おかえりなさい!! 遅まきながら、お父様のこと、心よりお悔…

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