歩人のたわごと

歩人のたわごと

2026/07/22
XML
カテゴリ: エッセイ
花火と臨場感


 それもかなり昔のことで、最後に見た花火はいつで、どこだったかさえ定かでない。それでも見た回数は大して多くないので、おぼろげながら記憶は残っている。
 記憶にある花火を順不同で列挙すれば、大阪PL教団、天神祭り、地元枚方の淀川、神戸の港まつりなどである。
 PL教団の花火は打ち上げ数など関西一を誇っていたが、最近はどうなったのか、話題にも上らない。ボクが見たのは、まだ会社勤めをしていたころで、現地に知人の職場があり、彼の招きにあずかって見せてもらった。打ち上げ数の多さもさることながら、とにかくすごい人出の印象が強かった。
 天神祭りの花火は天満橋の川べりで眺めた後、某新聞社のビルの上層階で見た。こちらは仕事がらみで、アルコールとおつまみ付きの有難い花火見物であった。
 淀川の花火は、会場のすぐ近くにいとこの家があり、一度いらっしゃいと声がかかってカミさんと出かけた。いとこが場所取りをしてくれた堤防の斜面でゆっくりと最後まで見物した。
 神戸の港まつりの花火は、大学のクラスメート数人が、神戸のホテルで食事をしながら眺めた。
 花火については偏見も含めてボクなりの見解を持っている。それは、〈花火見物には音と光と煙硝のにおいの三拍子が必須である〉というもの。打ち上げ時のあのドーンという鈍く重く響く音。光は言うまでもなく夜空に広がる色とりどりの模様である。少し遅れてあの独特の煙硝のにおいが漂ってくる。花火見物の楽しみに、あえてもう一つ付け加えるとすれば、日本独特のご婦人方の浴衣姿である。
 神戸のホテルの冷房の効いた室内で花火を見たとき、自分の花火に対する見解の正しさを再認識した。窓の外の暗い夜空に、光の模様が見えるだけで、音は聞こえず、ましてや煙硝のにおいなど全く無関係で、現場の熱気がまるで感じられない。窓越しとはいえ、花火の現場を直接見ているので、テレビで観るよりましかという程度の気分だった。

 本で読む、人の体験談を聞く、テレビで観るのも、もちろん楽しみではある。しかし現場を体験することに比べれば、あくまで次善の手段である。高齢になって気力、体力は衰えていくだろうけれど、ボクはやっぱり現場に出向く、実物を観るという行動力を大切にしたいと、決意だけは立派なのだが……。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026/07/22 06:00:09 PM
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

ビッグジョン7777

ビッグジョン7777

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

ビッグジョン7777 @ Re[1]:能取岬と灯台(北海道網走市美岬)(07/26) New! かめさんランナーさんへ たしかに北海道…
かめさんランナー@ Re:能取岬と灯台(北海道網走市美岬)(07/26) New! 北海道にいた頃、地名の読み方は家内より…
漫歩マン@ Re:オシンコシンの滝(北海道斜里町)-「日本の滝100選」(07/25) オシンコシンの滝、あわい思い出がありま…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: