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韓国生まれの世界的ヴァイオリニスト=チョン・キョンファのソロ演奏会に行った。
2年ほど前、弟のチョン・ミョンフン率いる東京フィルとの共演でブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いて以来だ。
今回は彼女のソロ演奏会。共演者はピアニスト=ケヴィン・ケナーだけだ。
まず最初の曲は、彼女一人だけの演奏。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番。
上手袖から現れたチョン・キョンファは、上野の東京文化会館大ホールの大きなステージの真ん中にゆっくりと移動。そして演奏開始。
4階席から見下ろす彼女はとても小さく見えるが、ヴァイオリンの音は力強い。アクションも堂々としている。指の故障でやむなく活動を休止した6年間のブランクを乗り越えた精神力のようなものが漂う。
休憩を入れず、ピアノがセッティングされるとすぐに、ピアニストのケヴィン・ケナーと共にステージに上がり、2曲目のブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」が始まる。ピアニストの脇には譜面をめくる女性が椅子に座っている。でも、譜面台に置かれているのは紙の楽譜ではなく、iPad様のモニターだ。そういえば、この前NHKの音楽番組「らららクラシック」を見ていたら、ピアニストが譜面台に置いているiPadを自分で画面をタッチしてめくりながら演奏していた。そういえばバンド仲間のギタリストもiPadを使ってギターを弾いていたな。
ピアニスト脇の女性は、席を立ってモニターをタッチするそぶりが 全く
ない。客席からは見えないが、リモコン を
操作して楽譜をめくっているのだろうか・・・。
それにしても、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ「雨の歌」ってこんな曲だっけ?冒頭にはもっと甘美なメロディーがあったんじゃなかったっけ?
そんなこんなであまり曲に集中出来ぬまま終了。20分の休憩に入る。
そこでこんな場内アナウンスが。
「本日、急遽演奏者の都合で曲目が変更になりました。ただ今演奏したのは、予定していたブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番ではなく、第2番でした。ご了承ください。」
う~む、やっぱり違う曲だった。
これまでクラシック・コンサートを数十回は聴いてきたが、曲目が変更になったのは初めてだった。しかも演奏後に知らされると言う珍しいおまけ付きで。
曲目変更の理由は何だったのか?知る由もないが、気心の知れたソロイスト2人だからこそ変更可能だったとも言える。そうでなければ音合わせやリハを無にすることなんてできないよね。
気をとり直して休憩後のメインディッシュに集中する。曲はブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番。
作曲当時ブラームスは、友人の病気や死に遭遇。そんな人生への諦念や寂寥をつのらせる体験が、そのまま曲ににじみ出ている。こうした
寂しさと厳しさが同居する曲をチョン・キョンファが見事に弾いて見せた。 70歳を越えたベテランだからこそ表現できた演奏だと思った。
アンコールは、シューベルトのソナチネ第1番・第2楽章。ブラームスの重量感から我々を解き放つような、穏やかで明るい曲を選んでソロ演奏会を結んだ。
曲目変更やiPad譜面にやや心が平常を失ったが、
いい演奏会だったと思う。
ソロ演奏会なので、もう少し小ぶりなホールでもう少し間近なで聴きたかったが・・・・。
最後に一句。 「 台風で マラソンと飲み 流れたり 」
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