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(風たん) あのぅ、何をそんなに興奮してるんですか?
もう誰も、彼女を止めることは出来ない。
アビシニアンのアホりんちゃんは、野生のネコ科の動物に近い。
テレビの野生動物番組で、チーターの親子を見ていると、その風貌や性質など
そっくりと言ってよいかも知れない。
紐の先にネズミが付いているオモチャなんか、ひょいひょいと振り回すと、
目を爛々と光らせて、猫も人間もヘトヘトになるまで遊び倒す。 あまりに遊ぶので、ネズミのオモチャが紐の先から取れ、すぐにボロボロになってしまう。
風たんと仲良く、それぞれに2本買ってきても、ほとんど一人占めである。
とうとう2本とも原型をとどめない、無惨な姿のネズミさんになったので、
姉が(私の身内で唯一、アホりんちゃんを風たんより可愛がっている)、
100均で、新しい3匹目を仕入れてきた。
それを見るや、アホりんちゃんの目は、キラキラを通り越して、ギラギラになっている。
二本足で立ち上がって、姉の振り回す棒の先を、必死で追いかけ回している。
アホりんちゃんご贔屓の姉は
「こんなに喜んで...100円でここまで楽しむんだから、たまには新しいの与えてあげなよぉ...」
と、なかなかご満悦である。
やがて、完全に野生動物と化したアホりんちゃんは、見事ネズミさんをキャッチし
喰らい付いたまま、離そうとしない。
そのうち、興奮のあまり「ウ~、ウニャウニャ~」と言葉にならない低い唸り声まで
漏らしているではないか。
久々に口にした新しい獲物に、もうどうして良いか判らない様子である。
ここへきて、さすがの姉もアホりんちゃんの余りの豹変ぶりに、怖気づいたのか
「...ちょっとコワイかも」と、つぶやいてオモチャを手から、ポトリと落とした。
こうなったら、もう誰もアホりんちゃんを止めることは出来ない。
振り返ると、その一部始終を遠巻きに見ていた風たんが、 真ん丸お目めで『びっくりしたなぁ、もう』と、言っていた。
(風たん) びっくりしたなぁ、もう…。