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2025.09.24
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カテゴリ: 音楽あれこれ
僕が初めて買ったレコードはビートルズの「ラバーソウル」だ。そのラバーソウルの解説がレコードの歌詞シートの冒頭に書かれていた。
その解説、いわゆるライナーノーツに書かれた文章は非常に優れた「ラバーソウル」の解説だった。
レコードジャケットの芸術性、全曲オリジナルのアルバム、その音楽の変化や革新性。
「ラバーソウル」というアルバムをビートルズのキャリアの中でどのような意味を持つものなのかをわかりやすく解説しながら、そのアルバムがどのような時代背景の中で発表されたかということも触れながら「ラバーソウル」の歴史的価値を解説していた。
そのライナーノーツを読んで、初めてこの優れた解説を書いた人は誰だろうと興味を持った。ライナーノーツの最後には「音楽評論家」「渋谷陽一」と書かれていた。
初めてロッキングオンを購入したのは1987年の12月号。ミックジャガーが表紙だった。ロッキングオンという雑誌はそのころの音楽雑誌としてとても独特で奇妙だった。
ロッキングオンは編集者やライターの顔が見える雑誌だった。いや。顔が見えるというより編集者や編集長やライターの「思い」が全面的に出ている雑誌だった。
それはまるでアーティストよりも「自分が書いている」「自分が編集している」ということが前面に出ている。そんな感じ。
だけれども、それまで読んでいた音楽雑誌よりも、ロッキングオンで取り上げられたアーティストへの愛情や批判的意見、そうしたものがよく見えて読んでいて面白かった。

それから7~8年間の間、僕の青春はロッキングオンとともにあった。

渋谷陽一氏の最大の仕事の一つはロッキングオンという雑誌を創刊したこと。そしてロッキングオンを通じて「渋谷イズム」とでもいうような、独特なスタイルで日本の洋楽業界を刷新したことだ。
90年代以降も元ロッキングオン編集者たちが自分なりに「渋谷イズム」を解釈しながら音楽雑誌を創刊していった。
それぞれの音楽雑誌によって表現方法は異なるけれども、それらの雑誌に共通していたのは編集者ないし編集長の顔が見える雑誌作り。それが共通していた。

90年代だと、レッチリやプロディジーや奥田民生に対する評価やライナーノーツが記憶に残っているけれど、渋谷陽一氏は音楽評論家としての顔だけでなく、雑誌作りやテレビの番組作り、そしてロックインジャパンなどのフェスの立ち上げなど、プロデューサーとしても非常に優れた人だった。

それでも「渋谷陽一」という名前を聞くと僕はロッキングオンの創」刊者でもあり編集長だった人だという印象が大きかった。
ロッキングオンがなければ、松村雄策氏の素晴らしい文章に出会えなかったし、一條和彦氏や岩見吉郎氏や増井修氏や山崎洋一郎氏やタナソウ氏など印象深い作家やライターや面白い雑誌を作る雑誌編集者と出会うことはなかった。そしてこのように細々だけれども、音楽に関する文章を書き続けることもなかった。
ビートルズの「ラバーソウル」に渋谷陽一氏がライナーノーツを書き、それをたまたま読んでしまった。それが今から考えると僕にとって、とても大きな出来事だった。
ロッキングオン10月号に渋谷陽一氏の代表的な評論「海には出たけど泳げない」が再録されている。ロックスターを目指すのではなく、「音楽を語ること」を選んだ渋谷陽一氏。ある音楽のすばらしさを文章で表現することのむなしさや不可能性。その中で悪戦苦闘し、音楽を語ることの一つのひな型を作り上げた功績。そしてプロデューサーとして日本の音楽に多大な足跡を残した功績。

僕が必死にロッキングオンを読んでいた時には、このようなこと、渋谷陽一氏が亡くなってしまうということが起こるのを予想することもできなかった。時間がたつということ。それはもしかしたら、死に近づくということなのかもしれない。
何か気の利いたことを書きたいのだけれど、書くことができない。


ロッキングオンという素晴らしい雑誌を作ってくれてよかった。それは多分、ある一人の青年の青春とともに走るのに最も適した雑誌だったと思う。
偉大な編集長に追悼の言葉を伝えたい。
多分ロッキングオンに投稿しても採用されることがない駄文であると思うのだけれども。





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Last updated  2025.09.24 20:19:53
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trainspotting freak@ Re[1]:世界の終わりはそこで待っている(06/19) これはさんへ コメントありがとうござい…
これは@ Re:世界の終わりはそこで待っている(06/19) 世界が終わるといってる女の子を、「狂っ…
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trainspotting freak @ コメントありがとうございます aiueoさん コメントありがとうございます…

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