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2010.12.04
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 水五訓

一、自ら活動して他を動かしむるは「水」なり。
一、常に己れの進路を求めてやまざるは「水」なり。
一、障害にあいて、激しくその勢力を百倍しうるは「水」なり。
一、自らを潔うして他の汚濁を洗い、清濁併せ入るる量あるは「水」なり。
一、洋々として大洋を充し発しては蒸気となり、雲となり雨となり雪と変じ霞と化し、
  凝っては玲瓏たる鏡となり、而も基性を失はざるは「水」なり。




作者不詳



どこで読んだのか記憶にないが、結構有名な言葉。
手元にある本では 谷沢永一『名言の智恵、人生の智恵』 に掲載されているが、
この本では作者を王陽明伝としている。
記憶では黒田如水だったはずなので、この本で知ったのではなさそうだ。


ググってみるとかなりの数がヒットする。

中條高徳氏(アサヒビール名誉顧問)が『致知』(2006年9月号連載「巻頭の言葉」)に寄稿
したものを引用したブログが多い。メルマガもあるので引用し易かったのか?!
『人間力・仕事力が確実にアップする致知出版社メルマガ』




「水は方円の器に随う」という。自分を主張せず、すべてに柔軟に順応しながら、自分の本質を
失わない老子の水哲学を、先人が見事にまとめ上げられているのでご紹介しよう。


氏は老子を引き合いに出し、その哲学をまとめたものとして紹介している。



それでは超意訳。


一、水は自ら流れを作り流れていく。またその流れは他のものを押し流す力がある。


動かすという言葉を原動力としても意味が通じる。

  水は自ら流れている。それだけではなく、草木・鳥獣、人間さえも水がなければ動けない。
  水はその生命の原動力となっている。
(自ら主体的に動け!そして他の者へ恩恵を施し役に立つ人間となるべきだ!
 あるいは、他の者が動く原動力となれ!)



(人間も自分の進路(目指すもの、志)を常に心に留めておかなければならない)

一、水が障害にあった場合、水量が溜まることで勢いが増し、力を百倍にもすることができる。
(障害に遭遇した場合、諦めるのではなく、水のように力を倍化させていくことが必要)

一、水は自らは清い存在であるのに、すべての物の汚れを洗い流し、また清流だろうと濁流だろうと
  併せて呑みこんでいく度量がある。
(自らは清く生き、他の者を教え導く人間になれ。
 その一方で清濁(善悪・好悪)併せ入れる度量を持て!包容力が大事)

一、水は自然の中で様々に変化し美しい姿になる。
  しかし、どのような形になっても「水」本来の性質は変わらない。
(「水は方円の器に随う」と同義。環境に合わせ柔軟に姿かたちを変えることも必要。
 だが、付和雷同し自分をなくす事がないように、自分本来の芯をきっちりと持つべきだ)


ホントに超のつく意訳。私自身がこう読み取ったと言うだけなので、あしからず。


水を例にしながら人として理想とする姿を指し示し、分かり易く説いてくれている。
中條氏が紹介したくなるの気持ちがよく分かる。結婚式のスピーチでも使われているそうだ。


黒田如水の作というのが大方の意見のようだ。如水という号からもさもありなんと思わせる。
(私もすんなりそう思い込んでいたからね・・・・汗)
また前出の本のように王陽明という説も結構根強い。
(この本を底本としたというHPで伝習録と決め付けているものもある。
 底本では“伝”つまり“云われている”と言ってるだけなのに・・・・しかも論語の先生。汗)



ところが・・・



中国文学者でコラムニスト・高島俊男氏によると、そんなわけはない、俗流人生訓というしかないものだと一刀両断。

仮名遣いや言葉から
『これは黒田官兵衛どころではない。江戸のものでも明治のものでもない。
 昭和、それも戦後のものである。』
とにべもない。


『これは現代人が作って、文末に「なり」をくっつけるという幼稚単純な手口で
 文語文に見せかけたものである。』 

幼稚な手口?・・・・・


『なかで、「えっ、ここまで」と思ったのは「水五訓 黒田如水」と題した色紙を売っていることだ。
 その説明に「晩年、如水と号した黒田如水(官兵衛)の人生訓と言われています」とある。
「言われています」が、色紙では、何の疑念もなく
 「水五訓 黒田如水」と決定されているのである。』

((o(>▽<)o)) がははっ♪ ありそうなことだ。爆



『社会的にはわりあい地位が高い人たちで、そのなかの、むかしの文章を見たことのない、
 知的レベルの高くない人たちに信奉者が多いらしい』

なんだとぉ~!確かに私はレベル低いかも知れないが・・・・笑
こんな言い方せんでもいいっしょ!


痛快でおもしろい!
詳しくは下記で楽しんでくださいませ!

『新・お言葉ですが…』高島俊男
「水五訓」の謎(1)
「水五訓」の謎(2)



俗流人生訓だろうと、いい言葉、役に立つならそれでよし!



解説のために名前を出してしまった中條氏には、申し訳なかったが、
氏は「先人が・・・」と言ってるだけで、いつの時代とも、黒田・王の名前を出したわけでもない
という事を強調しておく!



騙されたのは、私!笑



ただ、初めは作者不詳だったものが、名前からして黒田如水ではないのか・・・とか
老子の教えと関連していそうだ・・・という憶測が始まりであって、
最初から騙そうとした意図があった訳ではないような気がする。

幼稚な“手口”というのは違うんでないかな??



最後に前出の中條高徳氏が引き合いに出した老子。
その言葉を


上善は水の如し。
水は善く万物を利して争わず、衆人の憎む所に居る。
故に道に幾し。


老子


人としての最高のあり方、理想の姿は水の如くあることである。水は万物に恩恵を与え、万物と争わず、人の嫌がる低いところへながれていく。それゆえ人の目指すべき道に近いのである。


上善如水。水善利万物、而不争。処衆人之所悪。故幾於道。
居善地、心善淵、与善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。
夫唯不争、故無尤。













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Last updated  2010.12.04 12:33:23
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