瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内シーカヤック日記

August 14, 2005
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カテゴリ: カヤック
旅のスタイルとして、人数という視点で分類すると、ソロかグループか、ということになると思う。

ソロは、言うまでもなく一人旅。
これに対してグループツーリングは、2人以上での旅であるが、その種類は、大きく分けて、所謂ガイドが付く商業ツーリングに参加する場合と、友人/知人が集まってのツーリングの2種類がある。

(1)商業ツーリング
最近は参加する頻度が低くなっているのだが、商業ツーリングに参加する最大のメリットは、その地域/海域の海況や、出艇場所や立ち入り制限のある場所などローカルルールに詳しいプロのガイドの人が付いてくれる事だろう。
横浜単身赴任の時に訪れた三浦半島では、出艇場所を含むローカルルール、海の状況が分からなかったので、最初は専らショップのツアーに参加していた。 また、瀬戸内横断の最終ルートとなった関門海峡越えでも、厳しい潮流や輻輳する海上交通、宿泊/休憩/上陸地点に関する地理的な情報を持っていない事を考慮し、地元のガイドの方にサポートをお願いした。 いずれも、正解だったと感じている。

その他、商業ツーリングでは、様々な人と知り合える事や、ソロでは作らないような豪華な食事、地元の食材を活かした料理なども大きな楽しみの一つだ。

ただ、あくまで個人的な見解だが、商業ツーリングであるからと言って、必ずしもリスクが低いとは考えていない。 また、この『リスク』というのも、ガイドから見た視点と参加者からの視点では全く異なるのではないか思う。

私もカヤックを始めた頃は、イザとなったらガイドに助けてもらえるから安心だ、と思っていた時期もあったことは事実。

数年前、津軽海峡横断イベントに参加した時、北海道まであと8kmほどの所で出会った酷い潮目で(まるで周囲を滝に囲まれているようだった)、周りのフネがバタバタとひっくり返って行ったのだが、自分が沈しないように保持するのが精一杯で、とても他の人をレスキューする余裕など全く無かったことを良く覚えている。

逆に言えば、そうならないよう、地元の海況や気象に詳しく、経験豊富なガイドの出る/出ない、行く/戻るといった、プロとしての判断に期待する訳だが。
とはいえ、判断に100%確実ということはないだろうし、ガイドの判断が自分の判断と異なるという事もあると思うので、最近は商業ツーリングとはいえ、セルフレスキュー/オウンリスクという事を常に念頭に置いて参加し、要所では自分の意志を伝えるように努めている。

(2)仲間内でのグループツーリング
私自身は、クラブに参加しておらず、また友人が少ない事も有り、仲間内でのグループツーリングはあまり経験が無い。
時々、会社の人を日帰り体験ツーリングに連れて行ってあげたり、商業ツーリングで知り合いになった人と出掛けたりするくらい。

その他、非商業的ツーリングという意味でいえば、ここ2年ほど参加させていただいた、内田さんを隊長とする『瀬戸内横断隊』。 これは、ほとんどがプロのガイドの人が商売抜きで参加している旅。 グループツーリングではあるのだが、自立した人たちの集団。 素人の私としては厳しいながらも学ぶ事が多い、貴重な経験だった。

印象に残っているのは、第一次横断隊の時に、荒れた海峡を越えようとしたのだが、波が高くて一旦漁港に戻ったとき、隊長の内田さんが周りの人たちに 『怖かったら怖いと言ってくれ、俺には分からないからな』、と言っていた事。
世界各地で様々な状況をくぐり抜けて来た内田さんと、素人のカヤッカーでは、怖いと思うレベルが全く異なるのだ。 だからこそ、リーダーとしては、その心理状況を正確に把握し、正しい判断をするために、『声に出して言ってくれ』、ということだった。
他の日にも、ある隊員に対して、『コミュニケーションが大切なんだ』、『どうしたいのか、どうしようとしているのかを人に伝えろ』と言っていた。

商業ツアーでも一緒だと思うが、経験や技量、体調の異なるグループの中で、リーダーが正しい判断ができるように、コミュニケーションを取る事の重要性を実感した旅だった。


私の場合、そのほとんどの旅がソロツーリングである。 前に書いたように、友人が少ない事や、商業ツーリングに頻繁に参加できるような金銭的な余裕が無い事もその理由の一つではあるのだが、他にも理由がある。

自由である事。
この場合の自由とは、思い立った時に、好きな場所に行ってテントを張り、腹が減った時に好きなものを食べ、嫌な海況の時には出ない/引き返すといった判断が、自分自身でできる事だ。

出られる/出られない、荒れて来たがまだまだ進める/これ以上進めない、目的地をあそこに変更したい、気が変わったのでここで上がってゆっくりしたい、といった判断は、一人一人が違うはず。 なんといっても、漕いで来た環境や経験、技量、旅のスタイル、人生観が違うのだから。

それを、人と議論して決めたり、妥協したりといったことが、基本的に好きではないのだ。 そういった事は、会社/仕事だけで充分だ。


ただ最初の頃は、ソロでキャンプツアーに出る事はやはり怖かった。 日帰りと違って、一人で野宿しなければならないのだ。
江の川を、初めてテントを積んで下った時の事を今でも覚えている。
この川自体は、カヌー館のツアーで何度もキャンプツーリングしていたのだが、一人だと、どの河原でキャンプしようかということに迷った。
あそこの河原はどうかな? 人里離れて静かそうだが猪はでないだろうか?
あそこは? 道が近いので暴走族がこないかな?
あそこは? なんだか薄暗くて、まさか変なモノはでないよね。 などなど

自問自答しつつもキャンプする河原を決めかねて、暮れて行く川を漕ぎ下って行った。
暗くなり始めたので、ようやく意を決してテントを張った河原。 でも、テントの中でチョットした物音にも怯えてほとんど眠れなかった夜。 今でも、鮮明に覚えている。 もう10年位前になるが、とても良い経験だった。

その後、海でもソロでキャンプツーリングするようになったが、浜でのキャンプ、無人島でのキャンプは、川とはまた違った怖さがある。 それも、泊数が増えるにつれて、次第に慣れて来た。

ソロだからこそできる経験も多い。 美しい景色や小さな焚き火を前に、一人静かに飲むビールもまた格別だ。 孤独を楽しむが、人を拒絶する訳ではなく、その地での人との出会いも歓迎する。

全てを自分で判断し、決定し、責任とリスクを負う、ソロでのシーカヤック旅。 グループでのキャンプツアーとは全く違う世界がそこにはある。





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Last updated  August 15, 2005 07:17:46 AM
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