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2020.03.31
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カテゴリ: 投資
簡単な経済のお話
マクロ経済学 vol1

~結局のところ私たちの生活はどうなるの?~
コロナウイルス拡大の影響で、「リーマンショックを超える~」という表現が私たちを不
安な気持ちにさせますが、本当のところは一体どの程度経済に影響があるのでしょうか?
日本の経済は大丈夫なのでしょうか?本日は、経済の仕組みについて簡単にお話ししたい
と思います。これを知っておけば大体どれくらいの影響があるかがつかみやすくなります。
~経済学の簡単なモデル~
むむむ、なんか難しそうな話かな?と思われそうなので、出来るだけ簡単にします。経済

に説明すると、日本での儲けの合計、要するに売上から費用を引いていくら利益を出したか、
それを日本全体で合計してください、というものです。(説明のため簡単にしています)
例:自動車工場の 1 年間の売り上げを 10、コスト(材料や人件費)7 とすると、
⇒利益は 10-7 で3となります。
日本の自動車工場は全国で 10 社あるとします。日本の GDP の計算は、
3(1 社あたり利益)×10(社)=30 となります。
次に、翌年は売り上げが 11 へ伸びたと仮定します。コストは 7 のままだとすると、
GDP は、(11-7)×10=40 となります。30 から 40 へ伸びましたので、GDP 成長率は
33%の増加と表現します。

~リーマンショック時の日本~
日本の GDP はリーマンショックでどれくらい落ち込んだでしょうか?これは内閣府か

2007 年実質 GDP 504 兆 7915 億円 成長率+1.7%
2008 年実質 GDP499 兆 2714 億円 成長率▲1.1%
2009 年実質 GDP472 兆 2288 億円 成長率▲5.4%
2010 年実質 GDP492 兆 0234 億円 成長率+4.2%
リーマンショックの時期は 2008 年夏ごろから 2009 年初頭を指しますから、経済ではち

いうことでしょうか?
先程の自動車工場の例をもう一度使いましょう。仮に GDP 成長率が-5.4%だった場合、
日本の GDP30⇒28.38 へ減少することになります。つまり売り上げが-5.4%ということ
です。(単純化のためにコストやその他条件は変わらないとしています)

~コロナショックではどうなるか?~
現在、世界中で経済活動がストップしています。1 月の中旬ごろから中国が止まり始め、
3 月からは全世界で止まっています。このストップ状態がどれくらい続くかが GDP の計算
するうえでカギを握ります。

1. 経済を 2 か月止めた場合
日本に自動車工場しかない上の例をもう一度使いましょう。2 か月活動を止めると、
売り上げが 2 か月分減ります。つまり、売り上げは 10 か月分となるわけです。
売上:10×(10 か月分÷12 か月分)=10×0.83=8.3
材料費や人件費はどうなるでしょうか。生産活動をやめたからと言って既に買ってし
まった材料を支払わないわけにはいきません。従業員の給料も払わなければなりませ
ん。そうするとコストについてはお休み期間も発生します。よって 7 のままです。
利益:8.3-7=1.3
これが 10 社分あるので、合計すると
GDP=1.3×10=13 となります。
もともと 30 あった GDP が 13 まで急減していますね。これを成長率で表すと、
▲57%となります。単純な例ですが、2 か月間止めると大ダメージになるということ
が分かりますね。リーマンショックなど比ではありません。
しかし、ここで重要なのは、全員分の給料は払われているということと、次の年は
また元通りの経済活動が想定されるということです。一時的に企業の利益が減ります
が、元に戻ることを想定すれば特に心配不要となるわけです。

2. 経済を 6 か月止めた場合
次に 6 か月活動を止めてみましょう。同じように計算すると、
売上は 5 に減り、コストは 7 かかります。すると、利益は 5-7=▲2 となりマイナス
となります。マイナスになってしまうということは、コスト分が払えなくなり企業が
倒産することを意味します。この例では、自動車工場がすべて倒産してしまうことに
なります。そして、来年以降全員失業することになります。経済を止めるということ
はこれぐらいインパクトが強いということなのです。

~実際にはそう単純ではない~
当たり前ですが、実際の経済は上の例ほど単純ではありません。しかし、わかりやすく簡
単な例で説明すると、経済を 2 か月止めただけでリーマンショックを超える大幅マイナス
成長となってしまい、半年止めてしまうと倒産、失業となってしまいました。だから、出来
る限り早く元通りにしなければならないのです。長引けば長引くほどダメージが大きくな
るということは直感的に理解しておいてください。

~ダメージは産業によってちがう~
これも当たり前ですが、すべての企業が活動をストップさせているわけではありません。
自動車産業では工場を停止させている例が出ていますが、逆にいつもより稼働率を上げて
生産している製品ももちろんあります。薬、マスク、ハンドソープ、食品などはいつもより
も高い生産活動に入っているはずです。こうした産業が、活動停止によって落ち込んでいる
経済を一部相殺しているので、すぐさま上の例のように経済が落ち込んでしまうことには
なりません。そして、国の産業が 1 つに偏っていないこと、多様な業種に分散していること
がこういう時に重要になります。デパートは売り上げが落ち込むかもしれませんが、ドラッ
グストア、コンビニなどはもしかしたら売り上げが増えるのかもしれません。
エコノミストがコロナショックによる経済へのインパクトを計算しています。GDP で
20%から 30%のマイナスになると試算する例も出てきているようです。おそらく、4-6 月
期はそれくらいのインパクトがあるかもしれません。問題は、その後です。7 月以降に通常
モードに戻れるかどうか。これが非情に重要です。そして、仮に戻れるとした場合は、7 月
以降はいつもより旺盛な経済活動になります。なぜなら、今まで止めていた部分の不足を補
うように活動がされるためです。これをペントアップ需要と呼びます。リーマンショックの
場合は金融機関が破綻し、新しいビジネスがなかなか始められない状態に陥ってしまいま
した。今回大きく違うのは、病気が治れば経済活動はある程度元通りにできるということで
す。金融機関の体力がリーマンの時と比べて明らかに強いのと、それに上乗せして強力な金
融緩和という政策がとられているため、病気さえ終息すればその後の活動はかなり急速に
回復すると考えられます。

~首都封鎖はダメージがさらに大きい~
首都封鎖にも触れておきますが、これは非常にマイナスの影響が大きくなると思います。
モノやヒトの流れを抑え込んでしまうので、通常通り動いていた産業も大きく制約されて
しまうことになります。不要不急の外出を自粛するレベルとはまた違った世界になるとい
うことをご認識ください。

~1 年後にはワクチン~
コロナウイルスが最終的に怖くなくなるのはワクチンが開発される頃だと思います。こ
れには 1 年程度かかるとのことでしたので、完全に不安が消えるのはちょうど来年の今頃
ということでしょうか。しかし、それまで今のままというのでは経済が持ちません。中国が
既に回復していることを考えると、世界全体でも 5 月ごろまでに正常化すれば、あとは大
きな心配なく過ごせるのではないかと考えています。繰り返しになりますが、経済を止めな
いためにコロナウイルスを拡大させないこと、一人一人が対策を徹底することが非常に重
要なことだと思います。





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最終更新日  2020.09.07 16:56:54
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