ドラゴン山田の研究室

ドラゴン山田の研究室

2015.03.27
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カテゴリ: Travel
2008(H. 20)年以来のシェフィールド行きである。イギリスの政治学会 The Political Studies Association of the UK (PSA) で学会発表するためである。20年前の1995(H. 7)年、シェフィールドの Ph. D. コースにいた私は、自分が20年後に研究者としてイギリスで(しかもシェフィールドの地で)学会発表することになるなど、毛筋ほども想像していなかった。BBC で流される阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件の報道に、ただ茫然としていたのではなかったか――。

夜明け前の八王子を、妻に京王八王子駅前まで車で送ってもらい、白々と夜が明ける中をリムジンバスで成田空港へ。余裕をもって着き、朝食はうどんをすする。久方ぶりの KLM で約12時間の飛行の後、好天のアムステルダムに安着。しかし、そこからの乗継便の出発がどういうわけか1時間半も遅れ、マンチェスターに着いたのは現地時間の17:50過ぎ。座席指定していた列車が発車してしまう時間だ。マンチェスター空港は、地方空港とはいえそれなりに大きく、ターミナル間はけっこう歩く。ともあれ、指定を取っていた列車より1時間遅い、18:55発のクリースロープス行き快速に乗り込んだ。シェフィールド着は20:10ぐらい。しばらく来ないうちに、ホームはずいぶんきれいになった気がする。駅前に水の流れるオブジェができていたのは、2008年にも見ていたが、夜にライトアップされているのは初めて見た。宿として取った NOVOTEL は、本当に駅から近くだった。

出発直前までいろいろなことに追われ、心理的にはほぼ日常生活の延長の上に家を出発した私。しかも、2008年に妻とシェフィールドを訪れた時の、いわゆる「シェフィールド殺し」以降、初めての単身の渡英だ。成田空港に着いても、アムステルダムでも、あまり「旅」をしているとの実感は湧かなかった。かつてのような、「いよいよイギリスに出発だぁ」という高揚感が、ないのである(まして「2008年のリベンジだぁ」みたいな力みにおいておや)。きっとこれは、決して「感動する心がなくなった」みたいな悪いことではないのだろう。しかしそれでも、マンチェスター空港駅からシェフィールドに向けて、混雑する列車に乗っている間、ふと、「今、俺はここイギリスにいるんだよな」と、実感めいたものはジワリと湧いた。

寒さを覚悟して、10数年前に買ったのにしばらく着ていなかったバーバリーの真冬のコートに身を固めてきた私。しかし、ひんやりしてはいるものの思ったほどの寒さではない気がする。夜のとばりに包まれたシェフィールド駅前は、空に半月が浮かぶ朧月夜であった。

(3月28日記す)





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最終更新日  2015.03.28 18:57:34
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