今日のまとめ
インフレの見通しが狂えば株高のシナリオも崩れる
去年の年末に『2012年の新興国株式の見通し』と題したレポートで今年は新興国株式投資に理想的な環境であることを述べました。
実際、年初から新興国の株式市場は猛烈なスタート・ダッシュを見せています。

投資家が新興国の株式市場に対して強気になったひとつの理由は去年までのインフレ退治の局面が終わり、これからいよいよ金融緩和が起こるだろうという期待があったからです。
しかしこのところの原油高で折角苦労して退治したインフレが再燃する懸念が出始めています。
追加緩和期待に冷や水を浴びせたバーナンキ
米国では先週、ベン・バーナンキFRB議長が議会証言し、彼としては珍しくインフレ・タカ派的なコメントをしました。すなわちこのところ米国のガソリン価格がスルスル上昇しており、これに気を付ける必要があると注意を喚起したわけです。

あわよくばQE3(追加的量的緩和政策第3弾)の発表があるのではないかと期待していた投資家は肩透かしを喰らいました。
とりわけ金価格は一日で5%以上も急落しリスクオン・トレードに慢心し過ぎるととんだしっぺ返しを受けることを改めて実感させられました。
リスクオン・トレードと言えば新興国株式もれっきとしたリスクオン・トレードの対象です。
新興国各国のスタンス
さて、このところの新興国の株式市場の戻りと新興国通貨の戻りに関しては既にブラジルが「もうそろそろレアル高は歓迎しない」ということをハッキリ言い始めています。
ブラジルの主要輸出品目は農産物や天然資源など比較的付加価値の低いものが中心ですのでレアル高で国際競争が不利になれば企業努力でそれを改善することは出来ません。ブラジル中銀が自国通貨高に対して神経質な理由はここにあります。
景気とのバランスで言えば中国はとりわけ製造業の購買担当者のマインドが悪く、従って今後も緩和的な方向が維持される可能性が最も高いです。

これに対してインドは製造業購買担当者指数が力強くリバウンドしたのでむしろインフレとのバランスを取る必要が高まっています。

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