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日本では、裁判でもやらない限り、実費だけの弁償という慣習があるようです。
例えば、これからデートだということで「勝負服」(こういう表現が正しいのかどうかわかりませんが「勝負下着」ってありますよね)で颯爽と出かけていき、喫茶店で時間調整をしていたら、コーヒーをこぼされて「勝負服」の3分の1が茶色になってしまったとしましょう。
おそらく店側は「クリーニング代を弁償させていただきます」と言うでしょうが、それであなたの損害は賠償されたのでしょうか?
私自身、某家電量販店のミスで何時間も行ったり来たりさせられたり、セッティングの外注業者の不手際で何時間も居座られたりした経験があります。
そのようなときでも、店側の提示は実費だけ。
もちろん、裁判にかければ、その時間費用も斟酌して賠償額が算定されます。
現に、交通事故で怪我をしたときは、通院費だけでなく通院慰謝料(病院に通う精神的苦痛の代償)がきちんと算定できるようになっています。
入院慰謝料があることは言うまでもありません。
それ以外に、休業損害も当然のこととして認められます。
だからといって、「決め服」を台無しにされた苦痛に対する慰謝料や、時間を無駄にされた損害を賠償するために裁判を起こすのはとてもやっかいですから、ほとんどの人は「泣き寝入り」となってしまいます。
アメリカには、懲罰的損害賠償という制度があります。
これは、同種の損害を多くの人に及ぼしながらも、少額なゆえに賠償を免れて利益を享受している企業に対する懲罰として、実損よりはるかに大きな賠償額を認める制度です。
マクドナルドのドライブスルーで年配の女性が店員のこぼしたコーヒーで火傷をし、億単位の賠償額が認められたという話は有名です(その後、適切な額で和解したという噂もありますが)。
そこまでいかなくとも、「2倍、3倍賠償」という制度も英米法ではあります。
日本でも、訴訟にかかった費用や時間、更には実費では到底補えなかった損害を賠償させるくらいの制度があってもいいのではないでしょうか?
特に、人間関係が希薄化している今日、「実費弁償」で泣き寝入りしている人がものすごくたくさんいると、想像しています。