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管理会社主導で大規模修繕を進めている時に、役員や専門委員から「管理会社一社の提案では総会でみんなが納得しない」と意見がでます。
その際、会議に同席した管理会社担当者から、
「では、こちらで何社か見積を取りましょうか?」
「当社(管理会社)が高くないか是非確認して欲しい」
と回答があります。
や委員は意見を言っていたものの、どうやって相見積もりを取ればよいのかわからず、管理会社担当者の回答を渡りに船と考えて、申し出を受けます。
これって良い話なのでしょうか?
管理会社が元請方式で修繕工事を提案する場合、必ず実際に工事を行う下請けの施工会社がいます。
下請けの施工会社は、その管理会社にとって使いやすい、過去に何度も一緒に仕事をしてきた協力関係にある特定の会社です。
相見積が なく管理会社が受注できる場合は、下請けの施工会社も利益率が高い工事を管理会社から受注できます。
協力関係にある施工会社が仲良くできるよう、管理会社は「協力会」なるものをつくり、業者の統制を行います。共存共栄でうま味のある仕事を取るための仕組みです。
協力会に加盟している施工会社がケンカしないように、管理会社は順番に仕事を与えていきます。これを業界では「チャンピオン制」と呼びます。
今回の事例のように、管理組合から相見積を依頼された場合は、協力会加盟の施工会社を利用します。
管理会社の見積金額を提示の上、その金額よりも上回る見積を提示するよう指示するのです。
管理会社経由で取得する相見積もりは出来レースです。
仮に管理会社が元請ではなく、コンサルタント(設計・監理)や業者選定補助の業務を行う場合であっても、同様の「出来レース」が起きます。
協力会社一社が決まるよう、協力会に加盟している会社複数に指定の金額で見積を提示するよう管理会社から依頼します。
なぜ管理会社が介在して価格操作を行うかというと、「バックマージン」と呼ばれる紹介手数料が管理会社に入ってくるからです。
一般的にバックマージンの金額は安くても10%、高い場合だと20-30%が動きます。
管理会社の言うことを聞いていれば仕事が回ってくる協力会の施工会社は、管理会社の指示に反することはしません。
管理会社は、やたらに協力会社に対して見積金額の削減交渉を行いません。なぜなら、見積金額が高いほど、バックマージンで入る収入が増えるからです。
管理会社経由で相見積を取っても競争原理が働かずコストダウンにつながりません。
このような出来レースを、管理会社以外のコンサルタント(設計事務所等)がしている現実があります。
公募等で見積参加業者を募集はしますが、特定の業者(管理会社でいう協力会の業者)しか見積を依頼できないよう業者選定時に理事会・委員会にアドバイスをし、見積はコンサルタント指定の金額で提出させ、チャンピオン制で選定された特定の業者が受注できるよう仕込みます。
出来レースを行う理由は管理会社と同じです。バックマージンがコンサルタントの収入として入ってくるからです。
出来レースは見破れないか?と言うと、ある程度そのような動きがあるという判断できる方法があります。
このテクニックについては3月21日開催のマンション管理セミナー(15時から新宿にて開催)においてレクチャーします。
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