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研修会に行ってきましたので復習代わりにメモ。1 相続分の譲渡 相続分を譲渡した相続人も、遺産確認の訴えの当事者適格を有するか。 遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟であり、相続人全員で、あるいは全員に対してしなければならないのが原則である。相続の放棄と異なり相続分譲渡をした場合には、相続人としての地位は残存しているので、当事者適格を有するのではないかが問題となる。 この点、相続持分を譲渡した者は、積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する割合的な持分を全て失うことになる。すると、遺産分割審判の手続等において遺産に属する財産につきその分割を求めることはできない。その者との間で遺産分割の前提問題である当該財産の遺産帰属性を確定すべき必要性はないのである。 したがって、共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は、遺産確認の訴えの当事者適格を有しないと解するのが相当である(最高裁第二小法廷平成26年2月14日判決)。2 配偶者相続分に関する法改正時点 相続分割合について民法はこれまで改正されている。 現在は、配偶者と子どもの場合2分の1対2分の1、配偶者と直系尊属の場合3分の2対3分の1,配偶者と兄弟姉妹の場合は4分の3対4分の1である。 しかし、昭和55年12月31日までは、配偶者と子どもの場合3分の1対3分の2、配偶者と直系尊属の場合2分の1対2分の1、配偶者と兄弟姉妹の場合は3分の2対3分の1である。 変更の基準点は昭和56年1月1日で、この日から現在の相続分が適用されている。 なお、昭和22年5月2日までの相続は、いわゆる家督相続などの旧民法が適用される。このほかにも昭和37年7月1日に大きな改正があった。 以上から、長いこと相続が放置されている事案では、きちんと年度を特定して調べながら相続分を計算していく必要がある。3 財産分与の相続権 近時の裁判例の傾向からすると、「離婚が成立した後に」、請求をしようとしていた当事者が死亡した場合、その相続人は他方当事者に対し財産分与を主張できる。また、請求をしようとしてる当事者は、他方当事者が死亡した場合も、死亡当事者の相続人に財産分与を主張できる。4 特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合の貨幣価値の評価時点 贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきである(最高裁昭和51年3月18日判決)。贈与時や遺産分割時ではない。5 寄与分の主張 寄与分を定める処分の審判申立をした際に、遺産分割審判事件が家庭裁判所に係属していないと、不適法却下される。寄与分単独では不可(民法904条の2第4項)。
2015/06/01
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