2007年02月19日
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今日のまとめ

1.トップ10サイトの3社は中国企業で占められている
2.サーチ・アドのバイドゥは既に4位につけている
3.バイドゥの課題はシェア争いではなく、エクセキューションである
4.バイドゥの直近の決算は悪かったがサーチ市場の飽和が原因ではない

サーチ・アド市場

前々回のレポートで見たとおり既にインターネットのユーザー数では中国は日本を上回り世界で第2位となっています。また中国のインターネット市場は米国よりも遥かに早いペースで成長していますからいずれ世界で最も大きな市場に成長することは間違いありません。このことは既に現在のトラフィック・ランキング(サイト訪問者数)にも反映されつつあります。下の表は2007年2月現在の世界全体のランキングですが、中国のネット企業が3社ランク入りしています。(8位のオーカットはグーグルの関連会社ですが利用者のかなりの部分はブラジルです。)

グローバル・トップ10(2007年2月18日、アレクサによる)

またサーチ・アドの企業であるバイドゥ(ティッカー:BIDU)が既にポータルであるシナ(SINA)やソーフー(SOHU:トップ10ランク外)より上位にあることも目をひきます。インターネット広告市場の規模(金額ベース)はポータル・アド市場のシェアが73%、サーチ・アド市場のシェアが27%となっています。また今後の成長率はサーチ・アド市場が年率50%、ポータル・アド市場が年率35%と見込まれています。

2.gif

サーチ・アド市場における順位ではバイドゥが2位以下を大きく引き離し約60%のマーケット・シェアを握っています(金額ベース)。第2位のグーグルは18%です。グーグルが中国市場で出遅れた理由は当初中国政府からICP(インターネット・コンテンツ・プロバイダー)ライセンスが下りずアド・サーバーを国外に設置しなければならなかったこと、中国ではクレジット・カード、特に中小企業におけるコーポレート・カードの普及が遅れており、クレジット・カードを決済の手段とすることで取引手順の簡素化を図るグーグルのやり方が中国では逆に足枷になったこと、広告の販売促進ならびに決済のヘルプをする営業隊の編成の遅れがシェア拡大を阻んだこと、さらにブランディング(サーチ・サービスのネーミングなど)の面で失策があったこと、などが指摘されています。

バイドゥの近況

そういう訳でサーチ・アド市場におけるバイドゥの優位は今のところ安泰です。するとバイドゥの業績が今後もちゃんと伸びるかどうかは同社自身のエクセキューション(詰めが甘いかどうか)にかかっているわけです。先日発表された2006年第4四半期の決算では売上高が市場の予想を下回りました。また今期(2007年第1四半期)のガイダンスも市場予想を下回り、この結果同社の株価は急落しました。



バイドゥの稼動顧客数と成長率

次に顧客当たり売上高の成長率ですが、こちらも下がってきています。こちらのほうはサーチ・アド広告を出すことが広告主(=バイドゥの顧客)にとってどのくらい利益に結びついたか?というお客さんの側での費用対効果比(これを英語ではROI=Return on Investmentと呼ぶ場合があります)に強く影響されると考えられています。なお、バイドゥは最近、価格設定に関するアルゴリズム(算法)を手直ししており、それが顧客の一時的な離反を招いた可能性も指摘されています。

バイドゥの顧客当たり売上高と成長率

さて、バイドゥは中国における成功の余勢を買って日本市場への進出を計画しています。しかし日本のインターネット市場は中国より成熟した市場ですし、既存の業者の地位もかなり固まっていますのでこれからバイドゥが新規参入を狙うとしてもシェア拡大は容易ではないと懸念されます。いずれにせよ中国のインターネットの普及率は未だ10%程度であり、マーケットの飽和を議論するのは気が早すぎると思います。むしろ問題なのはバイドゥの株価水準が余りにも高い(今年の一株当たり利益予想に対して約60倍近いPER)ので、ほんの少しでも市場の期待を下回る決算になった場合、大きな落胆を誘うような状況が出来てしまった点でしょう。





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最終更新日  2007年02月19日 16時50分01秒


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