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2006.08.07
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カテゴリ: 回想



人間は時としてマゾヒスティックになることも価値がある。自分をいじめられる人は逆境でも決してへこたれない人間になるであろう。

自分にとっては大学1回生の時の剣道部の夏合宿。確か9泊10日で奈良のユースホステルに泊まり、近くの体育館で練習をしていた。「運動時に水を飲むのはいけない」と教えられていた時代。外気温は30度を超えていただろう。防具をつけていたし面の中の温度は40度以上あったろうか。午前午後と3時間ずつの練習。2日おきに夜の練習2時間もあったりで、何度か意識を失いかけた。面を取って汗を手ぬぐいで拭き、麦茶をマネージャーからもらう時のあの感動は今も忘れられない。

卒業後にも、自ら求めて苦しみを経験する破目になる。

20代後半から30代半ばにかけて、いくつかの冒険をした。チャレンジといってもいいだろう。

そのひとつは マウンテンバイクによる日本最高峰富士山登頂

低地と違い酸素が少ない高地で手ぶらで上るのもきついのに、あえて13キロの重さのマウンテンバイクを押してかついで登るのであるから酔狂なものである。

今は富士山も自転車の登頂を禁止しているようだが、マウンテンバイクがこの世に登場し始めた80年代は夏になれば結構多くのサイクリストが富士山頂3776メートルを目指したものである。

御殿場駅から御殿場口の5合目までは自転車で走れる舗装路がある。火山灰が堆積した登山道を最初の内は押して進むが、7・8合目以降は担ぎが必要になってくる。

7合目の山小屋で一泊して体を高地に慣らしておいて正解だった。いっきに山頂を目指せばそれだけ高山病になる可能性が高くなるからだ。

8合目を過ぎれば、訳もなく疲れてしまう。2・3歩歩いただけで息をぜいぜい言わせながら立ち止まり、うずくまって回復を待たなければならない。

紫外線は以上に強く、サングラスをしていても目が痛いくらいだった。

9合目から山頂にたどり着くまでが地獄の道のり。もうあきらめてしまおうかと何度も思わされ、他の登山客に励まされながら何とか一歩ずつ、本当に一歩ずつ前進して行った。

山頂剣ヶ峰に着いた時、喜びよりはもう登らなくてもいいという安堵感に浸っていたのを覚えている。

登り8時間、下りはブルドーザー道を40分で一気に駆け降りた。

下りで2度ばかり転倒して火山灰の中に顔から突っ込んだ。ほんの少しだけ前ブレーキをかけたところ前輪がロックして後輪がふわっと宙に浮いて、自転車に一本背負いを食らった感覚だ。

御殿場駅に戻ってきて、下界から眺める富士山の眺めはやはり日本一だった。

「あの山を登った」という満足感よりも、「自分と自転車を受け入れていただいて恐縮」といった敬虔な気持ちになっていた自分が不思議だった。

富士山には神様がいる、そんな気持ちにもさせられた。

毎年7月には富士登山競争というマラソン大会が行われている。

年齢制限で自分自身はもう参加できないかもしれないが、レースではなく単独で走って登ってみたい。50歳までにかなえたい目標である。





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Last updated  2006.08.07 22:24:53 コメントを書く
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