照千一隅(保守の精神)

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「照千一隅(しょうせんいちぐう)」(一隅を守り、千里を照らす)は伝教大師・最澄の言葉。本を読み、考えたことをこのブログに書いて参ります。ご意見、ご感想など御座いましたら是非お寄せください。

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2008.03.01
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カテゴリ: 時事問題
全国学力テストの結果低迷を受けて大阪府教委が導入を計画したものの,橋下徹知事の緊急財政方針で見送られた府独自の学力テストについて府教委は28日,「ゼロ予算」でも可能な問題作成業務に限って先行着手することを決めた。 (2月29日付産經新聞31面)

 私はこれまでにも何度かこのテスト計画を批判してきたのであるが,予算も付けてもらえないものを見切り発車でやろうとするのはまさに「愚行」以外の何ものでもないだろう。なぜ府教委がここまで学力テスト実施に固執するのだろうか。

府教委が計画しているのは,国際学習到達度調査(PISA)型の応用力を問う国語と算数・数学のテスト。昨年の全国学力テストで,大阪府の平均正答率が小6,中3ともに全国で45番目だったことを受けて,「考える力をつけてもらいたい」と,新年度から公立校の小4~中3全員を対象に始めることを決めた。 (同)

 が,考える力を付けるためにテストを実施するなどということは明らかに本末転倒である。考える力を付けるような授業をまず実施して,その結果をテストで確認するというのが筋であり,全国ワースト3の授業のままテストを実施しても結果は言わずもがなである。

 「考える力」を付けようと考えること自体には私は賛成であるが,それは何よりも「考える力を付けるための授業」が大前提でなければならない。

 が,おそらく府教委は「考える力を付けるための授業」がどれほど大変なものか分かっていないからこのような「考える力をつけてもらいたい」などと言っているのではないだろうか。

 はっきり言わせていただいて,全国一斉学力テストワースト3位の今の授業力で「考える力を付けるための授業」を行うことなど絶対に無理である。



 まず,様々な生徒の疑問に答え得る知識体系が教師の側になければならない。つまり,1教えるために100知っておく必要があるということである。

 さらに,考える授業では「なぜ」という疑問と「なぜなら」という理由が重要となる。そのためには,知識は相互に関連づけられ一つの体系をつくっていなければならない。つまり,教師は単なる物知り博士では駄目だということである。

 また,「考える力を付けるための授業」を行うためには,生徒に考えさせなければならないから,授業形態は生徒と先生が言葉のキャッチボールを行う「対話型」とならざるを得ない。

 そのためには,発問の仕方も工夫が必要となるし,生徒の質問や疑問をどうさばくのかの技量も問われる。

 このようなことを勘案すれば,公立校において「考える力を付けさせる授業」を行うことがどれほど難しいかが分かるだろう。

 したがって,取り敢えず大阪府の順位を例えば10位以内に引き上げるという方針のもとに授業の質の向上を図るというのが現実的だと思われる。

 何か私には,府教委が全国一斉学力テスト結果から目をそらすための姑息な新テスト導入をしようとしているようにしか思われないのである。





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Last updated  2008.03.02 09:32:36コメント(0) | コメントを書く


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