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2008.01.14
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カテゴリ: フランス映画
L'AGE DES POSSIBLES

106min
(所有VHS)

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若者を描いた作品で『a.b.c.(アー・ベー・セー)の可能性』ですか。ビデオジャケット表には「彼と寝た意味は何!? フランス式恋の悩み、セックスの不安。」とコピーがあって、性的な方向に誤解をしてもらうことを目的にしたちょっとえげつない邦題ですね。原題の意味は「可能性の年頃」ぐらいでしょうか。でも「a.b.c.」が全く創作かというとそうでもない。Agnes、Beatrice、Catherine、Denise、Emmanuelle、Frederic、Gerard、Henri、Ivan、JacquesのイニシャルA~Jまで10人の若い成人の卒業~就職期の日々を描いているからです。

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上記はフランス語綴りのアクサン等の記号が抜けているけれど、お解りになる方はお解りになられるように、ABCDEの5人が女性、FGHIJが男性。だから同棲(←この言葉はどうもしっくりきませんが)している2人もいれば、一夜だけの関係を持つ2人もいる。でもそれは年令的に言って性愛だけの問題ではなく、結婚するとか、家庭を作る、子供を生むなどという社会的問題とも無関係ではない。そして映画全体としては男女間のことを含めて、でももっと広く学生から社会人にという、既成の社会への適応を余儀無くされた若者たちの疑問や葛藤の日々を実存的に描いています。舞台はフランス北東、ライン河によるドイツとの国境の町ストラスブール。ストラスブール国立劇場付属演劇学校の学生たちが演じています。既にテレビドラマとかに出演経験のある人も2人いるけれど、ほとんどが映画初出演で、その後映画俳優になった人もいればない人もいる。もともと演劇学校の学生だから映画俳優への道は無縁ではないわけだけれど、彼ら・彼女ら自身がある意味映画の中で演じている役のような可能性と選択の時期の若者なんですね。みんな自然体で好演しています。たしかDeniseかな、まさに彼女は演劇学校出てバイト生活している。役者の道は諦めて普通に就職するべきか、あるいは既にテレビドラマの主演女優になった同級生の言うようにパリに出て役者を目指すべきか。もちろん彼女には同級生に対する嫉妬(や憧れ)と自分の才能に対する不安を持っているわけですね。パスカル(監督のパスカル・フェランではなく有名な思想家のブレーズ・パスカル)は書いてます。「人生で最も大切な選択は職業の選択だ。しかしほとんどの場合それを命じるのは偶然だ。」と。この年代はまだ多くの選択の「可能性」を持った幸せな年頃であるよりはむしろ(と同時に)悩み多き年頃でもある。そんな若い成人たちの日々を、批判まではないけれど社会の構造に対する疑問をも少し含めつつ、嫌味やわざとらしさなしに上手く描いていますね。女性監督が描くこういうことをボクはどちらかというと嫌いなんですが(この点を少し詳しく書くと、女性の本性や生理から見た世界は歓迎なんですが、男性社会の中の女性という、ある意味男性的論理の視点で見ているのは嫌いなんですが)、この映画にはそういうイヤな面はありませんでした。何かイヤな予想をして買ってから10年くらい見ないでいたビデオでしたが、小粒ながらなかなか良い映画でした。

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書き忘れたことを付記しますが、この10人は奨学金やバイト・正社員等で経済的に独立しているようだけれど、住むのも独立して住んでいて、親との関係がまったく出てこない。仮に経済・住居が独立していても、心理的・物質的に相互依存・干渉を続ける場合の多い日本とはかなり違う個人主義の世界で、同じ年代でも日本の若者よりも大人だな(大人であることを要求される社会)と感じました。

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Last updated  2008.01.15 01:58:29
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