瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内シーカヤック日記

November 19, 2005
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カテゴリ: カヤック
横断隊2日目の朝。 今日は瀬戸大橋越えという難関が待っており、潮流のきつい大潮の時期でもあるため、余裕を持って少しでも早く出ようと言う事で、朝4時半過ぎに起床した。

いつもの通り、シュラフの片付けから始め、テントを畳んでから食事の準備。
今朝も、餅入りの塩ラーメンだが、横で食事の準備をしている若いプロサーファーは、生味噌を使ってみそ汁を作っていた。

『味噌からみそ汁を作るなんて本格的だねー』 すると、 『みそ汁は体が温まりますからね』

そうか、味噌は体を温めるのか。 それを聞いた私は、さっそくインスタントのみそ汁と乾燥ワカメと麩の具を取り出し、塩ラーメンに投入した。
このような厳しい状況での旅では、年齢は関係ない。 厳しい状況を切り抜けてきた経験と正しい知識がモノを言う世界なのだ。
そういうことを、これまで2回の横断隊経験で身にしみて知った私は、すぐに彼の言葉を自分の食事に活かす事にした。

味噌味となった餅入り塩ラーメンを食べ、行動食を準備し、着替えて出艇を待つ。

昨日遅れたHさんは、一日だけの参加予定だったので本日は離隊。 14名で漕ぎ出す事となった。

簡単なミーティングの後、渋川海岸を出てまっすぐに最短距離で瀬戸大橋へと向かう。

途中、経験の浅いMさんのフネが、独り右方向に離れて行く。 みんなでどうしたんだろうと気にしているのだが、それでもドンドンと離れて行くのだ。 これはおかしいという事で、ストップし、数人が様子を見に行くと、ラダーケーブルの調整が上手く行かず、左に舵が切れない状態になっていたようだ。

ケーブルを調整し、Mさんの合流を待って再出発。

幸いなことに、潮流も風もそれほど影響を受ける事無く、無事に瀬戸大橋の近くまで漕ぎ進んだ。

1472

釜島の近くまで来た時に、一艘の漁船が近づいてきた。

『どこまでいくんか?』 『山口までです』 『瀬戸大橋の下の下津井瀬戸は、大潮で渦ができているぞ。 わしらのボートでも交わしながら抜けるのに、そんなフネじゃ沈む。 もし行くんなら、あの橋脚の方に行った方がええ』 『そうですか。 ありがとうございます』

ということで、せっかく地元の海に詳しいプロのアドバイスを頂いたのだから、下津井瀬戸の南側になる櫃石島側を抜けて行く事とした。

でも、久須美鼻の所から松島まで航路を横断しようとする所で、下津井瀬戸からバンバン本船が出てくる。 うーん、やっぱりなかなか難しい場所だ。

それでも少し船と船との間が空いている時間を狙い、コンパクトにまとまって全速力で一気に横断した。 やっと松島。 ここまで来れば一安心だ! ホッと胸をなでおろす。

瀬戸大橋の下は、追い潮だが川の様に流れ、橋脚の向こうでは白波が立って渦を巻いている!!!

ここは海なのだが、まるで川の瀬を下っているような感じで、渦に巻き込まれないよう慎重なパドリングで漕ぎ抜けた。 瀬戸内が初めての人には、驚くほどの潮の流れだったようだ。 ここまでで、8時過ぎ。



その後は、本島の北側で小休止し、広島、手島、北木島の北岸に沿って白石島を目指す事になった。

***

風もなく、潮の影響も無い状態でのパドリングなのだが、単調で長い時間が過ぎて行く。
昨日は、経験の少ないHさんが向かい風と逆潮で遅れ、他の隊員にサポートされる事になったのだが、今日は、同じくカヤック経験の少ないMさんが遅れ気味。

進んでは待つ、進んでは待つを繰り返していたのだが、結局最後は、今日のリーダーである村上さんの判断で、Mさんがサポートされる事になったようだ。


昼前にようやく白石島に近づく。 この白石島の手前で潮が変わり、逆潮になった。 パドルが重い。
地元のHさんの、逆潮が強くなる前に白石瀬戸は越えておいた方が良いとのアドバイスで、上陸して休憩せずに、白石島を抜けて鞆の浦に向かう事となった。

***

わずかな休憩に、バナナを食べ、カロリーメイトを胃に収め、飲料水を口に含む。

白石島を越えてからは、思ったほど潮はきつくなく、風も穏やかで順調に進んで行った。 Mさんも、途中でサポートから解放されたようだ。 頑張れ。

沖合には、『ふくやま』と書かれたブイがある。 そう、もう広島県に戻ってきたのだ!!
感慨無量。 夕方も近づいており、今日の目的地は仙酔島のビーチと決まった。

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しかし、あともう一踏ん張りなのだが、疲れもあるのか、目指す仙酔島はなかなか近づいてこない。
それでもようやく浜にたどり着き、3時過ぎにはフネを引き揚げた。

本日の槽行距離は、約50km。

そそくさと荷物を降ろし、テントを張り、着替え、山道を越えて国民宿舎の風呂へと向かう。

1475

疲れた時の風呂は最高だ。 凝りに凝った肩甲骨あたりの筋肉もほぐれて行くのが実感できる。
幸い先週痛めた腰は、漕ぐほどに調子が良くなっている。 ちょうど良いストレッチになっているのだろうか?

一緒に入った仲間と、昨日、今日の四方山話しをしながら、浴槽に使ってのんびり、ゆったり。 あー、まるで天国のようだ。

風呂上がりには、椅子に座って冷えた缶ビールを『プシュ!!!!!』 『ゴクリ』 『グビグビ』 これが、いつもに増して旨いのだ。

再び山道を越えて浜に帰ると、Hさんとその知り合いの人から、ビール、ワイン、大きなスズキの刺身、つまみの差し入れがあった。 ありがたい。感謝。
しばし仲間達と軽い酒宴を楽しみ、明日の早い出発に向けて、今日も早めにシュラフにもぐり込んだ。

明日3日目は、今年も横断隊部分参加の私にとっては、とうとう最終日。
昨年は、3日目の午後に強い向かい風の寒波の中で疲労のピークがやってきて、いくら漕いでも遅れてしまい、メンバーに迷惑をかけてしまった鬼門の日だ。 上陸した倉橋島で離隊を決意した、あの時の辛い思いは、今も忘れられない...

幸い今年は体調は問題ない。 明日も頑張るぞ。

***

なにはともあれ、今回、小豆島から白石島まで漕いだ事で、3年かけて瀬戸内横断隊のルートである、祝島から小豆島までの区間を、横断隊の隊員としてつなぐ事ができたことはうれしい。

第1回目は、3日間で、蒲刈~白石島。
第2回目は、4日間で、上関~祝島~蒲刈。
今回の第3回目では、2日間で、小豆島~白石島(~仙酔島)。

その前に個人的に行った、兵庫県家島から山口県下関までの尺取り虫方式での旅とは違う感慨が有る。





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Last updated  November 23, 2005 07:54:07 PM
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