2007年02月27日
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今日のまとめ

1.アウト・オブ・ホーム広告は中国では広く受け入れられている
2.フォーカス・メディアは広告関連株として重要な地位を占めている
3.同社の売上高は急成長が見込まれるためPEGレシオでは割高感は無い
4.アウト・オブ・ホーム広告市場は未知数の部分が極めて多くリスクが高い

歴史の浅いアウト・オブ・ホーム広告

今日はアウト・オブ・ホーム(戸外)広告の市場について説明します。アウト・オブ・ホーム広告とは具体的には次のような媒体を指します:

 1.オフィス・ビルのロビーやエレベーター付近に設置されたフラット・パネル・テレビによる広告
 2.屋外に設置されたデジタル液晶ビルボードによる広告
 3.ハイパー・マーケット、スーパー・マーケット、コンビニなどに設置されたフラット・パネル・テレビによる広告(これをインストア広告と呼ぶ場合もあります)



ADRを出している中国の成長株の時価総額

仕組みの説明

フラット・パネル・テレビは大きなオフィス・ビルのロビーやエレベーター付近など人通りの多い場所に普通設置されます。これを設置するにあたってフォーカス・メディアはオフィスの管理会社に年間500ドル程度の場所代を支払います。そしてスポット広告を朝の8時から夜の8時までの12時間流すわけです。ひとコマのスポット広告はふつう15秒から30秒で、次々に色々なスポンサーの広告が流れます。そして12分から15分でサイクルが一巡し、あとは同じ内容が繰り返されるわけです。広告の内容はひとつの都市では全部同一ですが他の地方へゆくとそれぞれのローカルな広告主のニーズに合わせた内容となるため構成が変わってきます。広告はDVDに録画され1ヶ月に1回程度更新されます。今のところ更新作業は手作業ですが順次オンラインによる遠隔更新のシステムが導入される見込みです。主な広告主はチャイナ・モバイル(CHL)やトヨタ、フォルクスワーゲン、ノキア(NOK)などです。

最初にフラット・パネル・テレビによる広告が登場した当時は「これは成功しない」と悲観的な見方をする欧米のアナリストが多かったです。それは主に広告が目障りだという理由からです。しかし中国の消費者はこのような訴求手段を特にうっとうしいとは感じず、むしろエレベーターの待ち時間などの時間潰しに歓迎する声もあります。ビルのオーナーもフラット・パネル・テレビの設置がイメージの低下につながるなどという懸念は持っていません。もともと中国の都市は屋外広告の費用が物価水準などから比べて高いこともあり、この新しいメディアは瞬く間に受け入れられました。下のグラフはこの業界における圧倒的リーダーであるフォーカス・メディアの売上成長を示したものですが、今年は46%程度の成長が見込まれています。

フォーカス・メディアの売上高予想と成長率

株価評価

さて、フォーカス・メディアの株価評価ですが、今年(2007年)の一株当たり利益(EPS)に基づいた株価収益率(PER)は約30倍です。株価収益率をEPS成長率で割り算した、所謂、PEGレシオは0.52となります。一般にPEGレシオが1だと株価評価とその企業の成長率とのバランスが取れており、1以下だと成長率に比べて「割安である」という風に解釈されます。

ADRのある中国の広告関連株の株価収益率とPEGレシオ

リスク

フォーカス・メディアを巡るリスクは沢山あります。先ずアウト・オブ・ホーム広告という宣伝形態が実は余り訴求効果が無く、広告主が今後の契約更新を取りやめるというリスクが考えられます。実際に訴求効果があるか無いかに関しては未だ十分な実証データに乏しいというのが現状です。次に今は中国の景気が良いため、効果があるかどうか疑わしい媒体でも各社競ってガンガン広告を打つという事が常態化していますが、ひとたび景気後退局面に入ったらアウト・オブ・ホーム広告が先ず真っ先に契約打ち切りの対象にされるかもしれません。このことはアウト・オブ・ホーム広告自体の歴史が浅いので実際、不況のときどれだけビジネスが減るかに関しての過去の経験がありませんから何ともいえないのです。

また、フォーカス・メディアが最近力を入れているインストア広告に関しては欧米先進国では過去に同様の試みが何度かされたのですが、いずれも惨憺たる結果に終わっています。中国の場合は消費者の嗜好がかなり違うのでインストア広告は有効なのかも知れません。しかしインストア広告が消費者に受容されるかどうかに関しては細心の注意を払って見守るべきでしょう。





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最終更新日  2007年02月28日 10時21分15秒


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